定型抗精神病薬の種類と特徴とは?

アイコン 2015.3.27 抗精神病薬のまとめ

統合失調症の治療薬として開発された定型抗精神病薬ですが、いろいろな場面でつかわれています。睡眠導入剤代わりに使われることもあれば、興奮を抑えるために使われることもあります。

ここでは、定型抗精神病薬はどのようなものか、考えていきたいと思います。

 

1.定型抗精神病薬の作用

ドパミン受容体をブロックして、効果が発揮されます。陽性症状には効果がありますが、陰性症状には効果が期待できません。

定型抗精神病薬の作用をわかりやすく示した図です。

統合失調症治療薬は抗精神病薬とも呼ばれます。統合失調症では、ドパミンが過剰となって陽性症状が認められます。このため、ドパミンを何とか抑制できないかと考えて作られたのが定型抗精神病薬です。

神経伝達物質の一つであるドパミンはドパミン受容体に作用することでシグナルを伝えています。このドパミン受容体としては、主にD1受容体とD2受容体の2つがあります。定型抗精神病薬はこの中でもD2受容体を阻害する働きがあります。これによって、統合失調症の陽性症状を改善させます。

しかしながら、脳内のドパミンをすべてブロックしてしまうことでデメリットが出てきてしまいます。統合失調症の陰性症状はドパミンの減少が原因と考えられていますので、定型抗精神病薬には陰性症状の改善効果は期待できません。また、ドパミン関連の副作用である錐体外路障害や高プロラクチン血症などが出やすいです。

そうはいっても陽性症状の改善効果は強く、今でも状況に応じて使われています。

 

2.定型抗精神病薬の種類

大きくわけてブチロフェノン系・フェノチアジン系・ベンズアミド系の3つの系統があります。

定型抗精神病薬は、長い間活躍してきた薬です。最も以前から使われている薬はクロルプロマジンで、1950年代から用いられています。長い歴史の中で、様々な薬が開発されてきました。今でも使われている薬は以下のようなものがあります。

 

<ブチロフェノン系>

<フェノチアジン系>

<ベンズアミド系>

 

3.定型抗精神病薬の使い分け

ブチロフェノン系は高力価なので陽性症状に、フェノチアジン系は低力価ですので鎮静目的で使います。

定型抗精神病薬にはさまざまな種類がありますが、よく使われるのはブチロフェノン系とフェノチアジン系の2つです。この2つの系統で大きく使い方がわかれます。

セレネースをはじめとしたブチロフェノン系は、少量でも大きな効果を期待できます。薬自体の中心的な効果が強く現れるのが、高力価の薬の特徴です。

抗精神病薬ではドパミン受容体の働きを阻害する作用が非常に大きく、その他の受容体への影響はそれほど大きくありません。副作用もドパミン受容体への影響によるものが中心となります。身体が固くなったり震えたりといった錐体外路症状、乳汁分泌や生理不順などの高プロラクチン血症などが認められやすいです。

 

一方、コントミンをはじめとしたフェノチアジン系の方に含まれている薬は、ある程度の量がないと効果が認められません。こちらはドパミン受容体のみに働きかけるブチロフェノン系とは違って、複数の受容体に作用します。

抗コリン作用や抗α1作用や抗ヒスタミン作用など、様々な受容体がブロックされることによる副作用がでてきます。抗コリン作用の影響で、統合失調症の陰性症状や認知機能障害が悪化してしまう可能性もあります。不眠がみられたり、不安や焦りが強かったりする場合では、この副作用が効果として発揮されることもあります。

 

まとめ

定型抗精神病薬は、ドパミン受容体をブロックして、効果が発揮されます。陽性症状には効果がありますが、陰性症状には効果が期待できません。

大きくわけてブチロフェノン系・フェノチアジン系・ベンズアミド系の3つの系統があります。

ブチロフェノン系は高力価なので陽性症状に、フェノチアジン系は低力価ですので鎮静目的で使います。