フルティフォームの効果と特徴

アイコン 2016.7.9 フルティフォーム

フルティフォームはステロイドとβ2刺激薬の合剤として、2014年に杏林製薬会社から発売された新しい吸入薬です。おもに喘息治療薬として使われているお薬です。

フルティフォームは、アドエアに含まれている抗炎症効果が強いステロイド(フルチカゾン)と、シムビコートに含まれている即効性のあるβ2刺激薬(ホルメテロール)を組み合わせた合剤となっています。

フルティフォームの名前の由来も、このフルチカゾンとホルメテロールからとっています。

フルティフォームはスプレー式のタイプであるために、吸入力が弱いお年寄りの方に処方されることが多いです。

ここでは、フルティフォームの特徴と特徴についてお伝えしていき、どんな方がフルティフォームが向いてるかを考えていきましょう。

 

1.フルティフォームのメリット・デメリットは?

<メリット>

<デメリット>

フルティフォームは、長時間作用型の吸入β2刺激薬であるホルメテロールと、吸入ステロイドであるフルチカゾンを微粒子として配合したお薬です。

そのためフルティホームは、エアゾールとして吸入力が弱くなった高齢者などに向いているお薬です。スプレー式の同じタイプのお薬としては、アドエアエアゾールがあります。フルティフォームはアドエアエアゾールよりもスプレーの噴霧速度が遅いため、吸いやすいといわれています。

一方でフルティフォームは、吸うタイミングを合わせる必要がります。

高齢者で認知症などが併発していると、スプレーを押すのと吸うタイミングを合わせるのも難しいことがあります。そういった場合は、スペーサーというマスクの様な補助器具を使います。

これをしっかりと口に押し当てたうえでフルティフォームをプッシュすると、スプレーがマスク内で充満されます。それを吸ったり吐いたりして肺に取り入れるのです。

またフルティフォームは、一つの吸入器で一回に吸う回数を1回~4回で調節するため、喘息が悪化したときにも対応しやすいお薬となります。ですが吸入回数で調整するということは、量が増えれば増えるほど値段も倍増していくお薬ということになります。

 

2.フルティフォームの剤形の種類と用法とは?

フルティフォームは、50・125の2種類あるスプレータイプのお薬です。

フルティフォームは、

があります。フルティフォームは56吸入用と120吸入用があり、大部分の方は120吸入用を処方されると思います。50と125というのは、ステロイドであるフルチカゾンの量になります。β2刺激薬のホルメテロールはどちらも同じ量の5μgが含まれています。

フルティフォームは、気管支喘息に適応があるお薬です。

成人には、フルティフォーム50エアゾールを1回2吸入、1日2回投与します。症状に応じて量を調整し、フルティフォーム125エアゾールを1回2~4吸入、1日2回投与します。

軽症な喘息以外の方はフルティフォーム125が処方され、1回2~4吸入で効果をみながらコントロールしていきます。

なおフルティフォームは、現時点では小児には適応がありません。(安全性が確認されていないためです。)もし小児の方でエアゾールタイプが良い場合は、アドエア100エアゾールが適応になります。

 

3.フルティフォームの適応は?

フルティフォームは、中等度から重症の喘息に適応があるお薬です。

喘息のガイドラインでは、最も軽症な方は吸入ステロイドのみで加療することとなっています。その次はステロイドの吸入量を増やすとともに、

の併用が推奨されています。この中で最も併用されるのが、β2の刺激薬です。ですから吸入ステロイドとβ2刺激薬の合剤であれば、患者さんの手間は増えずにすみます。そのためフルティフォームは、吸入ステロイド単剤では症状が抑えられない時に適応があります。

しかし一般的な喘息の治療としては、これらフルティフォームなどの合剤をはじめに使って、症状が落ちついてきたら少しずつお薬を減量することが多いです。

喘息は咳や喘鳴、呼吸困難など非常に苦しい疾患であり、命にもかかわる病気です。そのため喘息の炎症の炎を最低限の水で済ませようとすると、一気に被害が拡大してしまう可能性があります。

そのためフルティフォームなどのβ2の合剤をはじめから使って、喘息の治療をしていくことが多いのです。特に症状が強い場合はフルティフォームのように量が1本で調整できる薬剤の方がコントロールしやすいことがあります。

ただし現時点では、発作時にはフルティフォームは適応できません。(同じホルメテロールが使われているシムビコートは1回1~2吸入の患者さんでは追加で吸入が可能となっています。)

 

また最近では、気管支喘息にも色々な種類があることが分かってきてます。特に喘鳴が聞かれない咳喘息と言う病気に対しても、フルティフォームは効果を示します。咳喘息の診断基準によれば、β2刺激薬の吸入薬で反応があるかどうかをみて判断していきます。

咳がひどい場合はβ2刺激薬だけでは抑えられないことも多いため、長引く咳に対してフルティフォームを処方して咳喘息の鑑別を行う場合があります。

ただし吸入ステロイドを被せてしまうと、アトピー性の咳と見分けられなくなるということで嫌がる先生もいます。長引く咳にβ2刺激薬吸入単剤で行くか、ステロイドとの合剤で行くか…ここは専門家でもいつも議論になるところです。

しかし長期間作用型のβ2刺激薬のスプレー式が存在しません。スプレー式の長時間作用型β2刺激薬のお薬を処方したい場合は、合剤であるフルティフォームを処方せざるを得ません。

ドライパウダーのお薬では、吸う力がない方だとお金も無駄にかかるだけで治療も全くできません。もし吸入力に自信がない方は、事前にフルティフォームを希望した方が無難かもしれません。

 

4.フルティフォームの薬価は?

ジェネリックはまだ発売されておらず、量が増えるほど、フルティフォームは値段が倍増します。

フルティフォームの薬価は、以下のようになっています。フルティフォームではジェネリック医薬品はまだ発売されていません。合剤のため、薬価としても高めの設定になっています。

商品名 吸入回数 薬価 1吸入薬価 1吸入薬価(3割負担)
フルティフォーム50エアゾール 56 2752.2 49.1 14.7
フルティフォーム50エアゾール 120 5780.7 48.1 14.5
フルティフォーム125エアゾール 56 3204.6 57.1 17.1
フルティフォーム
125エアゾール
120 6742.2 56.1 16.8

※2016年7月3日時点の薬価です。

フルティフォーム50は、1回2吸入、朝・夕計4回吸うので、1日196円(3割薬価で60円)です。

一方のフルティフォーム125は、1回の吸入回数が2回~4回と幅があります。こちらも朝・夕に吸うので、一日の吸入回数は4回~8回となります。そのためフルティフォーム125円の一日薬価は、224.4円(3割負担で67.3円)~448.8円(3割負担で134.6円)となります。

なおアドエアは、量が変わればデバイスを変えるタイプのお薬です。参考までにアドエア500ディスカスは薬価8213円で、1日薬価273.7円(3割負担で81.9円)です。

一方でシムビコートは、フルティフォームと同じく吸入回数を変えることで投与量を調整するお薬です。シムビコートが1本60吸入ですと、薬価5887.7円です。このため、シムビコートの1吸入は99.9円(3割負担で30円)です。最大投与量(1回4吸入、1日8回吸入)ですと、783.7円(3割負担で235円)となります。

このように、フルティフォームは投与量が増えれば増えるほど値段が倍増するため、ステロイドが最大量必要な場合はアドエアが経済的になります。一方でシムビコートと比較すると、1吸入がフルティフォームの方が安くなっています。このためステロイド量が増えれば増えるほど、フルティフォームの方が安くなります。

 

5.フルティフォームが向いている人とは?

フルティフォームの一番の特徴は、スプレーとしてこちらが吸うのではなく、押すことで受動的にフルティフォームが投与されるところにあります。つまり吸う力が弱くてお薬が吸入できない人に、フルティフォームは向いているといえます。

アドエアやシムビコートが十分に吸えない人は、大部分が高齢者になると思います。フルティフォームは押すタイミングと吸うタイミングを同調する必要がありますが、これが上手くできない人でもスペーサーの補助器具を使って吸うことができます。

特にフルティフォームは、同じスプレータイプであるアドエアエアゾールよりも噴霧速度が遅くてマイルドなため、吸いやすいという人が多いです。そのためアドエアエアゾールがダメだった人も、フルティフォームでうまく使えている人もいます。

是非他の吸入薬が上手く吸えなかった人は、フルティフォームを一度試してみてください。

 

まとめ

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