アルプラゾラム錠の効果と強さ

アイコン 2015.9.16 ソラナックス・コンスタン

アルプラゾラム錠は、1984年に発売されたベンゾジアゼピン系抗不安薬ソラナックスのジェネリックです。

抗不安薬は安定剤とも呼ばれたりしますが、不安感や緊張感を和らげてくれるお薬です。リラックスするお薬なので、眠気やふらつきなどの副作用には注意をしなければいけません。

アルプラゾラムの特徴は、効果と副作用のバランスがとれていることです。即効性もあって効果も期待でき、そのわりに副作用は少ないです。

ここでは、アルプラゾラム錠の効果について詳しくみていきたいと思います。他の抗不安薬とも比較しながら、どのような方にアルプラゾラムが向いているのかを考えていきましょう。

 

1.アルプラゾラムの作用の仕組み(作用機序)

GABAの働きを強めて、脳の活動を抑えます。

アルプラゾラムの効果はどのようにしてでてくるのでしょうか?ここでは簡潔にご説明していきたいと思います。

アルプラゾラムはベンゾジアゼピン受容体に作用します。これによってGABAの働きを強めて脳の活動を抑えることで効果を発揮します。

「GABAってなんか聞いたことあるぞ?」って方もいらっしゃるかもしれません。リラックスする物質として、GABA入りのチョコレートなどが流行っていましたね。GABAは脳の中での情報の受け渡しに関係していて、神経伝達物質とよばれます。リラックスすると言われている通り、脳の神経細胞の活動を抑える作用があります。

 

アルプラゾラムがベンゾジアゼピン受容体にくっつくと、GABAがGABA受容体にくっつきやすくなります。GABAが脳内で作用すると、脳の活動が抑えられて不安感や緊張感が和らぐのです。

もう少し詳しくみると、ベンゾジアゼピン受容体にはω1とω2の2種類があります。アルプラゾラムがω1受容体に作用すると、催眠作用や抗けいれん作用が認められます。ω2受容体に作用すると、抗不安作用と筋弛緩作用が認められます。

このためアルプラゾラムでは、脳の活動を抑えることで4つの作用があります。

 

2.アルプラゾラムの効果と特徴

アルプラゾラムは、脳の活動を抑えることで落ち着かせてくれるお薬です。4つの作用の強さは、

となっています。これをふまえて、アルプラゾラムの特徴をメリットとデメリットに分けてみていきましょう。

 

2-1.アルプラゾラムのメリット

不安感や緊張が強いと、失敗が増えてしまうことが多いです。そうすると苦手意識ができてしまって、ますます不安が強くなるという悪循環が続いてしまいます。

アルプラゾラムは抗不安作用がしっかりとしているので、この悪循環をとめる効果が期待できます。抗不安作用としては、デパスやレキソタンなどには劣りますが、「普通~やや強い」抗不安効果が期待できます。即効性もあるので、薬を飲んだ直後から効果が期待できます。不安に対してはSSRIなどの抗うつ剤も効果がありますが、効果が出てくるのが遅いので時間がかかってしまいます。

 

アルプラゾラムには抗不安作用だけでなく、催眠作用や筋弛緩作用があります。筋弛緩作用が弱いので、ふらつきの副作用は少ないです。催眠作用もありますが「中」くらいですので、積極的に睡眠薬として使うことはありません。不安が強くて寝付けない方は、アルプラゾラムを睡眠薬がわりに使うこともあります。

 

2-2.アルプラゾラムのデメリット

アルプラゾラムには催眠作用があります。不安感や緊張が強い時は眠気を感じることは少ないかと思います。薬をのんで気持ちが落ち着くと、急に眠気が強く出てくることがあります。アルプラゾラムは効果がしばらく持続するので注意してください。

アルプラゾラムでは依存性も中程度のお薬です。最初はしっかりと効いてくれるのですが、だんだんと薬が身体に慣れてしまいます。徐々に同じ量では効果が出なくなってしまい、薬がドンドンと増えてしまうこともあります。また、「もう大丈夫だろう」と薬を減らしていく時に、身体がビックリしてしまって離脱症状がでてくることがあります。漫然と使うことは避けましょう。

アルプラゾラムでは、睡眠の質を落としてしまう傾向にあります。レム睡眠やノンレムの深い睡眠を減らしてしまい、ノンレムの浅い睡眠を増やしてしまいます。このため、睡眠の質が落ちてしまって熟眠感が薄れてしまうことがあります。

アルプラゾラムの副作用について詳しく知りたい方は、
アルプラゾラムの副作用(対策と比較)
をお読みください。

 

3.アルプラゾラムの作用時間・効果時間と強さ

アルプラゾラムは最高血中濃度到達時間が2時間、半減期が14時間の中間型抗不安薬です。効果時間は7~14時間ほどになります。抗不安作用は「普通~やや強い」です。催眠作用が中程度で、筋弛緩作用が弱いです。

アルプラゾラムを服用すると、およそ2時間で血中濃度がピークになります。アルプラゾラムはそこから少しずつ血中濃度が減っていきます。12時間かけてゆっくりと身体から薬が抜けて、血中濃度が半分になります。

この血中濃度がピークになるまでの時間を「最高血中濃度到達時間」、血中濃度が半分になるまでを「半減期」といいます。

アルプラゾラムでは、「最高血中濃度到達時間2時間・半減期14時間」となっています。

服用してから2時間して効果のピークがくるので、即効性が期待できる抗不安薬です。さらに半減期が14時間なので、1日たっても1/4は残っています。このため、毎日服用していると身体にたまっていきます。アルプラゾラムを毎日服用したときの血中濃度の変化を考えてみましょう。

薬を飲み続けると、定常状態となります。その様子を図であらわしました。

飲み続けていると、あるところで均衡状態ができます。この状態を定常状態といいます。アルプラゾラムでは3日ほど服用を続けると、定常状態に達します。このようなお薬なので、頓服としても効果が期待できますし、定期的に飲み続けていくと不安になりにくい土台もできていきます。

このようにどちらにも効果が期待できるため、アルプラゾラムのような作用時間の抗不安薬は「中間型」に分類されます。

 

実際の効果としては、服用して15分~30分くらいで出てきます。効果のピークは2時間くらいしてやってきて、効果はしばらく続きます。効果の持続時間は個人差があり、薬が効きやすい方と効きにくい方がいらっしゃいます。アルプラゾラムの効果の持続時間は、およそ7~14時間といったところになります。

 

アルプラゾラムの効果の強さとしては、

となっています。抗不安効果の強さは「中」となっていますが、もう少し細かく表現するならば「普通~やや強い」といったところでしょう。

用量は0.8~2.4mgとなっていて、最大2.4mgまで使える抗不安薬です。

 

4.アルプラゾラムと他剤の比較(効果と副作用)

アルプラゾラムは、作用時間は中間型です。抗不安作用がしっかりとしているわりに、筋弛緩作用が弱いのが特徴です。

抗不安薬には、さまざまな種類が発売されています。比較してみてみましょう。

抗不安薬を比較するにあたっては、2つのポイントがあります。

よく使われるベンゾジアゼピン系抗不安薬で、この2つのポイントを比較してみましょう。

代表的な抗不安薬の効果や作用時間について比較した一覧表です。

まずは作用時間によってタイプがわかれています。作用時間は、ピーク(最高血中濃度到達時間)と半減期をみて推測していきます。

作用時間は短時間作用型~超長時間作用型までの4つに分類できます。

短時間~中間型に関しては、即効性を期待して使うことが多いです。一方で超長時間型は、飲み続けていくことで全体的に落ち着かせる土台をつくるようなお薬です。長時間型はその中間に位置していて、即効性も期待できますし、飲み続けていくことで不安を落ち着かせていくこともできます。

作用時間による副作用の違いは、

といえます。

 

患者さんの不安の状態から、どの作用時間の抗不安薬が適切か考えていきます。その上で、作用の強さを比較して選んでいきます。

短時間型では、デパス>>リーゼ>グランダキシンです。デパスは催眠作用が強く、睡眠薬にも分類されることがあります。また、筋弛緩作用も強いので、肩こりなどにも使われます。

中間型では、レキソタン>ワイパックス≧アルプラゾラム/コンスタンです。いずれも抗不安作用が強く、不安の発作にも使われます。レキソタンは筋弛緩作用が強いのに対して、アルプラゾラムは弱いです。

長時間型では、リボトリール/ランドセン>セパゾン>セルシン/ホリゾンです。セルシン/ホリゾンには注射があります。服薬ができない時は、筋肉注射が効果的です。

超長時間型では、レスタス>メイラックスです。このタイプは非常に作用時間が長いです。このため、副作用が一度出てしまうと抜けるのに時間がかかってしまいます。ですから、副作用の穏やかなメイラックスの方がよく使われています。

 

この他にも、抗不安薬はたくさん発売されています。頻度はかなり減りますが、服用されている方もいらっしゃるかと思います。それぞれのお薬の特徴を表にまとめましたので参考にしてください。

マイナーな抗不安薬の比較

5.アルプラゾラムが向いている人とは?

アルプラゾラムは、抗不安薬の中でも効果は強い方です。できることならマイルドな薬から使っていた方がよいでしょう。例えば、リーゼなどのお薬を使ってみても効果が不十分な時に、アルプラゾラムに変更していくべきです。ですが、明らかに不安や焦りが強くて、はじめからしっかりと抑えてしまった方がよい場合もあります。このような時は、アルプラゾラムから使っていくこともあります。

また、アルプラゾラムは筋弛緩作用が弱いお薬です。身体の緊張が強いときにはアルプラゾラムは向いていません。例えば、肩こりや身体のこわばりがある方、緊張のあまりに声や身体がふるえてしまう方などには、デパスやレキソタンなどの筋弛緩作用が強い抗不安薬が向いています。アルプラゾラムでは、身体の緊張よりも不安が目立つ方に向いています。

薬は基本的には水で飲むものですが、噛み砕いてしまって吸収を早める方法(舌下投与)があります。この方法だと効果が早く現れるので、不安発作に使われることがあります。アルプラゾラムは噛み砕くと苦いお薬なので、この方法には向きません。また、お薬を飲みこむのが苦手で噛んで服用している方には、向かないお薬です。

 

まとめ

アルプラゾラムの作用の特徴は、

アルプラゾラムのメリットとしては、

アルプラゾラムのデメリットとしては、

アルプラゾラムが向いている方は、