ジェイゾロフトOD錠の実際の使い方

アイコン 2015.8.17 ジェイゾロフト

2014年12月、ジェイゾロフトにOD錠(口腔内崩壊錠)が追加で発売となりました。

ジェイゾロフトは効果と副作用のバランスのよい抗うつ剤として定評があります。そのジェイゾロフトにOD錠が加わったことで、患者さんのニーズにより答えられるようになります。ただ、ジェイゾロフトはジェネリックも近々発売されます。このため、ちゃんとメリットとデメリットを考えて使わないとお薬代が高くなってしまうだけになります。

ここでは、ジェイゾロフトOD錠について、薬価もふくめて詳しくお伝えしていきたいと思います。

 

1.ジェイゾロフトOD錠とは?

口腔内崩壊錠とよばれる、唾液によって口の中で溶けるジェイゾロフト錠剤です。効果や副作用はかわりません。

お薬は錠剤でできていて、水で飲みこむものが多いかと思います。これが問題ない方では良いのですが、なかには薬を飲むのが苦手だったり、飲み込みが悪い方もいらっしゃいます。ジェイゾロフトOD錠はそんな方をイメージして作られました。

ジェイゾロフトOD錠とは、「口腔内崩壊錠」と呼ばれるジェイゾロフト錠剤です。口の中に入れるとすぐに唾液で溶けるのです。口腔内崩壊錠は英語では、「Orally Disintegrating Tablet」といいます。略して、「D錠」や「OD錠」と呼ばれています。厳密にいうと、OD錠は水なしで飲めますが、D錠は少量の水で服用することがすすめられています。

 

このように唾液で溶けて、水なしでも場所を選ばずに服用できるのがジェイゾロフトOD錠です。口の中ですぐに溶けてしまうので、ジェイゾロフトOD錠の方が即効性があるように思うかもしれませんが、残念ながらそのようなことはありません。

ジェイゾロフト錠とジェイゾロフトOD錠の血中濃度変化は類似していて、効果の速さや作用時間、強さは変わりません。どちらも、血中濃度は6.7時間ほどでピークとなり、そこから22~24時間で半分になります。服薬を続けていくことによって、少しずつ身体にたまっていって効果が安定する薬です。

 

このように理論的には変わらないのですが、効果を早く感じるも実際にいらっしゃいます。口の中で溶けてしまえば、早く効いた気がするのでしょう。ですから私も外来では、「口で溶けるので効果が早く感じられる方もいます」とお伝えしています。それで少ない薬で済むのでしたら、そちらの方がよいです。

ジェイゾロフト錠について詳しく知りたい方は、
ジェイゾロフト錠の効果と特徴
をお読みください。

 

2.ジェイゾロフトOD錠のメリットとデメリット

「溶けるから飲みやすそうだ」というだけでは、ジェイゾロフトOD錠をちゃんと使うことができません。ジェイゾロフトOD錠にはどのようなメリットとデメリットがあるでしょうか?

 

2-1.ジェイゾロフトOD錠のメリット

ジェイゾロフトOD錠の一番のメリットは、やはり水なしで服用できることでしょう。わざわざ水を用意しなくても大丈夫なのです。なかには抗うつ剤を飲んでいることを周りに知られたくない方もいるかと思います。水がいらなければこっそりと飲むこともできますね。

嚥下機能が落ちてしまったり、食道狭窄などがあって飲み込みが悪い方もいらっしゃいます。昔から薬を飲むのが苦手という方もいらっしゃいます。このような方では、唾液で勝手に溶けてくれる薬は助かりますね。介護する家族やスタッフが薬を飲ませていることもありますが、ジェイゾロフトOD錠では飲ませやすくなるというメリットもあります。

 また、水なしで服用できることによって水分の摂取量を制限している患者さんも、水分量を気にする必要がありません。

 

2-2.ジェイゾロフトOD錠のデメリット

ジェイゾロフトOD錠は唾液で溶ける性質があります。このため、湿度が高いと崩れやすくなってしまう抗うつ剤です。このため普通の錠剤よりも管理がしにくいですし、一包化(同じ飲み方の薬をまとめること)しにくいことがあります。

同じ時間に服用している他の薬も確認しなくてはいけません。他の錠剤を水で服用するのでしたら、ジェイゾロフトだけ口腔内崩壊錠でも何の意味もなくなってしまいます。

 

その他に味の問題があります。口腔内崩壊錠は、お薬そのものの苦味を隠して後味が良くなる加工を施してあります。ですがそれが逆に不快の味と感じてしまうことがあります。ジェイゾロフトOD錠は黒糖味がついているとのことですが、あまり美味しくないとの評判です。

ジェイゾロフトOD錠は水なしでも飲めるとなっていますが、少量の水で服用することがすすめられています。後味が残ってしまうので、水で飲んだ方がスッキリするという方も多いです。寝たきりの患者さんでは、水と一緒に服用することとされています。

 

3.ジェイゾロフト錠とジェイゾロフトOD錠の薬価

ジェイゾロフト錠とジェイゾロフトOD錠の薬価は同じです。

<先発品>

商品名 剤形 薬価
ジェイゾロフト錠 25mg 101.3円
ジェイゾロフト錠 50mg 175.9円
ジェイゾロフト錠 100mg 305.4円
ジェイゾロフトOD錠 25mg 101.3円
ジェイゾロフトOD錠 50mg 175.9円
ジェイゾロフトOD錠 100mg 305.4円

<ジェネリック(後発品)>

商品名 剤形 薬価
セルトラリン錠 25mg 50.7円
セルトラリン錠 50mg 88.0円

ジェイゾロフト錠とジェイゾロフトOD錠では、先発品ではどちら同じ薬価です。このため、どちらを使っても負担額はかわりません。

ですが、ジェイゾロフトでは2015年12月にジェネリックのセルトラリン錠が発売されました。セルトラリン錠は、先発品の5割の薬価になっています。ジェイゾロフトは高いお薬ですので、ジェネリックにするメリットが大きいです。セルトラリンのOD錠は発売されていません。

ジェネリックも踏まえて、ジェイゾロフトOD錠を使うかどうか考えていきましょう。

 

4.ジェイゾロフト錠とジェイゾロフトOD錠の使い分け

ジェイゾロフト錠とジェイゾロフトOD錠では、効果も副作用も薬価もかわりません。ジェイゾロフトOD錠はどのような方に向いているでしょうか?

製薬会社としては、薬の飲み忘れをなくすために開発したのがジェイゾロフトOD錠です。ジェイゾロフトOD錠は場所を選ばずに服用できるので、飲み忘れを少なくすることができます。水がないから後で飲もうと思っていたら、つい忘れてしまった・・・ということが防げます。また、抗うつ剤を服用しているのが周囲にばれたくない方は、こっそりと飲んでしまうことができます。

 

ジェイゾロフトOD錠のメリットを生かすには、同じタイミングに他の薬を使っていないことが条件です。ジェイゾロフトOD錠だけ水なしで飲めても、他に服用しなければいけない薬があったら意味がありません。他の薬を服用しているけれどもジェイゾロフトOD錠を使ってみたい方は、飲み方を変更できないか主治医に確認してみてください。

口の中で溶けた時の味が不快な方もいます。そのような方では、結局水を後から飲まなければいけません。後味が気にならない方がよいでしょう。また、寝たきりでは水なしではリスクがあるとのことで注意するようにいわれています。

 

理論的には効果も副作用もジェイゾロフトとかわりません。ですが、ジェイゾロフトOD錠はすぐに溶けてしまう抗うつ剤ですので、早く効いた感じがする方もいらっしゃいます。私も外来では、「口で溶けるので効果が早く感じられる方もいます」とお伝えしています。

 

5.ジェイゾロフトOD錠の裏話

ジェネリック医薬品対策で作られました。

このようなジェイゾロフトOD錠ですが、製薬会社からするとジェネリック医薬品対策であったりします。先発品の特許が切れてしまうと、ジェイゾロフトのように処方数の多い薬では多くの製薬会社がジェネリック医薬品を作りはじめます。安いジェネリックが市場に出回ると、先発品のジェイゾロフトのシェアはどんどん奪われてしまいます。

この対策として、ジェネリック医薬品の発売される直前に口腔内崩壊錠を発売するケースが多いです。特許が切れる前に医者に働きかけて、処方を切り替えさせるのです。ジェネリックの会社が口腔内崩壊錠をつくるには時間がかかりますので、その間をしのげるというわけです。

そうはいっても、患者さんにとっても選択肢が増えるということはよいことです。製薬会社に言われるままに、「溶けるから飲みやすそうだ」と処方している医師もいますが、ジェイゾロフトOD錠の特徴を理解してメリットが大きい方に使うべきです。ジェイゾロフトOD錠は近々ジェネリック医薬品も発売されますので、金銭的なことも踏まえて選んだ方がよいです。

 

まとめ

口腔内崩壊錠とよばれる、唾液によって口の中で溶けるジェイゾロフト錠剤です。効果や副作用はかわりません。

ジェイゾロフトOD錠のメリットとしては、

ジェイゾロフトOD錠のデメリットとしては、

ジェイゾロフト錠とジェイゾロフトOD錠の薬価は同じです。

ジェイゾロフトOD錠が向いている方は、