抗うつ剤の種類と特徴

アイコン 2015.7.28 抗うつ薬のまとめ

薬物療法のはじまりは、1960年ごろに発売された三環系抗うつ薬です。三環系抗うつ薬は効果が強いものの、副作用も強いのが難点でした。

これを改良する薬として、1970年~1980年ごろから三環系抗うつ薬のアモキサンやノリトレン、四環系抗うつ薬などが発売されました。確かに副作用は減ったものの、その代償に効果も弱くなってしまいました。

2000年に入ると、SSRIやSNRIといった新しい抗うつ剤が発売されました。これらは、副作用を抑えつつも効果がしっかりと期待できます。NaSSAも含めて、現在ではこれらの新しい抗うつ剤が主役となっています。

そうはいっても、従来の抗うつ剤も目的に応じて使われています。現在使われている抗うつ剤にはどのようなものがあるでしょうか?それぞれの特徴も踏まえて、ご紹介していきたいと思います。

 

1.抗うつ剤の種類-三環系抗うつ薬

うつに効果のある薬として最初に開発されたのが、トフラニールです。その後、トリプタノールやアナフラニールが開発されました。これらのお薬の特徴は、「ハイリスクハイリターン」な抗うつ剤であるという点です。新しい抗うつ剤に比べても効果は強いですが、副作用がとても強いお薬です。副作用のせいで薬を中止しなければいけなくなる方もいらっしゃいます。

このようになる原因は、いろいろな受容体に作用するためです。便秘・口渇・ふらつき・眠気・体重増加などの副作用が強いです。セロトニンやノルアドレナリンを大きく増加させるので、効果に厚みがあります。

その後、副作用を少なくできないかと開発されたのが、アモキサンやノリトレンです。これらのお薬は、便秘・口渇の原因となる抗コリン作用が軽減されています。副作用は全体的に軽減されましたが、その代償として効果も薄れてしまいました。ノルアドレナリンを増やす効果が強いので、意欲や気力が出ない方に使うことが多いです。

三環系抗うつ薬は、今でもよく使われています。まずは新しい抗うつ剤を使うことが多いですが、効果が出なかったときには頼みの綱になります。また、夢をみているレム睡眠を減らす効果があるので、悪夢があるときなどにも睡眠薬として使われます。トリプタノールは、最強の抗うつ剤といっても過言ではありません。

 

2.抗うつ剤の種類-四環系抗うつ薬

三環系抗うつ薬の副作用を軽減できないかと開発された抗うつ剤です。三環系抗うつ剤よりも副作用は軽減されましたが、やはり効果も薄れてしまっています。

それでも、ルジオミールは副作用が少ないわりには効果があったので、一時期は三環系抗うつ薬のアモキサンと並んでよく使われていました。テトラミドは効果が弱いですが睡眠効果があったので、睡眠薬として使われることが多いです。

特徴としては、ノルアドレナリンだけを増やす効果しかない点です。ですから、意欲や気力が出ない方には効果が期待できます。セロトニンに対する作用がないので、抗うつ効果は弱いです。副作用としては、やはり眠気が目立ちます。その他の副作用は、三環系抗うつ薬と比べるとかなり軽減されています。

現在では新しい抗うつ剤がどんどんと発売されたので、主役の座は奪われてしまっています。テトラミドは、睡眠薬として現在もよく使われています。

 

3.抗うつ剤の種類-SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

2000年ごろから、日本でも新しい抗うつ剤が発売されるようになりました。SSRIは、セロトニンだけを増やすように開発されたお薬で、 他の受容体には作用しないようにできています。

このため、これまでの三環系抗うつ薬と比べると副作用はかなり軽減されました。効果としても、三環系抗うつ薬には及ばないものの、しっかりとした効果が期待できます。

特徴としては、不安や落ち込みには効果がしっかりとしている点です。ノルアドレナリンへの作用はほとんどないので、意欲や気力などを改善する力は弱いです。

副作用としては、セロトニンの過剰によってみられるものが中心です。吐き気・下痢が多く、不眠や性機能障害がみられることも多いです。また、特にパキシルでは離脱症状が強いので、やめる時は注意が必要なお薬です。

副作用が全体的に少ないジェイゾロフトやレクサプロが使われることが増えていますが、患者さんによって薬を使い分けていきます。現在では、抗うつ剤といったらまずSSRIから始めることが多いです。

 

4.抗うつ剤の種類-SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

セロトニンだけでなくノルアドレナリンも増加させる抗うつ剤として発売されました。SNRIもSSRIと同様に、他の受容体には作用しないようにできています。このため、副作用はかなり軽減されています。

特徴としては、SSRIにはないノルアドレナリン作用があることです。この作用のため、意欲や気力が落ちている方にも効果が期待できます。効果がみられると、しっかりとよくなる印象があります。

また、ノルアドレナリンには痛みを軽減する作用もあります。このため、慢性的な痛みがある方に使われることも多いです。副作用としては、SSRIと同様の副作用がみられ、SSRIよりもより活動的にする方向に働きます。このため不眠・便秘・口渇・尿閉などがやや増えますが、体重増加や眠気は少ないです。

トレドミンは効果がマイルドなので、効果がしっかりとしているサインバルタやイフェクサーが使われることが多いです。SSRIとともに、よく使われる抗うつ剤になります。

 

5.抗うつ剤の種類-NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動薬

NaSSAは、セロトニンとノルアドレナリンの分泌を増やすとともに、セロトニンの作用を効率化することで効果を発揮する薬です。新しい抗うつ剤の中でも効果が強いお薬で、13種類の抗うつ剤を比較した研究では、もっとも効果が優れていたという結果がでたお薬です。ですが、特に飲み始めに副作用が強いのがネックになってしまうお薬です。

特徴としては、身体に慣れれば効果がしっかりと期待できる抗うつ剤といえます。飲み始めの副作用というのは、眠気と体重増加です。飲み始めは1日続いてしまう眠気に悩まされることが多いです。また食欲が上がってしまうことが多いです。

ですから、不眠や食欲不振がみられる方には使うととてもよいです。働いていたり家事をされている方では、使いにくいお薬になってしまいます。

ですから、連休を利用するなどの工夫をして、不眠がある方などではよく使われている抗うつ剤です。うまくいけば睡眠薬を使わなくて済みます。

 

6.抗うつ剤の種類-その他

その他にも、抗うつ効果が知られているお薬があります。デジレル/レスリンは、三環系抗うつ薬と新しい抗うつ薬の過渡期に作られたお薬です。抗うつ効果は弱いのですが睡眠を深くする効果があります。睡眠薬として使われることが多いです。

ドグマチールやエビリファイは、抗精神病薬と呼ばれるお薬です。これらのお薬の特徴は、少量で使うとドパミンを増やすという点です。ドパミンは、興味や喜びといった症状を改善する効果があります。SSRIやSNRIを使っているけれども、あと一歩・・・という時には、少し追加すると効果が増すことがあります。

 

まとめ

従来からある三環系抗うつ薬・四環系抗うつ薬も使われることがあります。

SSRI・SNRI・NaSSAといった新しい抗うつ剤が主流となっています。

エビリファイやドグマチールが効果を増強することがあります。

抗うつ剤の中には、睡眠薬として使われているものもあります。

抗うつ剤の効果や副作用について詳しく知りたい方は、
抗うつ剤の使い方~効果と強さの比較~
抗うつ剤の副作用(対策と比較)
をお読みください。

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