気分安定薬の種類にはどのようなものがあるのか

アイコン 2016.1.13 気分安定薬のまとめ

気分安定薬(ムードスタビライザー)は、気分の波を小さくしてくれるお薬になります。その効果は3つに分けることができます。

気分安定薬は、主に双極性障害の治療で使われます。双極性障害では、患者さんによってその症状のあらわれ方は異なります。患者さんごとに、適切なお薬を選んでいきます。

ここでは、気分安定薬の種類について詳しくお伝えしていきます。

 

1.気分安定薬に期待される3つの効果

抗うつ効果・抗躁効果・再発予防効果が期待されます。

気分安定薬は、おもに双極性障害に使われるお薬です。双極性障害とは脳の機能的な異常により、躁症状とうつ症状を繰り返す病気です。

躁症状では、頭がさえて活動的になり気分が異様に高まります。周囲のことを気にかけずに気分のままに行動してしまいます。借金やギャンブル、浮気や暴力などによって友人や家族との関係を損なったり、非常識なことをしてしまって仕事や地位を失ったりしてしまいます。

うつ症状では、気分がめいってしまい意欲がわかなくなってしまいます。物事に集中もできなくなってしまい、倦怠感が強くなります。本来の活動ができなくなってしまうことで、社会的な損失をひきおこしてしまいます。

双極性障害ではこのような症状を、波をうつようにして繰り返してしまいます。ですから双極性障害の治療としては、大きく2つの目的があります。

このため気分安定薬としては、以下の3つの効果が期待されます。

今困っている症状を緩和していかなければいけません。躁症状には抗躁効果のある薬を、うつ症状には抗うつ効果のある薬を使う必要があります。

また、長い目で見ると気分の波を少なくする再発予防効果が重要です。

 

2.気分安定薬はどのような種類があるの?

リーマス・デパケン・テグレトール・ラミクタールの4つが気分安定薬に分類されています。

気分安定薬は、気分の波を小さくしてくれるお薬のことです。気分安定薬としては、4つの薬が分類されています。

これらのお薬の作用機序ははっきりとわかっていませんが、脳の活動を抑制することで気分安定作用が期待できると考えられています。デパケン・テグレトール・ラミクタールの3つは、抗てんかん薬として開発されたお薬になります。

気分の波を小さくしてくれるという意味では、抗精神病薬も気分安定作用があるといえます。しかしながら抗精神病薬は、統合失調症治療薬として開発されたお薬です。このため一般的に、気分安定薬には含めません。

気分安定薬は穏やかに気分を落ち着けるのに対し、抗精神病薬は鎮静作用によって気分を落ちつけます。急を要する場合は抗精神病薬を使い、じっくりと治療できるときは気分安定薬を使うのが一般的です。

再発予防効果としては抗精神病薬では物足りないものが多く、気分安定薬のリーマスとデパケンが優れています。

 

3.4つの気分安定薬とは?

それでは具体的に4つの気分安定薬をみていきましょう。

 

3-1.リーマス(炭酸リチウム)

リーマスはもっとも古くから使われている気分安定薬です。このため、多くの研究が積み重ねられてきたため、エビデンスが豊富です。

3つの効果をすべて持ち合わせており、特に再発予防効果には定評があります。また、自殺予防効果が示されている唯一のお薬になります。

しかしながら治療域と安全域が狭いため、中毒に注意が必要です。定期的に採血をして、血中濃度を確認しながら使っていきます。妊娠への影響も大きなお薬なので、妊娠の可能性がある方には注意が必要です。

リーマスは気分爽快や多幸感が認められるような、比較的ピュアな躁症状がある方に向いています。

リーマスについて詳しく知りたい方は、「リーマス錠の効果と特徴」をお読みください。

 

3-2.デパケン(バルプロ酸ナトリウム)

デパケンも古くから使われているお薬です。抗てんかん薬として広く使われており、その中で気分安定化薬としての効果がわかってきました。片頭痛の予防薬としても使われています。

デパケンは、リーマスに次いで再発予防効果が優れているお薬です。抗躁効果もしっかりとしていますが、抗うつ効果は乏しいです。

デパケンの特徴としては、気分安定薬の中では比較的安全性が高い点です。眠気の副作用が比較的多く、高アンモニア血症や肝機能障害には気をつける必要があります。また、妊娠への影響にも注意が必要です。

デパケンは、複雑な躁状態の方に向いています。以下のような方では、デパケンが向いています。

デパケンについて詳しく知りたい方は、「デパケン錠・デパケンR錠の効果と特徴」をお読みください。

 

3-3.テグレトール(カルバマゼピン)

テグレトールも、てんかんの治療薬としては広く使われているお薬です。デパケンと同様に気分安定薬としても使われていて、他にも三叉神経痛にも適応が認められています。

テグレトールは抗躁効果の強さが特徴的です。しかしながら副作用が全体的に目立ち、重篤な副作用のリスクも高いお薬です。重症薬疹や無顆粒球症などに注意が必要です。

テグレトールは、デパケンやリーマスでも躁症状を繰り返してしまう方に使われるお薬です。

テグレトールについて詳しく知りたい方は、「テグレトール錠の効果と特徴」をお読みください。

 

3-4.ラミクタール(ラモトリギン)

ラミクタールは、難治性てんかんの治療薬として作られた比較的新しいお薬です。

ラミクタールには、抗うつ効果を期待することができます。気分安定薬の中で抗うつ効果が期待できる薬は少ないため、ひとつの有効な選択肢となります。

また、副作用が少なく、妊娠への影響も少ない薬です。ただ、重症薬疹の頻度だけ高いため注意が必要です。薬疹に注意しながら用法どおりに使っていれば、比較的安全性の高いお薬といえます。

ラミクタールは、うつ状態が中心の方には向いているお薬です。また、妊娠を考えている方にも向いているお薬です。

ラミクタールについて詳しく知りたい方は、「ラミクタール錠の効果と特徴」をお読みください。

 

まとめ

気分安定薬には、抗うつ効果・抗躁効果・再発予防効果が期待されます。

リーマス・デパケン・テグレトール・ラミクタールの4つが気分安定薬に分類されています。