オパイリンの副作用と安全性

アイコン 2016.12.9 オパイリン

オパイリン(一般名:フルフェナム酸アルミニウム製剤)は、解熱鎮痛剤として多くの人に使用されています。主にオパイリンは痛風発作の際に処方されるかと思います。

ただしオパイリンは、NSAIDsとして胃腸障害や腎機能障害が出現しやすいお薬です。さらにオパイリンは、妊娠後期の方には使用できないなどの制限もあります。

オパイリンを正しく使用するために、ここではオパイリンにどのような副作用があり、どのような方が使えないのかみていきましょう。

 

1.オパイリンの副作用の特徴

オパイリンの副作用として気を付けるべきものとして、胃腸障害と腎障害があります。

オパイリンの添付文章では、総症例数総症例15,620例中447例(2.86%)の副作用が認められています。主なものは、

となっています。一番多いのは、消化器症状などの胃腸障害です。これは、オパイリンがアラキドン酸カスケードのCOXという物質を阻害するためです。COXは、1と2に分けられます。

オパイリンは痛みの原因となるCOX-2を抑えると同時に、胃の粘膜を保護する物質も阻害してしまうため胃があれてしまうのです。このことが、結果として腹痛や嘔気につながります。この副作用はオパイリンに特徴的というよりは、オパイリン含めてNSAIDsに特徴的な副作用です。

オパイリンはCOX-1が急激に阻害されないように、フルフェナム酸アルミニウム製剤がゆっくりと分解して徐々にフルフェナム酸が溶け出すように工夫されています。またアルミニウムも胃の粘膜保護につながる成分です。ただし、胃腸障害が出ないように工夫されたオパイリンでも副作用は出現するため注意が必要です。

また、オパイリンは主に腎臓で排泄されるため、漫然と服用していると、気が付かないうちに腎臓を傷めてしまうことがあります。腎臓は、おしっこを作って体の毒物を排泄する重要な臓器です。腎臓が痛んでしまうとおしっこが上手く排泄されなくなり、体に毒が蓄積されます。

水分が体に蓄積することで、むくみが出現します。さらに血管内に水分がパンパンになると、心不全にもつながるため非常に危険です。

胃腸障害も腎障害もオパイリンを1錠内服していきなり出現するというよりは、漫然と飲み続けてしまうと徐々に起こる副作用です。

そのため、どのような副作用があるのかよく理解して使用することが大切です。これらの副作用の対策について詳しく知りたい方は、「ロキソニンの副作用と安全性」を一読してみてください。

 

2.オパイリンが使用できない疾患は?

オパイリンは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍がある人には使用できません。また、アスピリン喘息の方は使用できません。

オパイリンの添付文章では、

  1. 消化性潰瘍のある患者[消化性潰瘍が悪化することがある。]
  2. 重篤な血液の異常のある患者[血小板機能障害を起こし、悪化するおそれがある。]
  3. 重篤な肝障害のある患者[副作用として肝障害が報告 されており、悪化するおそれがある。]
  4. 重篤な腎障害のある患者[急性腎不全、ネフローゼ症候群等の副作用を発現することがある。]
  5. 本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者
  6. アスピリン喘息[喘息発作を誘発することがある。]

となっています。この中で注意が必要なのは、

の2つです。

②~④は、「重篤な」という一言がついています。基本的にどの疾患にしろ重篤な状態であれば、入院で加療することがほとんどです。特に上記にあげられる病態は、命に関わることが多いです。そのためこれらの②~⑥でオパイリンの使用に注意するのは、患者さん側ではなく処方する医師側になります。

そのため患者さんにとって気を付けるとするならば、消化性潰瘍とアスピリン喘息の2つになります。

オパイリンは副作用で説明したように、痛みの原因となるCOX-2を抑えると同時に、胃の粘膜を保護する物質も阻害してしまうため胃があれてしまうのです。ここで大切なことは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍と知らずにオパイリンを連用してしまうことです。

オパイリン=万能薬と考えている人は、お腹の痛みに対してもオパイリンを飲んでしまう人が多いです。しかしそのお腹の痛みの原因が胃潰瘍や十二指腸潰瘍であれば、逆にオパイリンを飲んだせいで病状が悪化してしてしまいます。そのため腹痛の人は、絶対にオパイリンを安易に飲まないようにしましょう。

またアスピリン喘息は、喘息の中でもかなり特殊な病態です。喘息は、もともとは気道の慢性炎症によって気管支が狭くなる病気です。一般的には、Ⅰ型アレルギーに属します。Ⅰ型アレルギーは、好酸球やIgEが関与するアレルギー疾患で、他には花粉症や蕁麻疹などが挙げられます。

しかし最近、アレルギー以外が原因となる喘息があることが分かってきました。実はこの非アレルギー性の喘息の方が、対策もしづらく難治性といわれています。アレルギーではないということは分かっているのですが、細かい機序までは解明できていないためです。アスピリン喘息は、この非アレルギー性の喘息のひとつになります。

アスピリン喘息について詳しく知りたい方は、「痛み止めで喘息に?アスピリン喘息の症状と特徴」を一読してみてください。

アスピリン喘息の人にオパイリンを使用し続けると重篤な喘息発作が出現するため、必ず避ける必要があります。

 

3.オパイリンで注意するべき疾患は?

消化管潰瘍が過去にあった人は、やはり注意が必要です。

上記の状態の方は、添付文章上では使用してはいけないとされている方です。ただし上記以外の方でも、添付文章には以下の疾患の方は気を付けるように記載されています。

  1. 消化性潰瘍の既往歴のある患者[潰瘍を再発させることが ある。]
  2. 血液の異常又はその既往歴のある患者[溶血性貧血等の‌副作用が起こりやすくなる。]
  3. 肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させることがある。]
  4. 腎障害又はその既往歴のある患者[浮腫、蛋白尿、血清‌ クレアチニン上昇、高カリウム血症等の副作用が起こることがある。]
  5. 過敏症の既往歴のある患者
  6. 気管支喘息の患者[病態を悪化させることがある。]
  7. 潰瘍性大腸炎の患者[病態を悪化させることがある。]
  8. クローン病の患者[病態を悪化させることがある。]
  9. SLE(全身性エリテマトーデスの患者[病態を悪化させることがある。]

上記であげた疾患のうち、血液・肝臓・腎臓は重篤ではなくとも悪化することがあるため、注意が必要となっています。しかし、これらの疾患はオパイリンの副作用でも悪くなるし、風邪などの病気でも悪くなることは多々あります。

また、一度でもオパイリンで腎臓や肝臓などが悪化したことがあれば、その旨を医師に伝えることが重要になるので覚えておきましょう。

ここでも最も問題になるのは、過去に胃潰瘍や十二指腸潰瘍があった人です。医師の中でも、過去に胃潰瘍が十二指腸があったというだけで禁忌の扱いにして、オパイリンを処方しない方もいます。

しかしながら胃潰瘍の状態が安定していれば、慎重に投与することができるお薬です。もし胃潰瘍や十二指腸潰瘍が今の状態でオパイリンが内服できるか知りたい方は、一度胃カメラで精査することをお勧めします。また安定していたとしても、ムコスタなどの胃薬と一緒に飲むことで胃の粘膜を守ることが必要です。

アスピリン喘息だけでなく、オパイリンによって気管支喘息も起こりやすくなると記載されています。オパイリンの副作用というよりも、病気によるストレスで喘息発作を起こすことのほうが多いです。

 

4.オパイリンと併用してはいけない薬はないの?

オパイリンは、併用するのに注意が必要なお薬もあります。

オパイリンの添付文章では、いっしょに併用した。ただし他にも併用するのに注意が必要なお薬はあります。

  1. ワルファリン(抗凝血作用を増強するおそれがあるため)
  2. 炭酸リチウム(リチウムの濃度が上昇しやすくなるため)
  3. チアジド系利尿薬 (利尿・降圧作用を減弱するため)
  4. コレスチラミン(オパルモンの血中濃度が低下するため)

の4つが挙げられています。もしこれらのお薬を使用して気になる人は、一度医師に相談してみましょう。ただしこれらのお薬は、他のNSAIDsでもほぼ慎重投与になるため注意が必要です。

 

5.オパイリンとアルコールは一緒に摂取して良いの?

オパイリンは胃腸を悪くするお薬です。胃を荒らす可能性があるアルコールと一緒に内服するのは、勧められません。

オパイリン含めてNSAIDsは、胃腸障害が最も多い副作用のお薬です。そのため、空腹に飲むことは勧められていません。一方で食事の時に、お酒を飲みながらオパイリンを飲んでも良いかという質問をよく受けます。

結論としてはアルコールで一緒にオパイリンを内服しない方が安全です。オパイリンと一緒にアルコールを摂取することで、胃腸を荒らす可能性があるからです。特にオパルモンは胃腸障害を起こしづらくするためにアルミニウムも含まれています。せっかく胃粘膜を守る成分を飲んでも、アルコールを飲んでしまったら水の泡になってしまいます。

またオパイリンを内服するということは、体にどこか異常があるということです。そしてオパイリンはその異常を治すお薬ではなく、痛みや熱を感じなくしづらくするお薬です。

どんな病気も、基本は安静にして休むことが一番になります。効果が比較的強いオパイリンを飲むくらい体調が悪いのであれば、アルコール自体絶対にやめましょう。

 

6.オパイリンは高齢者、小児、妊婦には使用できるの?

オパイリンは、高齢者には慎重に投与するように記載されています。小児は推奨されていません。妊娠末期の妊婦の方も使用できないので、注意が必要です。

まずご高齢の方ですが、オパイリンは高齢者に対しては慎重に投与するように記載されています。理由としては、副作用が出やすいためとあります。特に上の文章をもう一度見て欲しいのですが、

オパイリンは、熱を出してる原因を治療するものではありません。どうしても若年者よりも免疫機能も落ちているため、オパイリンで様子を見ていたらあっという間に状態が悪くなったということが多々あります。

また小児に関しては、オパイリンは安全性が確立されていません。現時点では、NSAIDsも数多く処方されています。NSAIDsの中でもオパイリンと同じアントラニル酸系であり小児への投与も適応があるポンタールの方が良いです。ポンタールであれば小児用の量も記載されており使いやすいです。

妊婦の方は、オパイリンはかなり注意が必要です。オパイリンはお腹の赤ちゃんへ血液を介して移行するため、「動脈管閉塞」が生じることが報告されています。

お腹の中にいる赤ちゃんは羊水の中にいるために、自分自身で息を吸ったり吐いたりすることができません。そのため赤ちゃんは、お母さんが吸った酸素をもらって体に酸素行き渡らせます。その酸素を運ぶ血液の経路ですが、心臓から出た血液の大半は動脈管を介して大動脈に流入して全身に行きます。

つまり心臓と体を結ぶ大切な血管が動脈管なのです。そこが閉塞すると、心臓から流出する血液が体に行き渡らなくなってしまい、非常に重篤な状態になります。オパイリンはこの動脈管を塞いでしまいます。動脈管の働きが重要になるのが妊娠後期です。そのため妊娠後半には、絶対にオパイリンを飲まないでください。

また添付文章には、産後にお母さんがオパイリンを飲んだ際は、授乳は避けるようにと書かれています。赤ちゃんにオパイリンの成分が移行するからです。しかしこれも医師の考え方によってまちまちで、一定の見解は得られていません。

もしオパイリンが心配な人は、カロナールなどNSAIDs以外の痛み止めを処方してもらうと良いかもしれません。

 

まとめ