電離放射線健康診断のポイントと流れ

アイコン 2015.4.15 健康診断・健康管理

放射線業務に従事している方は、電離放射線健康診断を受けなければいけません。これは、特殊健康診断の一種で、会社がうけさせる義務を負っています。

ここでは、電離放射線健康診断について、その概要と流れをまとめていきたいと思います。

 

1.電離放射線健康診断とは?

放射線業務をしており管理区域に立ち入る労働者に対して行う半年に1度の特殊健康診断です。

電離放射線健康診断とは、特殊健康診断の一種です。放射線業務に従事し管理区域に立ち入る労働者に対して、事業者である会社側が実施する義務を負っています。

電離放射線健康診断は、電離放射線障害防止規則に定められています。そこには、「放射線業務に従事し管理区域に立ち入る労働者に対しては、雇い入れの際または当該業務への配置替えの際およびその後6か月以内ごとに1回、定期に、次の項目の健康診断を実施しなければならない」と明記されています。

また、「有害放射線にさらされる業務」の場合は、定期健康診断も6か月ごとに行わなければならないとされています。このため、放射線を扱う業務の方は、通常の健康診断+αの項目を半年ごとに行っていくことになります。

 

2.電離放射線健診対象となる業務

医療での検査業務・放射線を扱う実験・原子炉業務・核燃料の採掘・原発作業員など

電離放射線健康診断の受診対象となる放射線業務とは、以下の業務のことを指します。

具体的には、医療での検査業務、放射線を扱う実験、原子炉業務、核燃料の採掘、原発作業員などが放射線業務とされます。

 

3.電離放射線健康診断での検査項目

被ばく歴・白血球・赤血球・白内障・皮膚をみます。

電離放射線健康診断では、以下の5項目について検査をすることが義務付けられています。

電離放射線健康診断では、一般健康診断にはない検査項目がいくつかありますね。これらの検査も、医師が不要と判断すれば、被ばく歴の有無の問診以外は省略することもできます。ただ、業種や被曝線量によっては、省略するべきでないとされています。

法律では1年間に受けても問題ないとされる線量当量が決まっています。その限度量を超えている人は、全ての検査項目を受診する必要があります。しかし、5ミリシーベルト以下の線量当量であれば、被ばく歴の有無の問診以外の検査に関しては、医師が特別に必要と判断しなければ行う必要がありません。

 

4.電離放射線健康診断の実施タイミングについて

雇い入れ時・定期・配置転換時に行います。

事業主は、放射線業務に従事する労働者に対し、上述の検査項目について、特定のタイミングで健康診断を実施する必要があります。

 

5.電離放射線健康診断で異常がみつかったら?

産業医含めて就労上の配慮を検討し、職場環境に関しても検討を加えます。

電離放射線健康診断を受けた後、もし何か異常があったり、体に異変が起こっていたことがわかったらどうなるのでしょうか?まずは医療機関での再検査になります。その上で、医師に就業上の意見を診断書にしていただきます。

その意見を踏まえて、職場としての適切な措置を検討しなければなりません。例えば、就業場所を変更したり、作業を変えたり、労働時間を短縮するなどといった措置です。これらは現実的なマネージメントとの兼ね合いもありますので、落としどころを産業医含めて検討します。

また、職場環境自体にも改善点がないか検討します。作業環境の測定や施設・設備の整備を行ったり、衛生委員会などでも改善に向けた具体的なアクションを検討します。

 

6.電離放射線健康診断個人票と結果報告書

個人票の30年保存と、年度末の労基署への結果報告が必要です。

個人票は健康診断の結果記入および管理に用いてください。これは30年間保存しなければならないと規定されています。

結果報告書は、定期健康診断とあわせて労基署に提出するものです。注意点としては、有所見者数のすべての合計と、それぞれの検査項目の所見者の合計とは違う点です。例えば、赤血球と白血球の両方で所見がある方は、それぞれの検査項目で1ずつカウントされます。ですが、全体としての有所見者は1名となります。

 

まとめ

電離放射線健康診断とは、放射線業務をしており管理区域に立ち入る労働者に対して行う半年に1度の特殊健康診断です。

検査対象となる業務は、医療での検査業務・放射線を扱う実験・原子炉業務・核燃料の採掘・原発作業員などです。

被ばく歴・白血球・赤血球・白内障・皮膚をみます。

雇い入れ時・定期・配置転換時に行います。

異常がみつかったら、産業医含めて就労上の配慮を検討し、職場環境に関しても検討を加えます。

30年の個人票の保存と、年度末の労基署への報告が必要です。

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