イミドール錠の効果と副作用

アイコン 2015.9.23 トフラニール

イミドールとは、トフラニールという三環系抗うつ薬と同じです。イミドールはトフラニールのジェネリックとして発売されています。

イミドールは世界で初めて開発された三環系抗うつ薬です。この薬の登場をうけて、うつ病の薬物療法が発展していくきっかけとなりました。販売開始1959年と、非常に長い実績のある抗うつ薬です。

最近では、さらに副作用の少ないSSRI・SNRI・NaSSAといった新しい抗うつ薬が優先して使われるようになっています。ですが、三環系抗うつ薬は副作用が多いですが効果も大きいでので、今でもよく使われています。

ここでは、イミドールの効果を中心に、わかりやすく紹介していきたいと思います。

 

1.イミドールの特徴とは?

はじめに、イミドールの特徴を簡単に紹介したいと思います。

  <メリット>

  <デメリット>

三環系抗うつ薬は、ハイリスク・ハイリターンな薬です。イミドールもしっかりとした効果がある一方で、副作用も強くでてきてしまいます。

効果としては、ノルアドレナリンを優位に増やします。このため、抗うつ効果に加えて意欲改善効果も期待できます。また、気持ちを落ち着ける作用が強く、不安や不眠、焦りなどの改善も期待できます。

イミドールは鎮痛効果も期待できます。三環系抗うつ薬の中ではトリプタノールについで鎮痛効果が強く、慢性疼痛につかわれます。いわゆる「おねしょ」である夜尿症にも有効で、まずはじめに使われることが多い薬です。また、古くからある薬なので、薬の価格が安くなっているのもメリットです。新しい抗うつ薬では、5~10倍ほどの価格になります。

しっかりとした効果が期待できる反面、デメリットが色々と出てきてしまいます。副作用は三環系抗うつ薬の中でも多い部類です。

 

2.イミドールの効果と抗うつ剤での比較

それでは、抗うつ薬の生みの母ともいえるイミドールの効果について、詳しく見ていきましょう。

 

2-1.イミドールの作用機序

セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで効果を発揮します。

脳内のセロトニンとノルアドレナリンという神経伝達物質の増加することで、抗うつ効果がもたらされるといわれています。セロトニンとノルアドレナリンは神経と神経の間の橋渡しを行う神経伝達物質です。分泌された神経伝達物質は、役割を果たすと回収されます。これを再取り込みと呼びます。抗うつ薬は、この再取り込みを阻害することによって、セロトニンやノルアドレナリンの量を増やします。これによって、これらの物質の受け皿である受容体の刺激を増加させて作用します。

 

2-2.イミドールの特徴

ノルアドレナリンを優位に増加させる三環系抗うつ薬です。

イミドールはノルアドレナリンを優位に増やします。イミドールが体内で代謝されてできたデシプラミンは、さらにノルアドレナリンを優位に増やすので、結果としてはノルアドレナリンを増やす効果が強い薬になります。このため、ノルアドレナリンが増えることによる気分を意欲的にする効果が期待できます。

また、ノルアドレナリンが増えると、身体の痛みが感じにくくなります。何かに集中していると痛みを感じにくいことを経験したことはありませんか?ノルアドレナリンは交感神経系に働く物質ですので、痛みの刺激を抑えるように働きます。このため、鎮痛効果が期待できます。

気持ちを落ちつける鎮静作用も強いです。このため、不安や不眠、焦りなどの改善も期待できます。また、副作用である抗コリン作用は、尿を出しにくくする作用があります。このため、夜尿症(遺尿症)でも使われます。

イミドールは、いろいろな受容体に作用して効果がしっかりとでてきます。一方で、副作用も強く出てきてしまいます。

 

2-3.イミドールの強さ

しっかりと効果を発揮する薬で、強い薬といえます。

代表的な抗うつ薬の作用を表にまとめてみます。

代表的な抗うつ剤について、作用を比較してまとめました。

見ていただくと、三環系抗うつ薬はいろいろな受容体に働くことがわかると思います。このことは、副作用が多いことにつながりますが、効果が厚くでることにもなるのです。このため、数字以上に効果が出てきます。

イミドールは、いろいろな受容体に作用することがお分かりいただけるかと思います。。その分、効果が厚くでてくるので強い薬といえます。

 

2-4.イミドールの効き方

効き方には個人差があります。血中濃度は2~6時間でピークとなり、9~20時間で半減します。このため、1日1~3回で服用することが多いです。

抗うつ薬は、不安や不眠に関しては、効果がすぐに表れることもありますが、一般的には効果が出てくるには2週間程度かかります。

抗うつ薬が安定して効果を発揮するためには、常に身体の中に薬がある状態が必要です。薬を規則正しく服用していると、身体の中に少しずつ薬がたまっていきます。およそ服用を始めて4~5日ぐらいで薬の体内での濃度が安定します。この状態のことを定常状態といいます。

イミドールは、効き方には個人差が大きい薬です。これは、代謝産物のデシプラミンの効果が大きく、薬の効き方には代謝の影響が大きいためです。

イミドールを服用すると2~6時間ほどで血中濃度が最高値になります。そこから徐々に血中濃度が低下していき、9~20時間前後で血中濃度が半減します。このため、1日1回の服用でも効果が安定しないこともあります。ですから複数回に分けて服用することが多いです。この方が副作用も軽減されます。

1日1回からはじめて大きな副作用がないかを確認して、問題なければ服薬回数を増やしていきます。1日に2~3回服用することが多いです。

 

3.イミドールの副作用と抗うつ剤での比較

副作用は多く、便秘・口渇・ふらつき・体重増加・性機能障害が多いです。

イミドールは、いろいろな受容体に作用します。抗コリン作用も強く、便秘や口渇などが認められます。抗ヒスタミン作用も強く、体重増加が認められます。抗α1作用はそこまで強くはありませんが、他の作用とも合わせてふらつきも認められます。性機能障害は、新しい抗うつ薬ほどではないですが、多く認められています。

代表的な抗うつ薬の副作用の比較を以下にまとめます。三環系抗うつ薬が副作用が多いのがお分かりいただけるかと思います。

代表的な抗うつ薬について、副作用を比較して表にまとめています。

 

4.イミドールが向いている人は?

<適応>

<適応外>

うつ状態にも用いられますが、副作用が大きいため、一番はじめに使われることは少ないです。まずは副作用の少ない、SSRI・SNRI・NaSSAといった新しい抗うつ薬が使われることがほとんどです。それでも効果が乏しい場合、より効果のある三環系抗うつ薬が使われます。

ですから、新しい抗うつ薬で効果が不十分であった場合、「副作用は仕方ないからもう少し効果のあるものを試したい」という人に向いているといえます。ノルアドレナリンを優位に増やすので、意欲低下が目立つときに使われます。

副作用の抗コリン作用を利用して、遺尿症=「おねしょ」にも使われます。抗コリン作用はおしっこを出にくくします。また、イミドールは睡眠を深くするので、合わせて効果を発揮します。夜尿だけでなく、頻尿の方にも良いかも知れません。

また、イミドールはノルアドレナリンを増加させる効果が強いので、鎮痛効果も認められます。三環系の薬剤ではイミドールが最も鎮痛効果が強く、次いでイミドールやノリトレンです。慢性的な痛みが続いているときに使われることがあります。まずは副作用の少ないSNRIのサインバルタを使います。それでも効果が不十分な時は、イミドールも使っていきます。

 

5.一般名と商品名とは?

一般名:イミプラミン 商品名:トフラニール・イミドール

まったく成分が同じものでも、発売する会社が異なればいろいろな商品があるかと思います。医薬品でも同じことがいえます。一般名と商品名というものがあります。

一般名というのは、薬の成分の名前を意味しています。発売する会社によらずに、世界共通で伝わる薬物の名称です。「イミプラミン(imipramine)」に統一されています。主に論文や学会など、学術的な領域でこれまで使われてきました。

一方で商品名とは、医薬品を発売している会社が販売目的でつけた名称になります。「トフラニール(tofranil )」はアルファレッサファーマ株式会社が独自でつけた名前です。よりこの薬が広まるように、製薬会社が考えた名前になります。トフラニールは歴史が長い薬なので、その特許はきれています。このため他の製薬会社から、イミドール・イミドールといった商品名のジェネリックも発売されています。

最近のジェネリックは、紛らわしさをなくすため、一般名+会社名をつけることが多くなりました。例えば、「イミドール塩酸塩錠「○○社」」といった形です。

このように、商品によって薬の名前は違いますが、基本的に有効成分は同じになります。ですから、効果や副作用の方向性は同じです。ですが、まったく同じかというとそのようなことはありません。ジェネリック医薬品と先発医薬品では、効果や副作用の出方が変わってくる方がいらっしゃいます。

 

イミドールの効果や副作用について詳しく知りたい方は、
トフラニール錠の効果と特徴
トフラニールの副作用(対策と比較)
をお読みください。

 

まとめ

イミドールは、三環系抗うつ薬に分類されていて、セロトニン・ノルアドレナリンといった伝達物質の再取り込みをブロックすることで、これらの量を増やす薬です。

効果としては、ノルアドレナリンを優位に増加させます。

しっかりと効果を発揮する薬で、意欲低下が目立つときに有効です。

代謝の影響をうけるので、効き方には個人差が大きいです。血中濃度は2~6時間でピークとなり、9~20時間で半減します。このため、1日2~3回で服用することが多いです。

副作用としては、便秘・口渇・ふらつき・体重増加・性機能障害などが多いです。

この薬は、他の抗うつ薬で効果が十分でない人、慢性疼痛がある人、夜尿がある人に有効です。