アモキサピンの効果と副作用

アイコン 2015.3.25 アモキサン

アモキサピンとは、三環系抗うつ薬のアモキサンの一般名(成分名)です。ですから、効果や副作用はアモキサンと同じです。

アモキサピンは販売開始1981年と、非常に長い実績のある抗うつ薬です。三環系抗うつ薬に分類されています。
この中では比較的新しく、副作用である抗コリン作用を弱めたもので、第二世代と呼ばれたりもします。

最近では、さらに副作用の少ないSSRI・SNRI・NaSSAといった新しい抗うつ薬がメインに使われるようになっています。ですが、三環系抗うつ薬は副作用が多いですが効果も大きいです。ハイリスク・ハイリターンといえます。このため、うまく使うと非常に有用ですので、現在でもよく用いられています。

ここでは、アモキサピンの効果を中心に、わかりやすく紹介していきたいと思います。

 

1.アモキサピンの特徴とは?

はじめに、アモキサピンの特徴を簡単に紹介したいと思います。

  <メリット>

  <デメリット>

三環系抗うつ薬は、ハイリスク・ハイリターンな薬です。その中でアモキサピンは、副作用である抗コリン作用が少なくなるように改良されたものです。これにより、副作用が軽減されましたが、かわりに効果も弱まっています。ですから、マイルドな三環系といえます。

効果としては、セロトニンとノルアドレナリンの両方を増やしますが、ノルアドレナリンを優位に増やします。このため、セロトニンが増えることで抗うつ効果がありますが、特にノルアドレナリンが増えることで意欲改善に有効です。また、ドパミンをブロックする作用があるので、妄想が強いうつ病の方に効果があるといわれています。

アモキサピンの大きなメリットとしては、効果が出てくるのが早い点があげられます。3~7日ほどで効果が出てくるので、抗うつ薬の中では最も早いと思います。また、古くからある薬なので、薬の価格が安くなっているのもメリットです。新しい抗うつ薬では、5~10倍ほどの価格になります。

一方で、効果としては三環系としてはマイルドです。さらには、新しい抗うつ薬と比較してしまうと、どうしても副作用が目立ってしまいます。

 

2.アモキサピンの効果と抗うつ剤での比較

それでは、マイルドな三環系抗うつ薬であるアモキサピンの効果について、詳しく見ていきましょう。

 

2-1.アモキサピンの作用機序

セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで効果を発揮します。

脳内のセロトニンとノルアドレナリンという神経伝達物質の増加することで、抗うつ効果がもたらされるといわれています。セロトニンとノルアドレナリンは神経と神経の間の橋渡しを行う神経伝達物質です。分泌された神経伝達物質は、役割を果たすと回収されます。これを再取り込みと呼びます。抗うつ薬は、この再取り込みを阻害することによって、セロトニンやノルアドレナリンの量を増やします。これによって、これらの物質の受け皿である受容体の刺激を増加させて作用します。

 

2-2.アモキサピンの特徴

ノルアドレナリンを優位に増加させるマイルドな三環系抗うつ薬です。

アモキサピンは、特にノルアドレナリン再取り込み阻害作用が強く、ノルアドレナリンを優位に増加させます。セロトニンが増加することによる抗うつ効果はもちろんあります。それよりも、ノルアドレナリンを増加させることによって、気分を意欲的にする効果が強いです。

また、アモキサピンはドパミンにも作用する点が特徴的です。アモキサピンとその代謝産物には、ドパミンを遮断する作用があるといわれています。ドパミンの増加によって妄想が強くなっていくと考えられているので、妄想があるうつ病の方に効果があるのではといわれています。

アモキサピンは、トリプタノールといった古くからある三環系抗うつ薬の副作用を軽減する目的で開発されました。このため、抗コリン作用をはじめとした副作用が軽減されています。その分、効果の厚みとしては失われてしまいます。このため、マイルドな三環系抗うつ薬といえます。

 

2-3.アモキサピンの強さ

三環系の中ではマイルドですが、新しい抗うつ薬とは同じくらいの強さはあります。

代表的な抗うつ薬の作用を表にまとめてみます。

代表的な抗うつ剤について、作用を比較してまとめました。

それぞれの受容体に対する薬の作用の強さ(Ki値)をもとに、ざっくりと5段階にして整理しました。

見ていただくと、三環系抗うつ薬はいろいろな受容体に働くことがわかると思います。このことは、副作用が多いことにつながりますが、効果が厚くでることにもなるのです。このため、数字以上に効果が出てきます。

アモキサピンは、他の三環系抗うつ薬に比べると副作用がおさえられています。その分、効果もマイルドになっています。ですが、効果の厚さも加味すると、新しい抗うつ薬と同等くらいの強さはあります。

 

2-4.アモキサピンの効き方

アモキサピンは効果が早くでてきます。血中濃度は1.5時間でピークとなり、8時間で半減します。このため、1日2~3回で服用することが多いです。

抗うつ薬は、不安や不眠に関しては、効果がすぐに表れることもありますが、一般的には効果が出てくるには2週間程度かかります。ですがアモキサピンは、薬を飲み初めてから3~7日ほどで効果が出てくる場合があります。

抗うつ薬が安定して効果を発揮するためには、常に身体の中に薬がある状態が必要です。薬を規則正しく服用していると、身体の中に少しずつ薬がたまっていきます。およそ服用を始めて4~5日ぐらいで薬の体内での濃度が安定します。この状態のことを定常状態といいます。

アモキサピンを服用すると1.5時間ほどで血中濃度が最高値になります。そこから徐々に血中濃度が低下していき、8時間後には血中濃度が半減します。抗うつ薬としては薬が身体から抜けるのが早い薬です。このため、アモキサピンは複数回服用することで効果が安定します。

1日1回からはじめて大きな副作用がないかを確認して、問題なければ服薬回数を増やしていきます。1日に2~3回服用することが多いです。

 

3.アモキサピンの副作用と抗うつ剤での比較

他の三環系抗うつ薬よりは少ないですが、体重増加・性機能障害・不眠が比較的多いです。

アモキサピンは、他の三環系抗うつ薬と比較すると抗コリン作用が少ないです。このため軽減はされていますが、便秘や口渇などは認められます。抗ヒスタミン作用も軽減したとはいえ強いため、体重増加が認められます。性機能障害は、新しい抗うつ薬ほどではないですが、多く認められています。また、他の三環系抗うつ薬と比較すると落ち着かせる効果は少ないため、不眠の副作用が多少多くみられます。

ドパミン系に作用するため、錐体外路症状などが理論的には発生する可能性はありますが、ほとんど見たことがありません。

代表的な抗うつ薬の副作用を以下にまとめます。

代表的な抗うつ薬について、副作用を比較して表にまとめています。

 

4.アモキサピンが向いている人は?

<適応>

うつ状態にも用いられますが、副作用が大きいため、一番はじめに使われることは少ないです。まずは副作用の少ない、SSRI・SNRI・NaSSAといった新しい抗うつ薬が使われることがほとんどです。それでも効果が乏しい場合、より効果のある三環系抗うつ薬が使われます。

ですから、新しい抗うつ薬で効果が不十分であった場合、「副作用は仕方ないからもう少し効果のあるものを試したい」という人に向いているといえます。その中でも、意欲低下が目立つ場合に効果が期待できます。三環系抗うつ薬の中では副作用は少ないので、比較すると女性向きともいえます。

また、アモキサピンのメリットは効果が他の抗うつ薬よりも早く期待できることです。三環系抗うつ薬を使うような状況では焦らずにじっくりと治療をしてほしいことがほとんどです。ですが、社会生活の中でスピードが求められることはあります。このような時は、アモキサピンをあえて使うこともあります。

また、ノルアドレナリンを増加させる三環系抗うつ薬は鎮痛効果があるものが多いです。アモキサピンに関しては、あまり鎮痛作用を感じられないので使いません。

 

5.一般名と商品名とは?

一般名:アモキサピン 商品名:アモキサン

まったく成分が同じものでも、発売する会社が異なればいろいろな商品があるかと思います。医薬品でも同じことがいえます。一般名と商品名というものがあります。

一般名というのは、薬の成分の名前を意味しています。発売する会社によらずに、世界共通で伝わる薬物の名称です。「アモキサピン(amoxapine)」に統一されています。主に論文や学会など、学術的な領域でこれまで使われてきました。

一方で商品名とは、医薬品を発売している会社が販売目的でつけた名称になります。「アモキサン(amoxan)」はファイザー株式会社が独自でつけた名前です。よりこの薬が使われていくように、製薬会社が考えた名前になります。アモキサンとアモキサピンは似ているので覚えやすいですが、まったく違う名前のものもあります。アモキサンは高い薬ではないので、日本ではジェネリック医薬品はつくられていません。

アモキサピンの効果や副作用について詳しく知りたい方は、
アモキサンカプセルの効果と特徴
アモキサンの副作用(対策と比較)
をお読みください。

 

まとめ

アモキサピンは、三環系抗うつ薬に分類されていて、セロトニン・ノルアドレナリンといった伝達物質の再取り込みをブロックすることで、これらの量を増やす薬です。

効果としては、ノルアドレナリンを高める効果が強く、意欲低下などに有効です。

新しいタイプの抗うつ薬であるSSRIに比べると、ハイリスク・ハイリターンな薬になります。副作用も多いですが、効果も大きいです。ただ、他の三環系抗うつ薬と比較すると、効果・副作用ともにマイルドな印象です。

効果が出てくるのは、他の抗うつ薬に比べて早いです。血中濃度は1.5時間でピークとなり、8時間で半減します。このため、1日2~3回で服用することが多いです。

副作用としては、他の三環系抗うつ薬よりは少ないですが、体重増加・性機能障害・不眠が比較的多いです。

この薬は、新しい抗うつ薬では効かずに意欲低下が目立つ人、早い効果を期待したい人に使われます。

 

販売者名 ファイザー株式会社
分類 三環系抗うつ薬
剤形 カプセル(10mg・25mg・50mg)・細粒(10%)
薬価 カプセル(5.6円・11.4円・23.3円)・細粒(42円/g)
ジェネリック なし
成分(一般名) アモキサピン
半減期 8時間 (半減期が短い)
用法 1日1~3回 最大300mgまで