雇い入れ時健康診断のポイントと流れ

アイコン 2015.4.19 健康診断・健康管理

就職する時には、健康診断が必要になると思います。雇い入れ時に健康診断をすることは、会社の義務とされています。

ここでは、雇い入れ時健康診断が実際にどのように行われているのか、その流れとポイントをお伝えしたいと思います。

 

1.雇い入れ時健康診断とは?

労働者の入職時に健康診断を実施する義務および受診する義務があります。

労働安全衛生法第66条および労働安全衛生規則第43条によって、常時雇用する労働者(週30時間以上、1年以上雇用予定)を雇い入れる時には、従業員に対して健康診断を実施することが定められています。仕事に入る前の健康状態をしっかりとチェックして、その後は1年に1~2回の定期健康診断で健康状態をチェックしていきます。

 

2.雇い入れ時健康診断の費用負担は?

診断書代も含めて1万円強が多いです。本来は会社負担なのでしょうが、自己負担となることが多いです。

健康診断自体の費用としては、定期健康診断とほとんど同じになるかと思います。ですから1万円前後であることがほとんどです。健康診断書の金額は医療機関によって異なりますが、1通3000円程度が多いです。合計すると1万円強といったところでしょうか。職種によっては、特別な検査項目が必要になることもあります。私は3万円弱ほど自己負担しました。

費用負担に関しては、行政通達(昭和47.9.1 基発第602号)で「法で事業者に健康診断の義務を課している以上、当然、事業者が負担すべきものであること」とされています。再検査となった場合は、就業規則等に基づいて、労使でどちらが費用負担するかを決めて運用してよいとなっています。

ですが、現実的には入職前に健康診断書の提出を求められることが多いです。その健康診断は労働者側の自己負担となることが多いかと思います。これは、会社側が労働者側に協力を求めているという形になります。労働者側としても、あまり疑問に思わずに大きく問題となっていないのが実情です。入職してからの会社との関係なども考えれば、自己負担で受診して提出するのが無難かと思います。

 

3.雇い入れ時健康診断の目的

健康面で何かがあった時に、仕事との因果関係をはっきりさせるために必要です。

なぜ、就労時に健康診断が必要なのでしょうか?疑問に思われている方も多いと思います。これは、会社だけでなく従業員にも重要なことです。

一番大きな目的は、仕事をしていく中で健康面に何かがあった時に、その原因が仕事と関係しているのかどうかをはっきりさせるためです。入職時に健康であったのかどうかを、しっかりと証拠として残しておく必要があるのです。ですから、いままで健康診断で問題なかったからといっても、ちゃんと受けておくことが必要です。

また、何らかの健康問題があった場合、会社としては安全配慮をしていく必要があります。健康を問題にして採用の可否を判断するわけではありません。会社側からすると、業務と関係がない個人の健康に関しても、会社は配慮していく義務があるのです。

このように、労働者が健康的に働けるようにするために、会社にとっても従業員にとっても必要な健康診断なのです。

 

4.健康診断は代用できるの?

3か月以内の健康診断の結果があれば、代用できることもあります。

転職が決まり企業側に健康診断書を提出するとなった際、すでに手元にある前職での健康診断の結果や診断書を企業側に提出しても問題ないか、という疑問があるかもしれません。これについては、労働安全衛生法の例外規定として、「診断から3か月以内の診断書であれば、その提出で代用できる」と規定されています。ですから、3か月以上前の診断書であれば再取得をする必要があります。

通常の健康診断でOKならばよいのですが、転職先の就労環境によっては以前の職場と検査項目が異なっている可能性もあります。このような場合は、不足している項目は検査する必要があります。

 

5.法律で定められている検査項目

定期健康診断の項目とほとんど同じです。転職先の環境によっては追加項目があります。

法律で義務付けられている検査項目は通常は以下のようなものです。

①既往歴、業務歴
②自覚症状、他覚症状の有無
③身長、体重、胸囲、視力、聴力
④胸部エックス線写真
⑤血圧
⑥尿検査
⑦貧血検査
⑧肝機能検査
⑨血中脂質検査
⑩血糖検査
⑪心電図

基本的には定期健康診断と同じ項目ですが、まれに40歳以下の方では省略されている場合があります。法的に必須とされているのは、①~⑥までになり、⑦~⑪は医師の判断により省略が可能とされています。

しかし、化学薬品を日常的に使用する等、就労先の環境によってはさらに必要な診断項目もあります。私が転職する際には、医師ということもあるので感染症の検査なども必要となりました。

 

5.結果を踏まえて会社がすること

5年間の結果保存と、健康問題があった場合の安全配慮義務があります。

雇い入れ時健康診断の結果を受けて、会社は何をすればよいでしょうか?結果に関しては、定期健康診断と同様に5年間の保存義務があります。しっかりと保存しましょう。

提出された健康診断の結果に問題があった場合、会社はどのようにすればよいのでしょうか?健康診断の結果を踏まえて、採用の可否を判断することは法令で禁止されています。会社側としては、労働者の健康問題を認識した時点から安全配慮義務が生じてしまいます。業務に関係がない個人的な問題だとしても、健康が悪化しないように配慮する義務が生じてしまうのです。雇い入れ時健康診断の結果は、産業医が確認することが多いです。

 

まとめ

労働者の入職時には、健康診断を実施する義務および受診する義務があります。

雇い入れ時健康診断の目的としては、健康面で何かがあった時に、仕事との因果関係をはっきりさせるために必要です。

3か月以内の健康診断の結果があれば代用できることもあります。

法定の検査項目は、定期健康診断の項目とほとんど同じです。転職先の環境によっては追加項目があります。

会社には、5年間の結果保存と、健康問題があった場合の安全配慮義務があります。