アモバンテス錠の効果と副作用

アイコン 2015.8.12 アモバン

アモバンテスは、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬のアモバンのジェネリック医薬品です。アモバンは1989年から発売されていますので、すでにジェネリック医薬品も多数発売されています。

ジェネリック医薬品も、昔はいろいろな製薬会社がそれぞれの商品名をつけて販売していました。アモバンテスもそのひとつです。いろいろな商品があると紛らわしくなってしまったり、管理が大変になってしまいますね。最近では、一般名(成分名)の「ゾピクロン」をジェネリックとして処方することに統一されつつあります。

アモバンテスはバランスの良い睡眠薬ですし、合う方にはとてもよい睡眠薬です。ここでは、アモバンテスの効果と副作用について、詳しく見ていきたいと思います。

 

1.アモバンテスの特徴

アモバンテスでは、脳の活動を抑えることで睡眠をもたらします。まずはじめに、アモバンテスの特徴をメリットとデメリットに分けてみていきましょう。それを踏まえて詳しく読み進めていただければ、より理解が深まるかと思います。

 

1-1.アモバンテスのメリット

アモバンテスには即効性があります。飲み続けているとジワジワ効いてくるようなお薬ではなく、薬を飲みはじめたその日から効果が期待できます。眠れないのはつらいので、早く抜け出したいですよね。また、睡眠薬の半減期をみれば作用時間を予測することができます。アモバンテスの作用はアモバンとほとんど類似していて、入眠障害に有効な睡眠薬です。中途覚醒にも多少の効果は期待できます。

アモバンテスは、睡眠だけに作用するように作られた非ベンゾジアゼピン系睡眠薬です。このため、筋弛緩作用や抗不安作用がわずかなので、ふらつきなどの副作用が少ないです。転倒などが怖い高齢者の方にも使いやすいお薬です。また、作用時間はそこまで長くないので、翌朝の眠気なども少ないです。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬と異なるメリットとしては、他にも2点あります。1つ目は、睡眠が深くなる作用があることです。深い睡眠を増やす作用があるので、睡眠の質もよくなります。2つ目としては、依存性が少ないことです。アモバンテスでは、依存が形成されにくいことが報告されています。

 

1-2.アモバンテスのデメリット

アモバンテスなどの非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、睡眠効果の面ではベンゾジアゼピン系睡眠薬よりマイルドになってしまいます。これはベンゾジアゼピン受容体(ω1)への作用が緩やかであるためです。このため、頑固な不眠があるような方には効果がみられないことがあります。

アモバンテスは超短時間型の睡眠薬ですので、寝つきを改善する効果が期待できる睡眠薬です。その中では作用時間が長いですが、中途覚醒や早朝覚醒がみられる方には効果が大きいとは言えません。そのかわり、翌朝に睡眠薬の効果が持ち越してしまうことは少ないです。

副作用としては、苦味の副作用があります。特に身体に害はないのですが、翌朝にも続く苦味があることが多いです。また、急激に作用してしまう睡眠薬ですので、中途半端な覚醒状態になって健忘の副作用がみられることがあるので注意が必要です。

 

2.アモバンテスの作用時間と効き方

アモバンテスは半減期が3.9時間の超短時間型睡眠薬です。寝つきを良くする効果が中心で、中途覚醒にも効果が期待できます。

アモバンテスを服用すると1.1時間ほどで血中濃度がピークになり、そこから3.9時間かけて半分の量まで身体からぬけていきます。先発品のアモバンとほとんど同じような作用です。

ですから、寝る前にアモバンテスを服用すると、15~20分くらいですぐに効果がでてきて寝つきをスムーズにしてくれます。ですが寝ている間に薬の効果が少しずつ薄れていって、朝方には効果がなくなっていることがほとんどです。

この3.9時間というのを「半減期」といいます。薬の濃度が半分になるまでにかかる時間のことで、作用時間を考える目安になります。アモバンテスは半減期が短い「超短時間型」に分類されます。この作用時間による特徴の違いをみてみましょう。

睡眠薬のタイプ(作用時間)と特徴をまとめました。

睡眠障害にもいろいろなタイプがあります。寝つきが悪い「入眠障害」、途中で目が覚めてしまう「中途覚醒」、明け方に目が覚めてしまう「早朝覚醒」。睡眠障害のタイプに合わせて、睡眠薬の作用時間を変えていく必要があります。アモバンテスは、基本的には入眠障害に使うお薬です。すぐに効果がでてきますので、ベッドに入る直前にお薬を飲むようにしてください。

 

3.睡眠薬での作用時間の比較

半減期をもとに、睡眠薬の作用時間を予想することができます。アモバンテス(アモバン)は半減期が短いですが、非ベンゾジアゼピン系の中では長くなります。

代表的ンな睡眠薬の作用時間(半減期)を比較しました。

睡眠薬の作用時間の違いを比較してみましょう。

薬の効果を見る時は、最高血中濃度到達時間(ピーク時間)と半減期をみていきます。

最高血中濃度到達時間が短いほど、効きが早いということですね。ほとんどの睡眠薬が1~3時間になっているかと思います。中間型や長時間作用型では長いものがありますね。これらのお薬では即効性はあまり期待できません。

半減期をみると作用時間が予想できます。アモバンテスをはじめとした超短時間型や短時間型では、即効性を期待して使われます。入眠障害だけで困っているならば超短時間型、中途覚醒で困っているならば半減期の長い短時間型がよいでしょう。

中間型や長時間型は、身体に薬が少しずつたまっていくことで寝付きやすい土台を作るようなお薬です。中間型は4~5日かけて、長時間型は1週間以上かけて効果が安定します。

 

4.アモバンテスの副作用

アモバンテスは安全性の高い睡眠薬ですが、それでも注意すべき副作用はあります。睡眠薬で注意すべき副作用を順番にみていきましょう。

 

4-1.眠気の翌朝への持ち越し

アモバンテスでは少ないです。睡眠時間を確保しても変わらない場合、減量したり、作用時間の短いマイスリーに変更します。

睡眠薬は夜だけに効いてくれれば理想ですね。ですが睡眠薬が効きすぎてしまうと、翌朝まで眠気が続いてしまうことがあります。これを「持ち越し効果(hung over)」といったりします。眠気だけでなく、だるさや集中力の低下、ふらつきなどがみられます。

「眠気が強くて朝起きれない」
「午前中がぼーっとしてしまう」
となってしまうと生活に支障がきてしまいますね。事故などにつながることもあるので注意が必要です。

 

アモバンテスは、超短時間型の睡眠薬に分類されます。半減期は3.9時間と睡眠薬の中では短いので、普通に服用していると翌朝に眠気を持ち越すことはありません。いきなり最高量の10mgを使った時には、効きすぎてしまって朝まで残ることがあります。また、体質的にアモバンテスの代謝が悪い方ですと、薬が効きすぎてしまうこともあります。

 

このような時は、はじめに睡眠時間がちゃんと確保できるかを確認します。睡眠時間が短かったら、薬の効果が朝に残ってしまうのも当たり前ですものね。その場合は、睡眠時間を確保するようにしていただきます。

それでも眠気が翌日に持ち越してしまうようですと、より短い作用時間の睡眠薬に変えるか、アモバンテスを減量していくかになります。睡眠薬を切り替えるとすると、同じ非ベンゾジアゼピン系睡眠薬のマイスリーに切り替えてみます。

 

4-2.健忘

アモバンテスを飲んだらすぐに布団に入って寝るようにしましょう。それでも改善がなければ、減量したり、効果の持続が長い薬に切り替えます。

睡眠薬を服用した後に、記憶することができなくなってしまうことがあります。朝起きると自分でも全く覚えていないのにお菓子の袋が散らかっていたり、友達に電話してしまっていたりします。アメリカの議員がマイスリーを服用した後に、記憶がないままに車の事故をおこしてしまったことを機に注目されるようになりました。

記憶することができないだけですので、不思議かもしれませんが周囲からみると普通に行動しています。当の本人は全く覚えていないので不気味ですし、生活にも支障をきたしますね。

 

睡眠薬を飲んでから物忘れが起こってしまうので、「前向性健忘」といいます。このような状態になるのは、睡眠薬が中途半端な覚醒状態にしてしまうためです。その結果、海馬を中心とした記憶に関わる部分の機能だけが落ちてしまうのです。

前向性健忘は、睡眠薬が急激に作用する時に起こりやすいです。

このような時には、前向性健忘がおこりやすくなってしまいます。アモバンテスは超短時間型の睡眠薬ですので注意が必要です。もし前向性健忘がみられたときは、まずは睡眠薬を飲んだらすぐに布団に入るようにしましょう。それでも改善がないときは、

これらの対策をとっていきましょう。アモバンテスよりも効果の長い、短時間型のレンドルミンやエバミールなどに切り替えを検討していきます。

 

4-3.睡眠薬依存

アモバンテスは依存を形成しにくいですが、長期で服用していると少しずつ依存が形成されていきます。

睡眠薬では、依存してしまって止められなくなってしまうことがあります。ですから、ちゃんと出口を見据えて薬を使っていくことが大切です。

依存には大きく3つのポイントがあります。身体依存と精神依存と耐性の3つです。

身体依存とは、薬が急になくなってしまうことで身体がビックリしてしまう状態です。身体が薬のある状態に慣れてしまうことで、急になくなるとバランスが崩れてしまいます。身体の依存です。睡眠薬を急にやめてしまうと、むしろひどい不眠(反跳性不眠)や体調不良(離脱症状)におそわれることがあります。

精神依存とは、精神的に頼ってしまうということですが、これは効果の実感の強さが重要です。効果が早く実感され、効果がきれる実感が大きいものほど精神的に頼ってしまいます。心の依存です。不眠は非常につらいですから、睡眠薬には頼ってしまうようになります。

耐性とは、薬が体に慣れてしまい効果が薄れていくことです。はじめは1錠で効いていたのに少しずつ眠れなくなってしまう時は、耐性が形成されています。

 

睡眠薬の依存を心配されている方は多いですが、アルコールに比べたらマシです。過度に心配することはありません。医師の指示通りの量を守って服用していれば、ほとんど問題ありません。睡眠薬依存が本当に問題になるのは、睡眠薬の量がどんどん増えて大量になってしまう方です。耐性ができて薬が効かなくなっていき、その結果どんどん薬の量が増えているのです。このような方は注意が必要ですが、ちゃんとある程度の量でコントロールできているならば大丈夫です。

 

アモバンテスでは比較的依存性は低いと考えられています。ですが、長期に服用していると依存は形成されていってしまいますので、漫然とした長期的に使用は避けなければいけません。

なお、睡眠薬とアルコールの併用は絶対にやめてください。眠れないから寝酒をしている方も多いかも知れませんが、これは睡眠には悪影響です。それに加えて睡眠薬と併用すると、依存になりやすくなってしまいます。絶対にやめましょう。

 

4-4.苦味

アモバンテスは苦いと感じることがあります。耐えられない場合は、減量するか、他の睡眠薬に切り替えます。

アモバンテスを飲むと苦いと感じる方がいらっしゃいます。飲んだ時に苦いだけならば「良薬は口に苦し」ですみますが、この苦味は翌日も続いてしまうこともあります。アモバンテスの薬の成分や代謝物が唾液から分泌されることで、独特の苦味が出てくると考えられています。体質にもよりますので個人差がありますが、苦味が一日続いてしまう方もいるのです。

この苦味はアモバンテス(アモバン)で特によくみられますが、その改良した睡眠薬であるルネスタでも見られます。それでも、アモバンテスに比べると苦味は軽減されています。

この苦味は特に身体に悪いものではありません。ですから、ガマンできるならば問題はないのです。できるならばアモバンテスを減量すると、苦味は軽減されます。あまりにも耐えられない時は、他の睡眠薬に切り替えます。まずはアモバンを改良した睡眠薬であるルネスタに切り替えてみましょう。

それでも上手くいかない時は、同じ非ベンゾジアゼピン系睡眠薬ではマイスリーしかありません。マイスリーの効果が期待できない場合は、ベンゾジアゼピン系睡眠薬やベルソムラ(中途覚醒の時)への切り替えを検討します。

詳しく知りたい方は、「アモバンが苦いのはなぜ?苦味の対策とは?」をお読みください。

 

5.アモバンテスが向いている人とは?

アモバンテスを寝る前に服用すると、10~15分くらいですぐに効果がでてきて寝つきをスムーズにしてくれます。ですが、アモバンテスは作用時間が短い睡眠薬です。ですから寝ている間に薬の効果がきれてしまって、睡眠の後半になると薬の効果はなくなってしまうことが多いです。

ですから、どちらかという入眠障害の方のための睡眠薬です。ですが、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬では作用時間が長いほうなので、中途覚醒にも効果が期待できます。そうはいっても作用時間の長いベンゾジアゼピン系睡眠薬には勝てないので、軽度の中途覚醒の方によいでしょう。

また、ふらつきなどの副作用が少ないので、高齢者の方にも比較的使いやすいです。アモバンテスは安全性の高い睡眠薬ですが依存性や副作用がないわけではないので、漫然としたアモバンテスの使用には注意が必要です。

 

6.一般名と商品名とは?

一般名:ゾピクロン 商品名:アモバン・アモバンテス

まったく成分が同じものでも、発売する会社が異なればいろいろな商品があるかと思います。医薬品でも同じことがいえます。このためお薬には、一般名と商品名というものがあります。

一般名というのは、薬の成分の名前を意味しています。発売する会社によらずに、世界共通で伝わる薬物の名称です。「ゾピクロン(zopiclone)」に統一されています。主に論文や学会など、学術的な領域でこれまで使われてきました。

商品名とは、医薬品を発売している会社が販売目的でつけた名称になります。「アモバン(amoban)」は、製造元であるサノフィ社がつけた名前です。日本では1989年から発売されています。このため、ジェネリック医薬品もいろいろなものが作られました。アモバンテス、メトローム、ドパリール、スローハイムなどの様々な商品名で発売されました。

ですが、いろいろな名前の同じ薬が発売されると紛らわしくなってしまいます。管理も大変になること から、一般名の「ゾピクロン」として統一する流れになりました。これをうけて、スローハイムはゾピクロン「アメル」と名称変更しています。今後もアモバンのジェネリックとしては、ゾピクロンとして発売されることが増えてくると思います。アモバンテスは少しずつ処方されなくなっていくでしょう。

アモバンテスの効果と副作用について詳しく知りたい方は、「アモバン錠の効果と強さ」「アモバンの副作用(対策と比較)」をお読みください。

 

まとめ

アモバンテスのメリットとしては、

アモバンテスのデメリットとしては、

アモバンテスが向いている方は、

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