ゼぺリン点眼液の効果と副作用について

アイコン 2017.4.8 点眼薬

ゼぺリン点眼液(一般名:アシタザノラスト)は、2000年に発売された第二世代抗ヒスタミン剤の点眼薬です。

抗ヒスタミン薬とは、アレルギーのときに過剰に分泌されるヒスタミンをブロックすることで、アレルギー症状を抑える効果が期待できるお薬です。

目のアレルギー症状というと、難しくいえばアレルギー性結膜炎になります。さまざまな原因が考えられますが、花粉症が原因となることが非常に多いです。

花粉症の時期は目のかゆみが非常につらいです。これで目をかいたりしたら、角膜を傷つけてしまいます。飲み薬でも多少は効きますが、やはり目のかゆみに一番良いのは点眼薬です。

ゼぺリン点眼薬は、ベンザルコニウム塩化物という防腐剤が含まれていないためコントタクトレンズの方にも使用しやすい点眼薬となっています。

ここではゼピリン点眼薬の効果と副作用についてみていきましょう。

 

1.花粉で目がかゆくなる原因とは?

目からスギ花粉を外に出そうとする防御反応です。かゆくなることで目が潤されて、結果として花粉を目の外から追い出そうとします。

花粉症というのは体が花粉を敵と認識して外に出そうとする防御反応です。その防御反応は以下のようになります。

  1. 花粉(スギ)が体内に侵入。
  2. マクロファージ(体の中の警察官)が異物と認識して花粉を食べる。
  3. マクロファージがT細胞、そしてB細胞とバケツリレーのように花粉の情報を次々に渡す。
  4. 花粉が次に入ってきたときに撃退するために、B細胞がIgEという特殊な爆弾を作り、肥満細胞(体の中の爆弾保管庫)に保管しておく。
  5. 花粉が再び侵入した際に、肥満細胞は保管しておいたIgE爆弾が発射されて花粉にくっつく。
  6. IgEが爆発することをきっかけに、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)が放出される。

このヒスタミンが放った化学物質が結果として目を刺激して、かゆみや充血を生み出します。目のかゆみや充血が起こると、涙が出てきます。涙によって花粉を目の外に追い出そうとするのです。

こうして目に異常があることを知らせて、スギ花粉から体を守ろうとしているのです。

 

2.ゼぺリンはどうやって効果が発現するの?

主に抗ヒスタミン薬として目に働きます。さらにロイコトリエンを抑える作用もあり、眼の痒みや充血を抑える作用があります。

ゼぺリンの主成分は抗ヒスタミン薬になります。

ヒスタミンを阻害するということは、先ほどの説明でいうところの⑥の作用を邪魔します。④や⑤で出てくるIgEや肥満細胞を邪魔しても、すでにヒスタミンがたくさん作られた後では効果が期待しづらいです。速効性を求めるのであれば、直接目のかゆみを引き起こすヒスタミンをブロックする必要があります。

そのためゼぺリンは、アレルギー反応により放出されたヒスタミンの働きを邪魔し、ヒスタミンが引き起こすさまざまなアレルギー症状をおさえます。ゼぺリンの作用機序は、ヒスタミンが結合するヒスタミンH1受容体を遮断することによります。

さらにゼぺリンには、ヒスタミンだけでなく⑥で出てくるロイコトリエンも抑える作用があります。このように化学伝達物質の作用を邪魔することでゼぺリンは目のかゆみや充血を即効で抑える効果があります。

 

3.ゼぺリンの使用方法と注意点

ゼぺリンは通常、1回1滴を1日4回、朝・昼・夕・寝る前に点眼します。

ゼぺリンは速効性の効果があると同時に、予防にも使われています。毎年花粉症で目がかゆくなる人は、ニュースで花粉が飛び始めたという情報が流れたら、ゼぺリンを事前に投与しておくのがよいかもしれません。もちろん、かゆくなってからでも抗ヒスタミン薬として速効性があるため、ゼぺリンの効果は期待できます。

それでは、ゼぺリンの点眼液はどのように使うのかみていきましょう。

ゼぺリンを1滴点眼したあと、ゆっくりと目を閉じ、まばたきをしないで しばらく目を閉じていてください。この1滴で十分です。同時に2滴、3滴入れたから効果が倍増するわけではありません。

注意点としては点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意しましょう。また他の点眼薬と併用しているときは、点眼間隔を5分以上あけてください

 

4.ゼぺリンの副作用と安全性

副作用はほとんど報告がなく、小さなお子さんにも使われております。ただし安全だからといって、使用頻度を守らず連発すると目を傷つける原因となるので注意しましょう。妊婦の方には比較的安全に使われております。

ゼぺリンの薬の承認時の安全性を調べた試験では、374例中9例(2.41%)に副作用が認められました。主な副作用として

が挙げられます。ただしこれは点眼の際に直接容器が目にあたり傷つけた例もあるのではと考えられます。少なくともゼぺリン特有の副作用ではなく点眼薬には一定の確率でおこる副作用です。

それ以外の副作用は目立った報告はなく、このように非常に安全な点眼薬のため、花粉症に困っているお子さんにも広く使われています。しかし安全だからといって使用回数を超えてよいというものではありません。

ゼぺリンは、妊婦の方にも使用しやすいお薬です。ゼぺリンの添付文章上は「妊婦中の投与による安全性は確立されておらず、妊婦の方は有益性を上回る場合にのみ使用すること」とありますが、この文言は安全とされているお薬にも決まり文句として書かれていますので、基本は安全とされています。

一方授乳中の人には、「ゼぺリンの使用中は授乳は控えること」と記載されています。ゼぺリン投与にて、動物実験で乳汁への移行が確認されたためです。点眼薬で投与されたゼぺリンが乳汁に移行するのはごくわずかだと思いますので、子供への影響はほとんどないでしょう。しかしながら記載されている以上は、何かあった時は自己責任になってしまいます。

 

5.ゼぺリン点眼液はコンタクトしたままで滴下して良いの?

ゼぺリン点眼液は防腐剤であるベンザルコニウムが使われていないため、ソフトレンズでも点眼しやすいお薬と考えられています。

ゼぺリンの良い点は、コンタクトレンズを装着したまま点眼できる点です。ゼぺリン以外の多くはベンザルコニウムという防腐剤を含んでいるためコンタクトレンズを装着して投与は勧められていませんでした。

ベンザルコニウムはコンタクトレンズが傷つき、同時にコンタクトレンズに吸着して直接角膜を傷つけてしまいます。このようにコンタクトレンズをつけたまま使える点眼薬は数少なく他にはアレジオン点眼液が挙げられます。花粉症の点眼は頻回になるので、いちいちコンタクトを外さなくて済みます。

ただし厳密にはゼぺリン点眼液の添付文章にはコンタクトレンズ装着した状態で良いという記載はありません。これはコンタクトレンズをしたままで効果がどうか調査していないためと考えられます。

また点眼薬自体が目に落ちる際にはやはり刺激になります。その刺激で眼圧が上がり、結果として緑内障になるリスクはあります。特にコンタクトをすると、目の内部から外部へと水分が逃げずらくなりますから、眼圧はより上昇しやすくなります。コンタクトでも大丈夫だからといって連発してしまうのはリスクになるため注意しましょう。

 

6.ゼぺリンの薬価とは?

ゼぺリンは、1本744円になります。1本でおよそ2週間分になります。

ゼぺリンの薬価はどれくらいでしょうか?みてみましょう。

商品名 剤形 薬価
ゼぺリン 点眼液0.05% 744円/本

ゼぺリンは2017年ではジェネリック医薬品はありません。このため現在は、ゼぺリンは先発品のみの販売になります。ゼぺリンの薬価は1本あたり744円になります。

非常に高く感じるかもしれませんが同じくベンザルコニウムを含んでないアレジオン点眼液は1本あたりにすると1929円となります。

ちなみに目薬1本あると、実際にはどれくらい使えるのでしょうか?目薬1本(5ml)あたり、100滴ほどになります。ですから1日4回両目に使っていると、1本でおよそ2週間分となる計算です。

 

7.ゼぺリンを点眼しても効かない場合は?

ゼぺリンで効果がないからといってどんどん増量したり、目をかいてしまわないようにしましょう。効果がない場合は内服薬を併用したり、場合によってはステロイド点眼薬を組み合わせましょう。

目のかゆみは軽症の人もいれば重症な人もいます。ゼぺリンを点眼しても効果がないとき、どうすればよいのでしょうか?

ゼぺリンを点眼すると、5分くらいで効果が発揮されます。続けて点眼しても効果は変わらないので、10分程度は様子を見ましょう。それでもかゆみがとれないといってゼぺリンを何度も追加したり、目をかいてしまわないようにしましょう。角膜を傷つけてしまう可能性があります。

まぶたの上から眼を圧迫して抑える人もいますが、これは危ないです。目の奥の網膜剥離が起こってしまうことがあり、こちらも失明につながります。効果がないからといって、目に物理的刺激を加えないように注意しましょう。

こういった重症な人は、前もってゼぺリンを点眼するようにしてみてください。目がかゆくなったらゼぺリンを使用するのではなく、朝起きて外出する前からゼぺリンを使っていくのです。ゼぺリンには予防効果があるので、花粉が拡散する1週間前からの予防投与が勧められています。

それでもかゆい人は、抗アレルギー薬などの内服薬も使っていきましょう。抗ヒスタミン薬と併用することで効果が強まります。

さらに効果が不十分な方は、ステロイドの点眼薬を考慮します。ただし、ステロイド点眼薬は緑内障や白内障を引き起こすリスクもあります。決して目に良いお薬ではありませんが、それでも目をひっかくよりははるかに良いです。医師にしっかりと相談して使っていきましょう。

 

まとめ