ジェネリック医薬品で気をつけるべき問題点とは?ジェネリックの効果と副作用

アイコン 2015.3.23 薬の基礎知識

ジェネリック医薬品は、国がその使用を進めていることもあって、かなり浸透してきました。患者さんから、「ジェネリックありますか?」と聞かれることもあります。

「ジェネリック医薬品は同じ効果だけれどお薬が安くなる」と思われている方も多いですが、果たしてそうなのでしょうか?ジェネリック医薬品ではどのようなことを気を付ければよいのでしょうか?ここでは、ジェネリック医薬品の問題点について考えていきたいと思います。

 

1.ジェネリック医薬品と先発医薬品はどこが違う?

特許のきれた成分で作った別会社の薬です。

新薬の開発には莫大な費用がかかります。このため、新薬を開発した会社にはその開発費を回収するために、特許で知的財産が守られます。一定期間、独占的に薬を販売する権利が与えられます。この期間を過ぎると、成分の特許がきれます。

一定期間とは、薬によって異なります。有効成分を見つけ出し、それを特許庁に申請してから20~25年の期間になります。臨床試験や承認審査にかかった時間が含まれるので、多くの場合は新薬の発売から10年ほどになります。

ジェネリック医薬品とは、この特許の切れた成分で開発された薬です。先発品の成分の情報を使って、他の会社が作ったものになります。特許がないので開発費が抑えられますので、価格が先発医薬品の5~7割程度からはじまり、どんどんと安いものが出てきます。

作った企業が違ってもどこもそんなに変わらないでしょ・・・と思われるかもしれませんが、これは間違いです。特許がきれたといっても、それは薬の効果とその目的に対する特許である「物質特許と用途特許」だけなのです。

お薬の特許には、新しい製造方法に対する「製法特許」や、薬の製剤工夫に対する「製剤特許」などがあります。これらに関しては特許が切れていない場合が多いです。このため成分がまったく同じであっても、その薬自体の工夫を使う事はできなくなってしまいます。ですから、薬の溶け方や吸収のされ方などが変わってきてしまいます。

 

2.ジェネリック医薬品の効果と品質

ジェネリック医薬品は、先発品と比べて誤差が80~125%の範囲にあるものが統計的に同じとされています。930もの先発品とジェネリック医薬品を比較した研究では、最大血中濃度では4.61±3.41%の差しかなかったと報告されています。

それでは、ジェネリック医薬品はどの程度の品質が保証されているのでしょうか?ジェネリック医薬品が開発されるのは、先発品で10年以上使われた後になります。ですから、薬の効果などはデータが蓄積していますし、毒性や用法や用量も判明しています。このため、ジェネリック医薬品が開発の中で求められるのは、製剤の吸収と排泄・薬の安定性の2つです。

これらを踏まえて、「先発医薬品と生物学的同等性を示すこと」が認可の条件となっています。どうやって示すのかといいますと、健康な成人が先発品と後発品を、期間をずらして服用します。その時の血中濃度の変化が類似していることを示す必要があります。その誤差は80~125%の間とされています。

このように感じると誤差がとても大きいように感じるかもしれません。この差は45%の誤差があるという意味ではなく、薬の吸収や代謝には個人差があるので、この範囲に収まっていれば統計的に同じと考えてもよいということなのです。

実際に930ものジェネリックと先発品を比較すると、最大血中濃度では4.61±3.41%の差しかなかったと報告されています。

薬の研究がはじまってから特許がきれるまで20年以上の年月が経っていますが、その中で技術力は確実に上がっています。本当は少ない量の有効成分でも同等の効果をだせるけれど、制度にあわせて仕方なく吸収を遅らせるようにするケースもあります。

このように、製薬メーカーそれぞれの技術力は高まっていますので、品質自体は大きく問題がないことがほとんどだと思います。

 

3.ジェネリック医薬品で気を付けることは?

効果が先発品と変わるかもしれないことを念頭に置けば大丈夫です。

ジェネリック医薬品に対して、批判的な声も多いです。

いろいろなことが言われていますが、ちゃんと使い分ければ大丈夫です。

ジェネリックを使っていて何か問題が起きたとしても、成分のことでしたら先発メーカーのMR(製薬会社の営業)さんに確認をすることができます。安全性に関しては、先発品での長い年月でのデータの蓄積があります。

先発品とジェネリックの誤差が大きいと感じるかもしれませんが、薬の代謝は個人差もありますし、そこまで安定しているものではありません。そもそも、きっちりと欠かさずに薬を決まった時刻に飲める人もそう多くはありません。たまには飲み忘れることもありますよね。

 

ただし先発品とジェネリック医薬品とで、効き方がかわってしまうのは事実です。薬が効きすぎる、効果が出にくい、副作用がでてきた、などといった差が生じてくるわけです。ですから患者さんの状態や薬の目的によって使い分けることが必要です。

これらを意識してジェネリック医薬品に切り替えていければ、患者さんの経済的な負担も軽減されます。これからの医療経済も考えると、切り替えは積極的に進めていくべきと私は思います。

新しく薬を始める時からジェネリックを使っていれば、その薬での調整をちゃんとしていけば大丈夫です。私は新しく処方をする時は、意識的にジェネリックから使うようにしています。

ただし、リーマスやデパケンなどの気分安定薬・抗てんかん薬では、できるだけジェネリックではなく先発品を使うようにしています。というのは、これらの薬は血中濃度が大切だからです。

 

4.ジェネリック医薬品でおかしいと思ったら

遠慮なく主治医と相談してください。

ジェネリックに切り替えた時に調子を崩される方は、精神科では多いです。もちろん薬効が多少変化しているのは間違いなくあります。ですが、「後発品に変化した」ということ自体で動揺してしまう方が多いです。精神科の患者さんは変化に弱い方が多いですし、不安が強い方が多いからです。このような時は、主治医の先生とよく相談して、先発品に戻すべきか相談してください。

ずっとジェネリックを服用していても効果が違って感じることもあります。その時にまず思い返していただきたいのは、いつもの薬局でもらった薬かどうかです。ジェネリック医薬品は様々な種類があります。薬局によっては採用しているジェネリック医薬品が異なることもあります。同じ場合は、症状の変化ととらえた方がよいので、主治医に相談してください。

 

5.ジェネリック医薬品の普及状況

日本は欧米に比べてジェネリックが普及していません。

ジェネリック医薬品はお薬が安いので、国の医療費の負担も軽減されます。日本の医療費が年々増加しているのはご周知かと思います。その中でいかに医療費を抑制するのか、一つの対策としてジェネリック医薬品への切り替えを国がすすめています。

ですが、日本ではジェネリック医薬品はそこまで浸透していません。これは日本の医療保険制度に原因があります。1~3割の自己負担の中では、そこまで薬の価格に対して患者さんが敏感にならないためです。欧米では、医療費は個人や民間会社にかかってきます。このため、少しでも安いジェネリック医薬品に切り替えようとする流れが自然とできています。

平成25年のデータで見ると、世界35か国の平均は約62%となっており、アメリカは約80%、イギリスでも約70%ですが、日本は約25%にとどまっています。平成27年9月の時点では、56.2%まで増加してきています。国としては、平成30年から平成32年の間に、ジェネリック医薬品のシェアを80%以上にすることを目標として掲げています。

 

まとめ

ジェネリック医薬品とは、特許のきれた成分で作った別会社の薬です。

ジェネリック医薬品は、先発品と比べて80~125%の範囲にあるものが統計的に同じとされています。930もの先発品とジェネリック医薬品を比較した研究では、最大血中濃度では4.61±3.41%の差しかなかったと報告されています。

効果が先発品と変わるかもしれないことを念頭に置いて、以下に注意しましょう。

ジェネリックでおかしいと思ったら、遠慮なく主治医と相談してください。

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