クレストールは肝臓が悪い人は注意が必要!クレストールの安全性は?

アイコン 2017.1.8 クレストール

クレストールは高コレステロール血症、脂質異常症、高LDL血症などに使用されるスタチン系(HMG-CoA還元酵素阻害薬)の薬です。

最も悪玉コレステロール(LDL)を下げるお薬のため世界中で多くの方が使用しています。しかし、「多くの方が使用している=誰にでも安全な薬」とは限りません。クレストールは、肝臓が悪い人は使えないお薬です。

また飲み合わせが悪いお薬もいくつかありますし、妊娠中も使用できません。クレストールを内服している方は、アルコールを飲むのも注意が必要です。

ここではクレストールを安全に使用するためにも、クレストールの安全性について確認してみましょう。

 

1.クレストールが使用できない疾患は?

クレストールは、肝臓が悪い人は使用できません。

クレストールが使用できない疾患は肝臓が悪い人です。クレストールの添付文章でも、

肝機能が低下していると考えられる以下のような患者急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸[これらの患者では、クレストールの血中濃度が上昇するおそれがある。また、クレストールは主に肝臓に分布して作用するので、肝障害を悪化させるおそれがある。]

と記載されています。実際に肝機能障害を表すスコアとして、Child-Pughスコアというものがあります。

  1. 腹水
  2. 肝性脳症
  3. ビリルビン値
  4. アルブミン値
  5. プロトビン活性値

これら5つの項目に対して、1点~3点ずつスコアでつけます。5項目×3点=15点が最高点で最も悪いのですが、添付文章ではChild-Pugh スコアが8点~9点程度ですと、クレストールの血中濃度が2倍近く上昇したと報告されています。

クレストールはHMG-CoA還元酵素を阻害することで、肝臓でコレステロールから悪玉コレステロール(LDL)が作られるのを防ぐお薬です。肝臓に作用するお薬のため、肝臓自体に影響が出やすいのです。

クレストールの血中濃度が急激に上昇することは副作用も出やすく非常に危険なため、肝機能が悪い人には禁忌になっています。

一方で、クレストールを内服する脂質異常症の方の中には、

などの人がいます。このような方は脂質異常症も合併しやすいので、クレストールを内服させたいところです。ただし肝臓の病気が軽度でなければ、

を徹底して肝機能を改善する必要があります。生活習慣を整えて肝臓の機能が改善してからではないと、クレストールは使用できません。また、肝臓の病気が指摘された方は、クレストールが処方されても肝機能が悪化した場合は中止になってしまいます。

そもそも脂質異常症の治療自体がお薬だけではなく、食事療法や運動療法が第一の柱になります。クレストールを処方された方は肝臓が悪くなくても、一度生活習慣を見直してみることからはじめましょう。

 

2.クレストールで飲み合わせが悪い薬は?

シクロスポリン・フィブラート系のお薬は併用できません。特に中性脂肪を下げるフィブラート系の薬を併用しないように注意しましょう。

クレストールの添付文章では、シクロスポリン(サンディミュン・ネオーラル)は絶対禁忌となっています。シクロスポリンを投与されている患者さんにクレストールを併用すると、シクロスポリンの血中濃度に影響はでませんでしたが、クレストールの血中濃度が約7倍上昇したとの報告があるためです。シクロスポリンは、

などに適応がある免疫抑制薬です。プレドニンなどのステロイドの効果が不良の時に、追加で加わるお薬です。そのためシクロスポリンが必要になった場合は、クレストールの投与より優先されることがほとんどです。またシクロスポリンは非常に特殊なお薬なので、シクロスポリンとクレストールの併用に気を付けるのは患者さんより処方する医師側の方です。

患者さんで気をつけなければいけないのは、フィブラート系のお薬です。フィブラート系は、中性脂肪(TG)が高い時に使用される脂質異常症のお薬です。悪玉コレステロールも低下させますが、中性脂肪に対する効果がより強いとされています。代表的なお薬は、

です。脂質異常症の人は、LDL・TG両方高い人も多いです。そういった人は、クレストールなどのスタチン系とフィブラート系両方を使えば良いのでは?と安易に考えがちです。しかし、フィブラート系との併用に関しては、クレストールの添付文章では、両方を同時に使用すると急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいことから原則禁忌となっています。特に腎機能が最初から悪い人には、ほぼ使用できません。

治療上やむを得ないと判断される場合にのみ、慎重に併用することと記載はされています。しかしクレストールにも、フィブラート系ほどではないにしろ中性脂肪を低下する効果があります。またフィブラート系も、わずかながら悪玉コレステロールを低下する作用があります。

そのためLDL・TGの実際の値で、より重症な方を一つの薬で治療することからはじめることがほとんどです。両方の値が非常に高い場合は、まず悪玉コレステロール(LDL)を下げるためにクレストールの方から処方します。

LDLは動脈硬化の原因となるプラークの元になるため、LDL高値は非常に危険なためです。動脈硬化について詳しく知りたい方は、「脂質異常症はどうして治療が必要?脂質異常症が引き起こす怖い病気とは?を一読してみてください。

いずれにしろクレストールを処方された方は、ダメなら次の薬があると安易に考えず、運動や食事療法をしっかりとしようという心構えが大切になります。

 

3.クレストールは妊婦や授乳中の方に投与してよいの?

クレストールは、妊婦・授乳中の方は禁忌になっています。

クレストールは、妊婦の方には禁忌になっています。理由としては、添付文章ではラットに他のスタチン系のお薬を大量投与した場合に、胎児の骨格奇形が報告されています。さらにヒトでは、他のスタチン系のお薬で、妊娠3ヵ月までの間に服用したとき、胎児に先天性奇形があらわれたとの報告があるためです。

また授乳中の方も、

授乳中の婦人には投与しないこと。[ラットで乳汁中への移行が報告されている。]

という一文が記載されています。基本的にこの一文は他のお薬にもほとんど記載されていますが、クレストールではあえて禁忌の一覧で授乳者が記載されています。他の薬では、あえて禁忌の一覧まで授乳者を記載することは少ないです。

このことからも、クレストールは妊婦や授乳中の方は内服しないようにしましょう。また妊娠を考えている方も、クレストールは控えた方が安全でしょう。妊娠3か月までの間にスタチン系を内服したときに、胎児の骨格奇形が報告されているためです。

脂質異常症は、クレストールを内服中止したら一気に悪くなって何か症状が出るものではありません。脂質異常症が悪くなって、徐々に動脈硬化が進行することで心筋梗塞や脳梗塞などの怖い病気につながります。これらを予防するために、クレストールを内服します。

むしろ妊娠可能年齢に、クレストールを内服していることが大問題です。20~40代から脂質異常症を指摘されている方は、食生活がかなり乱れており、暴飲暴食で肥満の方が多いです。妊娠するしないに関わらず、食事療法や運動を心がけるようにしましょう。

 

4.クレストールとアルコールは内服して良いの?

クレストールは肝機能が悪化すると使用できなくなるため、アルコールには注意が必要です。

クレストールの添付文章には、アルコール中毒患者では、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある記載されているため慎重投与になっています。アルコールを飲んでよいか気にされる方は、基本的に大量に飲む人が多いです。最初に記載したように、クレストールは肝臓が悪くなると投与できないお薬です。

アルコール自体が、

とされているため、控えてもらいたいのが医師側の意見です。一方でクレストールは、内服したら基本的には長期間内服することが多いです。数日だけ内服して一時的に脂質異常症を改善してもあまり意味はなく、持続することで動脈硬化を予防する必要があるためです。

クレストールを長年飲んでる間、一滴もアルコールを飲んではいけないというのは難しい人も多いかと思います。アルコール自体は、少量であればHDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加する働きがあります。そのため推奨されているアルコール量は、20~25gといわれています。これは1日量として、

となっています。ただしアルコールは中性脂肪を増やすため、中性脂肪も高い人は飲んではいけません。そのためアルコールを飲んでよいかどうかは、

などを含めて、一度医師に相談してみると良いかもしれません。基本的にはダメと言われるかもしれませんが、人によっては少量なら大丈夫な人もいるとは思います。ただしアルコールOKだからと言って大量に飲むと、容易に脂質異常症や肝機能障害が出てくることがあるので注意が必要です。また、採血などで定期的に精査することをお勧めします。

 

まとめ

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