パルミコート(ブデソニド)の効果と特徴

アイコン 2016.8.5 パルミコート

パルミコート(一般名:ブデソニド)は、2002年にアストラゼネカ社より発売された吸入ステロイド薬となります。吸入ステロイドは喘息の発作が起きたときに吸うものではなく、喘息の発作が起きないようにコントロールするために吸入するものです。

パルミコートには、ブデゾニドというステロイドが含まれています。このブデゾニドのステロイドに、β2刺激薬であるホルメテロール(商品名オーキシス)が加わるとパルミコートの合剤であるシムビコートになります。

現在は合剤のシムビコートの方が喘息で処方されている人は多いかもしれません。しかし症状が非常に軽度な方はβ2刺激薬を抜いたパルミコートでコントロールされている方もいらっしゃると思います。

またお子さんでは、安全性を最優先して合剤ではなく、ステロイド単剤のパルミコートから使っていきます。ガイドラインでも、β2刺激薬は中~重症の患者さんに限ると定められています。

パルミコートは、タービュヘイラーという吸入器を使用して朝・夕に吸入するお薬です。多くの方は喘息で使用していると思います。

ここでは、パルミコートの効果と特徴についてまとめていきます。

 

1.パルミコートの効果の特徴

<メリット>

<デメリット>

喘息を語るうえで、ステロイドは切っても切れないお薬になります。1950年までは、喘息で多くの方が亡くなっていましたが、この吸入ステロイドが登場してからは多くの命が救われています。

とはいっても、未だ喘息でなくなる方はゼロではありません。お薬でコントロールできないくらい重症な方もいますが、パルミコートなどの吸入ステロイドを普段から吸っておらずに、重篤な発作が起きて亡くなってしまう人もいます。

吸入ステロイドは、発作を止めるお薬ではありません。発作を止める時には、点滴や内服などで大量のステロイドを投与する必要があります。吸入ステロイドは、発作が起きないようにするために予防投与するためのお薬です。パルミコートは、この吸入ステロイドのお薬になります。

パルミコートは、ドライパウダーですが粒子が小さく、吸った感じがほとんどないお薬です。そのため、粉っぽいのが嫌な人には向いてるお薬と言えます。一方で、吸ったどうかよくわからないというデメリットにもなり得る特徴です。

またパルミコートは、吸入回数を増やすことでお薬の投与量をコントロールしていく治療薬になります。パルミコートを2回吸って効果がなければ、同じ吸入器を3回吸入に増やすだけなので小回りがききます。ただし吸入回数が増えるということは、価格も倍増していくことになります。

また、パルミコートは朝・夕の2回、吸入が必要なお薬です。もし夕方忙しくて吸入を忘れてしまう人などは、同じ吸入ステロイドであるオルベスコが1日1回の吸入で済みます。

 

2.パルミコートとフルタイドの比較は?

パルミコートとフルタイドの一番の違いは、吸入器であるデバイスの違いです。

パルミコートとよく比較されるお薬としては、フルタイドがあります。フルタイドもステロイド吸入薬になります。どちらが良いかは、実は専門医でも意見が割れますが、患者さんによって使い分けることが一番大切です。そのためパルミコートのメリットとデメリットをよく知ってから使いましょう。

パルミコートとフルタイドの一番の特徴としては、パルミコートは同じ吸入器で吸入回数を1回・2回・3回と増やしていきます。一方でフルタイドは50・100・200ディスカスと分かれています。

パルミコートは、2回吸って効果がなければ、同じ吸入器で3回吸入に増やすだけなので小回りがききます。ただし吸入回数が増えるということは、価格もパルミコートは倍増していくことになります。

一方でフルタイドは、100ディスカス処方したけど効果が足りなかったとなった場合、200ディスカスに吸入薬を変えなければなりません。その一方で、フルタイドはデバイスごとの価格は倍増まではいきません。そのため、高用量のステロイドが必要な人はフルタイドの方が安く済みます。

気になるのは効果と副作用かと思いますが、その点についてはそこまで大きな差はありません。パルミコートの粒子径は非常に小さいので、肺の中枢気道だけでなく肺の奥の気道まで薬剤を届かせることができます。しかし現時点では、どのような喘息の人が粒子が小さい方が良いかまでわかっていないのが現状です。

 

3.パルミコートとシムビコートの比較は?

パルミコートに、β2刺激薬が加わった合剤がシムビコートになります。重症度が高いとシムビコートに変更します。

パルミコートとシムビコートを比較してみましょう。パルミコートに、β2刺激薬であるホルメテロールを加えたのがシムビコートです。シムビコートでのコントロールが長期にわたって良ければ、パルミコート単剤へのステップダウンを考慮しても良いことになっています。

しかし、シムビコートでなんの副作用もない人にパルミコートへ減量する必要があるのか?という疑問が常にあります。

吸入ステロイドとβ2刺激薬はお互いに効果を高めあい、結果として吸入ステロイド単剤の量をどんどん上げるよりも効果があることが示されています。また喘息発作は、発作が起きる回数が増えるほど喘息の状態が悪化していくことがデータで示されています。

風邪などをきっかけにして、また喘息の症状が出てしまうことなどを考えたら・・・なかなかシムビコートからパルミコートにステップダウンできない方も多いです。シムビコートからパルミコートに積極的に変更した方が良い人は、症状が安定していることに加えて、以下の2つに該当する方です。

パルミコートやシムビコートは症状が安定していても、ずっと吸入する必要があるお薬です。

上記2点が気になる人は勝手にやめたりせずに、医師に相談してシムビコートからパルミコートにするか検討してみてください。

 

一方で小児の場合は、吸入ステロイド単剤で治療することが多いです。β2刺激薬は、吸入ステロイドではコントロールできない重症な人に限られています。

パルミコートは小児に適応がありますが、現時点ではシムビコートは小児に適応がありません。そのためパルミコートでコントロール不良な人は、β2の合剤としてはアドエア100でディスカスのみが適応となっています。

アドエアは、先ほど登場したフルタイドに、サルメテロールというβ2刺激薬を加えた合剤になります。

そういった意味では、β2刺激薬を使うくらい重症度が高い喘息のお子さんは、吸入デバイスが同じフルタイドとアドエアの方が使い勝手が良いかもしれません。

 

4.パルミコートの剤形の種類と用法・適応は?

パルミコートタービュヘイラーは、軽症から中等症の喘息の人に適応がある吸入薬です。

パルミコートは、タービュヘイラーという独特の吸入器で登場しています。

パルミコートタービュヘイラーは、

パルミコートは、朝夕2回吸入します。

成人の場合は、症状に合わせてパルミコート200μgの方を1度に1~4回まで吸入できます。1回の吸入では、ステロイドであるブデソニドとして200μg投与することになります。2回、3回と吸う回数が増えることで、ステロイドの投与量は倍増していきます。つまり1日最大投与量は8回吸入(ブデゾニド1600μg)となります。

一方で小児の場合は、パルミコート200μgを1~2回を1日2回吸入投与します。良好に症状がコントロールされている場合は、パルミコート100μg1日1回まで減量できるとされています。

 

このパルミコートは、主に喘息の長期管理に適したお薬です。どのような喘息の人に使用するかガイドラインで確認してきましょう。成人の喘息のガイドラインでは、最も軽症な方は吸入ステロイドのみで加療するようになっています。その次はステロイドの吸入量を増やすとともに、

の併用を指示しています。そのためパルミコートタービュヘイラーは、吸入ステロイド単剤で症状が抑えられている軽症な方に適応があります。

しかし成人の喘息の治療としては、シムビコートなどの合剤から使っていくことが一般的です。症状が落ちついてきたら、徐々に減量することが多いです。

喘息は咳や喘鳴、呼吸困難など非常に苦しい疾患であり、命にもかかわる病気です。そのため喘息の炎症の炎を最低限の水で済ませようとすると、一気に被害が拡大してしまう可能性があります。

シムビコートで長期間コントロールできている方は、パルミコートにステップダウンすることができます。

 

そのためパルミコートは、どちらかというと小児の方で多く使われるお薬です。

小児の場合は年齢によって治療方針が若干違いますが、症状がない時に吸入を続けるというのは、子供にはなかなか理解が得られません。このため、まず内服薬が処方されることが多いです。それでも喘息のコントロールがつかない場合、吸入ステロイドが適応になります。

パルミコートは、小児に対しても適応があります。小児では、パルミコートが1日の最大量で800μgまで認められています。

パルミコートでも症状が改善しない場合、アドエア100ディスカスが考慮されます。このように、小児の場合はいきなりアドエアで喘息を治療をすることは少ないです。また小児でパルミコートが処方されているということは、少なくとも医師は軽症ではないと判断していることになります。

絶対に自己中断しないように、保護者の方は注意して治療しましょう。

 

5.パルミコートの薬価は?

アドエアは、合剤のため薬価は比較的高めです。一方でパルミコートは、ステロイド単剤で薬価が低めです。

パルミコートはジェネリック医薬品はまだ発売されていません。値段は以下のようになります

商品名 吸入回数 薬価 1吸入 1吸入(3割負担)
パルミコート200μg 56 1689.6 30.1 9.0
パルミコート200μg 112 2198.6 19.6 5.9
パルミコート100μg 112 1689.6 15.0 4.5

※2016年7月22日時点での薬価です。

大部分の方は、パルミコート200μg112吸入を処方されると思います。この場合の1吸入はだいたい19.6円(3割負担で5.9円)になります。

β1刺激薬が加わったシムビコートでは、1吸入99.9円(3割負担で30円)です。そのためシムビコートと比較すると、非常に安いです。安い値段で治療したい方は、シムビコートからパルミコートに変更できないか医師に相談してみると良いかもしれません。

一方でパルミコートは安いとはいえ、吸入回数が増えれば増えるほど値段も倍増していきます。そのため同じ吸入ステロイドであるフルタイドの値段とも比較してみましょう。

フルタイドの薬価は、以下のようになっています。

商品名 吸入回数 薬価 1日薬価 1日薬価(3割負担)
フルタイド50 60 1394.7 46.5 13.9
フルタイド100 60 1884.7 62.8 18.8
フルタイド200 60 2459.9 81.9 24.5

※2016年7月22日時点での薬価です。

パルミコートが1回吸入で済めば、1日薬価は39.2円となります。これはフルタイド50の46.5円と比べても安くなります。一方で2回吸えば78.4円、4回吸えば156.8円と倍々に値段もあがります。そのため4吸入まで吸うようになると、フルタイド200の81.9円のほぼ倍量まで値段が上がってしまうので注意が必要です。

 

6.パルミコートが向いている人とは?

現在の成人の喘息治療は、アドエアやシムビコートなどのβ2刺激薬とステロイドの合剤から治療することがほとんどです。

症状が安定している場合は、パルミコートなどの吸入ステロイドだけに薬を減らしていくようにガイドラインでは記載されています。しかしパルミコートで症状が安定しているのに、あえてβ2刺激薬を減らす必要があるのか、意見は専門家でも分かれています。

喘息発作の回数が増えれば増えるほど、喘息が難治性になることが近年報告されています。そのため治療をどんどん削っていくメリットより、デメリットの方が大きい印象があります。

一方でこれは、医師側の意見です。毎日治療するのは患者さんなので、患者さんが継続できる吸入薬が必要になります。その一つの大きな問題として、経済的な問題が挙げられます。

「症状もないのに毎日吸入するお金がもったいない」と思う患者さんも当然いらっしゃると思います。しかし放っておいて喘息発作が出現すると、咳や息苦しさで辛いばかりでなく治療費が非常にかかります。場合によっては喘息は、入院治療が必要になることもあるのです。

費用面で喘息の治療を続けるのが難しい方は、医師に相談してみましょう。勝手にやめてしまうと、しっぺ返しでもっとつらくなるのが喘息の特徴です。

一方で大人の場合の吸入薬は合剤が主流ですが、小児の場合は飲み薬からになります。それで効かなかった場合、吸入ステロイド、さらに最重症の場合はβ2刺激薬と、順番に薬を増やしていくことがが多いです。さらにはシムビコートは、小児では適応外となっています。

以上にて、パルミコートは成人より小児で使用されることが多いお薬といえます。

 

まとめ

スポンサーリンク

スポンサーリンク