ストレスチェックの義務化で求められること

アイコン 2014.12.20 ストレスチェック

メンタルヘルスの重要性が高まっている中で、ついに企業の従業員ストレスチェックが義務化されました。50人以上の従業員を抱える企業は、年に1回のストレスチェックを行わなくてはなりません。

では、実際にどのようなことを行えばよいのか?頭を悩まされている人事総務の方は多いかと思います。ここでは、厚生労働省の検討会からしめされていることを、わかりやすくお伝えしたいと思います。

 

1.厚生労働省によるストレスチェック制度の目的とは?

従業員のセルフケアの促しと職場環境の改善が目的です。

ストレスチェック制度の目的は大きく2つあります。

まず、「従業員のセルフケアの促し」についてです。セルフケアは予防と早期発見の2つの面から考えることができます。国としては、予防に重きをおいています。

予防という観点では、本人が自分自身のストレス状態を把握するきっかけになります。自分のストレスにはなかなか気づきにくいものです。年に1回、自分のストレスと向き合う機会をもつことで、意識を持って日々の生活に臨めるようになります。

早期発見という観点では、自分の心身の状態がどの程度なのかを知らせる事が重要です。メンタルは目に見えませんから、チェックシートでつけて数値などにすることで、「けっこうまずいんだ」などとわかります。その上で、会社としてのフォロー体制につなげることで、人知れず悪化していくことを未然に防ぐことができます。

 

次に「職場環境の改善」についてです。個々人のデータを集計して、部署レベルや会社レベルなどで集団のデータを出します。すると、職場環境としてどのような問題があるかが明確になるので、改善につなげてもらいといという目的があります。ですが、会社の体力によっても、とれるオプションの幅もあります。ですので、この部分は努力義務とされています。

 

2.最低限やらなければいけないこと

最低限やらなければいけないのは、セルフチェックのみ。

50人以上の従業員がいる会社ではストレスチェックは必ず行わなければなりません。ですが、必ずやらなければいけないことは以下の4点だけです。

  1. 1年に1回、ストレスチェックを実施
  2. 結果の5年間の保存
  3. 希望者の産業医面談
  4. 労働基準監督署に実施状況の報告

ストレスチェックの担当者は、人事権のない有資格者(医師・保健師・看護師・精神保健福祉士)となります。現実的には嘱託産業医に実施者となっていただくか、外部委託になるかと思います。

現時点では、セルフチェックだけは必ず行わなければなりません。もうひとつの目的である「職場環境の改善」は努力義務となっています。また、ストレスチェック後のフォローアップも「推奨」となっています。

 

3.厚生労働省が推奨しているストレスチェック

フォロー体制の充実と集団分析は推奨のレベルです。

厚生労働省が推奨していることの要点は2点です。

  1. フォロー体制を充実させる
  2. 集団分析をして、環境改善に生かす

フォロー体制をどこまで充実させる必要があるのかは明記されていません。ですが、労働基準監督署に実施状況の報告をする必要があります。この報告内容には、実施時期・対象人数・受検人数・面接指導の実施人数が含まれます。

ここでポイントなのは、高ストレス者の人数は記載しなくてもよいということです。労基署への見せ方としては、「ストレスチェックの実施がちゃんと行えているのか」というところが最も重要です。つまり、実施対象者のうちどれくらい受検できているのかです。受検人数が重要になります。

集団分析に関しては、実際に運用してみて普及するかをみて義務化を検討するということになっています。

 

現時点で推奨とされている点を以下に箇条書きで整理します。

 

4.やってはいけないこと

個人情報の管理を厳重にし、労働者への不利益にはつながってはいけません。

ストレスチェック制度の中で、守らなければいけない原則は2つです。

具体的には、以下の4つが挙げられています。

  1. 本人の同意なく情報を提供すること
  2. 同意があっても、必要なところだけに限定せずに情報を共有すること
  3. ストレスチェックに対する行動で、何らかの不利益な扱いをすること
  4. 面接結果を理由にした不当な措置、医師の意見と著しく異なる措置をすること

 

まず、個人情報の観点では2つのことが挙げられています。

1つ目は、本人の同意なく情報提供してはならないということです。当たり前のことかと思われますが、同意に関しては注意が必要です。「本人が自分の提供される情報を知ったうえで同意をとらなければいけない」とされています。つまり、ストレスチェックの前に一律で同意をとることはできず、本人が結果をうけとってから、改めて同意をとらなければいけないのです。

2つ目は、できるだけ情報を限定することです。就業上の措置に必要な人にだけ限定して情報提供してはならないとされています。不用意に同僚や上司に情報共有してはいけません。意外と情報の限定がおろそかになってトラブルになるケースがあるので、注意が必要です。

 

次に、労働者の不利益にならないようにするという観点では、2つのことが挙げられます。

1つ目は、ストレスチェックに対する取り組み方によって、労働者に不利益を与えてはならないということです。ストレスチェック自体は、労働者は受けるかどうか自由です。また、その結果を会社に伝えるかも自由です。産業医面談を受けたり、会社の用意した相談窓口を利用するのも自由です。

2つ目は、不当な措置をしてはいけないということです。面談結果をうけて、会社が不当な解雇・異動・職位変更などはできません。また、医師の意見と大きく異なる就労上の措置はできません。

 

まとめ

ストレスチェック制度の目的は、

にあります。

企業の最低限やらなければいけないこととして、

  1. 1年に1回、ストレスチェックを実施
  2. 結果の5年間の保存
  3. 希望者の産業医面談
  4. 労働基準監督署に実施状況の報告

の4つになります。

厚生労働省として推奨のレベルにしていることは、

の2つです。将来的には義務の範疇に入るかもしれません。

絶対に守らなければいけないこととしては、

の2つになります。