プレドニン錠(プレドニゾロン)の効果と特徴

アイコン 2016.8.25 プレドニン
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プレドニン(一般名:プレドニゾロン)は、1955年に塩野義製薬が発売した内服薬のステロイド薬になります。

実はステロイドは、体の中で作られているホルモンです。一日の中でも分泌量は変化していて、朝に多く分泌されて夜に低下していくホルモンです。このステロイドの効果として、

を期待して、アレルギーやリウマチなどの自己免疫疾患、さらには癌領域や感染症領域にも広く使用されているお薬です。今やプレドニンを使用しない領域はないんじゃないかと思うくらい多く使われるお薬です。

一方でプレドニンは、様々な副作用があります。そのためプレドニンは「背に腹は代えられない」ような、本当に使わなければならない時にだけ使用します。

ここでは、プレドニン(プレドニゾロン)の効果と特徴についてみていきましょう。

 

1.プレドニンのメリット・デメリットは?

<メリット>

<デメリット>

プレドニンは、わが国では最も広く使用されているステロイド内服薬です。広く使われているということは、それだけ各々の疾患に対してのプレドニンの有用性を示したデータも多いということになります。

種々のガイドラインでも、データをもとに○○の疾患に対してはプレドニンを○○mg使用するようにと、ステロイドではなくプレドニンを基準とされていることもあります。プレドニンはPSLと略しますが、もしガイドラインなどみてみてPSLを○○mgと書かれていたら、それはプレドニンのことを意味しています。

処方する医師側としても、普段から使い慣れているというのは非常にメリットが大きいです。特にプレドニン含めてステロイドは、全身に様々な副作用が出現します。一般的にこの副作用は、プレドニンを投与する量に依存するといわれています。

そのため、プレドニン30mg程度だとどのような副作用が出現するか、10mgだとどれくらい安全か、数mgだとほぼ安心など、処方する感覚が身についているお薬です。

プレドニンがなぜ最も処方されているかというと、効果も作用時間もステロイド内服薬の中で中間的な点が一つあげられます。プレドニンは、生物学的半減期が12~36時間といわれています。大体半日程度で効果が無くなってくるというイメージです。そのため投与量が多い場合は、1日2回に分けてみたりと小回りが利きます。

一般的に1日1回で済むのならその方が良いのですが、プレドニンは全身に副作用が出現するお薬のため、ワーッと炎症などが燃え上がってる間は投与量を増やし、症状が改善したら速やかに減らしていきたいお薬です。

そのため1日1回内服の長期間作用型のステロイドよりも、小回りが利くプレドニンの方が重宝されます。特に症状の変動が激しい病態の場合は、プレドニンが第一選択肢として使用されます。

 

2.プレドニンの剤形・薬価は?

プレドニンは錠剤のみあります。古いお薬でジェネリック医薬品も登場しています。

プレドニンは、

の剤形のみ先発品として発売されています。プレドニンは錠剤のみで、ドライシロップや粒状はありません。そのため錠剤がのめない方は、薬局などでプレドニン自体を粉砕してもらい内服することになります。

一方でプレドニンは古いお薬のため、ジェネリック医薬品として、

など多くの会社が発売しております。特にプレドニゾロンは、病態によっては1mgや0.5mg単位で増減が必要になる場合があります。そのため先発品の5mgのみでなく、

と少ない量の錠剤も登場しています。一方で、最大量は5mgです。そのため60mgなど投与量が多い場合は、1日にプレドニゾロン5mgを12錠も内服しなければなりません。

それでは薬価をみていきましょう。先発品であるプレドニンは、以下のようになります。

  剤形 薬価 3割薬価
プレドニン錠 5mg 9.6円 2.8円

※2016年8月17日の薬価です。

一方の後発品のプレドニゾロンは、

  剤形 薬価 3割薬価
プレドニゾロン錠 5mg 9.6円 2.8円
プレドニゾロン錠 2.5mg 9.6円 2.8円
プレドニゾロン錠 1mg 8.1円 2.4円

※2016年8月17日の薬価です。

このように、先発品も後発品も薬価は全く一緒です。先発品自体がかなり安いため、ジェネリック医薬品も薬価が変わらない結果となりました。そのため後発品のメリットは、5mgよりも投与量が少なくなって細かく投与する時にあります。

 

3.プレドニンの適応疾患は?

プレドニンは、ステロイドの内服薬として非常に多岐にわたる疾患に対して適応があります。

プレドニンの治療する疾患としては、ステロイドの以下の2つの作用を期待できるものです。

ステロイドが効力を示す病態は無数にあります。添付文章が作成された後も、様々な研究でステロイドの効果が認めらたとして、現在も適応疾患がどんどん増えています。大まかにあげると、

  1. 内分泌疾患:慢性副腎皮質機能不全・甲状腺疾患など
  2. リウマチ疾患(膠原病疾患):関節リウマチ・エリテマトーデス(SLE)・多発性筋炎(皮膚筋炎)・強皮症など
  3. 川崎病
  4. 腎疾患:ネフローゼ及びネフローゼ症候群
  5. 心疾患:うっ血性心不全
  6. アレルギー性疾患:気管支喘息・化学物質によるアレルギー・中毒(薬疹・中毒疹を含む)
  7. 感染症:抗菌薬と併用
  8. 血液疾患:溶血性貧血・白血病・再生不良性貧血,
  9. 消化器疾患:限局性腸炎・潰瘍性大腸炎・劇症肝炎、
  10. 癌疾患:全身状態の改善
  11. 肺疾患:サルコイドーシス・間質性肺炎
  12. 神経疾患:脳脊髄炎・末梢神経炎・筋強直症・重症筋無力症・多発性硬化症
  13. 整形外科疾患:強直性脊椎炎
  14. 産婦人科疾患:卵管整形術後の癒着防止
  15. 皮膚科疾患:軟膏が効かない重症皮疹
  16. 眼科疾患:点眼が不適当又は不十分な場合・眼の炎症疾患
  17. 耳鼻咽喉科疾患:中耳炎・メニエル病・アレルギー性鼻炎・喉頭炎・喉頭浮腫

これはよく使用される疾患を抜粋したものです。ここに記載されていない疾患でも、プレドニンは投与されます。プレドニンはこのように、非常に多くの疾患で使われるお薬です。

 

4.プレドニンと他のステロイドの比較は?

プレドニンは、中間作用型のプレドニンです。力価もステロイド内服の中ではちょうど中間に位置します

ステロイド内服薬は多くのお薬が登場しています。それらのお薬の中でプレドニンはどういった位置のお薬になるか見てみましょう。

ステロイドの内用薬の比較について

まずステロイドは、

の3種類に分けられます。生物学的半減期の期間が、お薬の効き目が無くなってくる時間だと思ってください。時間に幅があるのは、

などによって非常に個人差が大きいお薬だからです。

この中でプレドニンは、中間作用型のお薬にあたります。つまり半日から1日程度効果が持続するお薬になります。そのため一般的には、プレドニンの内服は少量だと1日1回、大量に投与する場合は2回に分けることが多いです。

次にステロイド自体の強さですが、ステロイドはさらに2種類のホルモンに分けられます。

ステロイドの治療を期待するのは、大部分が糖質コルチコイドの抗炎症、免疫抑制作用です。一方の硬質コルチコイドは、水・電解質代謝作用によってNa(塩分)が体内貯留する作用を引き起こします。Naが体内に貯留することで、高血圧やむくみなどの副作用を起こします。

つまり抗炎症・免疫抑制作用を期待してステロイドを投与する場合は糖質コルチコイドの力が強くて、硬質コルチコイドの力が弱い方が良いことになります。

このステロイドの強さを表すのに、力価という言葉を使用します。一般的にはヒドロコルチゾンの糖質コルチコイド、硬質コルチコイドの力価を1として基準とすることが多いです。

この場合、プレドニンの糖質コルチコイドの力価は4、硬質コルチコイドの力価は0.6となります。力価で計算して投与量を調整するため、この力価の大きさで病気に効きやすさが変わるわけではありません。力価が強いということは、少量でガツンと効くという意味です。

一方で短時間作用型のヒドロコルチゾンは、糖質コルチコイドの力価を4にする量を内服すると、硬質コルチコイドの力価も4になります。

つまりプレドニンと同じ効果をヒドロコルチゾンに求めると、硬質コルチコイドの量が0.6対4になるのです。このため短時間作用型のステロイドは、むくみや高血圧の副作用が非常に多くなります。

このように、

の2つの特徴から幅広く使用されています。

 

5.プレドニンが向いてる人は?

<向いてる人>

プレドニンは中間作用型の中等度の効果があるステロイド内服薬です。そのため、

の場合は、まずプレドニンから処方する場合がほとんどです。一方でアジソン病(ステロイドホルモンが作られなくなる病気)など特殊な病態を除けば、ほとんどがこの抗炎症作用・免疫抑制作用を期待して投与する病気です。

そのため、ステロイドの内服薬=プレドニンといっても過言ではないくらい多くの方に処方されています。

特に病気が軽快したら徐々に投与量を減らしていく、逆に病気が悪化したら即座に増やすなど調整量が細かく変わる場合は、長期作用型のステロイド薬だと細かい調整ができません。そういった病態の場合は、特にプレドニンを第一選択肢として使用することが多いです。

 

6.ステロイドとはどんな物質で、どのような作用があるか?

ステロイドは、体の副腎皮質ホルモンとして作られている物質です。

ステロイドホルモンは、実は体の中で作られているホルモンです。副腎でコルチゾール(ヒドロコルチゾン)に換算して、1日当たり5~30mgのステロイドが分泌されています。一日の中でも分泌量は変化していて、朝に多く分泌されて夜に低下していくホルモンです。

ステロイドホルモンは一言でいうと「ストレスなどの負荷に対して、体が負けずに元気になれ!」と命令するホルモンです。ですから抗ストレスホルモンともいわれます。そのため一部の臓器に作用せず様々な臓器に作用します。

どのように元気にするかというと、攻撃のスイッチを入れる代わりに防御のスイッチを切る作用のあるホルモンなのです。朝にステロイドホルモン量が多いのは、活動性が上がるために攻撃のスイッチを入れる必要があるからです。つまりステロイドは良い面ばかりではなく悪い面もたくさんあります。

ステロイドは副腎から作られたホルモンの総称です。実はステロイドは、

など実に多彩なホルモンが含まれています。ステロイド薬は、糖質コルチコイドと硬質コルチコイドの2種類の作用が主に含まれています。

糖質コルチコイド(コルチゾール・コルチゾン)の作用としては、

  作用機序 副作用
抗炎症
作用
炎症性の物質抑制(サイトカイン抑制)
炎症の経路抑制(アラキドン酸カスケード抑制)
 
免疫抑制作用 好中球、マクロファージなど体を守る免疫細胞の抑制
抗体産生の抑制(免疫反応の抑制)
感染しやすくなる
骨代謝
作用
腸管のカルシウム吸収抑制骨の細胞の分化抑制、破壊促進 骨粗しょう症
タンパク質異化作用 筋肉のたんぱく質を分解 筋力低下
糖代謝
作用
血糖値を上げる 糖尿病
脂肪代謝作用 体脂肪増加
コレステロール上昇
脂質異常症
満月様顔貌

など多岐にわたります。この中で、抗炎症作用・免疫抑制作用が主にステロイドに期待される作用です。

一方でもう一つの硬質コルチコイド(アルドステロン・デオキシコルチコステロン)は、

  作用機序 副作用
水・電解質
作用
Na(塩分)の再吸収、貯留水の再吸収、貯留 高血圧
むくみ

硬質コルチコイド自体が少なくなる病気(アジソン病など)以外は、ほとんどこの硬質コルチコイドの作用を期待して投与させることはありません。水や塩分が足りない病態ならば、基本的には点滴などで直接補ってしまいます。

むしろアンジオテンシン阻害薬などの高血圧の治療薬は、この硬質コルチコイドの作用が働かないようにすることで降圧作用をもたらします。

このようにステロイドは、抗炎症作用・免疫抑制作用以外にも様々な作用があるお薬です。

 

まとめ

<メリット>

<デメリット>

<向いてる人>