シムビコートタービュヘイラーの正しい使い方とは?

アイコン 2016.7.7 シムビコート

シムビコートタービュヘイラー(一般名:ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物)は、2010年からアストラゼネカ製薬会社で発売されているお薬になります。

おもに喘息の長期管理(予防)のお薬となります。1回の吸入投与量が1~2回の人は、喘息の発作時にも追加で吸入することが可能なお薬となっています。

シムビコートは、吸った感じがしないという特徴があります。このため、ちゃんと吸えていない可能性もあるお薬になります。正しい吸入方法を行わないと、吸入薬は全く効力を発揮しません。

そればかりか、医師側からすると薬の効きが弱いと思ってどんどん投与量を増やしたり、違うお薬を追加することになりかねません。

シムビコートは、タービュヘイラーという吸入器の中に、細かい粒子のドライパウダーとして入っています。

ここでは、シムビコートタービュヘイラーがしっかり吸えているのか、使い方を動画もご紹介しながら確認してみましょう。

 

1.シムビコートとは?

主に喘息とCOPDの治療に使うお薬です。朝と夕方に1~4回吸入することで効果を発揮します。

シムビコートは、朝夕2回吸入することで喘息とCOPDに対して使用するお薬です。症状に合わせて1度に1回~4回まで吸入できます。

1回の吸入ではステロイドであるブデソニドとして160μg、β2刺激薬であるホルモテロールフマル酸塩水和物として4.5μgが含まれています。2回、3回と吸う回数が増えることで、これらステロイドとβ2刺激薬の投与量は倍増していきます。

シムビコートには重要な使い方があります。シムビコートは1日の吸入回数が2~4回の人のみ(1回の吸入回数が1回か2回の人のみ)、発作時に追加吸入することができます。これはシムビコートに含まれているホルモテロールが、5~15分と早く効果を発揮するためです。

長期的に喘息管理しながら発作時にも追加する使い方を、SMART療法(Symbicort maintenance and reliever therapy)といい、喘息加療の中で非常に注目を集めています。この使い方は、現在ではシムビコートのみ適応があります。

また2012年には、重症の肺気腫に対してシムビコートの適応が認められました。朝夕に1度につき2回吸入のみの使い方になります。

シムビコートの特徴について知りたい方は、「シムビコートの効果と特徴」を一読してみてください。

 

2.シムビコートタービュヘイラーの使用前の注意点

シムビコートタービュヘイラーは、開封したら3回まわしてから使用します。また、毎回使用するごとに残量を確認する必要があります。

シムビコートを新しく使う場合、最初に簡単な操作が必要になります。

  1. 吸入器をまっすぐ立てます。
  2. 赤いグリップを左右に回して、「カチッ」と3回鳴らします。

次回以降はこの操作は必要ありません。最初にシムビコートタービュヘイラーを3回まわすことで、次回から薬を回すたびにセットされるようになります。

さらに吸入薬で最も大切なことは、まず残薬が残っているか確認することです。内服薬でしたら飲むはずのお薬がなくなるので、まず問題はありません。しかし吸入薬では、お薬がなくても吸った気になってしまいます。

特にシムビコートは、吸った感じがしないのが特徴のお薬です。吸った感じがしなかったのではなくて、実際はお薬を吸ってなかったとしても全く気が付きません。

シムビコートタービュヘイラーは横にカウンターがついています。しかしこのカウンターは、非常に文字が小さいです。気にしなければまず見落としてしまうでしょう。カウンターは0になるにつれて赤くなっていきます。カウンターの色が赤になったら要注意です。

またシムビコートタービュヘイラーをふると、シャカシャカ音がなります。音がなるから入ってると勘違いすることも度々見かけますが、これはシムビコートタービュヘイラーに入ってる乾燥剤の音です。シャカシャカ音がしてもカウンターが0の場合は空っぽということになります。

0のまま1か月近く使ってたけど気が付かなかった…なんていう患者さんもいらっしゃいました。どんなに優れた治療薬も、空っぽでは効果が出せないので気を付けましょう。

 

3.シムビコートタービュヘイラーの吸入方法は?

シムビコートタービュヘイラーの赤いグリップを回した後に吸入します。

シムビコートの吸入方法は以下の図のようになります。

シムビコート吸い方

  1. 赤いグリップを右へ止まるまで回します。
  2. 左へ「カチッ」と音がするまで戻すと、薬剤が1吸入分セットされます。
  3. 大きく息を吐いた後、マウスピースをくわえ、深く吸い込みます。

この「クルッ」「カチッ」「スーッ」の3ステップです。シムビコートを朝2吸入・夜2吸入など複数回吸入する場合は、①~③を繰り返します。

赤いグリップを何回まわしても薬は1回分しかセットされないので、2回吸入する場合は「クルッ」「カチッ」「スーッ」までの操作を2回行ってください。

動画で確認したい方は、環境再生保全機構が出している動画が分かりやすいため、こちらを一度ご覧になってください。

 

4.シムビコートタービュヘイラーで気をつける吸入方法

最も気を付けなければならないことは、シムビコートタービュヘイラーを回す時に傾けないことです。

それぞれの手順で気を付けることをお伝えしていきます。

まず大切なのが、シムビコートタービュヘイラーを回す時に、カチッとなるまでしっかりと最後まで押し切ることです。中途半端にグリップを回しても薬がセットされません。結果として、この後の手順が正しくても薬が吸えないことになります。

そして最も気を付けなければならないのが、シムビコートタービュヘイラーのグリップを回す時に横に傾けずに、立たせたまま回転させることです。グリップを回すことで、薬が落っこちてセットされるのがタービュヘイラーの特徴です。つまり横にしたまま回転させても薬が落っこちずに、結果として薬がセットされません。

このミスが最も起こりやすいです。必ずシムビコートタービュヘイラーを立てて、グリップを回しましょう。

 

次に喘息や肺気腫は、閉塞性肺障害と言われる病気です。これは気管支が狭くなり、息を思いっきり吐いたり吸ったりできない病気です。ですから息をしっかり吐いて十分量の息が吸える状態にしないと、吸う力が足りなくてシムビコートが十分に気管支に入らない可能性があります。

せっかちな人は、シムビコートタービュヘイラーをくわえる前から息を吸い始めたりしています。焦って吸っても良いことは何もないので、必ず一息入れましょう。

シムビコートをゆっくり深く吸って、肺の奥まで行き届かせたいと思う患者さんもいらっしゃるかもしれません。しかしシムビコートは、気管支の端まで届かせなければいけないお薬です。

ゆっくりだと吸入力が弱くて、中枢の気道までしかシムビコートが届かない可能性があります。そのため早く吸うことを意識して、力強く肺の奥までシムビコートをいきわたらせてください。

ただし、なんでも限度があります。思いっきり吸入しすぎて喘息発作が出たり、失神した例が副作用として記載されています。そうならないくらいの力加減で、シムビコートを吸うようにしましょう。

またお年寄りの方は、シムビコートをくわえてから息を吐いてしまっている方が目につきます。必ず息を吐いてから、シムビコートをくわえましょう。そしてくわえたら、息を吸う以外の動作はしないようにしましょう。

シムビコートは、気管支の奥まで行き届かせることが大切です。吸った瞬間にすぐに息を吐いてしまうと、気道の末梢に届く前に息を吐きだしてしまってシムビコートが吹き飛ばされてしまう可能性があります。必ず吸った後数秒間は、息を止めていましょう。

そしてシムビコートは一度に吸う回数が人によって違います。忘れてしまった人はお薬手帳等で一度に何回吸えばよいか確認してみてください。

 

最後にシムビコートを吸入し終わったらうがいをしましょう。これは副作用対策です。シムビコートが口の中に残ったままだと、声が枯れる嗄声や喉がイガイガすることがあります。さらに口の中にステロイドが残ったままだと、白苔などのカビがまれに生えてくることがあります。

これらの副作用は、1回吸っただけだと起こらないことが多いです。日々の積み重ねでだんだんと出ていきます。

「シムビコートを吸ってうがいしなくても大丈夫だった」と油断せずに、必ず毎回うがいするようにしましょう。「副作用が出てもう薬が吸いたくない」となってしまうと、喘息のコントロールに苦労することになります。

 

5.シムビコートタービュヘイラーの使い方が心配なとき

薬剤師さんに吸入指導をお願いしましょう。

シムビコートを初めて処方された方は、内服と違って戸惑うことも多いでしょう。このサイトも一つの参考になればよいのですが、どうしても実際にみてみないと伝わらない部分もあるかと思います。

シムビコートタービュヘイラーに限らず新しい吸入薬を処方された方は、遠慮せずに必ず薬剤師さんに吸入指導をしてもらいましょう。その場で自分の吸い方のどこが悪いかを指導してもらった方が間違えないで済みます。

一番の問題はシムビコートは吸入がしっかりできていても、粒子が小さすぎて吸った気がしないことです。そのため高齢者の方はやり方が正しくても吸入力が弱くて吸えてないことが多々あります。

実は医師側もこのことに気が付かずにシムビコートでしっかり治療できてると勘違いしていることが多々あります。シムビコートをしっかり吸えているか確認するためにシムビコートの練習機があります。

シムビコート練習機

シムビコートの形をしたフエになります。この笛を吸うと「ピュー」と音がなります。吹くのではなく吸うことで音が鳴るので注意が必要です。音がなるくらいの強さで吸うと、実際のシムビコートを吸入することができます。

逆にどんなに頑張って吸っても音がならない人、頑張ってかすかに音が鳴る人は、シムビコートを吸入するのは難しいと思います。

シムビコートは毎日吸わなければならないお薬です。そのため全力で何とか吸える状態だと、毎日吸うのが非常に億劫になると思います。練習機でうまく音がならない人は、フルティホームなどのスプレー式の吸入器に変更することを考慮する必要が出てきます。

また、吸入力があってもグリップを回す力がない人もいらっしゃいます。その場合は言っていただければグリップを回す補助器があるので、それを使用してしっかりシムビコートを使いましょう。

一番問題なのは、よく使い方がわからないといって自己中断してしまうことです。シムビコートを自己中断してしまう前に、ぜひ一度医師に相談してみましょう。

 

まとめ

もう一度シムビコートタービュヘイラーの吸入方法を確認してみましょう。

  1. 赤いグリップを右へ止まるまで回します。
  2. 左へ「カチッ」と音がするまで戻すと薬剤が1吸入分セットされます。
  3. 大きく息を吐いた後、マウスピースをくわえ、深く吸い込みます。

もしこれらの手技ができていても吸入できているか不安な方はシムビコートの練習機で音がしっかりなるか確認してみましょう。

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