フルタイドエアゾールの使い方は?

アイコン 2016.6.8 フルタイド

フルタイドは、2003年グラクソスミスクライン社から発売されたステロイドの吸入薬です。喘息に主に使われるお薬です。

フルタイドディスカスが上手く吸えない人やスプレーの方が良い方は、フルタイドエアゾールを使っていきます。

フルタイドエアゾールを使う方の多くは、高齢者やお子さんかと思います。そのため吸ったかどうかうまく伝えられないことも多いので、サポートする人の協力が必要になります。

しっかりと大切な家族をサポートするために、フルタイドエアゾールの吸入方法を理解する必要があります。ここでは、フルタイドエアゾールの効果と特徴と、正しい吸入方法についてお伝えしていきます。

 

1.フルタイドエアゾールの効果と特徴は?

フルタイドエアゾールは、吸入β2刺激薬と吸入ステロイドのスプレー式の合剤です。

フルタイドエアゾールの特徴としては、吸入ステロイドであるフルチカゾンプロピオン酸エステルを中心に喘息に用いる吸入薬です。

フルタイドエアゾールで特徴的なのは、プッシュすることでスプレーが出てきてくれることです。ご高齢の方だと吸う力も弱くなり、フルタイドディスカスのドライパウダーだと十分量吸い込めない可能性があります。

一方でフルタイドエアゾールは、プッシュすることでスプレーが出てきます。つまり吸うタイミングさえ合わせれば、しっかりとフルタイドを吸うことができるお薬です。

ただしお子さんや高齢の方は、スプレーを押すのと吸うタイミングを合わせるのも難しいことがあります。そういった場合は、スペーサーという補助器具を使います。

これをしっかりと口に押し当てたうえでフルタイドエアゾールをプッシュすると、スプレーがスペーサー内で充満されます。それを吸ったり吐いたりして肺に取り入れるのです。

フルタイドエアゾールは、

があります。

フルタイドエアゾールは、朝夕2回、1回につき1度吸入(1日2回)するお薬です。また1回につき1度の吸入で足りない場合は2回、3回と一度に数量をフルタイドエアゾールは増やすことができます。

フルタイドの効果について詳しく知りたい方は、「フルタイドエアゾールの効果と特徴」をお読みください。

 

2.フルタイドエアゾールを吸入する前に

フルタイドエアゾールのカウンターを、まずよく確認してください。

フルタイドエアゾールのカウンターは後ろになります。これが0になったら、もう空っぽということになります。フルタイドディスカスはカウンターが5以下になると赤く示されますが、フルタイドエアゾールは0でも文字は赤くなりません。

さらに一部の新しい薬はプッシュできなくなりますが、フルタイドエアゾールは0でも押すことができます。そのためカウンターに常に気を付けなければなりません。

またフルタイドエアゾールは、最初のメモリが124か64になっています。これは124回分吸えるわけではありません。4回空うちして目盛りが120になってからでないと使用できないので、注意が必要です。

またフルタイドエアゾールを1週間以上使用しなかった場合は、空噴霧が2回必要になるので注意が必要です。

 

3.フルタイドエアゾールの吸入方法は?

フルタイドエアゾールを口にくわえて、エアゾールを押すのに合わせて息を吸います。

フルタイドエアゾールの吸入方法を動画で見たい方はグラクソスミスクライン社の動画を確認してみてください。

フルタイドエアゾールの吸入方法ですが、

  1. ボンベの中の薬が良く混ざるようにふります。
  2. 息を軽く吐いてからフルタイドエアゾールを口でくわえます。
  3. ゆっくり息を吸い始めたらフルタイドエアゾールを強く1回押します。
  4. スプレーが口の中に入ったら数秒間息を止めます。
  5. フルタイドエアゾールを吸った後は、うがいをしてフルタイドを洗い流します。

これにカウンターを確認する作業が加わります。しっかり朝夕吸入習慣をつけるとともに、使い方を覚えることが大切です。

 

4.フルタイドエアゾールの吸入方法で気を付けることは?

エアゾールを噴霧するタイミングと息を吸うことを同調させることです。

それぞれの場面で注意点をみていきましょう。

2.息を軽く吐いてからフルタイドエアゾールを口でくわえます。

フルタイドエアゾールを処方された方の大部分は、フルタイドディスカスを吸う力ない人かと思います。そのため息をゆっくりと吸うことが大変な人も多いです。

十分に息を吸うために、準備として息を吐くことが大切です。またドライパウダーが嫌でフルタイドエアゾールに変更した人は、少し口元から離して吸う方法もあります。

ただしフルタイドディスカスが吸えなかった人は、フルタイドエアゾールをくわえて吸うようにしましょう。この方がフルタイドエアゾールが、より確実に気管支内に到達できるようになります。

3.ゆっくり息を吸い始めたらフルタイドエアゾールを強く1回押します。

フルタイドエアゾールを吸う時には、ここの部分が一番大切です。息を吐いたタイミングでスプレーを押しても、気道にフルタイドが到達せずに全部吹き飛ばされてしまいます。

必ずフルタイドエアゾールを使う場合は、息を吸ってるタイミングで押すようにします。また、フルタイドエアゾールをプッシュするのには結構力がいります。ご高齢の方では、スプレーを出すのに十分な力が入らない人もいます。そして毎日4回も押すと思うと、嫌になってしまうかもしれません。

押す力が不十分な人は、ぜひ他の人にサポートしてもらいましょう。その際はサポートの人がタイミングを、「せーの」と声掛けしてうまく合わせることが大切になります。

4.スプレーが口の中に入ったら数秒間息を止めます。

フルタイドがせっかく気道内に入っても、すぐに息を吐いたら全部出ていってしまいます。しっかり息を止めて、気道の末梢までフルタイドエアゾールが行き渡るようにしましょう。

5.フルタイドエアゾールを2回吸った後は、うがいをしてフルタイドを洗い流します。

フルタイドディスカスの粉っぽさと違ってエアゾールは口の中で残った感覚がないので、「洗い流す必要がありますか?」と患者さんから質問を受けることもあります。口の中に残ってるような感覚がなので、ついついうがいをし忘れてしまう方が多いと思います。

しかしステロイドが口の中に残ってしまうと、口腔内にカビ(カンジダ)が生えてきやすくなります。

またフルタイドエアゾールでも、嗄声といって声がかれるような副作用がディスカスより少ないながらもあります。また非常に稀ですが、味覚障害が出現することもあります。

これらの副作用は、フルタイドエアゾールを吸入後1回うがいをし忘れただけでおこるとは考えづらいです。うがいをしない習慣がついたまま放置すると、副作用が起こると考えられます。

 

5.フルタイドエアゾールがどうしても吸入できない人は?

スペーサーという吸入補助器を使いましょう。それでも吸入できない場合は薬剤変更も視野に入れます。

フルタイドエアゾールを処方する方の中には、認知症を合併している高齢者の方や、小さなお子さんの場合も多いです。サポートする人が理解してフルタイドエアゾールを吸入してもらおうと頑張っても、どうしても本人の理解や協力が得られないと難しいところです。

ただし難しいからといって投げ出しては、喘息がもっともっと悪くなります。そこで登場するのがスペーサーです。

スペーサーは、

など様々なタイプがあります。原理はスペーサー内に噴霧したエアゾルをためて、吸ったり吐いたりしながら気道に入れていくというものです。特にフルタイドエアゾールは噴霧速度が速いため、このスペーサーが必須になることが多いです。

スペーサーという補助器具を使いたがらない人もいらっしゃいます。「マスクで覆う閉塞感が嫌だ、そこまでして吸いたくない」と私もたびたび患者さんから告げられます。

そういった場合は、フルタイドエアゾールにこだわる必要はないかもしれません。同じスプレータイプの吸入薬ではキュバールというお薬があります。そちらに変えてみてもよいかもしれません。

こういった工夫をしても、そもそも吸入自体が難しい方はどうしてもいます。寝たきりの方や、認知症が強くてスペーサー自体がくわえられない場合などがあります。この場合は、フルタイドのエアゾールだけでは効果が不十分な可能性があるため、β2刺激薬はホクナリンテープという貼り薬で投与することも可能です。

また吸入自体が本当に無理な場合は、テオフィリンや抗ロイコトリエンなどの飲み薬が代打薬として考えられます。

大切なのは、どんな状態の喘息の方でも治療方法はあるということです。

さすがにこの状態では喘息の治療は無理だろうと自己判断せずに、まずは医師に相談してみてください。

 

まとめ