ルジオミール錠の効果と特徴

アイコン 2015.7.17 ルジオミール

ルジオミールは、1981年に発売された四環系抗うつ薬です。これまでの三環系抗うつ薬に比べると、副作用が少なくなって使いやすくなりましたが、効果では劣ってしまいました。

ですが同じ種類の薬の中では強いお薬でしたので、よく使われていました。現在は、SSRIやSNRIといった新しい抗うつ剤に主役の座を奪われていますが、今でも使っていらっしゃる方はいらっしゃいます。

ルジオミールにはどのような効果や特徴があるのでしょうか?どんな方に向いているのでしょうか?ここでは、他の抗うつ剤とも比較しながらお伝えしていきたいと思います。

 

1.ルジオミールのメリットとデメリット

はじめに、ルジオミールの特徴を簡単に紹介したいと思います。

  <メリット>

  <デメリット>

 

ルジオミールは、三環系抗うつ薬の中でも昔からあるトフラニールやトリプタノール、アナフラニールに続いて開発されたお薬です。これらの三環系抗うつ薬では、効果はしっかりとしていたのですが副作用がとても多いのが難点でした。これを何とかするべく開発されたのが、三環系抗うつ薬のアモキサンやノリトレン、ルジオミールといった四環系抗うつ薬なのです。

副作用は確かに減ったのですが、残念なことに効果も弱くなってしまいました。ルジオミールは、同じ四環系抗うつ薬のテトラミドと比べると効果はしっかりとしているので、かつてはアモキサンと共によく使われていました。

ノルアドレナリンを増やす効果があるので、意欲や気力が落ちてしまっている方には効果が期待できます。ですが、セロトニンを増やす効果はほとんどないので気分の落ち込みや不安を改善する効果は弱いです。現在は、新しい抗うつ剤(SSRI・SNRI・NaSSA)がたくさん発売されましたので、ルジオミールを抗うつ剤として使うことは減ってきています。

 

ルジオミールは、テトラミドと同様に睡眠を深くするという効果があります。ですが、テトラミドの方が睡眠作用は強いです。また、ルジオミールは効果の持続が長すぎるので、眠気が一日中続いてしまうこともあります。このため、テトラミドとは違って睡眠薬としてはあまり使われません。

ルジオミールは、けいれんを起こしやすくする効果があります。このため、てんかんの患者さんには使うことができません。まれではありますが、他の抗うつ剤ではほとんどみられないので注意が必要です。

 

2.ルジオミールの作用機序とは

ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで効果を発揮します。

不安や落ち込みといった症状には「セロトニン」が関係しているといわれていて、意欲や気力は「ノルアドレナリン」、興味や楽しみは「ドパミン」が関係しているといわれています。

ルジオミールは、脳内のノルアドレナリンという神経伝達物質を増加させることで、抗うつ効果がもたらされるといわれています。どのようにノルアドレナリンを増やすかというと、不要になったノルアドレナリンの回収を邪魔しているのです。

ノルアドレナリンは神経と神経の橋渡しを行う神経伝達物質です。分泌された神経伝達物質は、役割を果たすと回収されます。このことを再取り込みと呼びます。サインバルタは、この再取り込みを阻害するこ とによって、神経伝達物質の量を増やします。回収されずに残ったノルアドレナリンは、残って作用し続けます。このため、効果が発揮されるのです。ルジオミールは、セロトニンにはほとんど作用しません。ですから、意欲や気力が落ちてしまっている方によく効くお薬です。

 

3.ルジオミールと他の抗うつ剤との比較

ノルアドレナリンを増加させる効果のみです。抗ヒスタミン作用から睡眠作用が強いです。

以下の表では、主な抗うつ薬の作用をまとめてみました。これを踏まえて、ルジオミールの作用の特徴を考えてみましょう。

代表的な抗うつ剤について、作用を比較してまとめました。

ルジオミールは、ノルアドレナリンを増やす効果はありますが、セロトニンを増やす効果がありません。ですから、意欲や気力には効果が期待できますが、落ち込みや不安には効果が不十分になってしまいます。同じ四環系抗うつ薬のテトラミドと比較すると、効果は強い印象です。

ルジオミールは、抗ヒスタミン作用が強いため睡眠効果があります。このように睡眠にプラスに働く抗うつ薬を、鎮静系抗うつ薬といいます。ルジオミールの他にも、デジレル/レスリン、NaSSAのレメロン/リフレックスなどがあります。

 

一般的には、SSRIやSNRIなどの副作用の少ない新しい抗うつ剤からはじめて、効果がなければ従来の三環系抗うつ薬を検討していきます。

SSRIは、セロトニンだけに作用するように工夫をしているお薬です。ですが、他の物質にも少しずつは作用してしまいます。パキシルは、抗コリン作用が比較的強くみられます。また、セロトニンだけでなくノルアドレナリンにも作用がみられます。ジェイゾロフトではドパミン作用が多少認められます。レクサプロは他の受容体にほとんど作用しません。ルボックス/デプロメールは、抗コリン作用をはじめとした他の受容体への影響が少ないですが効果がマイルドです。

SNRIは、セロトニンとノルアドレナリンを増加させるお薬です。サインバルタとトレドミンですと、サインバルタの方が効果がしっかりとしています。

昔からある三環系抗うつ剤では、いろいろな受容体に作用してしまいます。ですから副作用が多いのですが、効果の面でも新しい抗うつ剤より強いです。アモキサンとノリトレンは、三環系抗うつ薬の中ではマイルドなお薬です。

 

4.ルジオミールの効き方

血中濃度は46時間で半減します。寝る前に1回服用することが多いです。

抗うつ薬は、不安や不眠に関しては、効果がすぐに表れることもありますが、一般的には効果が出てくるには2週間程度かかります。

抗うつ薬が安定して効果を発揮するためには、常に身体の中に薬がある状態が必要です。薬を規則正しく服用していると、身体の中に少しずつ薬がたまっていきます。薬の服用を始めて4~5日ぐらいで薬の体内での濃度が安定します。

ルジオミールを服用すると6~12時間ほどで血中濃度が最高値になります。そこから徐々に血中濃度が低下していき、46時間で血中濃度が半減します。ですから、ルジオミールを飲んでから血中濃度が半分になるまでには2~3日かかってしまうのです。

 

ですから、ルジオミールは1日1回の服用でもしっかりと効果が1日持続します。眠気も強いお薬ですので、寝る前に1回服用することが多いです。日中に眠気が強い方は2~3回に分けて服用することもあります。

10mg~25mgを1日1錠からはじめて、問題がなければ少しずつ薬の量を増やしていきます。効果を見ながら少しずつ増量して有効な量を探っていきます。最大容量は75mgとなっています。

 

5.ルジオミールが向いている人とは?

<適応>

<適応外>

ルジオミールは、「うつ病・うつ状態」への適応となっています。ですが、あまりメインで使われることはなくなってきています。

まずは、SSRIやSNRIやNaSSAといった新しい抗うつ剤が使われます。これらの抗うつ剤が上手く合わない時に、ルジオミールが使われることがあります。ルジオミールが使われるケースとしては、気分の落ち込みが軽い方が多いと思います。セロトニン作用がほとんどないため、不安や落ち込みが中心の方には使いにくいです。効果が期待できるのは、意欲や気力がでない方に対してです。ノルアドレナリンを増やすため、効果が期待できます。

ルジオミールは、睡眠にもよい影響があります。徐波睡眠と呼ばれる深い睡眠が増えて浅い睡眠が減ります。夢をみるレム睡眠は多少減ります。このため、熟眠障害がある方にはよいお薬です。

 

ですから、不安や落ち込みというよりは、意欲や気力が出ない方で、不眠がみられる方には向いているお薬です。

 

ルジオミールの副作用について知りたい方は、
ルジオミールの副作用(対策と比較)
をお読みください。

 

まとめ

ノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで効果を発揮します。

血中濃度は46時間で半減します。睡眠薬として使うことが多いので、就寝前に服用することが多いです。

ルジオミールは、

に向いています。

 

販売者名 ノバルティスファーマ株式会社
分類 四環系抗うつ剤
剤形 錠剤(10mg・25mg)
薬価 錠剤(12.6円・25.6円)
ジェネリック マプロチリン・クロンモリン・マプロミール
成分(一般名) マプロチリン
半減期  46時間
用法 1日1~3回 最大75mgまで