フルボキサミンの副作用(対策と比較)

アイコン 2015.7.20 ルボックス・デプロメール

ルボックス/デプロメールは、SSRIが日本でも発売されるようになってすぐの1999年に発売されたお薬です。すでに発売から年月もたっていますので、2010年からジェネリック医薬品としてのフルボキサミンも発売されました。

フルボキサミンは、SSRIの中ではマイルドなお薬ですので、比較的使いやすい薬です。吐き気や下痢の副作用は多いものの、薬を中止しなければならないほどのことは少ないです。

ここでは、フルボキサミンの副作用に関してお伝えしていきたいと思います。

 

1.フルボキサミンとルボックス/デプロメールの副作用の違い

フルボキサミンは、ルボックス/デプロメールのジェネリックです。血中濃度の変化が異なるので、副作用の出方は多少の違いがありますが、有効成分が同じなのでそれほど差はありません。

ルボックス/デプロメールはそれぞれ商品としてのお薬の名前で、発売元のアッヴィ合同会社/Meiji Seika ファルマ社がつけた名前です。それに対して、フルボキサミンは成分の名前です。ジェネリック医薬品が発売されるまでは、一般の方がフルボキサミンという成分名を目にする機会は少なかっ たと思います。ですが、2010年にジェネリック医薬品が発売されるようになると、価格が安いこともあって処方されることが増えました。このため、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。

ジェネリック医薬品は、以前は独自の名前がつけられていました。最近のジェネリックは、紛らわしさをなくすため、「一般名+会社名」とすることが多くなりました。フルボキサミンは15社ほどが発売していますが、どれもフルボキサミン「会社名」となっていま す。患者さんに飲んでいるお薬の名前をお聞きすると、「」がついている会社名ばかり印象に残ってしまうことがありますので、注意してくださいね。

フルボキサミンの値段は、ルボックス/デプロメールの5割程度です。ジェネリック製薬会社によって異なりますが、だいぶお安くなりますね。

成分が同じだからといってまったく効果が同じかというと、そういうわけではありません。薬のコーティング、溶け方、吸収のされ方などは、製薬会社によって異なります。このように製薬会社によって違いはありますが、ルボックス/デプロメールのジェネリックと認めてもらうためには、ちゃんと基準があります。ジェネリックのフルボキサミンを服用してからの血中濃度の変化が、先発品と比べて誤差80~125%の間にあることが条件なのです。

SSRIの効果が出てくるには、薬をしばらく続けて血中濃度が安定してからになります。即効性を期待する薬ではないので、多少の誤差はあまり問題になりません。ですが、副作用は多少違いがあります。

副作用は、血中濃度がピークになる時に最も出やすくなります。ジェネリックのフルボキサミンは、作っている製薬会社によって血中濃度の変化が異なりますので、副作用の出やすさには差があります。ですが、有効成分が同じなので、そこまで大きな違いはありません。

 

2.フルボキサミンの副作用の特徴

副作用は全体的に少ないですが、吐き気と下痢が目立ちます。

フルボキサミンは、セロトニンを増やすように意識したお薬です。SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)に分類されていて、他の受容体にはあまり作用しません。

フルボキサミンでみられる副作用の中心は、「セロトニン」によるものです。セロトニンを増やすことでお薬の効果を期待しているのですが、他にもいろいろな働きをしています。脳だけでなく胃腸にも作用します。ですから、セロトニンが過剰に作用してしまって副作用となるのです。フルボキサミンでは、他のSSRIに比べるとセロトニンへの作用はマイルドなので、その分副作用は軽いものが多いです。

他のSSRIと比較して明らかに多いのは、吐き気や下痢です。フルボキサミンは身体からすぐに抜けてしまう薬なので、何回かに分けて薬を飲まなければいけません。その分胃腸に直接働いてしまう時間が長くなってしまうので、影響が大きいのです。胃腸の動きを活発にして吐き気や下痢になってしまいます。これはよくある副作用ですので、フルボキサミンを飲まれる方は心づもりをもってください。私は2か月ほど試しに服用してみたことがありますが、しばらく下痢傾向が続きました。胃腸の副作用は薬が身体になれてくると落ち着いていきます。一時的に薬で胃腸薬でサポートしていくのも対策です。

また、セロトニンの刺激が強くなりすぎると睡眠が浅くなることがわかっています。このため途中で目が覚めてしまったりと、不眠の原因となることがあります。反対に眠気を感じる方もいらっしゃいます。作用機序だけをみると眠気はおこりにくいのですが、薬を飲むと眠くなってしまう方が時々います。この場合は、飲み方の工夫や薬の調整を行っていきます。

性機能障害はSSRIに多いですが、フルボキサミンはSSRIの中では最も少ないです。それでも20~30%くらいの方には認められる副作用です。なかなかいいづらい副作用なので、悩んでいても口に出せない患者さんも多いと思います。性欲自体が低下する方も多いです。これもセロトニンが関係しているといわれていて、気分が落ち着くことで性的な興奮も起こりづらくなるのかもしれません。性機能低下が問題になる場合は、薬の変更なども考慮していきます。

以下の表では、代表的な抗うつ薬の副作用を比較しました。フルボキサミンは副作用が少ない薬ということがお分かりいただけるかと思います。

 

代表的な抗うつ薬について、副作用を比較して表にまとめています。

フルボキサミンの効果について詳しく知りたい方は、
デプロメールの効果と特徴
をお読みください。

 

3.フルボキサミンの副作用への対応方法

慣れていきますので、まずはがまんしてください。生活上での支障が大きくなるようなら対策を考えます。
①薬を減薬する②他の薬にかえる③副作用を和らげる薬を使う

抗うつ薬にはさまざまな副作用があります。多くの副作用が多少なりとも「慣れる」ことが多く、なんとかなる範囲でしたら我慢してください。生活習慣などの薬を使わない対策がある場合は、積極的にためしてください。
薬の服用方法を工夫することで副作用が軽減することもあるので、主治医に相談してみましょう。

これらを踏まえても生活上での支障が大きくなるようでしたら、対策を考えていきます。対策としては、

①減薬する
②他の薬にかえる
③副作用を和らげる薬を使う

の3つがあります。①~③は、効果と副作用の兼ね合いで考えていきます。効果が十分ならば①、増やしても効果の期待が少ない時は②、薬を続けるメリットがあるならば③になります。

さて、③としてよく用いるものや生活習慣を簡単にまとめたいと思います。

副作用 薬を使わない対策 副作用を和らげる薬
便秘 排便習慣・食物繊維・水分・運動習慣 センノサイド・マグミット・大黄甘草湯など
口渇 唾液腺マッサージ・口呼吸 白虎加人参湯
ふらつき 朝食をしっかり・ゆっくり立つ メトリジン・リズミックなど
眠気 睡眠をしっかり・昼寝習慣
体重増加 食事管理・運動習慣
吐き気 食事を控えめにする 胃薬・ガスモチン・ナウゼリン・プリンペランなど
下痢 セレキノン
性機能障害
不眠 睡眠に良い生活習慣・自律訓練法 鎮静系の抗うつ薬・睡眠導入剤など
不整脈

 

まとめ

フルボキサミンは、ルボックス/デプロメールのジェネリックです。血中濃度の変化が異なるので、副作用の出方は多少の違いがありますが、有効成分が同じなのでそれほど差はありません。

新しい抗うつ薬なので副作用は少ないですが、吐き気・下痢が目立ちます。

副作用が見られた場合、まずはがまんしてください。生活上での支障が大きくなるようなら対策を考えます。

①薬を減薬する②他の薬にかえる③副作用を和らげる薬を使う

から考えていきます。