ノリトレンの離脱症状と4つの対策

アイコン 2015.1.6 ノリトレン

抗うつ薬の減量や中止すると、身体の調子が悪くなることがあります。これは、病気が悪化したとは限りません。慣れていた薬が身体から急になくなることによる「離脱症状」であることも多いです。

ノリトレンをはじめとした三環系抗うつ薬は、新しい抗うつ薬に比べると少ないです。ですが、減量のペースが早いとみられることがあります。

ここでは、ノリトレンの離脱症状について、詳しくお伝えしていきます。

 

1.離脱症状とは?

薬が身体から急になくなることで起きる症状です。薬を減らしてから1~3日ほどで認められることが多いです。めまい・頭痛・吐き気・だるさ・しびれ・耳鳴り・イライラ・不安・不眠・ソワソワ感・シャンビリ感などの症状がみられます。

薬をしばらく継続して使用した後に薬の量を減らしたり、服用を中止したりすることで、身体にいろいろな不調が出てきます。

「めまい・頭痛・吐き気・だるさ・しびれ・耳鳴り」といった身体の症状が出ることがあります。
「イライラ・不安・不眠・ソワソワ感」といった精神症状がみられることもあります。
また、「シャンビリ感」といって、金属音のようなシャンシャンという耳鳴りがし、電気が流れたようにビリビリとしびれた感じがすることがあります。こうした脳に衝撃を受けるような感覚はSSRIの離脱症状によくみられます。

これらの症状は、SSRIと三環系抗うつ薬では多少違いが見られます。イライラ感といった攻撃性や、シャンビリ感やしびれといった感覚異常は、SSRIに特徴的でノリトレンをはじめとした三環系抗うつ薬にはあまりみられません。

薬を1か月以上服用してから減らしていくと、このような離脱症状が認められることがあります。およそ1~3日くらいしてから認められます。およそ2週間すると落ち着きますが、重症な場合は、2~3か月続くこともあります。

 

2.なぜ離脱症状が起こるのか?

三環系抗うつ薬のトリプタノールでは、おもにアセチルコリンの活動が急に強まることが原因と考えられています。セロトニンの低下も関係していると思われます。

薬 を飲み始めてすぐの頃は、身体から薬の成分が消えても効果がなくなるだけです。しかし、長いあいだ薬を飲み続けると、体は薬が入ってくることを前提に体調を整えるようになります。その状態で急に減薬や断薬してしまうと、体の調子がくるってしまいます。これが不快な症状となってあらわれるのです。

ただ、どのように調子がくるってしまうかは正確にはわかっていません。トリプタノールをはじめとした三環系抗うつ薬では、おもに抗コリン作用が関係していると考えられています。

詳しく知りたい方は、
抗うつ剤の離脱症状とは?
をお読みください。

 

3.ノリトレンの離脱症状と他の抗うつ剤との比較

ノリトレンは、抗コリン作用が抑えられていて、半減期も長いため、離脱症状は比較しても起こりにくいです。

まずは、代表的な抗うつ薬の半減期を見てみましょう。

抗うつ剤の半減期をまとめました。

一般的に、三環系抗うつ薬は新しいSSRIやSNRIに比べて、離脱症状は起こりにくいといわれています。

三環系抗うつ薬での離脱症状は、抗コリン作用の強さが影響として大きいです。ノリトレンは、三環系抗うつ薬の中では、抗コリン作用が抑えられています。また、半減期も20~30時間と長いです。ですから、離脱症状は起こりにくいと思われます。

抗うつ薬の中でも、特にSSRIで離脱症状がよくみられます。このため、SSRI離脱症候群やSSRI中断症候群とも呼ばれています。もっとも離脱症状を起こしやすいことで知られているのがパキシルです。

その他のSSRIの中ではルボックス/デプロメールで見られることが多いです。半減期が短く、身体から抜けるスピードが早いためと思われます。ですが、薬の強さ(力価)がそこまで強くないために、症状の程度としてもパキシルほどではありません。ジェイゾロフトやレクサプロなどは比較的頻度は少ないです。

SNRIでは、サインバルタで離脱症状が起きやすいです。半減期が短いこともありますが、これはカプセル製剤であることが要因として大きいです。少しずつ減量することができないため、離脱症状が起こりやすいです。

 

4.ノリトレンの離脱症状での対処法

ノリトレンは離脱症状が起こりにくい薬です。ですから、離脱症状がみられるのは、そのほとんどが急に薬を自己判断でやめてしまった場合です。

抗うつ薬は状態がおちついてきても、しばらくは続けていく必要があります。必ず「薬をやめたい」という気持ちを、主治医に伝えてください。その上で計画的に減薬していきましょう。

ここでは、離脱症状が現れた時の対処法をご紹介したいと思います。

 

4-1.様子を見る

何とかなるなら様子をみましょう。

離脱症状が出てきていても、大きく日常生活に影響がなければ、様子をみていくのもひとつです。日常生活に影響が出ない程度で我慢できる場合、しばらく様子をみてください。

身体が少しずつ慣れていきます。このため、症状は少しずつ和らいでいきます。個人差はありますが、1~2週間ほどすると症状が治まることが多いです。

ただし、ノリトレンを自己中断した場合は医師の指示を必ずうけてください。結果オーライのこともありますが、ノリトレンを減量するタイミングでない時があります。もともとの病気が治りきらずに無理に減薬をすると、症状が悪化することがあります。

安定剤が頓服として処方されている場合は、離脱症状が強い時に服用してもよい場合があります。症状が多少軽減されることがあります。

 

4-2.元の量に戻す

自己中断の場合は元に戻してください。日常生活に支障が大きい場合も元に戻してください。

ノリトレンで離脱症状が起きるときは、ほとんどが自己中断によるものです。この場合は、元の量に戻してください。

医師と相談の上で減薬している場合は症状の程度によります。症状がひどく、日常生活に影響が大きい場合は、ノリトレンの量を元に戻しましょう。すると、比較的すみやかに状態は改善します。

一度落ち着いた後に、「薬をいつ減らしていくのか?」「どのように減らしていくのか?」を主治医と相談しましょう。しばらく時間をおいて、減薬をすると上手くいくこともあります。

 

4-3.減量ペースを落とす

再チャレンジする場合は、減量ペースを落とすことが原則です。

薬の減らすペースを落としていくと、薬の変化が緩やかになります。離脱症状が起こってしまった場合、次に減薬していくにあたっては、この戦略が原則になります。

ノリトレンの場合、50mgずつ減量していていくことが多いです。このペースを25mgずつに落としていきます。25mgずつですと問題になるケースはほとんどありません。これでも難しい場合は、薬を分割して、さらに少量にしていきます。

これ以上減量ができない量の場合、飲む間隔をあけていく場合もあります。毎日→休日抜く→2日に1回抜く→中止などとしていきます。

 

4-4.薬の服用回数を増やす

ノリトレンは半減期が長いので効果は少ないです。

薬の服用回数を増やすことで、薬の血中濃度の波が小さくなります。半減期の短い薬の場合は、血中濃度の波が大きくなります。ですから、この方法が有効なことがあります。

ノリトレンの場合、半減期が長いです。このためこの方法は効果が少ないと思われます。何とかなるので様子をみるならば、試してみてもよいかもしれません。

 

まとめ

離脱症状とは、薬が身体から急になくなることで起きる症状です。薬を減らしてから1~3日ほどで認められることが多いです。めまい・頭痛・吐き気・だるさ・しびれ・耳鳴り・イライラ・不安・不眠・ソワソワ感・シャンビリ感などの症状がみられます。

ノリトレンは、抗コリン作用が抑えられていて、半減期20~30時間と長いため、離脱症状は比較しても起こりにくいです。

ですから、離脱症状がみられるのは、そのほとんどが急に薬を自己判断でやめてしまった場合です。その場合は、薬を元の量に戻しましょう。

医師と相談の上で減薬している場合、離脱症状の対処法としては、日常生活への影響の大きさで考えていきます。なんとかなるならば、そのまま様子を見ましょう。日常生活に支障が大きい場合は元に戻してください。

再チャレンジする場合は、減量ペースを落とすことが原則です。服薬回数を増やす方法や他の薬に切り替える方法がありますが、ノリトレンではあまり行いません。