私の症状は花粉症?花粉症か風邪かのセルフチェック

アイコン 2016.3.31 花粉症

春の季節になって鼻がむずむず、目が痒い・・・って症状がきたらまず思い浮かぶのが花粉症です。

毎年花粉症で悩まされている方は、「また今年もきたか…」となりますが、これまで経験されていない方や症状が軽い方は、「本当に私は花粉症?」と疑問に感じる方もおおいでしょう。

とくに目の痒みがない方では、風邪と思い込んでしまう方も多いのです。鼻炎症状は風邪でもみられますし、花粉症でも頭痛や倦怠感がみられることもあります。

花粉症は日本人では3000万人いると言われており、国民病ともいえる病気です。花粉症の市販薬も販売されていて、気軽に治療ができるのも魅力です。しかし花粉症じゃないのに薬をだけ飲み続けても、あまり効果的ではありません。

このように、症状が風邪と被るのが花粉症です。ここでは花粉症と風邪の症状の違いをチェックしていきましょう。

 

1.花粉症の症状とは?

 「くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ」が花粉症の4大症状です。見過ごされがちですが、咳、喉の痒みや頭痛や倦怠感などの症状も認められます。

花粉症の症状として代表的なものは、目と鼻の症状です。目の症状は、「アレルギー性結膜炎」といいます。鼻の症状は、「アレルギー性鼻炎」といいます。花粉症は目や鼻の粘膜に付着することで追い出そうと防御反応が働くためこの二つが多く症状が出現します。

目の症状の特徴としては、白目の周辺の方が赤くなります。これは、花粉症がアレルギーの病気であるためです。目には血管が走っておらず、周辺部に血液があります。アレルギー反応による炎症は血液の中でおきるので、血流の多い目の周辺部で炎症がおきます。とても強い痒みを伴うのが特徴です。

鼻の症状としては、サラサラとした水っぽい鼻水が特徴的です。この水っぽい鼻水で花粉を外に流そうとします。鼻に症状がおこることが結果として、くしゃみや鼻づまりも起こします。

花粉症の症状というと目と鼻に気を取られがちですが、それ以外の症状もあります。

花粉が喉の粘膜に付着すると喉の症状が出現します。具体的には喉の痒みが多いです。しかし痒みは痛覚を通して感じる症状です。そのため人によっては喉の痛みと自覚することがあります。

花粉症の症状として認識されていないけれども、実は多いのが咳です。鼻水が外に流れればいいのですが、中に流れると喉を刺激します。それが咳となって症状が出現するのですが、これを後鼻漏に伴う咳と言います。

さらに先ほど説明したように、喉の粘膜に花粉が付着するとそれによって炎症が起きます。喉のかゆみから咳が誘発された場合、アトピー性咳そうといいます。

さらに花粉症をきっかけにしたアレルギー反応が鼻や目、喉など局所部位に留まらず、体内全体に作用すると、花粉症のせいで頭痛や倦怠感がおきることもあります。

また、元々アレルギー気質の人は症状が悪化することが多いです。特に花粉症は、アトピーや喘息と同じⅠ型アレルギーに属します。Ⅰ型アレルギーは、IgEが関与するアレルギーです。花粉症をきっかけに体内にIgEが沢山反応することをきっかけとして、アトピーや喘息が悪化することが度々あります。

 

2.花粉症はどのように診断するのか

鼻汁の好酸球・採血でのスギの抗原特異的IgEまたは皮膚試験・鼻粘膜抗原誘発検査の3つの検査のうち、2つが陽性ですと花粉症と診断されます。

「花粉症の症状が春先に出現したら、花粉症で決まり!」というわけにはいきません。どんな病気にも診断基準というのがあります。その診断基準を満たして初めて病気が確定診断できるのです。

花粉症の診断基準は「くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ」の4大症状のいずれかを認めることが前提条件です。その上で、検査を行います。

  1. 鼻水(鼻汁)中の好酸球
  2. 抗原特異的血清IgE抗体検査または皮膚試験
  3. 鼻粘膜抗原誘発検査

この3つの検査で2つ陽性ですと花粉症と診断されます。さらに確定診断がつかないときは鼻鏡検査、副鼻腔X線検査、眼底検査なども考慮するとガイドラインには記載されています。

具体的にどのような検査かみていきましょう。

①鼻水(鼻汁)中の好酸球

花粉症のアレルギー反応の中で登場するのが好酸球です。花粉症がIgEとくっつくと、好酸球が呼び出されて鼻水や目のかゆみを引き起こします。そのため、鼻水を調べて実際に好酸球がいるのか顕微鏡で確認します。風邪の場合は主に好中球が関係しますので、鼻水には好酸球は認めないことが多いです。

目に症状が強い人は、目ヤニをとったり、白目を軽くブラシでこすって好酸球がないか調べることもあります。

②抗原特異的血清IgE抗体検査または皮膚試験

抗原特異的血清IgE抗体検査は、どの物質でどれくらいIgEが作られているかを調べる検査です。花粉症の原因の大部分はスギですが、実はスギの花粉に限ったことではなく、他の花粉でも発症します。

日本では約60種類の花粉が原因になると考えられていて、スギの次に多いのがヒノキになります。さらに花粉以外の食べ物や動物などでもアレルギー反応は起こります。

そのため、実際にどの物質でアレルギーが起きているかを個々に特異的なIgEを調べる検査になります。なお、IgEの総量を調べることもでき、IgEの数値が高いとアレルギーの重症度の指標になります。

皮膚試験は皮膚の浅いところにスギエキスを注射する皮内テスト、あるいは皮膚に小さな傷をつけ、スギエキスをたらして反応を見るスクラッチテストがあります。スギのエキスに反応すれば赤く発赤しますのでそれをもって陽性とします。

③鼻粘膜抗原誘発検査

スギエキスを染み込ませた濾紙を鼻の中に置いて、アレルギー反応をみます。実際に花粉症が起きる状態を作って本当に起きるのか医学的に確認しようとする検査です。次のうち2つ以上の症状が見られたら陽性です。

④実際に花粉症の診断をするために、どの検査が重要なのか

このように、3つの検査によって花粉症は診断されます。しかし実際、この検査を花粉症の人は全員やったのでしょうか?3000万人の花粉症の人に聞いたらほとんどの人はやっていないと答えるでしょう。春の時期に目や鼻の症状が出たら花粉症としている人がほとんどです。

医師からするとこの中で最もやった方が良い検査は、抗原特異的血清IgE抗体検査です。採血でどの物質がアレルギーを起こしているかが分かるためです。スギが悪者だと思ってたらヒノキも陽性だった…なんてことはよくあります。

また通年性に鼻炎がある人はダニやハウスダストなどが陽性なことが予想されます。たまたま春の時期に症状が強くなって花粉症かと思って検査してみたら、スギのIgEは高くなかったということもあります。そのため抗原特異的血清IgE抗体検査は、花粉症の症状が出現したらなるべく行った方が良い検査です。

一方で他の検査は、侵襲性が大きく痛みや苦痛を伴います。特に皮膚試験や鼻粘膜抗原誘発検査は、実際にアレルギー反応を起こしてみる試験です。重症な花粉症の人に行うとアレルギー反応が強く出現して、アナフィラキシーと言って息が苦しくなる、血圧が下がる、意識を失うといった致命傷もわずかながらも起こり得る検査です。

積極的に行う検査というよりは、花粉症の治療薬をいろいろ試してみたけど効果がないなぁって時に考慮したほうが良い検査です。

 

3.花粉症をセルフチェックをしてみよう

8つの質問項目から花粉症かどうかをセルフチェックしてみましょう。

「花粉症の診断基準を満たさなければ、花粉症の薬は出しません!」

そんな医師がいたら、しっかりとした医師というよりは頭が固すぎる医師と言わざるをえません。実際は詳細な問診で、ある程度花粉症か風邪かを鑑別することができます。花粉症が濃厚だと思ったら、実際にお薬を処方します。

では医師はどのように鑑別しているのでしょうか。以下の8つの質問に答えてみてください。

このうち3つ以上当てはまった場合は、花粉症の可能性が高いです。1つも当てはまらなかったら花粉症の可能性は極めて低いと考えてよいと思います。

このセルフチェックで花粉症が疑われる人は、まず抗ヒスタミン薬など花粉症の治療を試して良いと思います。それぞれに項目について解説したいと思います。

 

①目にかゆみがある

風邪の場合は鼻や口からばい菌が入って、場合によっては喉の奥の咽頭、さらには気管支に入って症状を起こします。感染症は基本的に、ばい菌がいる部位で症状が起きます。鼻や口で感染が起きていて、それが目にうつることは可能性は非常に低いです。

もちろん、風邪に目の感染が合併すれば症状がでてくることがありますが、非常にまれでしょう。

 一方で花粉症では、空気中に浮いている大量のスギ花粉が目や鼻に反応して起きるアレルギー症状です。そのため、目のかゆみや充血が起きます。目のかゆみがある時点で風邪の可能性はほぼないと考えても良いです。

②鼻水がさらさらと水っぽい

花粉症は、サラサラとした水っぽい鼻水が特徴的です。黄色い鼻水は、細菌と免疫細胞が戦った時に残った残骸です。アレルギーではこのようなことはなく、水っぽい鼻をたくさんだすことで、花粉の侵入から守ろうとします。そのため黄色い鼻水だと風邪の可能性が高くなります。

③くしゃみが連続している

スギ花粉が大量に鼻に入ると、くしゃみで外に追い出そうとして7,8回連続でくしゃみがでることが多いです。一方で風邪の場合は、鼻水の刺激でくしゃみがでます。これは2,3回のくしゃみの事が多いです。なお、咳は花粉症、風邪両方で起こり得ます。咳だから花粉症じゃないと決めつけないようにしましょう。

④発熱をしていない

熱はばい菌を退治しようとする反応です。熱が出ることで、

このようにして風邪を自分で治そうと体が自ら起こしているのです。

一方で花粉症は、スギ花粉を退治しようとはせず追い出そうとします。そのため、熱が出ないことが一般的です。ただし熱に伴って頭痛やだるさが風邪だと起きますが、花粉症でも頭痛やだるさが認められることはあるので注意が必要です。

⑤喉にかゆみがある

かゆいというのは、実は花粉症に限らずアレルギーの特徴でもあります。風邪の場合は喉が痛いと表現することが多いです。ただし喉が痛いなら風邪だと決めつけないようにしましょう。

症状の感じ方は人それぞれなので、花粉症でも喉が痛いと表現する人は度々います。

⑥日によって良くなったり、悪くなったりする

風邪の場合は一般的に、薬を使わなければ症状がどんどん悪くなっていき、その後徐々に良くなるといった経過をたどることが多いです。

一方で花粉症は、スギの飛んでる量で症状が変わります。そのため良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多いです。ニュースで花粉が多く飛んでるといっている日や、他の花粉症の人が辛いといっているときに自分も辛かったら、花粉症の可能性がより高まります。また雨の日は、花粉が飛びづらいため症状が軽いことが多いです。

⑦外出すると症状が強くなり、症状が弱くなる

風邪はどこにいようが体内にばい菌がいるため、症状が変わることはありません。しかし花粉症は、花粉のないところに行けば落ち着くことが多いです。

ただし室内にもたいてい花粉はある程度は飛んでますので、症状がピタッと止まるということはないでしょう。特にコートやマフラーなどに付着してる場合は、外と変わらないこともあります。

⑧喘息やアトピーなどのアレルギーがある

花粉症も喘息やアトピーと同じⅠ型アレルギーに属します。これはIgEが起因しているアレルギーになります。

喘息はIgEが気管支に、アトピーは皮膚にそれぞれ発現して症状を起こしています。花粉症もIgEが関与している疾患なので喘息やアトピーの人は花粉症の事が多いです。

 

まとめ