ブルフェンの安全性は大丈夫?ブルフェンの飲み合わせと妊娠への影響

アイコン 2016.10.12 ブルフェン
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ブルフェンは、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDS:エヌセイド)に含まれます。解熱鎮痛剤として広く使われているお薬で、町の薬局でも処方箋なしにEVEとして購入することもでき、非常に身近なお薬です。

ただし身近にあるからといって、安全なお薬というわけではありません。むしろブルフェンは使ってはいけない疾患も多くありますし、妊婦に使用すると赤ちゃんに影響が出ることがあることがあるため、時期によっては使用できません。

ブルフェンが身近にあるのは安全な薬だからではなく、多くの病気に対して効果があるからです。市販薬であるEVEでも、添付文章をみると細かく注意が記載されています。しかし症状が辛くて市販薬を買う時に、添付文章を細かくチェックする人は少ないのではないでしょうか?

ここでは、ブルフェンの安全性について詳しく見ていきたいと思います。ブルフェンはどのような人に使えないのでしょうか?皆さんもなじみのあるお薬だと思いますので、ぜひ一度確認してみてください。

 

1.ブルフェンが使用できない疾患は?

ブルフェンは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍がある人には使用できません。また、アスピリン喘息の方は使用できません。

ブルフェンの添付文章では、

  1. 消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍が悪化することがある。]
  2. 重篤な血液の異常のある患者[血小板機能障害を起こし、悪化するおそれがある。]
  3. 重篤な肝障害のある患者[副作用として肝障害が報告 されており、悪化するおそれがある。]
  4. 重篤な腎障害のある患者[急性腎不全、ネフローゼ症候群等の副作用を発現することがある。]
  5. 重篤な心機能不全のある患者[心臓の仕事量が増加するため症状を悪化させるおそれがある。]
  6. 重篤な高血圧症のある患者[血圧を更に上昇させるおそれがある。]
  7. 本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者・アスピリン喘息[喘息発作を誘発することがある。]
  8. ジドブジンを投与中の患者
  9. 妊娠末期の婦人

となっています。この中で注意が必要なのは、

の2つです。

②~⑥は、「重篤な」という一言がついています。基本的にどの疾患にしろ重篤な状態であれば、入院で加療することがほとんどです。特に上記にあげられる病態は、命に関わることが多いです。そのためこれらの②~⑥でブルフェンの使用に注意するのは、患者さん側ではなく処方する医師側になります。

そのため患者さんにとって気を付けるとするならば、消化性潰瘍とアスピリン喘息の2つになります。

それぞれの注意点について説明します。まず消化性潰瘍が起こる理由ですが、ブルフェンがアラキドン酸カスケードのCOXという物質を阻害するためです。COXは、1と2に分けられます。

ブルフェンは、痛みの原因となるCOX-2を抑えると同時に、胃の粘膜を保護する物質も阻害してしまうため胃があれてしまうのです。ここで大切なことは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍と知らずにブルフェンを連発してしまうことです。

ブルフェン=万能薬と考えている人は、お腹の痛みに対してもブルフェンを飲んでしまう人が多いです。しかしそのお腹の痛みの原因が胃潰瘍や十二指腸潰瘍であれば、逆にブルフェンを飲んだせいで病状が悪化してしてしまいます。そのため腹痛の人は、絶対にブルフェンを安易に飲まないようにしましょう。

またアスピリン喘息は、喘息の中でもかなり特殊な病態です。喘息は、もともとは気道の慢性炎症によって気管支が狭くなる病気です。一般的には、Ⅰ型アレルギーに属します。Ⅰ型アレルギーは、好酸球やIgEが関与するアレルギー疾患で、他には花粉症や蕁麻疹などが挙げられます。

しかし最近、アレルギー以外が原因となる喘息があることが分かってきました。実はこの非アレルギー性の喘息の方が、対策もしづらく難治性といわれています。アレルギーではないということは分かっているのですが、細かい機序までは解明できていないためです。アスピリン喘息は、この非アレルギー性の喘息のひとつになります。

アスピリン喘息について詳しく知りたい方は、「痛み止めで喘息に?アスピリン喘息の症状と特徴」を一読してみてください。

アスピリン喘息の人にブルフェンを使用し続けると重篤な喘息発作が出現するため必ず避ける必要があります。

 

2.ブルフェンで注意するべき疾患は?

消化管潰瘍が過去にあった人は、やはり注意が必要です。

上記の状態の方は、添付文章上では使用してはいけないとされている方です。ただし上記以外の方でも、添付文章には以下の疾患の方は気を付けるように記載されています。

  1. 消化性潰瘍の既往歴のある患者[潰瘍を再発させることが ある。]
  2. 血液の異常又はその既往歴のある患者[溶血性貧血等の‌副作用が起こりやすくなる。]
  3. 肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させることがある。]
  4. 腎障害又はその既往歴のある患者[浮腫、蛋白尿、血清‌ クレアチニン上昇、高カリウム血症等の副作用が起こることがある。]
  5. 心機能異常のある患者(心臓の仕事量が増加するため症状を悪化させるおそれがある)
  6. 過敏症の既往歴のある患者
  7. 気管支喘息の患者[病態を悪化させることがある。]
  8. 潰瘍性大腸炎の患者[病態を悪化させることがある。]
  9. クローン病の患者[病態を悪化させることがある。]
  10. 身性エリテマトーデス(SLE)の患者[SLE症状の悪化、また無菌性髄膜炎があらわれることがある。]
  11. 混合性結合組織病(MCTD)の患者[無菌性髄膜炎があらわれることがある。]

上記であげた疾患のうち、血液・肝臓・腎臓・心臓は重篤ではなくとも悪化することがあるため、注意が必要となっています。しかし、これらの疾患はブルフェンの副作用でも悪くなるし、風邪などの病気でも悪くなることは多々あります。

また、一度でもブルフェンで腎臓や肝臓などが悪化したことがあれば、その旨を医師に伝えることが重要になるので覚えておきましょう。

その他の⑧~⑪の疾患はかなり特殊な疾患です。

ここでも最も問題になるのは、過去に胃潰瘍や十二指腸潰瘍があった人です。医師の中でも、過去に胃潰瘍が十二指腸があったというだけで禁忌の扱いにして、ブルフェンを処方しない方もいます。

しかしながら胃潰瘍の状態が安定していれば、慎重に投与することができるお薬です。もし胃潰瘍や十二指腸潰瘍が今の状態でブルフェンが内服できるか知りたい方は、一度胃カメラで精査することをお勧めします。また安定していたとしても、ムコスタなどの胃薬と一緒に飲むことで胃の粘膜を守ることが必要です。

気管支喘息でも、発作を起こす可能性があると書かれています。アスピリン喘息は確かにブルフェンで生じます。それでなければ、ブルフェンの副作用よりも病気によるストレスで発作を起こすことのほうが多いです。

 

3.ブルフェンと併用してはいけない薬はないの?

ブルフェンはジドブジン(商品名:レトロビル)が禁忌です。また併用するのに注意が必要なお薬もあります。特にニューキノロン系は注意が必要です。

ブルフェンの添付文章では、ジドブジン(商品名:レトロビル)を使用中の方は症状が悪化するため禁忌となっています。このお薬を使用している方は、他のNSAIDsで使用できるお薬もありますので、ブルフェンは避けましょう。

レトロビルはHIVに使用する非常に特殊なお薬です。そのため、ほとんどの人は内服することはありません。ただし他にも併用するのに注意が必要なお薬はあります。

  1. ワルファリン(抗凝血作用を増強するおそれがあるため)
  2. スルホニル尿素系血糖降下剤 (トルブタミド)(血糖が下がりやすくなるため)
  3. ニューキノロン系抗菌剤(他のNSAIDsで痙攣を誘発するおそれがあるため)
  4. メトトレキサート(メトトレキサート血中濃度を上げやすいため)
  5. 炭酸リチウム(リチウムの濃度が上昇しやすくなるため)
  6. チアジド系利尿薬 (利尿・降圧作用を減弱するため)
  7. 降圧薬(降圧作用が減弱するため)

の7つが挙げられています。もしこれらのお薬を使用して気になる人は、一度医師に相談してみましょう。ただしこれらのお薬は、他のNSAIDsでもほぼ慎重投与になるため注意が必要です。

 

4.ブルフェンとアルコールは一緒に摂取して良いの?

ブルフェンは胃腸を悪くするお薬です。胃を荒らす可能性があるアルコールと一緒に内服するのは、勧められません。

ブルフェン含めてNSAIDsは、胃腸障害が最も多い副作用のお薬です。そのため、空腹に飲むことは勧められていません。

一方で食事の時に、お酒を飲みながらブルフェンを飲んでも良いかという質問をよく受けます。ブルフェン内服前後はアルコールを摂取しないように、添付文章でも記載されています。胃腸を荒らす可能性のあるアルコールとの服用は、避けた方が安全です。

特にブルフェンを内服するということは、体にどこか異常があるということです。そしてブルフェンはその異常を治すお薬ではなく、痛みや熱を感じなくしづらくするお薬です。

そのため、「頭が痛いけど飲み会だからブルフェンを飲んで頑張ろう」などと無理をしてしまうと、かなり負担がかかることになります。

どんな病気も、基本は安静にして休むことが一番になります。ブルフェンを飲むくらい体調が悪いのであれば、アルコール自体なるべく避けるようにしましょう。

 

5.ブルフェンは高齢者、小児、妊婦には使用できるの?

ブルフェンは、高齢者には慎重に投与するように記載されています。また、5歳未満の小児には適応がありません。妊娠末期の妊婦の方も使用できないので、注意が必要です。

まずご高齢の方ですがブルフェンは高齢者に対しては慎重に投与するように記載されています。理由としては副作用が出やすいためとあります。特に上の文章をもう一度見て欲しいのですが、

などが悪い人などは慎重投与となっています。ただし高齢者の場合は、体力に限らず臓器の機能も徐々に低下していることが多いため、知らないうちにこれらの病気が隠れていることがあります。さらに熱が出たときにブルフェンを使用することは、かなりご高齢の方は慎重になった方が良いと思います。

ブルフェンは、熱を出してる原因を治療するものではありません。どうしても若年者よりも免疫機能も落ちているため、ブルフェンで様子を見ていたらあっという間に状態が悪くなったということが多々あります。

そのためご高齢の場合は市販薬のEVEではなく、まず医療機関を受診してからブルフェンを飲むようにした方が安全でしょう。

また小児に関してはブルフェンは、5歳未満のお子さまには安全性が確立されていないため処方されません。ただし5歳以上であれば処方できるお薬です。NSAIDsの中には成人でないと処方できないお薬もあるためその点では子供にも使用できやすいお薬と言えます。

妊婦の方は、ブルフェンはかなり注意が必要です。ブルフェンはお腹の赤ちゃんへ血液を介して移行するため、「動脈管閉塞」が生じることが報告されています。

お腹の中にいる赤ちゃんは羊水の中にいるために、自分自身で息を吸ったり吐いたりすることができません。そのため赤ちゃんは、お母さんが吸った酸素をもらって体に酸素行き渡らせます。その酸素を運ぶ血液の経路ですが、心臓から出た血液の大半は動脈管を介して大動脈に流入して全身に行きます。

つまり心臓と体を結ぶ大切な血管が動脈管なのです。そこが閉塞すると、心臓から流出する血液が体に行き渡らなくなってしまい、非常に重篤な状態になります。ブルフェンはこの動脈管を塞いでしまいます。動脈管の働きが重要になるのが妊娠後期です。そのため妊娠後半には、絶対にブルフェンを飲まないでください。

また添付文章には、産後にお母さんがブルフェンを飲んだ際は、授乳は避けるようにと書かれています。赤ちゃんにブルフェンの成分が移行するからです。ですがブルフェンは母乳に移行しにくく、それでいて効果がしっかりとしているので、授乳中でも影響が少ないお薬ともいわれています。

もしブルフェンが心配な人は、カロナールなどNSAIDs以外の痛み止めを処方してもらうと良いかもしれません。

 

まとめ