職場復帰の支援の流れ

アイコン 2015.2.13 復職支援

御社では、どのように復職支援をされているでしょうか?

休職されている方をスムーズな職場復帰につなげていくのは、とても難しいです。復職支援がうまくいかないと、再休職になってしまうことも少なくありません。

ここでは、職場復帰がどのようにしてすすんでいくのか、会社側の支援の在り方を考えていきたいと思います。

 

1.復職の判断ポイント

主治医は日常生活が問題ないかで判断します。職場は仕事ができるかを判断しなければいけません。

主治医から「復職可能」という診断書が提出されてきたら、すぐに復職が可能なのでしょうか?
実はそうではありません。

復職可能の判断ラインは、主治医の中でも大きな違いがあります。きっちりと仕事できるレベルまで回復してからOKをだされる先生もいます。一方で、患者さんの希望をそのまま尊重しているだけの医師もいます。よほどひどい医師でない限り、日常生活が普通に過ごせるレベルは超えてからOKを出しているかと思います。中には、「ダメ元でいってこい」と送り出すような方もいるので注意が必要です。

そこで、職場サイドでも「はたして仕事に耐えうる健康状態なのか?」を判断しなければいけません。これは、厚生労働省でも推奨されています。このため、復職判定面談を産業医が中心となって行っていきます。

 

2.復職を判断する準備

日常活動表と復職部署の設定をしましょう。

復職を判断するには2つのことを行っていく必要があります。日常活動表と復職部署の設定です。

日常活動表とは、簡単にいうと日記です。どのように日々をすごせているかの日記をつけていただきます。これを2週間ばかり行っていただくことで、

などがわかります。

これには2つの目的があります。1つ目は、本人が日記をつけることで、仕事を意識しながら生活リズムを整えるようになる点です。復職が意識されていく中で、復職に対する心構えができていきます。2つ目は、客観的な復職判断材料を得ることです。復職判定面談にあたって、客観的な心身の状態を評価する材料になります。

 

復職部署の設定は、会社側で方向性を決めておくことをおすすめします。もちろん復職部署は本人の意向も聞いてはいきます。ですが、会社側のオプションは用意しておいた方が良いです。復職部署が固まっていると、復職判定面談に参加いただくこともできます。より現場との情報共有をしながら、復職支援ができます。

復職部署は、どのようにするべきでしょうか?これはケースバイケースではあります。本人の不調要因が明らかに職場要因である場合は、配置転換を検討します。ですが原則は、元の職場での復帰になります。変化を少なく、復職の全体像をわかりやすくするためです。

 

3.復職判定面談

産業医を中心に、人事担当者、上司、本人などで、仕事ができる状態にあるかを判断しましょう。

準備ができましたら、復職が可能であるかの判断をするために、復職判定面談を行います。面談の仕方はそれぞれです。産業医と本人の1対1で行うこともあります。また、人事担当者や復職予定部署の上司を交えて行うこともあります。

まずは、心身の状態の確認を産業医が行います。その上で、健康状態は客観的に判断します。ここで大事なのは、感情的な話や本人の適正をもちこまないことです。これを交えて判定をしてしまうとトラブルのもとになります。復職の可否は客観的に行いましょう。

その上で現実的な話をしていきます。まずは不調の要因を共有します。それを踏まえて、どのような復職がスムーズかをみんなで考えていきます。参加者の中で疑問を残さないようにします。その中で、今後のサポートのあり方を考えます。復職プログラムを設定して、復職のステップを明確にします。

 

4.復職プログラムの設定

通勤訓練を行ったのちに、残業時間による量的コントロールが中心になります。

主治医からの復職可能の診断書には、「段階的な復職が可能であると判断する」と幅を持たせた表現になっていることが多いと思います。復職にあたっては、段階的なステップを踏んでいく必要があります。

空気の読めない医師は、「週3勤務から」とか「1日3時間労働から」などと、職場の実際を考えない診断書がだされてしまうこともあります。このような場合で会社として対応が困難な場合は、心身の状態が就労に耐えないと判断します。

復職プログラムは、まず通勤訓練からはじめます。私も患者さんを診ていて思うのですが、全く問題なく復職ができそうな方でも、いざ職場に行こうと思うと調子が悪くなってしまう方も多いです。ですから、通勤訓練をおこなった方がよいです。特に、不安が強い方は行った方が良いです。さらにいうならば、土日を挟んで5日ほど行った方が良いです。休み明けで崩れてしまう方も多いためです。

通勤訓練が問題なければ、量的コントロールを目安にして、段階的に負荷をあげていきます。一般的には、残業禁止の定時勤務からスタートとなります。定時にしっかりと仕事ができるようになって復職していただきたいためです。リハビリ出社が可能な会社では、午前勤務からスタートなどと柔軟にプログラムを組んでいただきます。

その後、残業の制限を緩めていきます。1日1~2時間、月15~30時間というように設定していきます。問題なく経過したら、復職プログラムを終了とします。

 

5.復職フォローアップ面談

量的コントロールでは見えない部分を、調整していきます。

復職プログラム期間中は、復職フォローアップ面談を行っていきます。これは、量的コントロールだけでは見えてこない、仕事の質的な部分や人間関係での部分をフォローしていくためです。

残業がゼロとなっていたとしても仕事が過密であったら、むしろ時間の自由度がなくてストレスになることすらあります。自分の担当業務以外に電話対応などの流動的な業務が多い場合、なかなか自分の仕事に集中できなくてストレスがたまることもあります。本人も周囲もどう接していいかわからなくて、人間関係がうまくいかないこともあります。

本人の要因が強い場合も、面談を行っていくメリットがあります。会社と本人の間にクッションとなることで、本人の適応を少しでもよくしていくことができます。また、どのような会社対応がよいかを提案できることもあります。再休職になってしまったら、次の復職の時に生かすことができます。

 

まとめ

復職の判断ポイントを、主治医は日常生活が問題ないかで判断します。職場は仕事ができるかを判断しなければいけません。

復職を判断する準備としては、日常活動表と復職部署の設定をしましょう。

準備が整えば、復職判定面談を行います。産業医を中心に、人事担当者、上司、本人などで、仕事ができる状態にあるかを判断しましょう。

復職が問題なければ、復職プログラムを設定します。通勤訓練を行ったのちに、残業時間による量的コントロールが中心になります。

プログラム中は、復職フォローアップ面談を行っていきます。量的コントロールでは見えない部分を、調整していきます。