ホクナリンテープの効果と特徴

アイコン 2016.7.18 ホクナリンテープ

ホクナリンテープ(一般名:ツロブテロール)は、1998年にアボット ジャパン株式会社とマイラン会社の合同で発売された世界初の経皮吸収型のβ2刺激薬となります。

成人の方に処方する場合は、主に喘息やCOPDの長期管理のお薬になります。喘息発作やCOPDで狭まった気管支を、β2刺激薬として広げることで喘息発作を予防したり、COPDの病気の進行を防ぎます。

喘息やCOPDでβ2刺激薬を使用する場合は、吸入薬が中心となっています。しかし吸入薬は、しっかりと吸入ができないと全く効果を発揮しません。そのため吸入するのが難しい小児や認知症の方などでは、今でもホクナリンテープを中心に治療をすることが多いです。

また赤ちゃんなどは、吸入も内服もなかなか難しいと思います。ホクナリンテープは急性気管支炎に対しても効果があります。急性気管支炎、つまりは咳などの風邪に対してもホクナリンテープが使われることがあります。

ここでは、ホクナリンテープの効果と特徴についてまとめていきたいと思います。

 

.ホクナリンテープの効果のメリット・デメリット

<メリット>

<デメリット>

成人の喘息の治療薬は、

の2つに大まかに分けられます。このうちホクナリンテープは、長期管理に適したお薬です。

喘息のガイドラインでは、最も軽症な方は吸入ステロイドのみで加療することとなっています。その次はステロイドの吸入量を増やすとともに、

の併用が推奨されています。この中で最も併用されるのが、β2の刺激薬の吸入です。なぜなら吸入ステロイドとβ2刺激薬の合剤であれば、患者さんの手間は増えずにすみます。そのためβ2刺激薬が喘息で登場する時はアドエアシムビコートなどの合剤で登場することが多かったです。

一方でどうしても吸入ステロイドが使用できない場合は、内服やテープで喘息を加療することになります。どうしても吸えない場合は成人の場合は、認知症が強い高齢者が多いです。こういった方にホクナリンテープとして貼ることが多いです。

 

一方で小児の喘息は、軽症の場合は内服薬でコントロールしていきます。重症の場合は吸入ステロイド、さらにコントロールできない場合はβ2刺激薬を一時的に上乗せすることが一般的です。このβ2刺激薬として処方する場合は、アドエア100ディスカスが多いと思います。

一方で吸入が上手くできないお子さんでは、ホクナリンテープを処方される機会が多いです。軽度の発作時は、このホクナリンテープを貼って様子を見ることもあります。

 

ホクナリンテープが使えるもう一つの疾患であるCOPDのガイドラインでは、

の吸入薬が第一選択となります。つまりCOPDも喘息同様に、吸入薬が主流になっています。吸入の方が気管支に直接β2刺激薬が作用するため、即効性もあり、また副作用も少ないのです。

このためCOPDも喘息同様に、吸入が難しい人にホクナリンテープは処方されます。

 

さらにホクナリンテープは、乳幼児でもよく処方されています。赤ちゃんは薬を飲ますのも一苦労だと思います。無理にお薬を飲まそうとして、逆に暴れて吐いちゃった経験などはないでしょうか?両親が早く治って欲しいと思う一方、赤ちゃんは飲みたくないものは吐き出そうとします。

そういったなか、ホクナリンテープは確実にβ2刺激薬を投与することができます。このためホクナリンテープは、急性気管支炎に対して適応があります。そのため、咳をしているお子さんには積極的に処方されるお薬です。

 

吸入薬の方がホクナリンテープより直接気道に成分が作用します。このため効果も高いですし、副作用も少ないです。しかし吸入が上手くできなければ、全く意味がない薬です。

一方でホクナリンテープは、貼れば確実に効果が出るお薬です。ただしテープで注意が必要なのは、テープかぶれです。また汗をかきやすい場所に貼ってはがれてしまったら効果がないので注意しましょう。

ホクナリンテープは、吸入や内服が上手くできないご高齢の方や小児の方のまさに救世主として活躍しています。

 

2.ホクナリンテープの剤形と用量とは?

ホクナリンテープは、0.5mg・1mg・2mgの3種類があります。これを1日1回貼ることで効力を発揮するお薬です。

ホクナリンテープは、気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫の呼吸困難などの症状の改善に適応があるお薬です。ホクナリンテープは、β2刺激薬の貼り薬として気管支を広げる効果があります。

ホクナリンテープを1日1回、胸や背中、上腕部のいずれかに1日1回貼り付けます。

ただしお子さんは、同じ年齢でも体格には差があります。体重の目安としては、15kg以下は0.5mg、15~30kgは1mg、30kg以上は2mgを目安にしてホクナリンテープを貼るようにします。

1回ホクナリンテープを貼れば、24時間効果が持続します。成分のツロブテロールが結晶としてテープに含まれており、ゆっくり溶け出すことで持続するのです。

一方でゆっくり溶け出すため即効性はなく、血中濃度が最も高くなるのはテープを貼った11~13時間後です。ピークを過ぎると徐々に量は低下していきます。そのため喘息発作が早朝など起こる人は、寝る前に貼るなどうまく調整することが必要です 。

 

3.ホクナリンテープの薬価とは?

ホクナリンテープは古いお薬のため、ジェネリック医薬品が発売されています。

ホクナリンテープは、非常に古くからあるお薬です。そのためジェネリック医薬品も数多く発売されています。それではホクナリンテープの薬価をみていきましょう。

<先発品>

商品名 薬価 3割負担
ホクナリンテープ0.5mg 38.9 11.7
ホクナリンテープ1mg 53.2 15.9
ホクナリンテープ2mg 73.8 22.1

<後発品(ジェネリック)>

商品名 薬価 3割負担
ツロブテロールテープ0.5mg 18.1 5.4
ツロブテロールテープ1mg 34.9 10.5 
ツロブテロールテープ2mg 45.4  13.6

※2016年7月10日時点での薬価です。

※2016年7月10日時点での薬価です。

ホクナリンテープは、1日1回貼って効果を発揮します。またジェネリック医薬品であるツロブテロールテープは、先発品のホクナリンテープの6~7割の薬価になります。

 

4.ホクナリンテープが向いてる人は?

喘息もCOPDも、現在は内服薬ではなく吸入薬が治療の中心となっています。気管支に直接作用するため、効果も高くて副作用も少ないためです。そのためホクナリンテープが使われるのは、「吸入薬が上手く吸えない人」というのが必須条件かと思います。

しかしβ2刺激薬は、ホクナリンテープなどの貼り薬があります。副作用の出現頻度としては、

経口薬>貼り薬>吸入薬

といわれていることから、ホクナリンテープは吸入できない人に積極的に使用されています。

また乳幼児では、吸入薬も飲み薬も難しいことも多いと思います。ホクナリンテープは貼るだけで効果を発揮するため、一番簡単に投与できるお薬です。確実に投与することもできます。

ホクナリンテープは、気管支炎に対しても適応があるお薬です。気管支を広げることで、結果として気管支の収縮をおさえ咳反射を抑制します。また、せまくなっている気管支が長い間広がるため、息の通りが良くなって息苦しさも良くなります。

このようにホクナリンテープは、乳幼児を中心としたお子さんや認知症があって吸入ができない高齢者など、多くの患者さんの救世主として使われているお薬です。

 

5.ホクナリンテープの作用メカニズム

β2刺激薬は、気管に主に存在する交感神経の受容体です。身体が活動的になる時には空気をたくさん必要とするので、β2が刺激されると気管が広がります。

最後に、どうしてβ2刺激薬では気管支が広がるのかについて、そのメカニズムをお伝えしていきたいと思います。

β2とは、交感神経の受容体になります。交感神経にはαとβという2種類の受容体があって、交感神経が活発になった時に命令の受け皿である受容体を通して全身に作用します。

βの中には、おもにβ1とβ2があります。β1は心臓に主に存在していて、β2は気管に主に存在しています。そしてそれぞれの作用は、交感神経が活発になっている状態をイメージすれば理解が出来るかと思います。

交感神経は、身体のスイッチをオンにした時の神経です。運動をした時をイメージしてみましょう。

心臓はバクバクと早くなり、全身に必要な血液を送るべくポンプとして頑貼ります。この作用がβ1刺激作用になるのです。気道に関しては、空気をたくさん吸い込むべく気管が拡張します。この作用がβ2刺激作用になるのです。

もう少し詳しく言えば、β2受容体は気管の平滑筋に存在しています。筋肉が弛緩することによって、気管が拡張するのです。

これに対して抗コリン作用は、リラックスする副交感神経に関係しています。副交感神経を優位にするアセチルコリンをブロックするので、結果的には交感神経の働きを強めるのです。

ホクナリンテープは気管におもに存在するβ2だけを刺激するお薬で、心臓への影響をできるだけ避けて気管を広げて呼吸状態を改善するお薬です。

 

まとめ

<メリット>

<デメリット>

<向いている人>