安定剤リーゼ錠の効果・効能

アイコン 2016.12.3 リーゼ

リーゼ錠は、1978年に発売されたベンゾジアゼピン系抗不安薬です。

リーゼ錠の特徴は、その副作用の少なさにあります。そのかわりに効果もマイルドなのですが、安全性の高さから高齢者などにもよく使われる抗不安薬になります。

抗不安薬は安定剤とも呼ばれたりしますが、不安感や緊張感を和らげてくれるお薬です。リラックスさせるお薬なので、眠気やふらつきなどの副作用に注意しなければいけません。リーゼは副作用が少ないといっても、まったくこのような副作用がないわけではありません。

ここでは、リーゼ錠の効果と効能について詳しくみていきたいと思います。他の抗不安薬とも比較しながら、どのような方にリーゼ錠が向いているのかを考えていきましょう。

 

1.リーゼの作用の仕組み(作用機序)

リーゼはGABAの働きを強めて、脳の活動を抑えます。

リーゼの効果はどのようにしてでてくるのでしょうか?ここでは簡潔にご説明していきたいと思います。

リーゼはベンゾジアゼピン受容体に作用します。これによってGABAの働きを強めて脳の活動を抑えることで効果を発揮します。

「GABAってなんか聞いたことあるぞ?」って方もいらっしゃるかもしれません。リラックスする物質として、GABA入りのチョコレートなどが流行っていましたね。GABAは脳の中での情報の受け渡しに関係していて、神経伝達物質とよばれます。リラックスすると言われている通り、脳の神経細胞の活動を抑える作用があります。

 

リーゼがベンゾジアゼピン受容体にくっつくと、GABAがGABA受容体にくっつきやすくなります。GABAが脳内で作用すると、脳の活動が抑えられて不安感や緊張感が和らぐのです。

もう少し詳しくみると、ベンゾジアゼピン受容体にはω1とω2の2種類があります。リーゼがω1受容体に作用すると、催眠作用や抗けいれん作用が認められます。ω2受容体に作用すると、抗不安作用と筋弛緩作用が認められます。

このためリーゼでは、脳の活動を抑えることで4つの作用があります。

 

2.リーゼの効果と特徴

リーゼは、脳の活動を抑えることで落ち着かせてくれるお薬です。4つの作用の強さは、

となっています。これをふまえて、リーゼの特徴をメリットとデメリットに分けてみていきましょう。

 

2-1.リーゼのメリット

リーゼは効果がでてくるのが早く、即効性が期待できます。効果は優しい抗不安薬ですが、服用することで多少なりとも楽になります。その安心感から、苦手なことも上手くいくことが多いです。

リーゼには抗不安作用だけでなく、催眠作用や筋弛緩作用があります。いずれも作用が弱いので、副作用も少ないです。日中に眠気やふらつきが生じることが少ないです。ですから、足腰が弱っている高齢者によく使われています。

効果の優しさは、依存性の低さにもつながります。身体に与える影響が少ないので、離脱症状なども起こりにくいです。必要が無くなれば止めやすいお薬といえます。

 

2-2.リーゼのデメリット

リーゼのデメリットは、効果の優しさにあります。強い不安の時は、リーゼでは力不足になってしまいます。リーゼは効果の実感が薄いお薬なので、「飲んでも全然効かない」と感じる方もいらっしゃいます。筋弛緩作用や催眠作用が少ないのも、実感のなさにつながってしまいます。

また、リーゼは睡眠の質を落としてしまう傾向にあります。レム睡眠やノンレムの深い睡眠を減らしてしまい、ノンレムの浅い睡眠を増やしてしまいます。睡眠時間は長くなっても、睡眠の質が落ちてしまって熟眠感が薄れてしまうことがあります。

リーゼの副作用について詳しく知りたい方は、「リーゼの副作用(対策と比較)」をお読みください。

 

3.リーゼの作用時間と効き目

リーゼは最高血中濃度到達時間が1時間、半減期が6時間の短時間型抗不安薬です。効果の持続時間は3~6時間ほどです。抗不安作用・催眠作用・筋弛緩作用ともに弱いです。

リーゼを服用すると、およそ1時間で血中濃度がピークになります。リーゼはそこから少しずつ血中濃度が減っていきます。6時間かけて身体から薬が抜けて、血中濃度が半分になります。

この血中濃度がピークになるまでの時間を「最高血中濃度到達時間」、血中濃度が半分になるまでを「半減期」といいます。

リーゼでは、「最高血中濃度到達時間1時間・半減期6時間」となっています。

服用してから1時間で効果のピークがくるので、即効性が期待できる抗不安薬です。半減期は6時間と、抗不安薬の中では短いです。

リーゼのような作用時間の抗不安薬は「短時間型」に分類されます。

 

実際の効果としては、服用して15分~30分くらいで出てきます。効果のピークは1時間でやってきて、効果はしばらく続きます。効果の持続時間は個人差があり、薬が効きやすい方と効きにくい方がいらっしゃいます。リーゼの効果の持続時間は、およそ3~6時間といったところになります。

 

リーゼの効果の強さとしては、

となっています。

用量は15~30mgとなっていて、最大30mgまで使える抗不安薬です。即効性を期待して頓服として使う時は、5mgか10mgを使います。リーゼを1日中効かせたいときは、1日3回に分けて服用します。

 

4.リーゼとその他の抗不安薬(効果と副作用の比較)

リーゼの作用時間は短いです。他の抗不安薬と比較すると、抗不安作用・催眠作用・筋弛緩作用が弱く、優しい薬と言えます。

抗不安薬には、さまざまな種類が発売されています。比較してみてみましょう。

抗不安薬を比較するにあたっては、2つのポイントがあります。

よく使われるベンゾジアゼピン系抗不安薬で、この2つのポイントを比較してみましょう。

代表的な抗不安薬の効果や作用時間について比較した一覧表です。

まずは作用時間によってタイプがわかれています。作用時間は、ピーク(最高血中濃度到達時間)と半減期をみて推測していきます。

作用時間は短時間作用型~超長時間作用型までの4つに分類できます。

短時間~中間型に関しては、即効性を期待して使うことが多いです。一方で超長時間型は、飲み続けていくことで全体的に落ち着かせる土台をつくるようなお薬です。長時間型はその中間に位置していて、即効性も期待できますし、飲み続けていくことで不安を落ち着かせていくこともできます。

作用時間による副作用の違いは、

といえます。

 

患者さんの不安の状態から、どの作用時間の抗不安薬が適切か考えていきます。その上で、作用の強さを比較して選んでいきます。

短時間型では、デパス>>リーゼ>グランダキシンです。デパスは催眠作用が強く、睡眠薬にも分類されることがあります。また、筋弛緩作用も強いので、肩こりなどにも使われます。デパスに比べると、リーゼの作用はかなり弱くなります。

中間型では、レキソタン>ワイパックス≧ソラナックス/コンスタンです。いずれも抗不安効果が強く、不安の発作にも使われます。レキソタンは筋弛緩作用が強いです。

長時間型では、リボトリール/ランドセン>セパゾン>セルシン/ホリゾンです。セルシン/ホリゾンには注射があります。服薬ができない時は、筋肉注射が効果的です。

超長時間型では、レスタス>メイラックスです。このタイプは非常に作用時間が長いです。このため、副作用が一度出てしまうと抜けるのに時間がかかってしまいます。ですから、副作用の穏やかなメイラックスの方がよく使われています。

 

この他にも、抗不安薬はたくさん発売されています。頻度はかなり減りますが、服用されている方もいらっしゃるかと思います。それぞれのお薬の特徴を表にまとめましたので参考にしてください。

マイナーな抗不安薬の比較

 

5.リーゼが向いている人とは?

リーゼの特徴を一言でいうならば、「優しい抗不安薬」です。効果も穏やかですが、そのぶん副作用や依存性も優しいです。

ですから、軽度の不安がある方ではリーゼから使っていくことも多いです。リーゼで安心感が持てるならば、必要以上に強いお薬は必要ありません。

このように副作用や依存性が少ないお薬なので、精神科のお薬を使うことに抵抗が大きい方にも向いているお薬です。インターネットで調べていただいても、リーゼの危険性はほとんど書いてありません。「お薬を使うと楽になる」という、いい面を大事にしてください。ちゃんと用法を守って使っていれば、ほとんどの精神科の薬は安全に使用できます。

また、催眠作用や筋弛緩作用が弱いので、高齢者に向いています。高齢者は筋力が落ちてしまって足腰が弱くなってしまいます。また、肝臓や腎臓の機能が落ちていることが多いので、薬の分解が遅れて効果が強くでてしまいます。このため、リーゼのような作用が優しい薬から使っていく方が安全です。

 

まとめ

リーゼの作用の特徴は、

リーゼのメリットとしては、

リーゼのデメリットとしては、

リーゼが向いている方は、