ユーロジン錠の効果と作用時間

アイコン 2015.8.23 ユーロジン

ユーロジンは、1975年に発売されたベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

ユーロジンは作用時間が長めの睡眠薬で、寝付きやすい土台を作るような睡眠薬です。中途覚醒や早朝覚醒に有効で、今でもよく使われている睡眠薬です。

ここでは、ユーロジンの効果や作用時間について、詳しくお伝えしていきたいと思います。

 

1.ユーロジンの作用する仕組み(作用機序)

GABAの働きを強めて、脳の活動を抑えます。

現在よく使われている睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系睡眠薬と非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の2種類です。ユーロジンは前者のベンゾジアゼピン系睡眠薬に分類されます。実はこの両者は同じ仕組みで睡眠効果をもたらします。

どちらもベンゾジアゼピン受容体に作用して、GABAの働きを強めて脳の活動を抑えることで効果を発揮します。「GABAってなんか聞いたことあるぞ?」って方もいらっしゃるかもしれません。リラックスする物質として、GABA入りのチョコレートなどが流行っていましたね。GABAは脳の中での情報の受け渡しに関係していて、神経伝達物質とよばれます。リラックスすると言われている通り、脳の神経細胞の活動を抑える作用があります。

ユーロジンがベンゾジアゼピン受容体にくっつくと、GABAがGABA受容体にくっつきやすくなります。GABAが脳内で作用すると、脳の活動が抑えられて睡眠につながっていくのです。

 

2.ユーロジンの効果と特徴

ユーロジンは、発売から年月のたっている睡眠薬です。古くからある薬だから心配される方もいらっしゃるかと思いますが、様々な新薬が発売される現在でも生き残っている薬です。ユーロジンの特徴をメリットとデメリットに分けてみていきましょう。

 

2-1.ユーロジンのメリット

ユーロジンは、即効性を期待する睡眠薬ではありません。作用時間が長い睡眠薬で、服用を続けることで効果が出てきます。少しずつ薬が蓄積して、寝付きやすい土台を作っていくような睡眠薬です。ですから入眠障害にも多少の効果はありますが、中途覚醒や早朝覚醒への効果が大きい睡眠薬です。

ユーロジンの効果の強さは「普通」といったところでしょうか。日中にも薬の作用が続く睡眠薬です。ユーロジンには抗不安作用もあるので、日中は不安をやわらげてくれます。うまくいけば、日中は不安に、夜は睡眠に効果を発揮します。

また、ベンゾジアゼピン系睡眠薬のほとんどが(閉塞隅角)緑内障で使うことができません。ユーロジンは抗コリン作用が少ないため、緑内障での使用が禁止されていません。

 

2-2.ユーロジンのデメリット

ユーロジンは寝付きやすい土台をつくるような睡眠薬です。入眠効果もありますが弱いです。入眠障害が中心の方には使いにくい睡眠薬です。

ユーロジンを服用すると睡眠時間は延びても、睡眠の質が落ちてしまうというデメリットがあります。浅い睡眠が増えてしまい睡眠のメリハリが悪くなってしまいます。睡眠時間はしっかりと寝たのに疲れがとれない、寝不足に感じてしまう、といったことがあります。

 

また、副作用に注意する必要があります。ユーロジンは24時間では身体から抜けきらないので、毎日服用していると少しずつ身体にたまっていく睡眠薬です。飲み続けているうちに、ユーロジンの副作用が目立ってくることがあります。

ユーロジンでは筋弛緩作用が強いので、ふらつきには注意が必要です。高齢者では、夜にトイレで目覚めることも多くなります。薬が効いてふらついたままトイレに行くと、転倒してしまって骨折してしま うこともあるので注意が必要です。ユーロジンは日中に強く作用すると、眠気やふらつきがでてきてしまいます。朝起きづらくなってしまったり、集中できなくなるので注意してください。

 

ユーロジンの副作用について詳しく知りたい方は、
ユーロジンの副作用(対策と比較)
をお読みください。

 

3.ユーロジンの作用時間と強さ

ユーロジンは半減期が24時間の中間型睡眠薬です。効果の強さは「普通」で、中途覚醒や早朝覚醒に効果のある睡眠薬です。

ユーロジンを服用すると、およそ5時間で血中濃度がピークになります。ユーロジンはそこから少しずつ血中濃度が減っていきます。24時間かけてゆっくりと身体から薬が抜けて、血中濃度が半分になります。

服用してから5時間して効果のピークがくるような睡眠薬ですから、即効性を期待する睡眠薬ではありません。少しずつ身体に薬がたまっていくことで効果が発揮されます。

薬を飲み続けると、定常状態となります。その様子を図であらわしました。

飲み続けていると、あるところで均衡状態ができます。この状態を定常状態といいます。ユーロジンでは4~5日服用を続けると、定常状態に達します。このような状態になって効果がしっかり発揮されます。効果のイメージとしては、寝付きやすい土台をつくるようなものです。

ユーロジンの作用時間は比較的長く、「中間型」に分類されます。

睡眠薬のタイプ(作用時間)と特徴をまとめました。

睡眠障害にもいろいろなタイプがあります。寝つきが悪い「入眠障害」、途中で目が覚めてしまう「中途覚醒」、明け方に目が覚めてしまう「早朝覚醒」。睡眠障害のタイプに合わせて、睡眠薬の作用時間を変えていく必要があります。ユーロジンは、中途覚醒や早朝覚醒を改善する効果が期待できます。入眠障害に対しては、効果は弱いです。

 

ユーロジンの効果の強さは「普通」の睡眠薬です。まずは1~2mgから始めることが多いです。効果を見ながら、増減させていきます。強く効きすぎてしまったら1mg、効果が不十分でしたら4mgまで使うことができます。

 

4.ユーロジンと他剤での作用時間の比較

半減期をもとに、睡眠薬の作用時間を予想することができます。ユーロジンは少しずつ薬が身体にたまっていく、作用時間が長い睡眠薬です。

代表的ンな睡眠薬の作用時間(半減期)を比較しました。

睡眠薬の作用時間の違いを比較してみましょう。

薬の効果を見る時は、最高血中濃度到達時間(ピーク時間)と半減期をみていきます。

最高血中濃度到達時間が短いほど、効きが早いということですね。ほとんどの睡眠薬が1~3時間になっているかと思います。中間型や長時間作用型ではさらに長いものがありますね。これらのお薬では即効性はあまり期待できません。

半減期をみると作用時間が予想できます。超短時間型や短時間型では、即効性を期待して使われます。入眠障害だけで困っているならば超短時間型、中途覚醒で困っているならば短時間型がよいでしょう。

中間型や長時間型は、身体に薬が少しずつたまっていくことで寝付きやすい土台を作るようなお薬です。中間型は4~5日かけて、長時間型は1週間以上かけて効果が安定します。中途覚醒や早朝覚醒に効果が期待できます。

 

ユーロジンは中間型に分類されていますので、中途覚醒や早朝覚醒が目立つときに有効です。

 

5.ユーロジンが向いている人とは?

ユーロジンは作用時間が長く、寝付きやすい土台をつくるような睡眠薬です。中途覚醒や早朝覚醒に対する効果が中心です。このため、「中途覚醒や早朝覚醒が目立つ方」に向いていると言えるでしょう。即効性はなく入眠効果は少ないので、寝付きで困っている方には不向きでしょう。

中途覚醒もあるけれど入眠障害も目立つ方には、半減期がユーロジンよりも短い短時間型睡眠薬がよいかと思います。レンドルミン、エバミール/ロラメット、リスミーなどから始めた方がよいでしょう。

 

日中に不安が強い方にもよいかもしれません。ユーロジンは作用時間が長いので、日中にも作用が残っています。ユーロジンには興奮を鎮めて不安をやわらげる作用があります。うまくいけば、日中には不安、夜間には睡眠を改善できます。

また、緑内障の方には使いやすい睡眠薬です。ほとんどすべてのベンゾジアゼピン系睡眠薬は、抗コリン作用があるために緑内障では注意喚起がされています。特に閉塞隅角緑内障の方には、使用を禁止されています。ユーロジンは抗コリン作用が弱いため、緑内障でも使える睡眠薬となっています。知人の眼科医に聞いたところ、睡眠薬が原因で緑内障になった方は見たことがないとのことでした。どうしても緑内障が心配な方は、ユーロジンを試してみるのもよいでしょう。

 

まとめ

ユーロジンは、GABAの働きを強めて脳の活動を抑えます。

ユーロジンのメリットとしては、

ユーロジンのデメリットとしては、

ユーロジンが向いている方は、