統合失調症の注射薬と内用液

アイコン 2015.10.12 抗精神病薬のまとめ

症状が強い時は、錠剤を服用することができない時もあります。また、1回注射すればしばらく効果が持続するような薬も開発されています。

ここでは、統合失調症の注射薬と内用液についてみていきたいと思います。

 

1.内用液のメリット

薬を飲むことができない場合や、急激な恐怖心や衝動が抑えきれない場合に有効です。

内用液は錠剤と違って水薬ですので、簡単に飲むことができて効き目も早いです。ですから、統合失調症に限らずいろいろな病気で使われます。

リスパダール内用液を使う時には、大きくわけて2つのケースがあります。

  1. 薬を飲むことができない場合
  2. 突発的な恐怖心や衝動が抑えきれない場合

薬を飲むことができないというのは、いろいろな状況があります。

このような場合では、簡単に服用でき、こっそりと食事や飲み物に混ぜることもできる内用液が有効です。

 

恐怖心や興奮や衝動に、突然襲われる方もいらっしゃいます。いつ調子が悪くなるのかもわかならなければ、できるだけすぐに服用できるお薬でなければいけません。このような時は、リスパダール内用液を頓服として使うと有効です。

 

2.内用液の種類と違い

リスパダール・セレネース・エビリファイなどの内用液があります。

抗精神病薬の内用液としては、リスパダール・セレネース・エビリファイがよく使われます。

リスパダール液はセレネース液よりも副作用が少ないといわれていますが、少量ではほとんど大差がありません。その一方で、リスパダール液は錠剤と比べて薬価が3倍ほど高く、セレネースよりも高い薬です。また、苦いグレープフルーツ味で飲みずらい方も多いです。セレネース液は無味無臭ですので、家族がこっそりとご飯に混ぜたりするときは、セレネース内用液を用いています。

エビリファイの内用液は、少量で使って元気にさせる効果を期待することが多いです。ただ、エビリファイ内用液の効果は錠剤に比べて多少早い程度です。薬の濃度がピークになるのが、錠剤ならば3時間に対して、内用液では2時間に短くなります。その一方で、薬価は3倍にもなり、味も苦いオレンジ味です。ですが簡便に服用できることは間違いないので、朝に調子が悪くなってしまうとベッドから起き上がれなくなってしまうような方に、枕元においていただいて使っていただきます。

 

3.注射薬のメリット

薬や内用液が飲めない場合や即効性を期待する場合、薬の飲み忘れを防ぐ場合に有効です。

統合失調症の治療で注射薬を用いるのは、2つのケースです。

①薬や内用液が飲めない場合
②早い効果を期待する場合
③薬の飲み忘れを防ぐ場合

いろいろな場合で薬や内用液が飲めないことがあります。薬が必要だけれども患者さんが薬を拒否することもあります。また、身体疾患などが原因で薬が飲めないこともあります。このような時は、筋肉注射や静脈注射をすることで、薬を使います。

また、早い効果を期待する場合は注射にします。ダイレクトに血中に薬を送り込むことができますので、効果は早くしっかりと効きます。経口で服薬すると腸で吸収されるまで時間もかかってしまいます。さらに、吸収されてから肝臓などを経て一部薬が分解されるので、効果が弱まってしまいます。

また、薬の飲み忘れが多い方などでは、持続的に効果を発揮する注射などもあります。2週間~1か月に1回注射することで、効果が安定する注射薬が開発されています。近いうちに3か月に1回の薬も出てくる可能性があります。

 

4.即効性注射剤の種類

セレネース・ヒルナミン・コントミン・ジプレキサなどの注射剤があります。

すぐに効果を発揮する注射剤には、いろいろなものがあります。抗精神病薬としては、セレネース・ヒルナミン・コントミン・ジプレキサなどが使われます。患者さんの精神状態や血圧などに応じて、量を調整していきます。筋肉注射が基本となっていますが、薬によってはゆっくりと点滴から静注することもあります。

 

5.持続性の注射剤の種類

リスパダールコンスタ・ゼプリオン・エビリファイ持続性水懸筋注用などの持続性注射剤があります。

定型抗精神病薬としては、現在も2つのお薬が使われています。

定型抗精神病薬としては、3つのお薬が発売されています。

リスパダールコンスタは2週間に1回、ゼプリオンは1か月に1回、エビリファイ持続性水懸筋注用では1か月に1回、臀部ないしは肩に筋肉注射します。ゼプリオンは注射の針自体は小さいのですが、注射時に痛みがあるので臀部になることが多いです。

 

これらの持続注射剤のメリットとしては、血液の中の濃度が安定しますので副作用が減少します。効果も安定するため、再発率も低下するという報告もあります。また、錠剤と比較して陰性症状の改善も認められる印象もあり、減薬もしやすいと思われます。なにより薬の飲み忘れがなくなり、効果が確実になります。統合失調症の再発の一番のリスクは服薬中断ですので、その点では非常に有用です。

ただ、薬価が高いというのが難点です。持続性注射剤を使う方は、必ず自立支援医療制度を利用します。自己負担が1割にはなりますが、それでも1か月のお薬代が3000~8000円ほどになってしまいます。

さらにゼプリオンでは、リスパダールコンスタと比較して死亡率が3倍ほどに高いと報告されました(1万例ほどで21例)。このため、ブルーレターという警告が発せられました。その後の製薬会社の調査で、高齢者には慎重に投与することと、なるべくお薬を少なくすれば大きな危険性はないことが判明しています。海外でも特段の注意喚起はなく、安全性を考えながら使っていけばとても有効な薬になりますので、過度に心配しないでください。

エビリファイの持続注射剤も2015年5月に発売されました。1か月に1回投与することで、安定して効果が発揮されます。海外ではメンテナという商品名で発売されていましたが、日本ではエビリファイ持続性水懸筋注用という商品名で発売されています。

 

まとめ

内用液のメリットとしては、薬を飲むことができない場合や、急激な衝動や恐怖心が抑えきれない場合に有効です。
内用液には、リスパダール・セレネース・エビリファイなどの内用液があります。

注射薬のメリットとしては、薬や内用液が飲めない場合や即効性を期待する場合、薬の飲み忘れを防ぐ場合に有効です。
即効性の注射剤としては、セレネース・ヒルナミン・コントミン・ジプレキサなどの注射剤があります。
持続性の注射剤としては、リスパダールコンスタ・ゼプリオン・エビリファイ持続性水懸筋注用などの持続性注射剤があります。

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