グレープフルーツジュースの薬への影響とは?

アイコン 2015.12.7 薬の飲み合わせについて

薬を処方された時、「グレープフルーツジュースは服用しないでください」と注意されることがあります。これは、グレープフルーツの成分が薬と相互作用を引き起こすからです。

グレープフルーツに含まれる成分と薬が相互作用することで、薬が効きすぎてしまうことがあるのです。どうしてグレープフルーツジュースでこのような相互作用が起こるのでしょうか?具体的にどのように注意すればよいでしょうか?

ここでは、グレープフルーツの薬への影響について詳しくみていきたいと思います。

 

1.グレープフルーツジュースはどのような作用をするの?

薬の吸収をする小腸において、薬を分解するCYP3A4の作用をブロックします。このため、薬が分解されずに吸収量がアップします。

グレープフルーツが薬と相互作用を引き起こすのは、薬を吸収する小腸においてのみです。よく薬の代謝を行う肝臓と誤解されているので注意が必要です。

薬の成分は、小腸の粘膜から吸収されて血中に運ばれます。小腸粘膜では、CYP3A4とP-糖蛋白という2つのメカニズムによって、薬を代謝して吸収させない仕組みがあります。

グレープフルーツジュースに含まれる成分は、この小腸粘膜での薬の代謝排出メカニズムを邪魔する働きがあります。とくにCYP3A4の作用をブロックします。CYP3A4は小腸だけでなく肝臓にも含まれる酵素で、多くの薬の代謝に関わっています。CYP3A4で代謝されていく薬は、吸収の段階でも小腸で分解されているのです。

グレープフルーツジュースはCYP3A4の働きをブロックするため、本来は小腸で分解されるはずの薬の成分が分解されずに、すべてそのまま吸収されて血中に運ばれます。このため、薬の効果が強まるのです。

グレープフルーツジュースは、P-糖蛋白の働きもブロックすると考えられていますが、その影響はそこまで大きくはありません。

 

2.グレープフルーツジュースで注意が必要なお薬とは?

CYP3A4で代謝される一部の高脂血症薬、降圧薬(Ca拮抗薬)、睡眠薬(ハルシオンなど)、気分安定薬・抗てんかん薬(テグレトールなど)、抗不安薬(セルシン/ホリゾンなど)に注意が必要です。

グレープフルーツジュースで注意が必要なのは、CYP3A4でおもに代謝される薬になります。小腸にはCYP3A4がほとんどなので、それ以外のCYPで代謝される薬では影響しません。

CYP3A4でおもに代謝されるお薬として有名なものとしては、降圧薬のCa拮抗薬があげられます。薬によって相互作用の強さに差はありますが、Ca拮抗薬を使っている時は血圧が下がり過ぎる危険があるので注意しましょう。

それ以外には、高脂血症薬のリピトールやリポバス、睡眠薬のハルシオン、気分安定薬や抗てんかん薬のテグレトール抗不安薬のセルシン/ホリゾンなどに注意が必要です。

 

3.グレープフルーツの具体的な注意点とは?

一緒に飲まなければよいのではなく、薬を服用している間は避ける必要があります。

よく勘違いされているのですが、薬と一緒にグレープフルーツジュースを飲まなければよいのではありません。相互作用のある薬を服用するならば、グレープフルーツ関連は控えなければいけません。

薬と相互作用があるのは、グレープフルーツに含まれるフラボノイドやフラノクマリンと呼ばれる成分です。これらの成分は、グレープフルーツなどの柑橘類の果肉に多く含まれています。ですから、「グレープフルーツジュース」という表現がされるのです。

グレープフルーツ以外にも、ブンタン、スイーティー、晩白柚、夏ミカン、ポンカン、伊予かん、はっさく、きんかんなどに注意が必要です。バレンシアオレンジ、レモン、カボス、温州みかんの影響は比較的少ないです。

グレープフルーツの影響は長時間にわたります。CYP3A4の活性を落としてしまい、すぐには回復しません。完全に元に戻るまでには、グレープフルーツを中止してからおよそ3~4日かかるといわれています。

 

まとめ

グレープフルーツジュースは、薬の吸収をする小腸において、薬を分解するCYP3A4の作用をブロックします。このため、薬が分解されずに吸収量がアップします。

CYP3A4で代謝される一部の高脂血症薬、降圧薬(Ca拮抗薬)、睡眠薬(ハルシオンなど)、気分安定薬・抗てんかん薬(テグレトールなど)、抗不安薬(セルシン/ホリゾンなど)に注意が必要です。

一緒に飲まなければよいのではなく、薬を服用している間は避ける必要があります。

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