ユニフィルLA錠の効果と副作用

アイコン 2016.8.11 テオドール・テオロング

ユニフィルLA錠(テオフィリン)は、1994年に大塚製薬会社が発売したお薬です。

同じテオフィリン製剤としては、1984年に田辺三菱製薬からテオドールとして発売されています。テオドールは1日2回朝と夕方に内服するのに対して、ユニフィルLAは1日1回内服になります。

ユニフィルLAは茶葉に含まれているキサンチン誘導体を利用して、

という2つの作用を併せ持ったお薬です。このような作用を利用して、ユニフィルLAは気管支喘息や肺気腫(COPD)の治療薬に使われています。

しかしユニフィルLAは、血中の濃度が一定以上ないと効果を発揮しないお薬です。反対にユニフィルLAが一定以上の濃度を超えすぎてしまうと、テオフィリン中毒として副作用が認められます。

ここでは、ユニフィルLAの効果と特徴について詳しくお伝えしていきます。

 

1.ユニフィルLAの効果のメリット・デメリット

<メリット>

<デメリット>

テオフィリンは、コーヒーなどに含まれている成分と同じキサンチン誘導体という成分になります。ユニフィルLAはこの成分を主として、

の2つの作用を併せ持った薬です。このため、

の2つの病気にユニフィルLAは使用されます。

つまり炎症も気管支拡張も両方の作用を持つユニフィルLAは、非常に有用と期待されていました。しかし2000年以降は、

とどちらの効果でもそれぞれ上回る薬剤が出現したことで、喘息とCOPDどちらでも第一選択肢から外れています。喘息とCOPDは吸入薬で気管支に直接投与する治療が、現在は主流になっています。

つまりユニフィルLAが処方される場合は、吸入薬でもコントロールが悪い人に限られます。ただしユニフィルLAは二つの効果を持つと同時に、ステロイド吸入やβ2刺激薬などにユニフィルLAを加えることで、抗炎症や気管支拡張の相乗効果が得られることがわかっています。

そのため、難治性の喘息やCOPDを治療するのに適したお薬になります。さらにユニフィルLAがテオドールやテオロングと違う点は、1日1回の内服で済む点です。テオドールやテオフィリンは、朝と夕方2回定期的に内服しなければなりません。

ユニフィルLA含めてテオフィリン製剤のデメリットとしては、血中濃度を定期的に採血で測らなければならないことです。これは、主成分のテオフィリンが血中内にある程度の濃度がないと全く効果を示さないからです。

逆にテオフィリンの血中濃度が高くなると、副作用が出現します。副作用は軽度であれば嘔吐や頭痛、動悸ですが、重度になると不整脈など心臓のリズムがおかしくなったり、痙攣して意識がなくなったりしてしまいます。

そのためユニフィルLAは、徐放剤として胃や腸に少しずつ溶け出して、いきなり血中の濃度が高くならないように工夫されています。

テオフィリンの血中濃度が安定していても、他の薬の飲みあわせ、さらにはコーヒーやお茶などカフェインと一緒にとることで、テオフィリンの血中濃度が乱高下するのがユニフィルLAの難しいところです。

以上のように、ユニフィルLAは気管支の炎症と拡張両方の効果がある優れた薬であると同時に、血中濃度を一定に保たなければいけないというバランスをとるのが難しいお薬となっています。

 

2.ユニフィルLAの剤形と用法・用量

ユニフィルLAは、1錠100・200・400mgがあります。1日1回の内服で済むことが特徴です。

ユニフィルLAの適応は、

気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫

となっています。

成人では、ユニフィルLAとして400mgを1日1回夕食後に経口投与します。

ユニフィルLAは徐放性剤として、ゆっくりと胃や腸に溶け出します。これは、ユニフィルLAをゆっくりとそして長い時間効かせるためです。

ユニフィルLAは難しいお薬で、血中濃度がある一定以上ないと効果が得られないと同時に、血中濃度が高すぎると副作用が出現するからです。

個人差もありますが、一般的にテオフィリンの血中濃度が8~20μg/mlですと効果が期待でき、テオフィリンの血中濃度が20μg/mlですと副作用が出現します。さらにはテオフィリンの血中濃度が30~40μg/ml以上ですと、痙攣や呼吸が止まるといった重篤なテオフィリン中毒が出現する可能性があります。

ユニフィルLAの血中濃度は、量の目安があるわけではありません。体の大きさ、腎臓や肝臓の機能の状態、さらには一緒に飲むお薬との飲み合わせで、テオフィリンの血中濃度は千差万別です。

それこそテオフィリンの血中濃度が安定していても、熱がでたり食事がとれなったりすると変動することがあります。そのためユニフィルLAを内服する際は、採血して定期的にテオフィリンの血中濃度を確認する必要があります。

ユニフィルLAの添付文章には、成人では400mgと書いてある一方で、100mg錠や200mg錠が発売されているのは、血中濃度が高くなった際に減量しながらテオフィリンの血中濃度をみていく必要があるからです。

ちなみに添付文章では、ユニフィル400mgを成人男子に内服させた場合、血中濃度は12時間後に最高血中濃度となります。そして半減期は9.7時間となっています。

 

一方で、ユニフィルLAは小児に対しても処方できるお薬です。小児では一般に自覚症状を訴える能力が劣るので、 ユニフィルLAの投与に際しては保護者の方に、患児の状態を十分に観察していただく必要があります。

しかし小児の場合は、ドライシロップや粉の方が良い場合があります。ユニフィルLAは錠剤しかありません。そのため小児の場合は、テオドールのドライシロップ等を処方することが多いです。

 

3.ユニフィルLAとテオフィリン製剤の薬価と効果の違い

ユニフィルLAは古い薬のため、ジェネリック医薬品が発売されています。ジェネリック医薬品でも、効果の違いはあまりありません。

ユニフィルLAは1994年と非常に古いお薬のため、数多くのジェネリック医薬品が登場しています。まずは先発品をみてみましょう。

<先発品>

商品名 剤形 薬価
ユニフィルLA錠 100mg 12.4円
ユニフィルLA錠 200mg 20.2円
ユニフィルLA錠 400mg 32.5円

ここで、同じ先発品のテオドールの値段も見てみましょう。

<テオドール(先発品)>

商品名 剤形 薬価
テオドール錠 50mg 6.9円
テオドール錠 100mg 10.3円
テオドール錠 200mg 15.9円

一見するとテオドールの方が安そうに見えますが、テオドールは朝と夕方2回内服するため、1日の薬価は倍になります。そのためユニフィルLAとほとんど変わらない値段になります。 

さらに、後発品のジェネリックの値段もみてみましょう。

<後発品(ジェネリック)>

商品名 剤形 薬価
テオフィリン徐放U錠 100mg 5.6円
テオフィリン徐放U錠 200mg 5.8円
テオフィリン徐放U錠 400mg 6.9円

※2016年8月13日の薬価です。

テオフィリン製剤は様々なものが発売されています。先発品としては、テオドールやテオロングがあります。

そして作用時間が長く、1日1回の服用でよいお薬として開発されたのがユニフィルLA錠になります。最高血中濃度到達時間がテオドールやテオロングの2倍の12時間になっております。1日1回での服用での用法となっていますが、これではやや血中濃度が安定しません。

さらには後発薬として、テオフィリン徐放錠やドライシロップが発売されています。

ユニフィルLAとテオドールの違いとしては、内服回数が最も大きいです。テオドールの最高血中濃度が6時間なのに対して、ユニフィルLAは12時間と長く効くため、1回の服用で済むのです。

しかしテオフィリンとして投与する1日量は変わらないため、大まかな効果や副作用の違いはないと考えて良いと思います。ジェネリック医薬品も発売されていますが、細かな違いはないかと思います。テオフィリン製剤は、

などによって、大きく効果や副作用が変わります。このためどのお薬を使用するにしても、血中濃度をしっかりと測定することが大切になります。

 

4.ユニフィルLAの血中濃度と副作用

ユニフィルLAが安全域の血中濃度でも、吐き気、頭痛、食思不振などの副作用が出現します。血中濃度が高いと、痙攣や心室頻拍の副作用が生じ、最悪の場合は命を落とす可能性があります。

ユニフィルLAの添付文章によると、調査症例2,015例中129例(6.40%)に副作用が認められています。また詳細は不明ですが、男女別の副作用発現率を検討したところ、男性4.79%、女性8.56%と女性の発現率が高かったと報告されています。テオフィリンの副作用として代表的なものは、

となっています。

ユニフィルLAを数日内服してから、これらの症状が出現する人もいます。数日でテオフィリンの血中濃度が急激に上昇することは考えづらいので、テオフィリ ンの血中濃度とは関係なしに認められる症状になります。

一方で、テオフィリンの血中濃度が20μg/mlを超えると、テオフィリン中毒が出現するといわれています。テオフィリンの血中濃度が20~30μg/mlでは、

これらに加えて、

などが加わります。さらにテオフィリンの血中濃度が30μg/mlを超えると、

などの副作用が出現するといわれています。テオフィリンの血中濃度が50μg/ml以上になると心肺停止になり、最悪の場合は死亡するといわれています。

これらの重篤な副作用は、前触れもなく突然起こることがあります。一方で、テオフィリンの血中濃度が20μg/ml以下の人が、いきなりけいれん発作を起こして亡くなるようなことはまずありません。(テオフィリンの血中濃度が低いのに痙攣が起きた場合は、ユニフィルLA以外の他の原因を考えます。)

そのため、血中濃度を定期的に採血してみることが大切になります。

 

5.ユニフィルLAの副作用で注意すべき病気とは?

ユニフィルLAが使えない人はいませんが、注意する病気はたくさんあります。

ユニフィルLAが絶対に使えない病気は、添付文章には記載されていません。ただ、気を付けた方がよいという病気は記載されていて、以下のようなものがあげられています。

  1. てんかんの患者〔中枢刺激作用によって発作を起こす恐れ〕
  2. 甲状腺機能亢進症の患者〔代謝亢進の恐れ〕
  3. 急性腎炎の患者〔腎臓への負荷で、尿蛋白が増加する恐れ〕
  4. うっ血性心不全の患者〔テオフィリン血中濃度が上昇〕
  5. 肝障害のある患者〔テオフィリン血中濃度が上昇〕

となっています。

特に重要なものは、肝臓に障害が出た場合です。ユニフィルLAは80%以上が肝臓で代謝されます。そのため、肝臓の機能が急激に悪くなるとテオフィリンが代謝されなくなり、血中に蓄積されるようになります。

そのため肝臓が悪くなった時にユニフィルLAを内服し続けると、急激にテオフィリンの血中濃度が上昇してしまい非常に危険です。

肝臓に限らず、腎臓や心臓の機能が低下しても、ユニフィルLAは注意するように記載されています。そのため体調が悪くなった際は、ユニフィルLAを継続した方が良いか主治医に相談した方が良いと思います。

そのため喘息がよほど重症でなければ、上記4つの場合では使用しない方が無難かと思います。

 

6.ユニフィルLAは高齢者・小児・妊婦・授乳中にも使える?

高齢者・妊婦中の方には、慎重に投与するように記載があります。

高齢者の方では、

高齢者では副作用の発現に注意し、慎重に投与すること。〔高齢者では非高齢者に比べ、最高血中濃度の上昇が認められたとの報告がある。〕

と添付文章に記載されています。高齢者は自覚がなくとも、心臓や腎臓、肝臓などの臓器が弱ってる可能性があります。また体調が悪くなって食事がとれなくなると、若年者に比べて余力がないため、簡単に状態が悪くなります。

食事がほとんど取れないけど薬だけは飲ませ続けていたら、けいれん発作で病院に運ばれてしまったという患者さんは度々経験します。

一方でユニフィルLAが使用されるCOPDや喘息は、年齢が高くなればなるほど悪化しやすい傾向があります。呼吸機能は、年をとればとるほど弱ってくるからです。そのため、高齢者だから…という理由でユニフィルLAを避けられない状況も多々あります。

そのため高齢者の方に使用する場合は、

などを気を付ける必要があります。

ユニフィルLAは、小児でも使用できるお薬です。しかしながら慎重投与として、

  1. てんかん及び痙攣の既往歴のある小児〔痙攣を誘発〕
  2. 発熱している小児〔テオフィリン血中濃度の上昇や痙攣など〕
  3. 6ヵ月未満の乳児〔乳児期にはテオフィリン血中濃度が上昇〕
  4. 低出生体重児・新生児に対する安全性は確立していない〔使用経験がない〕

と記載されています。小児は成人と比べて、けいれん発作が出現しやすいといわれています。

一方で妊娠中の方ですが、

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。〔動物実験(マウス、ラット、ウサギ)で催奇形作用等の生殖毒性が報告されている。また、ヒトで胎盤を通過して胎児に移行し、新生児に嘔吐、神経過敏等の症状があらわれることがある。〕

と記載されています。動物実験での報告や、実際に胎盤を通過するといわれると、ユニフィルLAを使いたくなくなるかと思います。ただしこれらは、過量に投与した場合です。実際に適正量を守っていれば、喘息のガイドラインでもほぼ問題ない薬に分類されています。

しかし妊娠中は、薬が少ないにこしたことはありません。喘息の治療の中心であるシムビコートアドエアは、妊婦の方にも安全と示されているお薬です。これらのお薬で十分にコントロールされている方は、あえてユニフィルLAを追加する必要はないと思います。

さらにユニフィルLAの副作用には、嘔気や食思不振などがあります。もしこれらの副作用が認められた際には、ユニフィルLAの副作用なのか、つわりなのか判別が難しいです。

一方で吸入薬で喘息がコントロールができない場合は、ユニフィルLAが積極的に適応になります。ユニフィルLAは副作用も多いし、気になる人もいるかもしれません。

しかし喘息のガイドラインでも、妊娠中の喘息発症は17.1%とする報告されていて、しっかりと治療することの大切さを記載しています。喘息の悪化による母体・胎児の低酸素血症のほうが、赤ちゃんの成長に関与する危険性が高いのです。そのため、妊娠中は、積極的な喘息管理が重要とされています。

そのため医師が必要と判断した場合は、ユニフィルLAを自己中断せずに内服することが大切になります。ただし、定期的に血中濃度を測ることが大切になります。

授乳中の方は、

本剤投与中は授乳を避けさせること。〔ヒト母乳中に移行し、乳児に神経過敏を起こすことがある。〕

となっています。ただし喘息の薬では、全てにこの一文が記載されています。授乳は、止めようと思えば止められるためです。母乳で育てたいからといって喘息の治療を急にやめると、喘息発作が起きて安定していた時よりもさらに薬が必要になります。

ユニフィルLAは授乳中に使うことはできますが、赤ちゃんがイライラしたりすることがあります。母乳で育てながらも注意して使っていくこともできるので、医師に相談してください。自己中断してしまうと喘息のコントロールがつかなくなる可能性がありますので、それだけはやめてください。

 

7.ユニフィルLAが向いてる人は?

喘息もCOPDも、現在は内服ではなく吸入薬が中心の疾患です。気管支に直接薬を投与することで効果も高く、副作用も少ないためです。一方で吸入薬はうまく吸えない人などもいると思います。そういった方は、ユニフィルLAなどを中心に内服薬を投与することになると思います。

また喘息では、吸入ステロイドとβ2刺激薬の合剤、COPDでは抗コリン薬とβ2刺激薬の吸入薬を投与していても症状が改善できない難治性の方がいます。

ユニフィルLAは、

の二つを併せ持ったお薬です。さらには他の吸入薬と併用することで、気管支拡張作用と抗炎症作用の相乗効果が期待できるとされています。そのため難治性の喘息やCOPDの方は、積極的にユニフィルLAの適応になると思います。

良い薬なのですが、定期的にテオフィリンの血中濃度を測らなければなりません。さらにユニフィルLAは、他の病気や飲み薬で血中濃度が変動しやすい病気です。そのため向いてる人としてあげるのであれば、喘息やCOPD以外の病気がない人の方が望ましいです。

さらに高齢者は、体調が悪くなると肝臓や腎臓を含めて全身状態が悪化することが多いです。肝臓や腎臓が悪くなると、テオフィリンの血中濃度は急激に上がりやすくなります。

そのため高齢者に使用する場合は、ユニフィルLAは慎重を期す必要があります。高齢者よりは若年者の方が向いてるお薬と言えます。他の病気がなく、お薬も飲んでいない方が理想的です。

ユニフィルLAは効果も期待できる反面、副作用も怖いお薬です。ユニフィルLAについて理解を深めてから使用するようにしましょう。

 

まとめ

<メリット>

<デメリット>

  <向いてる人>