アナフラニールの半減期からわかること

アイコン 2015.4.24 アナフラニール

半減期とは、薬を服用してから血中濃度が半分になるまでにかかる時間のことです。この時間をみることで、薬の効き方や副作用への対応を考えていくことができます。

ここでは、三環系抗うつ剤であるアナフラニールの半減期について考えていきましょう。

 

1.薬の半減期とは?

薬を飲んでから血中濃度が半分になるまでの時間のことです。

薬を服用した時の、血中濃度の変化を図に表わして、Tmaxと半減期を説明します。

薬を飲み始めると、直後は血中濃度がどんどんと上がっていきます。薬の吸収がおわると、薬は代謝されて身体から出ていきますので、少しずつ血中濃度が減少していきます。身体が薬を代謝できるスピードは決まっていますので、どれくらいの量であっても一定のスピードで身体から抜けていきます。このため、薬の量が半分になるまでにかかる時間は、内服量にかかわらず一定になります。

この血中濃度が半分になるまでにかかる時間を半減期(T1/2)といいます。T1/2が短いほど、薬の切れ味がよく身体からすぐになくなるといえます。反対にT1/2が長いほど、薬が身体に蓄積しやすいといえます。

薬の効き方を考えるにあたって、もう1つのポイントがあります。最高血中濃度到達時間(Tmax)です。これは文字通りで、血中濃度がピークに達するまでの時間です。効果がでるまでのスピードに関係しています。抗うつ剤は、ゆっくりと効果が出てくる薬ですので、Tmaxはあまり作用に関係してきません。

 

2.薬を飲み続けているとどうなるのか?

身体の中に一定の薬が残って効果が持続するようになり、これを定常状態といいます。

薬を飲み続けると、定常状態となります。その様子を図であらわしました。

それでは薬を飲み続けていると、どのようになっているでしょうか?薬が血中からなくなりきらずに次の日に薬を飲むと、少しずつ薬が身体の中にたまっていきます。半減期が長い薬は、どんどん蓄積していきます。

ですが、薬は無限に蓄積していくわけではなく、少しずつ一定の濃度に収束していきます。この状態を「定常状態」といいます。抗うつ剤では、一日中薬が作用することで効果が安定しますので、定常状態を作ることが大事です。この定常状態に達するまでは、およそ5日~1週間かかります。

 

アナフラニールの効果について知りたい方は、
アナフラニール錠の効果と特徴
をお読みください。

 

3.アナフラニールの半減期と特徴

半減期は21時間です。効果の安定と副作用軽減のために、1日2~3回で服用することが多いです。離脱症状は、そこまで多くはありません。

代表的な抗うつ剤の半減期を見てみましょう。

代表的な抗うつ剤の半減期を比較してみました。

これを見ると、アナフラニールの半減期は比較的長いことがお分かりいただけるかと思います。

少し無理をする形ではありますが、1日に1回の服薬でも効果は出てきます。ですが、より血中濃度を安定させるためには、1日2回以上に分けて服用した方がよいと思います。服薬を分けることで血中濃度のピークが減るので、副作用の軽減が期待できます。このため、1日に2~3回に分けて服薬するのが一般的です。

半減期をみることで、離脱症状の起こりやすさも予想できます。離脱症状は、身体に慣れた薬が急に抜けることによって起きる症状です。ですから、薬が抜けていくスピードがゆっくりであれば起こりにくいです。アナフラニールは比較的ゆっくりと薬が抜けていきますので、この点だけを見ると離脱症状は起こりにくいです。ですが、もともと抗コリン作用が強い薬であるだけに、離脱症状が起こることはあります。

 

まとめ

薬の半減期とは、薬を飲んでから血中濃度が半分になるまでの時間のことです。

繰り返し服用していると、身体の中に一定の薬が残って効果が持続するようになり、この状態を定常状態といいます。

アナフラニールの半減期は21時間です。効果の安定と副作用の軽減のために、1日2~3回で飲むのが一般的です。離脱症状は、抗コリン作用が強い割には起こりません。