ローコール錠の副作用と安全性

アイコン 2017.3.7 ローコール

ローコールは、主に脂質異常症・高脂血症・高LDL血症といった病名に使用されるスタチン系のお薬です。

ローコールはLDLコレステロールを下げる力が非常に強いですが、筋肉痛などの症状で起きる「横紋筋融解症」には注意が必要です。また肝機能障害が重篤な人、妊娠中の人には使用できません。

ローコールの内服が開始された方は、1日や2日といった短い期間ではなく、長期間続けることになります。そのため副作用などが起きてから、「こんなことになるなんて知らなかった」なんてならないように、ここでローコール錠の副作用と安全性についてしっかりと確認していきましょう。

 

1.ローコールの副作用について

ローコールの副作用で最も注意が必要なのは、肝障害と横紋筋融解症です。

ローコールの添付文章調査1,487例中、何らかの副作用を認めた人は186例(12.5%)でした。主な副作用は、

でした。また主な採血結果異常は

となっています。12.5%副作用が起きると記載されると怖くなる人がいるかもしれませんが、症状としてはほとんど認めることは少ないです。最も多い胃部不快感も0.5%と非常に少ないです。注目すべきは、採血結果の異常値です。

これらの上昇は、肝機能障害が起きたことを示しています。ローコールを含めてスタチン系のお薬は肝臓に作用して効果を発揮するため、肝機能障害起きやすいお薬です。大部分の肝機能障害は薬剤をやめれば多くは改善します。

ローコール含めてスタチン系の副作用として最も怖い副作用が、筋肉を溶かす横紋筋融解症です。筋肉が溶かされると、クレアチンキナーゼ(CK)という筋肉を構成する物質が血液内に増えます。実際にローコールでも1.2%CKが上昇するとされています。横紋筋融解症の症状として、

などが挙げられます。なお、横紋筋融解症や肝機能障害含めて、ローコールの副作用は投与初期にみられることが多く、その多くは投与をやめることで回復します。そのため脂質異常症の改善の確認も含めてローコール内服中は採血で経過観察することが望まれます。

少なくともローコールを投与開始してから1か月~3か月の間に、一度は採血することが推奨されています。ローコールなどの副作用の調査試験では異常値が出たら中止になることがほとんどなので横紋筋融解症の症状を認めることは少ないです。

一方で現場ですとCKが上昇してるのに気が付かずローコールを内服し続けて横紋筋融解症が悪化してから受診することも度々あります。ローコールなどのスタチン系の副作用の対策についてさらに詳しく知りたい方は、「クレストールで筋肉痛が出たら要注意?クレストールの副作用について」を一読してみてください。

 

2.ローコールが使用できない疾患は?

ローコールは、肝臓が悪い人は使用できません。

ローコールが使用できない疾患は、肝臓が悪い人です。ローコールの添付文章でも、

重篤な肝障害又は胆道閉塞のある患者〔これらの患者では本剤の血漿中濃度が上昇し、副作用の発現頻度が増加するおそれがある。また、肝障害を悪化させるおそれがある。〕

と記載されています。ローコールの血中濃度が急激に上昇すると副作用も出やすく非常に危険なため、肝機能が悪い人には禁忌になっています。一方で、ローコールを内服する脂質異常症の方の中には、

などの人がいます。このような方は脂質異常症も合併しやすいので、ローコールを内服させたいところです。ただし肝臓の病気が軽度でなければ、

を徹底して肝機能を改善する必要があります。生活習慣を整えて肝臓の機能が改善してからではないと、ローコールは使用できません。また、肝臓の病気が指摘された方は、ローコールが処方されても肝機能が悪化した場合は中止になってしまいます。

そもそも脂質異常症の治療自体がお薬だけではなく、食事療法や運動療法が第一の柱になります。ローコールを処方された方は肝臓が悪くなくても、一度生活習慣を見直してみることからはじめましょう。

 

3.ローコールで飲み合わせが悪い薬は?

ローコールは、フィブラート系のお薬は併用できません。特に中性脂肪を下げるフィブラート系の薬を併用しないように注意しましょう。

ローコールの添付文章では、フィブラート系のお薬を併用することで急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症を認めることがあるため、併用禁忌となっています。

患者さんで気をつけなければいけないのは、フィブラート系のお薬です。フィブラート系は、中性脂肪(TG)が高い時に使用される脂質異常症のお薬です。悪玉コレステロールも低下させますが、中性脂肪に対する効果がより強いとされています。代表的なお薬は、

です。脂質異常症の人は、LDL・TG両方高い人も多いです。

そういった人は、「ローコールなどのスタチン系とフィブラート系両方を使えば良いのでは?」と安易に考えがちです。しかし、フィブラート系との併用に関しては、ローコールの添付文章では、両方を同時に使用すると急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいことから、原則禁忌となっています。特に腎機能が最初から悪い人には、ほぼ使用できません。

治療上やむを得ないと判断される場合にのみ、慎重に併用することと記載はされています。しかしローコールにも、フィブラート系ほどではないにしろ中性脂肪を低下する効果があります。またフィブラート系も、わずかながら悪玉コレステロールを低下する作用があります。

そのためLDL・TGの実際の値で、より重症な方を一つの薬で治療することからはじめることがほとんどです。両方の値が非常に高い場合は、まず悪玉コレステロール(LDL)を下げるためにローコールの方から処方します。

LDLは動脈硬化の原因となるプラークの元になるため、LDL高値は非常に危険なためです。動脈硬化について詳しく知りたい方は、「脂質異常症はどうして治療が必要?脂質異常症が引き起こす怖い病気とは?を一読してみてください。

いずれにしろローコールを処方された方は、ダメなら次の薬があると安易に考えず、運動や食事療法をしっかりとしようという心構えが大切になります。

 

4.ローコールは妊婦や授乳中の方に投与してよいの?

ローコールは、妊婦・授乳中の方は禁忌になっています。

ローコールは、妊婦の方には禁忌になっています。理由としては、添付文章ではラットに他のスタチン系のお薬を大量投与した場合に、胎児の骨格奇形が報告されています。さらにヒトでは、他のスタチン系のお薬で、妊娠3ヵ月までの間に服用したとき、胎児に先天性奇形があらわれたとの報告があるためです。

また授乳中の方も、

授乳中の婦人には投与しないこと。[ラットで乳汁中への移行が報告されている。]

という一文が記載されています。基本的にこの一文は他のお薬にもほとんど記載されていますが、ローコールではあえて禁忌の一覧で授乳者と記載されています。他の薬では、あえて禁忌の一覧まで授乳者を記載することは少ないです。

このことからも、ローコールは妊婦や授乳中の方は内服しないようにしましょう。また妊娠を考えている方も、ローコールは控えた方が安全でしょう。妊娠3か月までの間にスタチン系を内服したときに、胎児の骨格奇形が報告されているためです。

脂質異常症は、ローコールを内服中止したら一気に悪くなって何か症状が出るものではありません。脂質異常症が悪くなって、徐々に動脈硬化が進行することで心筋梗塞や脳梗塞などの怖い病気につながります。これらを予防するために、ローコールを内服します。

むしろ妊娠可能年齢に、ローコールを内服していることが大問題です。20~40代から脂質異常症を指摘されている方は、食生活がかなり乱れており、暴飲暴食で肥満の方が多いです。妊娠するしないに関わらず、食事療法や運動を心がけるようにしましょう。

 

5.ローコールとアルコールは内服して良いの?

ローコールは肝機能が悪化すると使用できなくなるため、アルコールには注意が必要です。

ローコールの添付文章には、アルコール中毒患者では、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある記載されているため慎重投与になっています。アルコールを飲んでよいか気にされる方は、基本的に大量に飲む人が多いです。最初に記載したように、ローコールは肝臓が悪くなると投与できないお薬です。

アルコール自体が、

とされているため、控えてもらいたいのが医師側の意見です。一方でローコールは、内服したら基本的には長期間内服することが多いです。数日だけ内服して一時的に脂質異常症を改善してもあまり意味はなく、持続することで動脈硬化を予防する必要があるためです。

ローコールを長年飲んでる間、一滴もアルコールを飲んではいけないというのは難しい人も多いかと思います。アルコール自体は、少量であればHDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加する働きがあります。そのため推奨されているアルコール量は、20~25gといわれています。これは1日量として、

となっています。ただしアルコールは中性脂肪を増やすため、中性脂肪も高い人は飲んではいけません。そのためアルコールを飲んでよいかどうかは、

などを含めて、一度医師に相談してみると良いかもしれません。基本的にはダメと言われるかもしれませんが、人によっては少量なら大丈夫な人もいるとは思います。ただしアルコールOKだからと言って大量に飲むと、容易に脂質異常症や肝機能障害が出てくることがあるので注意が必要です。また、採血などで定期的に精査することをお勧めします。

 

まとめ