レスリン錠の効果と特徴

アイコン 2015.7.12 デジレル・レスリン

レスリンは、1991年に発売された抗うつ剤です。その後に発売された新しい抗うつ剤と比べると、抗うつ効果では劣ってしまいます。ですが、睡眠を深くする効果があるので鎮静系抗うつ薬といわれていて、睡眠薬としてよく使われています。

ここでは、レスリンの効果について考えていきたいと思います。

 

1.レスリンのメリットとデメリット

はじめに、レスリンの特徴を簡単に紹介したいと思います。

  <メリット>

  <デメリット>

 

レスリンは、抗うつ剤というよりは睡眠薬と考えた方がよいかもしれません。抗うつ効果は弱いものの、睡眠を深くする効果に優れています。ですから、レスリンだけに抗うつ効果を期待して治療することはまずありません。

抗うつ剤として使う時は、SSRIやSNRIといった抗うつ剤の補助として使うことが多いです。これらの抗うつ剤の効果を増強するのと同時に、副作用を軽減してくれる可能性があります。不眠・性機能障害などを緩和してくれることがあります。レスリン自体が副作用が少ないお薬なので、使いやすいお薬です。

睡眠薬としては、睡眠を深くする効果があります。このため、眠りが浅くて熟眠感がない方には効果的です。一般的な睡眠薬と違って身体にクセになってやめられなくなることもなく、身体にやさしいお薬です。落ち込みがみられる不眠の方では、一般的な睡眠薬より効果的なこともあります。さらに、睡眠薬の効果が不十分なときに、異なる作用の睡眠薬があると選択の幅が広がります。ただ、睡眠効果が強いわけではないので、効果は使てみないとわかりません。

 

デメリットとしては、眠気が強いことでしょう。効果が短い薬ですが、眠気が朝方に残ってしまうこともあります。朝が起きれなかったり、眠気がでて集中できなくなる方もいらっしゃいます。それ以外の副作用は全体的に少ないです。特徴的な副作用としては、ごくまれに持続性勃起障害がみられることがあります。きっかけなく勃起が持続してしまう副作用です。

レスリンの副作用について詳しく知りたい方は、「レスリンの副作用(対策と比較)」をお読みください。

 

2.レスリンの作用機序

セロトニンの再取り込みを阻害して抗うつ効果を発揮し、セロトニン2受容体遮断作用によって睡眠を深くします。

不安や落ち込みといった症状には「セロトニン」が関係しているといわれていて、意欲や気力は「ノルアドレナリン」、興味や楽しみは「ドパミン」が関係しているといわれています。

レスリンは、脳内のセロトニンという神経伝達物質を増加させることで、抗うつ効果がもたらされるといわれています。どのようにセロトニンを増やすかというと、不要になったセロトニンの回収を邪魔しているのです。

セ ロトニンは、神経と神経の橋渡しを行う神経伝達物質です。分泌された神経伝達物質は、役割を果たすと回収されます。このことを再取り込みと呼びます。レスリンは、この再取り込みを阻害することによって、セロトニンの量を増やします。回収されずに残ったセロトニンは残って作用し続けるので、効果が発揮されるのです。

この働きは、SSRIやSNRIと変わりません。レスリンではこの効果が弱いので、抗うつ効果は十分とは言えません。しかしながらレスリンは、これらの抗うつ剤と異なってセロトニン2受容体を遮断します。この受容体は睡眠や食欲に関係していると言われています。セロトニン2受容体がブロックされると、睡眠が深くなり、食欲があがります。

 

3.レスリンの効き方

血中濃度は6~7時間で半減します。睡眠薬として使うことが多いので、就寝前に服用することが多いです。

レスリンを服用すると、吸収されて3~4時間ほどで血中濃度が最高値になります。そこから徐々に血中濃度が低下していき、6~7時間で血中濃度が半減します。ですから、薬を飲み始めて9~11時間かけて血中濃度が半分になります。

 

レスリンは、抗うつ剤というよりは睡眠薬として使われています。抗うつ効果を期待するにしても、他の抗うつ剤の補助として使うことがほとんどです。そのような場合は、眠気が出てくるお薬なので就寝前に1回服用することが多いです。

抗うつ剤のメインとしてレスリンを使う時は、1日2回以上に分けて服薬します。少しずつ薬が身体に蓄積していき、1日中効果が安定するようになります。抗うつ剤として使う時は、1日200mgまで使うことができます。

 

レスリンは、25mg錠剤と50mg錠剤があります。睡眠薬として使う時は、25mg~75mgで使うことが多いです。抗うつ剤として使う時は、まずは寝る前に25mg服用してみます。副作用が問題なければ、1日2回以上にして薬を少しずつ増量して効果をみていきます。

 

4.レスリンが向いている人は?

<適応>

<適応外>

レスリンは、いまのところ「うつ病・うつ状態」への適応のみとなっています。何度もお伝えしていますが、メインの抗うつ剤として使われることはほとんどありません。まずは、SSRIやSNRIやNaSSAといった新しい抗うつ剤が使われます。効果が不十分でもう一歩・・・という時にレスリンを追加されることがあります。特に不眠がみられる時はよく使われます。

SSRIやSNRIでは、セロトニン2受容体刺激作用があります。このため睡眠が浅くなり、不眠になってしまう方もいらっしゃいます。レスリンにはセロトニン2受容体遮断作用があります。このため、レスリンを追加することで副作用の原因を取り除くことができます。

さらには、余ったセロトニンが抗うつ効果のあるセロトニン1受容体に作用するようになるので、セロトニン効果が効率的になります。このようにして、不眠を解消しながら抗うつ効果を増強することができます。

性機能障害に関してもセロトニン2受容体が関係していると言われていて、緩和されることがあります。レスリンには、まれに持続性勃起障害が副作用として認められることもあります。

 

むしろレスリンは、睡眠薬として使われることが多いです。睡眠薬としては、セロトニン2受容体遮断作用により睡眠が深くなります。徐波睡眠と呼ばれる深い睡眠が増えて、浅い睡眠が減ります。夢をみるレム睡眠は、多少減ります。このため、睡眠が浅くて熟眠障害がある方にはとても良いお薬です。ですが、レスリンは寝かしつけるような強引さはないので、使ってみないと効果はわかりません。ゆっくり睡眠を改善していきたい方に良いと思います。

不眠症の中でも、落ち込みが見られていて不眠になっている方には、一般的な睡眠薬よりも効果があることもあります。一般的な睡眠薬では睡眠時間は増えますが、睡眠の質が落ちて浅くなってしまいます。ですから、一般的な睡眠薬で効果が不十分な時に、レスリンを追加するのもひとつの方法です。作用が異なる睡眠薬ですので、相乗効果が期待できます。

 

まとめ

セロトニンの再取り込みを阻害して抗うつ効果を発揮し、セロトニン2受容体遮断作用によって睡眠を深くします。

血中濃度は6~7時間で半減します。睡眠薬として使うことが多いので、就寝前に服用することが多いです。

レスリンは、
他の抗うつ剤の効果が不十分な方・SSRIやSNRIによる副作用(不眠・性機能障害)がみられる方・熟眠障害のある方・不安や落ち込みから不眠症になる方・一般的な睡眠薬で効果不十分な方
に向いています。

 

販売者名 MSD株式会社
分類 その他
剤形 錠剤(25mg・50mg)
薬価 錠剤(18.1円・31.7円)
ジェネリック トラゾドン
成分(一般名) トラゾドン(アンデプレ)
半減期  6~7時間
用法 1日1~3回 最大200mgまで