アドエアエアゾールの正しい使い方

アイコン 2016.5.31 アドエア

アドエアは世界で初のステロイドとβ2刺激薬の合剤として、2007年グラクソスミスクライン社から発売された吸入薬です。喘息に主に使われるお薬です。

アドエアディスカスが上手く吸えない人やスプレーの方が良い方は、アドエアエアゾールを使っていきます。

アドエアエアゾールを使っていく方の多くは高齢者やお子さんかと思います。そのため吸ったかどうかうまく伝えられないことも多いので、サポートする人の協力が必要になります。

しっかりと大切な家族をサポートするために、アドエアエアゾールの吸入方法を理解する必要があります。ここでは、アドエアエアゾールの効果と特徴と、正しい吸入方法についてお伝えしていきます。

 

1.アドエアエアゾールの効果と特徴は?

アドエアエアゾールは、吸入β2刺激薬と吸入ステロイドのスプレー式の合剤です。

アドエアエアゾールの特徴としては、長時間作用型の吸入β2刺激薬であるサルメテロールキシナホ酸塩と、吸入ステロイドであるフルチカゾンプロピオン酸エステルを配合したお薬です。

アドエアエアゾールで特徴的なのは、プッシュすることでスプレーが出てきてくれることです。ご高齢の方だと吸う力も弱くなり、アドエアディスカスのドライパウダーだと十分量吸い込めない可能性があります。

一方でアドエアエアゾールは、プッシュすることでスプレーが出てきます。つまり吸うタイミングさえ合わせれば、しっかりとアドエアを吸うことができるお薬です。

ただしお子さんや高齢の方は、スプレーを押すのと吸うタイミングを合わせるのも難しいことがあります。そういった場合は、スペーサーという補助器具を使います。

これをしっかりと口に押し当てたうえでアドエアエアゾールをプッシュすると、スプレーがスペーサー内で充満されます。それを吸ったり吐いたりして肺に取り入れるのです。

アドエアエアゾールは、

があります。

アドエアエアゾールは、朝夕2回、1回につき2度吸入(1日4回)するお薬です。アドエアエアゾールを使用する場合は、多くの方は喘息の方かと思います。しかしアドエアエアゾール125のみ重症の肺気腫にも適応が認められています。

アドエアの効果について詳しく知りたい方は、「アドエアエアゾールの効果と特徴」をお読みください。

 

2.アドエアエアゾールを吸入する前に

アドエアエアゾールのカウンターを、まずよく確認してください。

アドエアエアゾールの全体画像をみてみましょう。

アドエアエアゾール全体図

アドエアエアゾールのカウンターは後ろになります。これが0になったら、もう空っぽということになります。アドエアディスカスはカウンターが5以下になると赤く示されますが、アドエアエアゾールは0でも文字は赤くなりません。

さらに一部の新しい薬はプッシュできなくなりますが、アドエアエアゾールは0でも押すことができます。そのためカウンターに常に気を付けなければなりません。

またアドエアエアゾールは、最初のメモリが124になっています。これは124回分吸えるわけではありません。4回空うちして目盛りが120になってからでないと使用できないので、注意が必要です。

またアドエアエアゾールを1週間以上使用しなかった場合は、空噴霧が2回必要になるので注意が必要です。

 

3.アドエアエアゾールの吸入方法は?

アドエアエアゾールを口にくわえて、エアゾールを押すのに合わせて息を吸います。

アドエアエアゾールの吸入方法を動画で見たい方はグラクソスミスクライン社の動画を確認してみてください。画像の資料は、アドエアエアゾールの吸入方法(PDF)をご参照ください。

アドエアエアゾールの吸入方法ですが、

  1. ボンベの中の薬が良く混ざるようにふります。
  2. 息を軽く吐いてからアドエアエアゾールを口でくわえます。
  3. ゆっくり息を吸い始めたらアドエアエアゾールを強く1回押します。
  4. スプレーが口の中に入ったら数秒間息を止めます。
  5. もう一度2~4を繰り返してアドエアエアゾールを2度吸い込みます。
  6. アドエアエアゾールを2回吸った後は、うがいをしてアドエアを洗い流します。

これにカウンターを確認する作業が加わります。2回吸入しなければならないので手間が多いですが、しっかり朝夕吸入習慣をつけるとともに、使い方を覚えることが大切です。

 

4.アドエアエアゾールの吸入方法で気を付けることは?

エアゾールを噴霧するタイミングと息を吸うことを同調させることです。

それぞれの場面で注意点をみていきましょう。

2.息を軽く吐いてからアドエアエアゾールを口でくわえます。

アドエアエアゾールを処方された方の大部分は、アドエアディスカスを吸う力ない人かと思います。そのため息をゆっくりと吸うことが大変な人も多いです。

十分に息を吸うために、準備として息を吐くことが大切です。またドライパウダーが嫌でアドエアエアゾールに変更した人は、少し口元から離して吸う方法もあります。

ただしアドエアディスカスが吸えなかった人は、アドエアエアゾールをくわえて吸うようにしましょう。この方がアドエアエアゾールが、より確実に気管支内に到達できるようになります。

3.ゆっくり息を吸い始めたらアドエアエアゾールを強く1回押します。

アドエアエアゾールを吸う時には、ここの部分が一番大切です。息を吐いたタイミングでスプレーを押しても、気道にアドエアが到達せずに全部吹き飛ばされてしまいます。

必ずアドエアエアゾールを使う場合は、息を吸ってるタイミングで押すようにします。また、アドエアエアゾールをプッシュするのには結構力がいります。ご高齢の方では、スプレーを出すのに十分な力が入らない人もいます。そして毎日4回も押すと思うと、嫌になってしまうかもしれません。

押す力が不十分な人は、ぜひ他の人にサポートしてもらいましょう。その際はサポートの人がタイミングを、「せーの」と声掛けしてうまく合わせることが大切になります。

4.スプレーが口の中に入ったら数秒間息を止めます。

アドエアがせっかく気道内に入っても、すぐに息を吐いたら全部出ていってしまいます。しっかり息を止めて、気道の末梢までアドエアエアゾールが行き渡るようにしましょう。

5.もう一度2~4を繰り返してアドエアエアゾールを2度吸い込みます。

ここは本当に習慣づける必要があります。1回吸って満足してしまう人が多いです。処方している医者は、ちゃんと2度吸入しているものだと思って処方しています。

アドエアエアゾールを1回しか吸入してなくて喘息のコントロールが不十分な人がいたとしても、医者は2回吸ってるのに不十分と思ってしまうことがあります。(医者側がアドエアエアゾールを正しく使えているか再確認することがもちろん大切ですが…)

もし医者がこのように判断してしまうと、アドエアエアゾールの量がどんどん増えるだけでなく、場合によっては他のお薬も過剰投与になることがあります。必ず1回で2度吸入する習慣をつけましょう。

6.アドエアエアゾールを2回吸った後は、うがいをしてアドエアを洗い流します。

アドエアディスカスの粉っぽさと違ってエアゾールは口の中で残った感覚がないので、「洗い流す必要がありますか?」と患者さんから質問を受けることもあります。口の中に残ってるような感覚がなので、ついついうがいをし忘れてしまう方が多いと思います。

しかしアドエアは、吸入ステロイドとβ2刺激薬の合剤です。このステロイドが口の中に残ってしまうと、口腔内にカビ(カンジダ)が生えてきやすくなります。

またアドエアエアゾールでも、嗄声といって声がかれるような副作用がディスカスより少ないながらもあります。また非常に稀ですが、味覚障害が出現することもあります。

これらの副作用は、アドエアエアゾールを吸入後1回うがいをし忘れただけでおこるとは考えづらいです。うがいをしない習慣がついたまま放置すると、副作用が起こると考えられます。

 

5.アドエアエアゾールがどうしても吸入できない人は?

スペーサーという吸入補助器を使いましょう。それでも吸入できない場合は薬剤変更も視野に入れます。

アドエアエアゾールを処方する方の中には、認知症を合併している高齢者の方や、小さなお子さんの場合も多いです。サポートする人が理解してアドエアエアゾールを吸入してもらおうと頑張っても、どうしても本人の理解や協力が得られないと難しいところです。

ただし難しいからといって投げ出しては、喘息がもっともっと悪くなります。そこで登場するのがスペーサーです。

スペーサーは、

など様々なタイプがあります。原理はスペーサー内に噴霧したエアゾルをためて、吸ったり吐いたりしながら気道に入れていくというものです。特にアドエアエアゾールは噴霧速度が速いため、このスペーサーが必須になることが多いです。

スペーサーという補助器具を使いたがらない人もいらっしゃいます。「マスクで覆う閉塞感が嫌だ、そこまでして吸いたくない」と私もたびたび患者さんから告げられます。

そういった場合は、アドエアエアゾールにこだわる必要はないかもしれません。同じβ2刺激薬とステロイドの合剤では、噴霧式のフルティホームというお薬が登場しています。こちらの方が噴霧速度が遅いため、スペーサーがなくても吸いやすいことが多いです。

こういった工夫をしても、そもそも吸入自体が難しい方はどうしてもいます。寝たきりの方や、認知症が強くてスペーサー自体がくわえられない場合などがあります。この場合は、あえて合剤にこだわる必要はありません。

ステロイドの経口投与は副作用が強いため勧められないので、ステロイドはフルタイド(一般名:フルチカゾン)がエアゾールでもあります。フルタイドのエアゾールだけを何とか吸入してもらいますが、β2刺激薬はホクナリンテープという貼り薬で投与することも可能です。

また吸入自体が本当に無理な場合は、テオフィリンや抗ロイコトリエンなどの飲み薬が代打薬として考えられます。

大切なのは、どんな状態の喘息の方でも治療方法はあるということです。

さすがにこの状態では喘息の治療は無理だろうと自己判断せずに、まずは医師に相談してみてください。

 

まとめ