トライコア錠の副作用と安全性

アイコン 2017.3.18 トライコア/リピディル

トライコアは、主に脂質異常症・高脂血症・高中性脂肪(TG)血症といった病名に使用されるフィブラート系のお薬です。

トライコアはTGを下げる力が非常に強いですが、肝障害などの副作用に注意が必要です。さらに胆石がある人、腎機能障害がある人、肝機能障害がある人、妊娠中の人には使用できません。

トライコアの内服が開始された方は、1日や2日といった短い期間ではなく、長期間続けることになります。ここでトライコア錠の副作用と安全性について、しっかりと確認していきましょう。

 

1.トライコアの副作用について

トライコアの副作用で最も注意が必要なのは、肝障害と横紋筋融解症です。

トライコアの添付文章では査4,687例中623例(13.29%)に副作用が認められてます。主な副作用は、

などが挙げられています。肝機能障害に関しては、

などの肝臓の数値が上昇することで分かります。実際にトライコアを内服すると、これらの数値が上昇するといった副作用を認めています。ただし症状が出るまで重篤化することは少ないですし、薬剤をやめれば多くは改善します。注意しなければならないのは、少しずつ肝臓にダメージが蓄積されるのに気が付かないことです。

トライコアの効果を判断するのも含めて、内服始めてから3か月以内に1度は採血して確認するようにしましょう。

またトライコア含めてフィブラート系の副作用として最も怖い副作用が、筋肉を溶かす横紋筋融解症です。筋肉が溶かされると、クレアチンキナーゼ(CK)という筋肉を構成する物質が血液内に増えます。その副作用がトライコアでも認めます。横紋筋融解症の症状として、

などが挙げられます。なお、横紋筋融解症も肝機能障害同様に、トライコアの副作用は投与初期にみられることが多く、その多くは投与をやめることで回復します。そのため、脂質異常症の改善の確認も含めて、トライコア内服中は採血で経過観察することが望まれます。

肝臓障害の副作用も含めて、少なくともトライコアを投与開始してから1か月~3か月の間に、一度は採血することが推奨されています。

 

2.トライコアが使用できない疾患は?

トライコアは、胆石がある人、腎機能障害、肝機能障害がある人は使用できません。

トライコアが使用できない疾患は、

などが挙げられます。

それぞれの項目についてみていきます。まず8割近くの胆石がコレステロールが主成分といわれています。(残り2割はビリルビンといって胆汁の主成分です。)トライコアは、中性脂肪を分解して下げるお薬です。分解した影響で胆嚢でコレステロールの排出が促される際に、胆石の主成分であるコレステロールが大量に胆嚢内に含まれることがあります。

元となるコレステロールが胆嚢内にたまることで胆石がさらに大きくなるため、トライコアを使用する際は胆石がない人と記載されています。

胆石発作が起きやすい人は、脂質異常症にもなりやすいです。そのため、自分が知らない間に胆石が作られている可能性があります。胆石が起きやすい人として、

の人が挙げられます。太ってる人は脂っこい物を多く食べてしまった人も大勢います。脂っこいものばかり食べてる人は、肥満にも胆石発作も起こりやすいのです。

そのため心配な方は、腹部エコーを一度受けてみると良いかもしれません。超音波検査なので痛みはありませんし、合併症も全くないです。また、検査をしなくても胆石発作が起こり得るということを知っておくのは大切です。

胆石発作は、胆嚢内もしくは胆嚢内からでて胆管内でおこります。胆嚢がある部位は、右季肋部(右の肋骨下)あたりになります。痛み方としては、突然の疝痛発作がおきます。疝痛発作は刺しこむような鋭い痛みです。胆嚢や胆管が収縮する都度起きるため、波のある痛みであることが多いです。

トライコアを内服する方が右季肋部にこのような痛みが出たら、胆石を考えすぐに病院を受診するようにしてください。

 

次に腎臓が悪い方です。具体的にトライコアの添付文章では、血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上で横紋筋融解症があらわ れることがあるため、禁忌となっています。つまり、副作用が出やすくなるため投与できないとなっています。

肝臓が悪い人も同様に、トライコアは内服できないとなっています。トライコアは、肝臓に作用することで効果を発揮します。一方で、トライコアを内服する脂質異常症の方の中には、

などの人がいます。このような方は脂質異常症も合併しやすいので、トライコアを内服させたいところです。ただし肝臓の病気が軽度でなければ、

を徹底して肝機能を改善する必要があります。生活習慣を整えて肝臓の機能が改善してからではないと、トライコアは使用できません。また、肝臓の病気が指摘された方は、トライコアが処方されても肝機能が悪化した場合は中止になってしまいます。

そもそも脂質異常症の治療自体がお薬だけではなく、食事療法や運動療法が第一の柱になります。トライコアを処方された方は肝臓が悪くなくても、一度生活習慣を見直してみることからはじめましょう。

 

3.トライコアで飲み合わせが悪い薬は?

トライコアと悪玉コレステロール(LDL)を下げるスタチン系の薬を併用しないように注意しましょう。

トライコアを内服中の患者さんで気をつけなければいけないのは、スタチン系のお薬です。スタチン系は、悪玉コレステロール(LDL)が高い時に使用される脂質異常症のお薬です。中性脂肪も低下させますが、LDLに対する効果がより強いとされています。代表的なお薬は、

です。脂質異常症の人は、LDL・TG(中性脂肪)の両方が高い人も多いです。

そういった人は、「トライコアなどのフィブラート系とスタチン系両方を使えば良いのでは?」と安易に考えがちです。しかしスタチン系との併用に関しては、トライコアの添付文章では、両方を同時に使用すると急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいことから、原則禁忌となっています。特に腎機能が最初から悪い人には、ほぼ使用できません。

治療上やむを得ないと判断される場合にのみ、慎重に併用することと記載はされています。しかし2017年ではLDLを優先的に下げることが多いため、LDL、TGの両方の値が非常に高い場合は、まず悪玉コレステロール(LDL)を下げるためにスタチン系の方から処方します。

LDLは動脈硬化の原因となるプラークの元になるため、LDL高値は非常に危険なためです。動脈硬化について詳しく知りたい方は、「脂質異常症はどうして治療が必要?脂質異常症が引き起こす怖い病気とは?を一読してみてください。

そのためトライコアを内服している方がLDLも高値であるならば、一度医師に相談してみましょう。値を見ながら場合によっては、スタチン系の変更を考慮するかもしれません。

 

4.トライコアは妊婦や授乳中の方に投与してよいの?

トライコアは、妊婦・授乳中の方は禁忌になっています。

トライコアは、添付文章では安全性が確立されていないため妊婦の方には禁忌になっています。

また授乳中の方も、

授乳中の婦人には投与しないこと。[ラットで乳汁中への移行が報告されている。]

という一文が記載されています。基本的にこの一文は他のお薬にもほとんど記載されていますが、トライコアではあえて禁忌の一覧で授乳者と記載されています。他の薬では、あえて禁忌の一覧まで授乳者を記載することは少ないです。

このことからも、トライコアは妊婦や授乳中の方は内服しないようにしましょう。スタチン系の脂質異常症のお薬は、胎児奇形を認めた報告がありますが、トライコアは明らかに何かを認めたという報告は少ないです。

しかし脂質異常症は、トライコアを内服中止したら一気に悪くなって何か症状が出るものではありません。そのため、禁忌と書かれているのにあえてトライコアを飲まなければいけない理由はほとんどありません。

むしろ妊娠可能年齢に、トライコアを内服していることが大問題です。20~40代から脂質異常症を指摘されている方は、食生活がかなり乱れており、暴飲暴食で肥満の方が多いです。妊娠するしないに関わらず、食事療法や運動を心がけるようにしましょう。

 

5.トライコアとアルコールは内服して良いの?

トライコアを内服中の方は、基本的に飲酒は自粛するようにしましょう。

トライコアの添付文章には、アルコールを摂取することで特別効果が減弱するといった記載はありません。しかし

アルコール自体が、脂質異常症にはよくないのです。特にトライコアを内服している大部分の方は中性脂肪が高い方かと思います。アルコールは分解されると大部分が中性脂肪の元になります。トライコアは、この中性脂肪を脂肪酸に分解して中性脂肪を下げるお薬になります。

ただしトライコアが、全ての中性脂肪を分解してくれるわけではありません。そのためアルコールを摂取して中性脂肪が体内で作られると、トライコアを飲んでる意味自体が全くなくなってしまうのです。

そもそもトライコアを内服する高TG血症自体、まずは運動療法・食事療法をしっかりとやり、それでもダメな人が内服するお薬です。トライコアを内服しているのにアルコールを飲もうと考えている人は、一度脂質異常症自体の治療をみなおしてみると良いかもしれません。

アルコールを解禁しようと考えている方は、まずはトライコアを内服しなくても中性脂肪が正常値を保てるようになってからにしましょう。

 

まとめ

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