フルティフォームの正しい使い方とは?

アイコン 2016.7.10 フルティフォーム

フルティフォームは、ステロイドとβ2刺激薬の合剤として主に喘息に使われるお薬です。2014年に杏林製薬から発売された比較的新しいお薬です。

フルティフォームは、アドエアディスカスやシムビコートがうまく吸えない吸入力が低下している高齢者の方を中心に処方されるお薬です。高齢者の中には吸ったかどうかうまく伝えられないことも多いので、サポートする人の協力が必要になります。

しっかりと大切な家族をサポートするために、フルティフォームの吸入方法を理解する必要があります。ここでは、フルティフォームの効果と特徴と、正しい吸入方法についてお伝えしていきます。

 

.フルティフォームの効果と特徴は?

フルティフォームは、吸入β2刺激薬と吸入ステロイドのスプレー式の合剤です。

フルティフォームは、アドエアに含まれている抗炎症効果が強いステロイド(フルチカゾン)と、シムビコートに含まれている即効性のあるβ2刺激薬(ホルメテロール)を組み合わせた合剤となっています。フルティフォームの名前の由来もこのフルチカゾンとホルメテロールからとっています。

フルティフォームで特徴的なのは、プッシュすることでスプレーが出てきてくれることです。フルティフォームが登場する前の合剤のスプレータイプとしては、アドエアエアゾールがありました。しかしアドエアエアゾールは噴霧速度が早くて、うまく吸入できないことが多かったのも事実です。

一方でフルティフォームは噴霧速度がマイルドなため、アドエアエアゾールに比べて吸いやすいという意見が多いです。アドエアエアゾールが上手く吸えなかった人も、フルティフォームに変えたらうまく吸えた人もいます。

ただしフルティフォームに変えても、認知症がある方などはタイミングを合わせるのも難しいことがあります。そういった場合は、スペーサーという補助器具を使います。

しっかりと口に押し当てたうえでフルティフォームをプッシュすると、スプレーがスペーサー内で充満されます。それを吸ったり吐いたりして肺に取り入れるのです。

気管支喘息の成人には、フルティフォーム50エアゾールを1回2吸入、1日2回投与します。なお、症状に応じてフルティフォーム125エアゾールを1回2~4吸入、1日2回投与します。

詳しく知りたい方は、「フルティフォームの効果と特徴」をお読みください。

 

2.フルティフォームを吸入する前に

フルティフォームを4回押して噴霧してから使用します。また使う都度、カウンターをよく確認してください。

フルティフォームは、新しく使う前に4回噴霧する必要があるお薬です。4回噴霧し終えると、フルティフォームの前面にあるカウンターが56か120になると思います。

またこのカウンターが0になったら、もう空っぽということになります。フルティフォームのカウンターは色によって分かりやすくなっています。

となります。赤になったら要注意です。ですから、フルティフォームのカウンターをみる習慣をつけるようにしましょう。

フルティフォームは0でも押すことができます。そのためカウンターに常に気を付けなければなりません。

 

3.フルティフォームの吸入方法は?

フルティフォームを口にくわえて、エアゾールを押すのに合わせて息を吸います。

フルティフォームの吸入方法を動画で見たい方は、杏林製薬の動画を確認してみてください。

フルティフォームの吸入方法ですが、

  1. ボンベの中の薬が良く混ざるようにふります。
  2. 息を軽く吐いてからフルティフォームを口でくわえます。
  3. ゆっくり息を吸い始めたらフルティフォームを強く1回押します。
  4. スプレーが口の中に入ったら数秒間息を止めます。
  5. 2~4を繰り返してフルティフォームを決められた量吸うようにします。
  6. フルティフォームを吸った後は、うがいをしてフルティフォームを洗い流します。

これにカウンターを確認する作業が加わります。フルティフォームは人によって吸入回数が変わるお薬です。忘れてしまった場合はお薬手帳を確認して、しっかり朝夕吸入習慣をつけるとともに、使い方を覚えることが大切です。

 

4.フルティフォームの吸入方法で気を付けることは?

エアゾールを噴霧するタイミングと息を吸うことを同調させることです。

それぞれの場面で注意点をみていきましょう。

1.ボンベの中の薬が良く混ざるようにふります。

エアゾールのお薬はよくふってからでないとお薬が均等になりません。必ず吸入前にお薬をふる習慣をつけてください。

2.息を軽く吐いてからフルティフォームを口でくわえます。

フルティフォームを処方された方の大部分は、吸う力のない人かと思います。そのため息をゆっくりと吸うことが大変な人も多いです。そのためまず息をたくさん吸えるようにするために、息を吐いて準備します。

3.ゆっくり息を吸い始めたらフルティフォームを強く1回押します。

フルティフォームを吸う時には、ここの部分が一番大切です。息を吐いたタイミングでスプレーを押しても、気道にフルティフォームが到達せずに全部吹き飛ばされてしまいます。必ずフルティフォームを使う場合は、息を吸ってるタイミングで押すようにします。

またフルティフォームを強く推すために持ち方が重要になります。ボールを持つような持ち方とよく言われています。この時ボンベを上にして押す必要があります。

ただし正しい持ち方でも、フルティフォームをプッシュするのには結構力がいります。ご高齢の方では、スプレーを出すのに十分な力が入らない人もいます。

押す力が不十分な人は、フルプッシュという補助具を使いましょう。フルティフォームを押してみると分かりますが、普通の人でも結構力がいります。力がなくて不安な人は一回口に加えないで試しに押してみましょう。霧状のスプレーが出てこなかったらうまく推せていない証拠です。

4.スプレーが口の中に入ったら数秒間息を止めます。

フルティフォームがせっかく気道内に入っても、すぐに息を吐いたら全部出ていってしまいます。しっかり息を止めて、気道の末梢までフルティフォームが行き渡るようにしましょう。

5.もう一度2~4を繰り返してフルティフォームを吸い込みます。

ここは本当に習慣づける必要があります。1回吸って満足してしまう人が多いです。フルティフォームは1回につき2回~4回吸入する必要があります。

フルティフォームを1回しか吸入してなくて喘息のコントロールが不十分な人がいたとしても、医者はいわれている量を吸ってると思うことが多いです。(医者側がフルティフォームを正しく使えているか再確認することがもちろん大切ですが…)

もし医者がこのように判断してしまうと、フルティフォームの量をどんどん増やしていくだけでなく、場合によっては他のお薬も過剰投与になることがあります。必ずいわれた量を確認してから吸いましょう。

6.フルティフォームを吸った後は、うがいをしてフルティフォームを洗い流します。

フルティフォームは口の中で残った感覚がないので、「洗い流す必要がありますか?」と患者さんから質問を受けることもあります。口の中に残ってるような感覚がないので、ついついうがいをし忘れてしまう方が多いと思います。

しかしフルティフォームは、吸入ステロイドとβ2刺激薬の合剤です。このステロイドが口の中に残ってしまうと、口腔内にカビ(カンジダ)が生えてきやすくなります。

またフルティフォームは声がかれる嗄声の副作用や、アルコール臭があることから味覚障害が出現することもあります。

これらの副作用は、フルティフォームを吸入後1回うがいをし忘れただけでおこるとは考えづらいです。うがいをしない習慣がついたまま放置すると、副作用が起こると考えられます。

 

5.フルティフォームがどうしても吸入できない人は?

スペーサーという吸入補助器を使いましょう。それでも吸入できない場合は薬剤変更も視野に入れます。

フルティフォームを処方する方の中には、認知症を合併している高齢者も多いです。サポートする人が理解してフルティフォームを吸入してもらおうと頑張っても、どうしても本人の理解や協力が得られないと難しいところです。

ただし難しいからといって投げ出しては、喘息がもっともっと悪くなります。そこで登場するのがスペーサーです。

スペーサーは、

など様々なタイプがあります。原理はスペーサー内に噴霧したエアゾルをためて、吸ったり吐いたりしながら気道に入れていくというものです。特にフルティフォームは噴霧速度が速いため、このスペーサーが必須になることが多いです。

ただしこういった工夫をしても、そもそも吸入自体が難しい方はどうしてもいます。寝たきりの方や、認知症が強くてスペーサー自体がくわえられない場合などがあります。この場合は、あえて合剤にこだわる必要はありません。

ステロイドの経口投与は副作用が強いため勧められないので、ステロイドはキュバールオルベスコなどのスプレー式を何とか頑張って吸ってもらい、β2刺激薬はホクナリンテープという貼り薬で投与することも可能です。

また吸入自体が本当に無理な場合は、テオフィリンや抗ロイコトリエンなどの飲み薬が代打薬として考えられます。

大切なのは、どんな状態の喘息の方でも治療方法はあるということです。

さすがにこの状態では喘息の治療は無理だろうと自己判断せずに、まずは医師に相談してみてください。

 

まとめ