レベルボン錠・シロップの効果と副作用

アイコン 2017.2.27 ビソルボン/ブロムヘキシン

レベルボン錠・シロップは、1966年にベーリンガーインゲルハイム製薬会社より発売された去痰薬ビソルボンのジェネリックです。

レベルボンは痰をサラサラにしたうえで、あえて痰の量を増やすことで痰を出しやすくするお薬です。

副作用も少なく安全に使用されるお薬のため、痰が絡むときに処方されるお薬です。注意しなければならないのは、レベルボンはあくまでも痰を出しやすくするお薬であり、痰がでる原因の疾患を治すわけではありません。

そのためレベルボンを飲み続けないと痰が出続ける人は、レントゲンなどでしっかりと原因を特定する必要があります。ここでは、レベルボンの効果と特徴についてみていきましょう。

 

1.レベルボンのメリット・デメリットは?

<メリット>

<デメリット>

レベルボンは、痰切りとして処方されているお薬です。痰切りの効果としては、

という2つの効果を示します。さらにレベルボンは、安全性も高いお薬です。実際に副作用もほとんどないですし、使用できない病気や飲み合わせが悪いお薬もありません。

一方で、デメリットもあります。一番の問題は、レベルボンは痰を調整して外に出しやすくする効果しかないということです。つまりレベルボンは、痰がでる原因自体を治療するお薬ではありません。

レベルボンはあくまでも対処療法にすぎません。そのため原因疾患が特定されないまま使用し続けると、思わぬ病気が隠れていることもあります。

またレベルボンは、どろどろとした膿性の痰に効果があります。イメージとしては車についた汚れを落とすところを想像してください。まず洗剤で落ちやすくさせます。その後、水で洗い流すでしょう。レベルボンはこのように、痰を変化させて落ちやすくさせたうえで、サラサラした痰(水)で洗い流すイメージです。

つまりベタベタした痰には効果があるのですが、最初からサラサラしている痰には効果がありません。むしろもっとサラサラさせるうえに、痰の量を増やすため逆効果になります。そのため、痰の性状をよく踏まえたうえでレベルボンは使用した方が良い薬です。

またレベルボンが先発品のビソルボンと違う点としてシロップがある点です。先発品のビソルボンもシロップはありましたが、2016年3月をもって発売が中止されました。小児を中心にシロップで内服したい方は、後発品であるレベルボンしかありません。

 

2.レベルボンの適応と用量は?

レベルボンは、べたべたした痰がでる病気に適応があります。レベルボンを1日3回内服することで効果を発揮します。

レベルボンの剤型は、

があります。レベルボンは錠剤だけでなくシロップもあります。この点が先発品であるビソルボンとは違う点です。

また先発品のビソルボンは、ネブライザーで吸入したり点滴する剤型もありますが、レベルボンは内服のみになります。レベルボンの適応疾患としては、

急性気管支炎、慢性気管支炎、肺結核、塵肺症、手術後の去痰

となっています。なお去痰剤として代表的なムコダインの適応疾患と比較すると、レベルボンには

などの病名がありません。これらの病気は、痰がサラサラの場合もあるために除外されています。つまりレベルボンは、全ての痰に適応があるわけではなく、ネバネバした痰にのみ適応があると考えてください。

一番分かりやすいのが風邪や肺炎などのばい菌に感染した痰です。ばい菌を絡めとった痰は基本的にネバネバしているため、レベルボンの良い適応です。病名としては急性気管支炎にあたります。

またレベルボンは、上記の疾患の根本治療にはなりません。去痰と書かれているように、レベルボンは痰を除去するのみの薬です。

風邪なら自然に治るのでレベルボンで様子をみていてよいのですが、適切な治療をしていかなければならない病気もあるので注意しましょう。レベルボンの投与量ですが、まず錠剤は、

レベルボンを1回1錠もしくは一包を1日3回内服

となっています。適宜増減すると添付文章ではありますが、レベルボンが効かないからといって倍量で内服することはほとんどありません。原因にもよりますが、効果が不十分な場合は他の内服薬を追加する場合が多いです。

ここで大切なのは、シロップが大部分に使用されるだろう小児に関しては記載がない点です。実はレベルボンは、小児に関しては安全性が証明されていないと記載していて、具体的な投与量は示していないのです。そのためレベルボンを小児に投与する際は、病院ごとの目安となる量で投与します。

レベルボンは、最高血中濃度は1時間と即効性に優れています。また半減期は1.7時間と、体内に蓄積されることが少ないお薬です。

 

3.レベルボンの薬価は?

レベルボンはビソルボンのジェネリック医薬品です。ただしそこまで大きく薬価は変わりません。

次にレベルボンの薬価です。先発品のビソルボンの薬価ですが、

  剤型 薬価 3割負担
ビソルボン錠 4mg 5.7円 1.7円
ビソルボン細粒 2% 19.5円 5.9円

※2017年2月25日の薬価です。

となっています。次に後発品のレベルボンの薬価をみてみましょう。

  剤型 薬価 3割負担
レベルボン錠 4mg 5.0円 1.7円
レベルボンシロップ 0.08% 1.1円 0.4円

※2017年2月25日の薬価です。

レベルボンは細粒がないかわりに、シロップがあります。錠剤で比較すると、レベルボンもブロムヘキシンも価格に大きな違いはありません。

 

4.レベルボン錠・シロップの副作用は?

レベルボン錠・シロップは、ほとんど副作用がないお薬です。

レベルボン錠・シロップはジェネリック医薬品のため、詳細な副作用の調査を実地していません。先発品のビソルボンでは、総症例1,049例中23例(2.19%)で副作用が報告されました。主な副作用は、

となっています。ビソルボンは、非常に副作用の少ないお薬です。最も多い副作用である食欲不振でも、0.76%と1%を切っています。その他の副作用も、悪心(だるさ)・腹痛・頭痛です。

これらの副作用調査は患者さんの症状をみながら医師が報告して調査されるのですが、本当にビソルボンの副作用かどうか調べることはしていません。していないというより、できないとというのが正直なところです。これらの症状も、

どちらかはっきりと区別することは医学的に難しいところです。実際に風邪の人は大部分が食欲が低下したり、だるくなります。

ビソルボンの作用のせいで食思不振や悪心になるような作用機序は、現在のところ明らかになっていません。そのため、ジェネリック医薬品であるレベルボン錠・シロップも副作用は過度に心配する必要はありませんし、風邪などの症状が悪化しないか心配した方が現実的かと思います。

 

5.レベルボン錠・シロップが内服できない人は?

レベルボン錠・シロップが内服できない人は、レベルボン錠・シロップにアレルギーがある人のみです。

レベルボン錠・シロップの添付文章では、禁忌にあたる人はレベルボン錠・シロップにアレルギーがある方のみとなっています。これはレベルボン錠・シロップに限らず、全ての薬に対していえることです。アレルギー反応として最も多いのが皮疹などの皮膚障害です。

先ほどの副作用の話に戻りますがレベルボン錠・シロップの副作用として最も多いのがアレルギー症状といえます。しかしこのアレルギー症状もほとんど軽度の皮疹の場合がほとんどです。ただし一度アレルギーが出た人は、再び投与するともっとひどいアレルギーが出るため基本的に禁忌になります。

また、レベルボン錠・シロップは一緒に飲んではいけないお薬もなければ、一緒に飲むことで効果が減弱したり強くなったりということもないお薬です。

風邪の時に一緒に処方されることが多いPL配合顆粒などには痰切り成分は含まれていないため、レベルボン錠・シロップと一緒に内服することが多いです。その他の咳止めや解熱剤も、レベルボン錠・シロップとの飲み合わせは問題ないです。

そのためレベルボン錠・シロップは、どのような疾患の人にも、そしてどのようなお薬を内服してる人でも、基本的には使用して良いお薬となっています。

 

6.レベルボン錠・シロップは高齢者・小児・妊婦の方でも大丈夫?

基本的にどの方も禁忌ではありません。ただし小児や妊婦の方は注意が必要です。

レベルボン錠・シロップは高齢者に関しては添付文章では、一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意することと記載されています。

しかしレベルボン錠・シロップは安全性が高いお薬です。逆にレベルボン錠・シロップを処方するような痰がでている方は、痰を出す力が高齢者の方の場合弱ってることが多いため、若い方より不快感が強くなると思います。そのため実際の医療現場では、高齢者でもほとんどが通常量処方されていると思います。

ただレベルボン錠・シロップは、小児に適応がありません。これだけ副作用が少ないのになぜ小児に適応がないのか、不思議に思う人がいるかもしれません。これは小児に対して、レベルボン錠・シロップが危険だからではありません。小児に対して安全性を確認したデータが存在しないからです。

ただし1960年代から、先発品のビソルボンは発売されています。経験的に使用している医師も度々散見されますが、多くは問題なく処方されてきました。安全性が証明されていない一方で、危険性も証明されていないためです。

特に先発品のビソルボンが、2016年3月をもってシロップの製造を中止しています。そのためレベルボンなどのジェネリック医薬品のみシロップが存在することから、レベルボンシロップは小児に処方されているかと思います。

製薬会社からどのくらいの量で安全性か確認できていないのであれば不安だという方の場合は、一度医師に相談してみると良いかもしれません。ムコダインなどの痰切りのお薬は小児にも適応があるお薬なので、変更が考慮されます。

また、妊婦の方も適応になります。添付文章では、

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること.〔妊婦に対しての安全性は確立されていない.〕

と記載されています。実際に妊娠中に安全が確立されているお薬は、痰切りに限らずほとんどありません。そのため、レベルボンを妊婦だからといって躊躇する理由は少ないです。

一方でレベルボン錠・シロップは、痰を出しやすくするお薬であり、痰がでる原因を治す治療薬ではありません。そのため軽症な方は、あえてレベルボン錠・シロップを内服する必要はないと思います。またレベルボン錠・シロップを内服していて症状が軽くなった方も、飲み切る必要性が低いお薬です。

 

7.ビソルボンとレベルボンの効果と副作用の比較

先発品・ジェネリックの効果と副作用は、大きな違いはないと考えられます。

多くの方が気になるのは、先発品のビソルボンとジェネリック医薬品のレベルボンで効果と副作用が同じかどうかだと思います。

ジェネリック医薬品では、有効成分は先発品とまったく同じものを使っています。ですから、効果や副作用の大まかな特徴は同じになります。先発品とジェネリック医薬品の違いは、薬を作るときの製造技術です。ジェネリック医薬品を作る時に求められるのは、薬の吸収・排泄と安定性の2つが先発品と同等であることです。

実際に先発品のビソルボンとレベルボンは主成分は全く同じです。

ジェネリック医薬品について詳しく知りたい方は、「ジェネリック医薬品の問題点とは?ジェネリックの効果と副作用」をお読みください。

 

8.レベルボンが向いてる人は?

レベルボンは、主に痰切りに使用するお薬です。

そもそも痰とは、正常な人にも作られています。気管支などにある杯細胞などから粘液物がでてきて、肺の中を綺麗にしています。杯細胞が出した粘液物をゴミとしてまとめたのが痰になります。

実は痰として肺や咽頭で作られたゴミは、少ない場合は食道の方に落ちていきます。食道は胃につながっているため全く問題になりません。ただしこの痰の量が増えて咽頭から口に溜まる場合が、喀痰として症状となって表れます。

喀痰の原因は、

  1. 異物が体に入ってきたのを粘液物で絡めとって外に出す防御反応
  2. 気管支や咽頭のどこかから粘液物が漏れ出ている

このように2つあります。風邪などでばい菌を外に出そうとするのが①になります。ただし①でも、

などが喀痰の原因の場合は、レベルボンを飲み続けても一時的に症状は改善しますが一向に良くなりません。むしろ場合によっては、どんどん悪化してしまいます。また、②の粘液物が漏れ出ている場合は、どこから漏れ出ているのかすぐに確認する必要があります。場合によっては、

などの病気が隠れていることがあります。喀痰について詳しく知りたい方は、「痰はどうして出るのか?喀痰の原因と病気の見分け方」を参照してみてください。

このような背景を踏まえたうえで、レベルボンはどのような人に向いてるのか考えてみましょう。一番良いのは、風邪などでネバネバした痰が一時的に痰がでている人です。自分の痰がサラサラしているかネバネバしているか一度振り返ってみましょう。

痰が出そうで出ないという人もネバネバしている可能性が高いです。サラサラしている痰は気管支にくっつかないため基本的にはとめどなく大量に出続けます。そのため痰がありそうだけど絡まって出ないという痰のキレが悪い人は良い適応でしょう。

特に風邪などは安静に加療していれば、基本的に風邪は良くなります。そのためレベルボンを内服して、痰による不快な症状を取りながら風邪を治すことができます。

また、病気がしっかりと診断されたうえでレベルボンを使うのも安心です。特にCOPD(肺気腫)などの病気では、痰を正常化することで病気の悪化が防げるといったデータもあることから、積極的に使用するように言われています。

COPDの人こそ息を吐く力が弱まるため、よく痰が切りたくても切れなくて1日中不快感に苦しむ人が多いです。他の去痰薬でもダメであったら、一度追加でレベルボンを使ってみてもよいでしょう。

ただし病名が分かってレベルボンを内服している人も、痰が増えてきたら注意が必要です。

の2つが考えられます。どちらか知るために、必ずレベルボンを処方してくれた医師に相談しましょう。

またレベルボンの後発品の特徴としては、シロップが発売されている点が挙げられます。シロップが内服しやすい方としては、嚥下力が弱い高齢者や小児が挙げられます。

ただしレベルボンは添付文章上では小児の安全性は確立されていないと記載されているため、積極的に向いてる人に「小児」と書きづらい背景があります。

ただし先発品であるビソルボンは、1960年代に発売された薬です。昔から小児に対してシロップを処方している先生は、経験的に安全と判断して処方される場合も少なくありません。また長い年月の間、レベルボンシロップが小児に使用されて危険だというデータもないのが事実です。そのため、このレベルボンシロップを小児の方に使用するかどうかは、それぞれの医師の判断にゆだねられています。

もし小児の方でレベルボンシロップが処方されて気にされた方は、一度医師に相談してみたら良いかと思います。今では小児に適応があるムコダインシロップもあるため、変更も考慮されるかもしれません。

 

9.レベルボンの作用機序は?

レベルボンは、痰のネバネバを改善して、大量に痰を産生することでしやすくするお薬です。

痰切りの去痰剤などは色々なお薬が処方されています。その中でも色々なタイプがあります。大まかなタイプを下にまとめました。

種類 作用機序 代表薬
気道分泌
促進薬
気道の中のサラサラの痰を増やすことで、気道を綺麗にする。 ビソルボン
気道粘液
溶解薬
ネバネバの痰をサラサラに変える。 ムコフィリン
気道粘液
修復薬
淡の粘液を整える。 ムコダイン
気道潤滑薬 気道内のサーファクタントを活発にして、気道を掃除する。 ムコソルバン

この中で、レベルボンは、ビソルボンと同じ気道分泌促進剤になります。作用としては、

  1. 痰のネバネバを取る
  2. 痰の産生を増やす
  3. 気道の繊毛運動を活発にする

といった作用があります。それぞれについてみていきましょう。

 

9-1.痰の粘稠度の低下

まず一つ目のレベルボンの作用ですが、ネバネバした痰をサラサラにします。痰の性状は、大部分は水です。その中で1割程度、ムチンという物質が含まれています。このムチンが、痰の粘っこさを出す原因になります。

痰が固くなって粘っこいと、出しづらくなってしまいます。このムチンは我々の体内のリソソームという酵素によって分解されます。レベルボンはリソソーム顆粒に働きかけることで、リソソーム酵素の量を増やす働きがあります。

リソソーム酵素が増えることがムチンを分解することにつながり、ムチンが分解されることでネバネバした痰がサラサラした痰に変化します。

 

9-2.痰の産生量を増やす

先ほどレベルボンはリソソーム顆粒に働くと説明しましたが、顆粒だけではなく気管支全体にレベルボンは働きかけます。気管支の杯細胞にも働きかけることで、痰の産生量を増やします。ここで先ほどサラサラした痰の産生があえてふえることで、気管支全体が綺麗になります。

イメージとしては泥を取りやすくした後、水で洗い流すイメージです。実際にレベルボンはこの痰を増やすことでアンチオキシダント効果もあるといわれています。アンチオキシダントは抗酸化効果と日本語ではいいます。酸化するということは気道内に炎症が起きたことを示します。

レベルボンは水で洗い流すことで炎症を鎮める効果もあると考えて良いでしょう。ただしその効果は微弱なため病気自体を治すわけではないのに注意が必要です。

 

9-3.気道の繊毛運動を活発化する

気道や気管支の壁には、線毛と呼ばれる毛のようなものが付いています。この毛は常に動いており、肺の通り道をお掃除しています。ほうき(繊毛)で道の葉っぱ(痰)を掃くイメージをするとよいかもしれません。

レベルボンで、

  1. 痰をネバネバからサラサラにする
  2. 痰を水で洗い流す
  3. 痰をモップで拭く

この3の部分の役割があると考えてみてください。ただしレベルボンの繊毛運動の作用は微弱ともいわれており、どれ位痰の出しやすさに関与してるかは不明な部分も多いです。

 

まとめ

<メリット>

<デメリット>

<向いてる人>

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