レキソタンとお酒(アルコール)は大丈夫?

アイコン 2015.9.10 レキソタン

「薬を飲んでいるとお酒は飲めない」と、何となく知っている方は多いかと思います。そうはいっても、「大好きなお酒はやめられない」「付き合いで飲まないといけない」など、いろいろな事情があると思います。

それでもレキソタンなどの抗不安薬は、アルコールやお酒とは併用しないほうがよいです。どうしてもお酒を飲まなければいけない時は、レキソタンを我慢しましょう。

どうしてレキソタンとアルコールは避けなければいけないのでしょうか?ここでは、お酒がレキソタンに及ぼす影響を考えていきましょう。

 

1.レキソタンの添付文章では?

併用注意の項目に「アルコールとの服用は避けさせることが望ましい」と記載されています。機会飲酒の場合は、その日のレキソタンの服用を我慢しましょう。飲酒習慣がやめられない方は、主治医にしっかりと相談しましょう。

市販薬を購入すると、お薬の説明書がついてくるかと思います。レキソタンにも説明書(添付文章)がちゃんとあります。

その中では、併用注意という項目にアルコールが含まれていて、「アルコールとの服用は避けさせることが望ましい」と記載されています。絶対にダメというわけではないのですが、できれば止めてほしいということですね。

どうしてダメかというと、「ともに中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用を増強するおそれがある」と記載されています。

アルコールも飲み過ぎると眠ってしまうこともありますね。レキソタンもアルコールも、中枢神経を抑制する作用があります。2つの作用が合わさって薬が効きすぎてしまうために、脳の機能を落としすぎてしまうのです。また、レキソタンとアルコールの分解も遅れてしまうので、どちらの作用時間も延びてしまいます。

 

2.レキソタンとお酒(アルコール)を併用してしまうと?

依存が形成されやすくなるのが一番の問題です。薬が効きすぎてしまって副作用が出やすくなったり、効果が予測できなくなったりします。

レキソタンとお酒を併用してしまうと、どのような問題があるのでしょうか?

一番の問題は、依存につながってしまうことです。抗不安薬もアルコールも依存しやすいという特徴があります。この2つを併用してしまうと、両方への依存につながりやすくなります。つまり、抗不安薬依存とアルコール依存の両方になりやすくなってしまうのです。依存になってしまったら、抜け出すのは非常に大変です。治るまでの過程で失うこともたくさんあります。中には人生で取り返しがつかなくなってしまう方もいらっしゃいます。ですから依存につながることは絶対に避けたいのです。

レキソタンとアルコールを併用していると、薬が身体にすぐに慣れてしまって効かなくなってしまいます。これを耐性といいますが、急激に耐性が形成されてしまいます。また、抗不安薬やアルコールが身体から抜けてしまうと、調子が悪くなってしまうようになります。これを身体依存といいます。抗不安薬やアルコールは効果の実感が大きいので、精神的にも依存してしまいます。こららが悪循環してしまいコントロールを失っていき、依存症につながってしまうのです。

 

他にも、薬の説明書の注意の通り、薬が効きすぎてしまいます。レキソタンとお酒を飲むと、どちらも肝臓で分解されて身体から抜けていきます。肝臓にとってみると、レキソタンとアルコールの両方を処理しなければいけません。できる仕事は限られていますので、レキソタンもアルコールも身体に残りやすくなってしまいます。お酒も薬も効きすぎてしまうのです。このため、眠気やだるさが出やすくなってしまいます。

 

さらには、飲酒習慣があると効果が不安定になってしまいます。レキソタンとアルコールが相互に作用することによって、レキソタンの効果を予想できなくなってしまいます。肝臓の機能が変化してしまうことも合わさって、薬の血中濃度がさらに不安定になってしまいます。ですから、処方している医師にもどのように効くのかが予想つかなくなってしまいます。

 

このように、レキソタンとアルコールを併用すると依存のリスクが高まってしまいます。急激に効いてしまって副作用が出やすくなってしまいます。さらには、薬の効果が予測がつきにくくなってしまい、治療がうまく進まなくなってしまいます。治療をしていてもなかなかよくならず、薬がどんどん効かなくなって増えてしまったり、薬の効果が何だか変だ・・・と感じていたら、お酒の問題が隠れていることも よくあります。

お酒がどうしてもやめられない・・・そんな方は、必ずそのことを主治医に伝えてください。お酒がやめられないこともひっくるめて、患者さんの生活を丸ごと受け止めていくのが精神科の治療です。正直に言ってくだされば、お酒を意識しながらの治療をすすめていくことができます。

 

3.付き合いで飲まなければいけない時は・・・

レキソタンを飲みながら仕事や家庭生活をしている方はたくさんいらっしゃいます。お酒に誘われる機会は公私にあるかと思います。どうしても断れない・・・そんな時もあるかもしれません。そのような時はどうすればよいでしょうか?

 

3-1.お酒を飲めない口実を作る

ドクターストップと伝えて、最終的には妻や夫のせいにしましょう。

お酒を飲まなくてすむならば、それに越したことはありません。お酒を誘われたら断る口実をあらかじめ考えておくと、上手く断れることもあるかと思います。

ありのままにレキソタンを飲んでいることや、病気のことなどを伝えられるならば、相手も無理に誘ってこないかと思います。ですが、なかなかカミングアウトしづらいので、隠しながら生活している方も多いかと思います。事情を知らない方に飲みに誘われると困ってしまいますね。うまく逃れている患者さんからお聞きすると、みなさん身体の病気のせいにしていました。

「肝臓が悪いから医者に絶対ダメと言われた」でも、「血圧やコレステロールの薬をのみはじめて医者から酒はダメと言われた」でも大丈夫です。すべては医者のせいにしてしまって、薬を飲めないことを伝えてみましょう。中にはそれでも引き下がらない相手もいるかもしれません。そんな時は、「奥さんから怒られる」の一言で撃退できます。もちろん女性の方は、「夫に怒られる」でも大丈夫ですが、奥さんと比べるとパワーは弱くなってしまいます・・・身体の心配をするのは家族として当たり前のことですから、ウソも方便です。

 

3-2.その日のレキソタンは我慢する

お酒を飲んでしまった日は、できるだけレキソタンを我慢するようにしましょう。

どうしても付き合いで飲まなければいけない時はどうすればよいでしょうか?できることならば、レキソタンはガマンするようにしてください。抗うつ剤などの持続的な効果が必要な薬は飲んだ方がよいですが、抗不安薬のレキソタンは即効性を期待するお薬です。その日はレキソタンなしで我慢してしまえば、翌日などには影響しません。このため、できるだけガマンするようにしましょう。

 

4.お酒の習慣がなかなかやめられない方は・・・

お酒が好きで、なかなかやめられない方もいらっしゃるかと思います。飲酒が習慣になってしまっている方は、どのようにしたらお酒をやめていけるでしょうか?

 

4-1.断酒をしていく

まずは断酒の意志を固めましょう。嫌酒薬のシアナマイドやノックビンを使います。

お酒の量を自分でコントロールできない方は、断酒をした方がいいです。ほっておくとアルコール依存症になりかねません。精神科の病気を抱えている方は、アルコール依存症になりやすいといわれていますので注意が必要です。

「日によってお酒の量が変わってしまう」「もうやめなきゃと思ってもやめられない」、そんな方は断酒を考えましょう。断酒は生半可な気持ちではできません。これまで、お酒のコントロールを失って損をしていることはたくさんあるはずです。それをしっかりと思い出してください。そして、周囲に断酒を宣言して背水の陣をしきましょう。ここまですると、家族や友人がサポートしてくれると思います。

 

その上で、嫌酒薬を病院で処方してもらいます。嫌酒薬とは、お酒が嫌いになる薬ではありません。簡単に言ってしまうと、お酒に極端に弱くなってしまう薬です。お酒を少し飲んだだけで、頭痛、吐き気、顔面紅潮、動悸、めまいなどが起こりやすくなります。嫌酒薬は、アルコールを分解するアセトアルデヒド脱水素酵素を邪魔します。すると、アセトアルデヒドがたまってしまって、お酒が弱い方の症状が出てしまうのです。嫌酒薬は、断酒の意志を固めてから、さらに覚悟を決めるために使います。

嫌酒薬としては、2種類があります。シアナマイドとノックビンです。前者は、即効性があって効果が持続しますが、肝障害のリスクがあります。効果の持続は、体内の酵素が入れ替わるまでの1~2週間ほどあります。後者は、液剤で冷凍保存が必要という不便さがありますが、薬効が短いために安全性が高いです。

 

4-2.節酒をしていく

レグテクトを使いながら、少しずつ飲酒量を減らしていきましょう。

自分である程度の量に抑えることができる方は、節酒からはじめていくこともできます。まずは休肝日を作って、少しずつ一日のお酒の量を減らしていきます。そのサポートになる薬として、レグテクトが2013年に発売されました。

アルコールを慢性的に取り続けると、グルタミン酸が上昇するといわれています。グルタミン酸は興奮に働く脳内伝達物質です。このグルタミン酸を抑えることで、飲酒欲求が抑えられるといわれています。お酒を飲まないとイライラしたり、何だか落ち着かなくなるような方には、よく効く印象があります。実際に処方してみたところ、飲酒習慣がきれいになくなる方もいます。副作用としては、腎臓での排泄が中心になりますので、腎機能に影響があると考えられています。また、吐き気を訴える方も多いですが、全体的にみて安全性は高いです。

日本ではまだ発売されていませんが、飲酒欲求を抑える薬としてナルトレキソンも使われています。この薬は、脳内麻薬の受容体とくっつくことで作用を低下させます。その結果、多幸感が薄れるためアルコールによる快感を少なくします。日本でも、類似薬の治験もはじまっているので、いずれ使うことができるようになると思います。

 

まとめ

併用注意の項目に「アルコールとの服用は避けさせることが望ましい」と記載されています。機会飲酒の場合は、その日のレキソタンの服用を我慢しましょう。飲酒習慣がやめられない方は、主治医にしっかりと相談しましょう。

依存が形成されやすくなるのが一番の問題です。薬が効きすぎてしまって副作用が出やすくなったり、効果が予測できなくなったりします。

機会飲酒がある時は、飲めない口実を作るか、飲んでしまったらレキソタンを我慢するようにしましょう。

飲酒習慣がある時は、断酒や節酒の治療を同時に進めていきましょう。

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