レクサプロは太るの?体重増加と5つの対策

アイコン 2015.5.13 レクサプロ

精神科のお薬を処方すると、患者さんから「この薬は太りますか?」という質問をよく受けます。

精神科の薬はどうしても太る薬が多く、抗うつ薬も例外ではありません。レクサプロは、抗うつ剤の中では太りにくい薬ですが、太りやすくなる傾向はあります。ですが、ちゃんと心構えをもって自己管理をしていけば大丈夫です。

ここでは、レクサプロが太る理由からその対処法まで考えていきたいと思います。

 

1.レクサプロは太るの?

レクサプロは、抗ヒスタミン作用や抗5HT2c作用は弱いですが、セロトニンの作用が強いです。このため、代謝抑制作用があるために太りやすい傾向はあります。

抗うつ薬は、セロトニン・ノルアドレナリン・ドパミンといった脳内の物質を増やすことで効果がでてきます。ですが、薬は目的通りには作用してくれません。いろいろな物質に影響を与えます。これが副作用としてでてくるのです。

体重増加には、細かくみると3つの作用が関係しています。

  1. 抗ヒスタミン作用による食欲増加
  2. 抗5HT2c作用による食欲増加
  3. セロトニンによる代謝抑制作用

レクサプロは、主に③の作用が関係しています。レクサプロは、抗ヒスタミン作用や抗5HT2c作用をほとんど認められません。ですから、明らかな食欲増加はほとんど認められません。

ですが、セロトニンの作用が強いために代謝抑制作用が認められます。このため太りやすい傾向にはなります。セロトニンは精神を安定させ、リラックス状態をつ くっていきます。すると、身体のエネルギーとしては消費が抑えられるようになります。エネルギーが使われなければ、体重は増えていきます。このように、セロトニンには代謝抑制効果があります。ですから、レクサプロは太りやすい体質になってしまいます。

 

レクサプロのその他の副作用について詳しく知りたい方は、
レクサプロの副作用(対策と比較)
をお読みください。

 

2.レクサプロだけでない太る理由

食欲は、精神疾患の影響を大きくうけます。

食欲は、心の影響を大きく受けます。食欲が低下してしまって体重が落ちてしまうこともあれば、食欲が増してしまって体重が増加することもあります。

典型的なうつ病の患者さんは、食欲がなくなって体重が減ってしまいます。また気力も低下してしまいますので、日中の活動量が落ちてしまいます。抗うつ剤を使って回復していくと、まずは食欲から戻ってきて、活動が徐々にできるようになっていきます。その結果として、以前より太ってしまうこともあります。

また、摂食行動の異常という形で過食が認められることもあります。過食となってしまうのには、いろいろな背景があります。場合によっては、抗うつ剤が過食を軽減することもあります。ですから、抗うつ薬が太りやすくなるからといって、自己判断で中止せずに医師に相談してください。

このように、体重が増加しても「レクサプロのせいで太った」と決めつけてはいけません。薬を自己判断で中断してしまうと症状が不安定になってしまったり、レクサプロでは少ないですが離脱症状がみられることもあります。しっかりと他に原因がないかをよく考えてみる必要があります。疑問をもったら、主治医に相談してみましょう。

 

3.レクサプロと他の抗うつ剤よりも太るの?

SSRIは、抗うつ剤の中で比較すると太りにくいです。レクサプロはその中でも太りにくいです。

抗うつ剤の太りやすさを比較してみました。

三環系抗うつ薬は、抗ヒスタミン作用も強く、また抗5HT2c作用も認めます。セロトニン作用も強いものが多いです。このため、抗うつ薬の中で比較すると、太る傾向にあります。この中でも最も太りやすいのがトリプタノールです。

新しい抗うつ薬の中では、NaSSAと呼ばれるリフレックス/レメロンでは太りやすいです。抗ヒスタミン作用が強く、また抗5HT2c作用も強いので食欲が増加します。

SSRIは、抗ヒスタミン作用もそこまで強くありませんので、明らかに食欲が増加するお薬ではありません。むしろ、過食症の治療で用いることもあります。ですが、パキシルではなぜか過食発作のようなものが起きてしまうことがあります。その他のSSRIでは、体重増加はそこまで認めません。レクサプロは副作用が少なく、体重増加もあまり認めません。

SNRIのサインバルタやトレドミンは、ノルアドレナリンを増やします。交感神経系の物質が増加しますので、意欲があがり活動的にする作用があります。ですから、体重増加にはつながりにくいです。

その他、抗うつ剤としてよく使われるドグマチールは、胃の働きをよくする作用があります。このため、食欲はあがって太る傾向にあります。エビリファイに関しては、ドパミンを増やすことで活動的にさせるので、むしろ体重が減ることがあります。

 

4.レクサプロの体重増加での対処法

体重増加が気になったら、まずは主治医にちゃんと相談しましょう。体重増加のとらえ方は、患者さんによっても個人差があります。体型に気をつけている女性では、男性の私よりもはるかに体重増加がつらいと感じるでしょう。医者も気を付けてはいるのですが、患者さんが思うほどに深刻に捉えていないこともあります。

レクサプロの体重増加の原因は、お薬だけとは限りません。ちゃんと伝えてくだされば、一緒に対策を考えていくことができます。ここでは、体重増加の対策をみていきましょう。

 

4-1.体重測定をする

まずは自分自身の体重を定期的に測定し、体重変化に気を付けていきましょう。

体重を定期的に測っていますか?体重測定といえば、年に1回の健康診断の時だけという方も多いのではないでしょうか。

「なんだか最近太ってきたなぁ・・・」と思って体重を測ってみたら、その数字にビックリしてしまうこともあります。その衝撃が大きすぎて、お薬を急にやめてしまうことにもなりかねません。

早めに体重増加に気づけた方が、すぐに対策をとって戻しやすいです。体重が大きく増えてしまったら、元に戻さなきゃという気持ちもくじけてしまいますね。

ですから精神科のお薬を服用している時は、できるだけ体重測定をするようにしましょう。

 

4-2.食事を見直す

間食をひかえ、炭水化物を控えるマイルールをつくりましょう。

レクサプロによる体重増加は、ちゃんとカロリーをコントロールすれば改善されていきます。レクサプロは代謝への影響はありますが、必要以上に食べるから太るのです。

食欲に任せていると、必要以上に食事をとってしまいます。動物の本能として、エネルギーは蓄えられるときにできるだけ蓄えるためです。

このため、食生活を見直しましょう。

いくつか補足したいと思います。

食事をとると身体があったかくなります。これは食事誘発性熱産生と呼ばれていますが、栄養素が分解されて熱が産生されるのです。消化活動によって胃腸が動くので、代謝がよくなるのです。このため、食事は3食きっちりととった方がやせます。食事の回数を3食以上に増やしてしまうと、よほどきっちりした方でないと自分の摂取カロリーがわからなくなるのでやめましょう。

この食後の代謝増加を大きくするには2つの方法があります。「よく噛んで食べること」と「タンパク質を多くすること」です。タンパク質では、摂取カロリーの30%あまりが熱産生につかわれると報告されています。よく噛んで食べると、熱産生が増えることもわかっています。

炭水化物抜きダイエットが流行っていましたが、おすすめできる方法ではありません。少なくとも朝食の糖質はなくすべきではないと考えています。すぐにエネルギーに変換できる栄養素は糖質です。脳の活動が低下している朝には、糖質でスイッチを入れる必要があります。糖質抜きダイエットが行き過ぎると、タンパク質や脂質が不足してしまって筋肉量が落ちてしまうことがあります。すると基礎代謝が落ちるので、痩せにくい身体になってしまいます。

ですから、炭水化物を減らすマイルールを作る程度がちょうどよいです。例えば、ご飯は半盛りにする、夜のラーメンは封印するなどです。ダイエットの目標が達成しても続けられるものにしていきましょう。

 

4-3.運動習慣をつくる

運動習慣によって筋肉量が増えると基礎代謝が増加するので、痩せやすい身体になります。

運動をすると、筋肉量が増えるために基礎代謝が上がります。このため、何もしないでも消費カロリーが増えていきますので、太りにくくなります。

できるならば、筋トレと有酸素運動を組み合わせた方が効率よく痩せられます。筋トレをすると少しずつ筋肉量が増えていくだけでなく、筋トレ直後から代謝があがります。この状態で有酸素運動を行うと、脂肪が効率よく燃焼されるのです。筋トレをするならば、大きい筋肉から鍛えていくのが効率がよいです。胸や背中やお尻の筋トレをしていきます。

レクサプロでも、運動をすることで代謝がよくなっていきます。また、運動は精神的にもよい影響があります。運動するとスッキリしますよね。軽症のうつ病の方では、治療として運動が勧められることもあるのです。運動習慣により病状がよくなれば、薬も減らしやすくなります。

 

4-4.レクサプロを減薬する

主治医と必ず相談してください。

精神状態が安定しているならば、レクサプロを減薬していきます。ですが、調子がいいからといって自己判断してはいけません。いままでの経過からみて、総合的に判断していきますので、主治医とよく相談してください。

無理に減薬してしまうと、症状が悪化することがあります。レクサプロを使っていて効果がしっかり出ているならば、まずは食事と運動を意識しましょう。

 

4-5.他の抗うつ剤に変える

レクサプロではあまり行いませんが、ジェイゾロフトやSNRIへ変えてみるのはひとつの方法です。

レクサプロ自体が抗うつ剤の中では太りにくいです。ですから、なかなか変える薬がありません。薬の切り替えにはリスクも伴います。同じ作用をする抗うつ剤だからといって、同じように効果がでるとは限りません。私がレクサプロを切り替えていく時には、効果を考えても他の薬に切り替えてもよいと思える時です。その場合は、まずは併用して効果があるかを見てからレクサプロを減薬していきます。

同じSSRIでは、副作用が少ないジェイゾロフトに切り替えてみることがあります。意欲低下などが目立つときは、サインバルタやトレドミンなどのSNRIに切り替えるのも方法です。

 

まとめ

レクサプロは、抗ヒスタミン作用や抗5HT2c作用は弱いですが、セロトニンの作用が強いです。このため、代謝抑制作用があるために太りやすい傾向はあります。

食欲は、精神疾患の影響を大きくうけます。薬だけでなく他に原因がないかも考える必要があります。

SSRIは、抗うつ剤の中で比較すると太りにくいです。レクサプロはその中でも太りにくいです。

対処法としては、

があります。