レンドルミンD錠の薬価と実際の使い方

アイコン 2015.8.16 レンドルミン

 レンドルミンは、ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠薬です。入眠障害だけでなく中途覚醒にも効果があるので、使い勝手のよさから広く処方されています。

よく処方されている睡眠薬なので少しでも飲みやすくするために、レンドルミンD錠が2002年から発売されました。レンドルミン錠とレンドルミンD錠ではどのような違いがあるのでしょうか?詳しく見ていきたいと思います。

 

1.レンドルミンD錠とは?

口腔内崩壊錠とよばれる、唾液によって口の中で溶けるレンドルミン錠剤です。効果や副作用はかわりません。

お薬は錠剤でできていて、水で飲みこむものが多いかと思います。これで問題がない方は良いのですが、なかには薬を飲むのが苦手だったり、飲み込みが悪い方もいらっしゃいます。レンドルミンD錠はそんな方をイメージして作られました。

レンドルミンD錠とは、「口腔内崩壊錠」と呼ばれるレンドルミン錠剤です。口の中に入れるとすぐに唾液で溶けるのです。口腔内崩壊錠は英語では、「Orally Disintegrating Tablet」といいます。略して、「D錠」や「OD錠」と呼ばれています。厳密にいうと、OD錠は水なしで飲めますが、D錠は少量の水で服用することがすすめられています。

 

このように唾液で溶けるようにして、水なしでも場所を選ばずに服用できるようにしたのがレンドルミンD錠です。口の中ですぐに溶けてしまうので、レンドルミンD錠の方が即効性があるように思うかもしれませんが、残念ながらそのようなことはありません。

レンドルミン錠とレンドルミンD錠の血中濃度変化はほとんど類似していて、効果の速さや作用時間、強さは変わりません。どちらも、血中濃度は1.5時間ほどでピークとなり、そこから7時間で半分になります。効果としては15~30分くらいで発揮されて、6~7時間持続します。

 

理論的にはこのようになりますが、実際は効果を早く感じる方もいます。口の中で溶けてしまえば、早く効いた気がするのでしょう。ですから私も外来では、「口で溶けるので効果が早く感じられる方もいます」とお伝えしています。それで強い薬を使わなくて済むのでしたら、そちらの方がよいです。

レンドルミン錠の効果について詳しく知りたい方は、
レンドルミン錠の効果と強さ
をお読みください。

 

2.レンドルミンD錠のメリットとデメリット

「溶けるから飲みやすそうだ」というだけでは、レンドルミンD錠をちゃんと使うことができません。レンドルミンD錠にはどのようなメリットとデメリットがあるでしょうか?

 

2-1.レンドルミンD錠のメリット

レンドルミンD錠の一番のメリットは、やはり水なしで服用できることでしょう。レンドルミンD錠を枕元に置いておけば、わざわざ水を用意しなくても大丈夫なのです。なかには睡眠薬を飲んでいることを周りに知られたくない方もいるかと思います。水がいらなければこっそりと飲むこともできますね。睡眠薬には口腔内崩壊錠はメリットが大きいです。

嚥下機能が落ちてしまったり、食道狭窄などがあって飲み込みが悪い方もいらっしゃいます。昔から薬を飲むのが苦手という方もいらっしゃいます。このような方では、唾液で勝手に溶けてくれる薬は助かりますね。介護する家族やスタッフが薬を飲ませていることもありますが、薬を拒否されてしまうこともあります。経管栄養している場合は薬を溶かす必要がありますが、短い時間で済みます。このような場面でも活躍します。

レンドルミンD錠は唾液に溶けるので、湿度に弱いお薬です。錠剤がもろくて管理が難しいことが多いのですが、レンドルミンD錠では強度が比較的しっかりとしています。このため、レンドルミンD錠では、一包化(同じ飲み方の薬をまとめる)することもできます。

口の中で溶ける薬ですので、飲みやすいように味もつけられています。レンドルミンD錠は乳糖が含まれているので、ほのかな甘みが感じられます。また、水なしで服用できることによって水分の摂取量を制限している患者さんも、水分量を気にする必要がありません。

 

2-2.レンドルミンD錠のデメリット

就寝前に服用している他の薬を確認しなくてはいけません。他の薬を水で服用するのでしたら、レンドルミンD錠のメリットはほとんどなくなってしまいます。レンドルミンだけ口腔内崩壊錠でも何の意味もないです。

その他に味の問題があります。口腔内崩壊錠は、お薬そのものの苦味を隠して後味が良くなる加工を施してあります。むしろそれによって、眠る前に味があるので不快と感じてしまう方もいます。

レンドルミンD錠は水なしでも飲めるとなっていますが、少量の水で服用することがすすめられています。後味が残ってしまうので、水で飲んだ方がスッキリするという方もいらっしゃいます。寝たきりの患者さんでは、水と一緒に服用することとされています。

 

3.レンドルミン錠とレンドルミンD錠の薬価

レンドルミン錠とレンドルミンD錠の薬価は同じで、ジェネリックのブロチゾラム錠とブロチゾラムD錠でも同じです。

<先発品>

商品名 剤形 薬価
レンドルミン錠 0.25mg 26.4円
レンドルミンD錠 0.25mg 26.4円

<ジェネリック(後発品)>

商品名 剤形 薬価
ブロチゾラム錠 0.25mg 8.5円
ブロチゾラムOD錠 0.25mg 8.5円

 

レンドルミン錠とレンドルミンD錠では、どちらも26.4円と同じ薬価です。ジェネリックのブロチゾラム錠とブロチゾラムOD錠でも、どちらも8.5円と同じ薬価です。このため、どちらを使っても負担額はかわりません。飲みやすい方を選ぶことができます。

 

4.レンドルミン錠とレンドルミンD錠の使い分け

製薬会社としては、薬の飲み忘れをなくすために開発したのがレンドルミンD錠です。ですが睡眠薬がないと眠れませんから、飲み忘れてしまう方はほとんどいません。そもそも飲まなくて眠れるなら使わなくていい薬です。

レンドルミン錠とレンドルミンD錠では、効果も副作用も薬価もかわりません。このため、「純粋にどちらが飲みやすいのか?」という点が一番大事です。本人の好みに応じて使い分ければよいと思います。D錠の特徴をふまえて、どのような方におすすめか考えてみましょう。

 

まずは他の薬を寝る前に使っていないことでしょう。レンドルミンD錠だけ水なしで飲めても、他に服用しなければいけない薬があったら意味がありません。他の薬を服用しているけれどもレンドルミンD錠を使ってみたい方は、飲み方を変更できないか主治医に確認してみてください。

口の中で溶けた時の味が不快な方もいます。そのような方では、結局水を後から飲まなければいけません。後味が気にならない方がよいでしょう。また、寝たきりでは水なしではリスクがあるとのことで注意するようにいわれています。

 

これらを踏まえて私なりの使い方としては、「口で溶けるので効果が早く感じられる方もいます」とお伝えして使っています。理論的には効果は同じなのですが、不眠は不安からくる部分も大きいです。すぐに口の中で溶けて効いたと感じると、本当に眠れるということもよく経験しています。ウソも方便と言いましたが、ウソというわけでもありません。

 

5.レンドルミンD錠の裏話

ジェネリック医薬品対策であったりします。

このようなレンドルミンD錠ですが、製薬会社からするとジェネリック医薬品対策であったりします。先発品の特許が切れてしまうと、レンドルミンのように処方数の多い薬では多くの製薬会社がジェネリック医薬品を作りはじめます。安いジェネリックが市場に出回ると、先発品のレンドルミンのシェアはどんどん奪われてしまいます。

この対策として、ジェネリック医薬品の発売される直前に口腔内崩壊錠を発売するケースが多いです。特許が切れる前に医者に働きかけて、処方を切り替えさせるのです。ジェネリックの会社が口腔内崩壊錠をつくるには時間がかかりますので、その間をしのげるというわけです。

そうはいっても、患者さんにとっても選択肢が増えるということはよいことです。製薬会社に言われるままに、「溶けるから飲みやすそうだと処方している医師もいますが、レンドルミンD錠の特徴を理解してメリットが大きい方に使うべきです。レンドルミンD錠に関しては、すでにジェネリックのブロチゾラムOD錠も発売されていますので、現在はこのような大人な事情はなくなってきています。

 

まとめ

口腔内崩壊錠とよばれる、唾液によって口の中で溶けるレンドルミン錠剤です。効果や副作用はかわりません。

レンドルミンD錠のメリットとしては、

レンドルミンD錠のデメリットとしては、

レンドルミン錠とレンドルミンD錠の薬価は同じで、ジェネリックのブロチゾラム錠とブロチゾラムD錠でも同じです。

レンドルミンD錠が向いている方は、