イブプロフェン錠・顆粒の効果と特徴

アイコン 2016.10.20 ブルフェン
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イブプロフェンは、1973年に発売されたブルフェンのジェネリック医薬品です。

イブプロフェンは、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDS:エヌセイド)の中の「フェニルプロピオン酸系」に含まれます。この「フェニルプロピオン酸系」と同じ種類のお薬としては、ロキソニンなどが挙げられます。

イブプロフェンは解熱鎮痛剤として広く使われているお薬で、町の薬局でも処方箋なしに購入することもできる非常に身近なお薬です。EVE(イヴ)という商品は、イブプロフェンと同じ成分が使用されています。

ただし身近にあるからといって、安全なお薬というわけではありません。そもそも痛みや熱は、体に何か異常が起こってるという警報機になります。イブプロフェンはこの警報機を一時的にオフにするに過ぎず、原因の解決は行わないため注意が必要です。

ここでは、イブプロフェンの効果の特徴を詳しくお伝えし、どのような疾患・症状に使われるのか、説明していきたいと思います。

 

1.イブプロフェンのメリット・デメリット

<メリット>

<デメリット>

慢性的な痛みを軽減させるための、いわゆる痛み止め・鎮痛薬は、大きく4グループに分けられます。

です。この中でイブプロフェンは非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)として、多くの疾患の痛みや熱を取り除くために使われています。イブプロフェンは、町の薬局で処方箋が無くても購入でき、とても身近なお薬です。最近では「EVE(イヴ)」としてコマーシャルなどもされているため、馴染みがある人も多いかと思います。

NSAIDsとは、ステロイド作用を持たない炎症を抑えるお薬の事です。ステロイドは熱や痛みの原因となる炎症や免疫を抑えますが、それ以外にも様々な作用を与えてしまいます。ステロイドについて詳しく知りたい方は、「プレドニンの効果と特徴」について一読してみてください。

イブプロフェンは、アラキドン酸カスケードをブロックすることで炎症を抑え、その効果を発揮します。炎症が抑えられると痛みを抑えるだけではなく、熱を下げる効果も期待できます。

NSAIDSは現在、20~30種類以上発売されています。その中でもイブプロフェンの特徴としては、解熱・鎮痛作用がマイルドという特徴があります。マイルドと記載すると「あまり効かないのか?」と思われるかもしれませんが、作用がマイルドということは副作用も出づらいという特徴があります。

またイブプロフェンは、ジェネリック医薬品も多く発売されています。イブプロフェンの剤形は、

などがあります。さらにイブプロフェンの特徴としては、5歳以上の小児にも適応があることです。同じ成分のロキソニンは安全性が確立できていないということで15歳未満は処方できません。しかしイブプロフェンはマイルドなお薬なため、小児に対しても安全性が確立できており、処方しやすいお薬です。

 

このように良い面がたくさんあるお薬ですが、デメリットにも目を向ける必要があります。一番注意が必要なのは、イブプロフェンは病気自体を治してるわけではないということです。炎症が起きているのを伝える通り道をブロックしているのに過ぎません。

つまり、炎症の根源には何もしていないのです。痛みや発熱というのは、「体に何か起きているよ」というサインになります。これらの警報機を一時的にオフにするのが、イブプロフェンの効果です。軽症であれば自己治癒能力で何とかするかと思います。一方で、重篤な病気なのにイブプロフェンで様子を見ていたら、大変なことになってしまいます。

必ず、イブプロフェンは病気を治しているわけではないということを念頭においてください。

またイブプロフェンは、胃の粘膜を荒らす特徴があります。つまり胃潰瘍や十二指腸潰瘍でお腹が痛い人にイブプロフェンを処方すると、むしろ逆効果になるため注意が必要です。その他、

はイブプロフェンは禁忌となって使えません。さらに妊娠中も、イブプロフェンはお腹の赤ちゃんに影響を与えるため禁忌となっています。このようにイブプロフェンは、気軽に市販薬としても変えるお薬である一方で、

といったデメリットもあるお薬です。そのため効果と特徴をうまく考えて使用しましょう。

 

2.イブプロフェンの適応と投与量は?

イブプロフェンは、鎮痛剤や解熱剤として多くの病気に使用されています。効果が出るのが30分と早いのが特徴です。

イブプロフェンは内服薬としては、

の3種類があります。これは先発品であるブロフェンと全く同じ量および剤型です。適応ですが、

  1. 関節リウマチ、関節痛及び関節炎、神経痛及び神経炎、背腰痛、頸腕症候群、子宮付属器炎、月経困難症、紅斑(結節性紅斑、多形滲出性紅斑、遠心性環状紅斑)などの炎症疾患
  2. 手術並びに外傷後の消炎・鎮痛
  3. 急性上気道炎などの発熱

に対して適応があります。基本的に痛い時、熱がある時に適応があると考えて良いと思います。投与量ですが、

成人は1日イブプロフェン200mg錠を3回内服します。一方で小児は、

と年齢で大まかに分かれます。特に5歳から7歳と年齢が低い場合は、細粒で投与することが多いです。

また注意点としては、イブプロフェンは空腹時に内服すること避けてください。

イブプロフェンの効果は食事の影響はないとされていますが、副作用を防ぐため、食後に飲むようにするとよいでしょう。頓服で飲むときでも、牛乳を飲んだりクッキーを先に食べておき、胃壁を守るようにしましょう。また、水なしで服用してはいけません。きちんと胃に落とし込むために、コップ1杯の水とともに内服するようにしてください。

頓服で飲む場合は、間隔は4~5時間空けるようにしましょう。

イブプロフェンは、最高血中濃度に達するのが2.1時間ほどであるため、飲んですぐに効くわけではありません。効果もマイルドなため、症状が辛くなる前に内服するようにしましょう。

また、血中半減期は1時間半ほどなので、1日3回飲んだ場合でも蓄積性はないとされています。

 

3.イブプロフェンの薬価は?

イブプロフェンは、ブロフェンのジェネリック医薬品も発売されています。また、EVEとして市販薬もあります。

次にイブプロフェンの薬価です。まず先発品であるブルフェンの値段から見てみましょう。、

  剤型 薬価 3割負担
ブルフェン 100mg錠 5.8円 1.7円
ブルフェン 200mg錠 8.9円 2.7円
ブルフェン 20%細粒 9.9円/g 3.0円/g

※2016年10月6日価格です。

となっています。ちなみに後発品のイブプロフェンは、

  剤型 薬価 3割負担
イブプロフェン 100mg錠 5.0円 1.5円
イブプロフェン 200mg錠 6.4円 1.9円
イブプロフェン 20%細粒 6.2円/g 1.8円/g

※2016年10月6日価格です。

となっています。先発品であるイブプロフェン自体が安いため、そこまでジェネリック医薬品と価格は変わりません。また、市販薬として発売されているEVEですが、40錠600~800円程度で発売しているところが多いです。1錠15円から20円といったところでしょうか。

市販薬であるEVEは高いですが、病院と違って受診料はかかりませんのでトータル金額では安くなります。

 

4.イブプロフェンとブルフェンの効果と副作用の比較

先発品・ジェネリックの効果と副作用は、大きな違いはないと考えられます。

先発品のブルフェン錠をジェネリックのイブプロフェンに変えれば、薬価が少し安くなります。ただし少しの値段でも腰痛などで毎日飲む人は月単位、年単位で考えるとそれなりの額になることからジェネリック医薬品を希望される方も多いかもしれません。

多くの方が気になるのは、先発品とジェネリック医薬品で効果と副作用が同じかどうかだと思います。

ジェネリック医薬品では、有効成分は先発品とまったく同じものを使っています。ですから、効果や副作用の大まかな特徴は同じになります。先発品とジェネリック医薬品の違いは、薬を作るときの製造技術です。ジェネリック医薬品を作る時に求められるのは、薬の吸収・排泄と安定性の2つが先発品と同等であることです。

製薬会社によって多少の差はありますが、ほどんど同等と考えてよいかと思います。またブルフェンは血中濃度を厳密にコントロールするお薬でもないため、ブロフェンからイブプロフェンに変えたからといって、効果が減ったり副作用が増えたりといったことはほとんどありません。

ジェネリック医薬品について詳しく知りたい方は、「ジェネリック医薬品の問題点とは?ジェネリックの効果と副作用」をお読みください。

 

5.イブプロフェンが向いてる人は?

<向いてる人>

イブプロフェンは、痛みや熱の原因までは解決してくれない薬です。痛みや熱を一時的に和らげるに過ぎないお薬です。そのため、

など原因がはっきり分かっていて、経過を見ていればそのうち良くなる病気に対しては、イブプロフェンは非常に良いお薬です。さらにイブプロフェンは、小児にも適応があるお薬です。子供には適応がないNSAIDsもあるため、非常にイブプロフェンは使い勝手が良いと言えます。

一方で、

などなど、危ない病気を一時的に隠してしまう危険なお薬でもあります。上記の病気は場合によっては命に関わりますし、重症であると後遺症が残ることもあります。そのため、イブプロフェンとうまく付き合うために、

  1. 痛みや熱の原因が診断されている。もしくは推察できる。
  2. 痛みや熱がイブプロフェンで様子見ていていたら徐々に良くなっている。

の両方が当てはまる人は、イブプロフェンは良い適応だと思います。逆に、

  1. 今まで経験したことがない痛みや熱だ
  2. イブプロフェンを内服しても一時的に良くなるが、すぐに症状が出現、もしくは悪化する
  3. イブプロフェンを飲み続けて数ヶ月経つが、一向に症状が良くならない。

なんて人は、イブプロフェンを飲み続けるのが危険な人です。これらに当てはまる人は、すぐに病院に行って精査してもらいましょう。

このようにイブプロフェンは、非常に手軽に入手でき、痛みや熱を下げる便利な薬です。しかしながら、気楽に使い続けると思わぬ落とし穴が待っている非常に危険な薬でもあります。

イブプロフェンを使用する時は病気をよくするわけではないということを、しっかり意識して使うようにしましょう。

 

6.イブプロフェンの作用機序は?

イブプロフェンは、プロスタグランジンを産生するアラキドン酸カスケードのCOXを阻害して痛みや発熱を抑えます。

痛み、すなわち疼痛は、人それぞれです。一般的に、

  1. 侵害受容性疼痛
  2. 神経障害性疼痛
  3. 心因性疼痛

に分けられますが、人によっては混在するケースもあります。それぞれの内容ですが、

①侵害受容体性疼痛は、痛みを感じる神経が刺激しておこる痛みです。

など必ず原因があります。その原因を脳に知らせるために神経が刺激されて感じる痛みです。

②神経障害性疼痛は、神経そのものが損傷された時の痛みです。じりじりと痺れるなどの特徴的な痛みが多いです。帯状疱疹など神経がウィルスにやられる場合や、手術で神経を傷つけた時に起こります。

③心因性疼痛は、気持ちからくる疼痛です。体は問題ないのにストレスなどから痛いと感じる疼痛です。

イブプロフェンは主に、①の侵害受容性疼痛に使われます。

一般的にイブプロフェンを含むNSAIDsは鎮痛作用だけでなく、抗炎症・解熱作用を有しますが、とくにイブプロフェンは鎮痛作用が強いのです。その作用機序を説明します。

侵害受容性疼痛には、過剰なプロスタグランジン(以下、PG)が関係しています。イブプロフェンを含むNSAIDsは、PGを生産する経路であるアラキドン酸カスケードをブロックすることでその効果を発揮します。その作用点は、シクロオキシゲナーゼ(以下COX)です。

COXには、2つあることが分かっています。

この作用機序は、NSAIDsの共通の作用です。ただし中には、COX-2のみ選択して阻害するNSAIDsもあります。イブプロフェンはCOX-1も一緒に阻害してしまうため、胃腸障害が出現します。

 

まとめ

<メリット>

<デメリット>

<向いてる人>