リボスチン点眼液(レボカバスチン塩酸塩)の効果と副作用

アイコン 2016.3.9 点眼薬

リボスチン(レボカバスチン塩酸塩)は、第二世代抗ヒスタミン剤の点眼薬です。同じ商品名で、点鼻薬も発売されています。

抗ヒスタミン薬とは、アレルギーのときに過剰に分泌されるヒスタミンをブロックすることで、アレルギー症状を抑える効果が期待できるお薬です。

目のアレルギー症状というと、難しくいえばアレルギー性結膜炎になります。さまざまな原因が考えられますが、花粉症が原因となることが非常に多いです。一般的にはリボスチンは、花粉症に効く目薬と認識されていることが多いです。

花粉症の時期は目のかゆみが非常につらいです。これで目をかいたりしたら、角膜を傷つけてしまいます。飲み薬でも多少は効きますが、やはり目のかゆみに一番良いのは点眼薬です。

リボスチンでは副作用はほとんど報告されておらず、安全に使用できます。ここではリボスチン点眼液について、花粉症治療を中心にみていきましょう。

 

1.花粉で目がかゆくなる原因とは?

目からスギ花粉を外に出そうとする防御反応です。かゆくなることで目が潤されて、結果として花粉を目の外から追い出そうとします。

花粉症というのは体が花粉を敵と認識して外に出そうとする防御反応です。その防御反応は以下のようになります。

  1. 花粉(スギ)が体内に侵入。
  2. マクロファージ(体の中の警察官)が異物と認識して花粉を食べる。
  3. マクロファージがT細胞、そしてB細胞とバケツリレーのように花粉の情報を次々に渡す。
  4. 花粉が次に入ってきたときに撃退するために、B細胞がIgEという特殊な爆弾を作り、肥満細胞(体の中の爆弾保管庫)に保管しておく。
  5. 花粉が再び侵入した際に、肥満細胞は保管しておいたIgE爆弾が発射されて花粉にくっつく。
  6. IgEが爆発することをきっかけに、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)が放出される。

このヒスタミンが放った化学物質が結果として目を刺激して、かゆみや充血を生み出します。目のかゆみや充血が起こると、涙が出てきます。涙によって花粉を目の外に追い出そうとするのです。

こうして目に異常があることを知らせて、スギ花粉から体を守ろうとしているのです。

 

2.リボスチンはどうやって効果が発現するの?

主に抗ヒスタミン薬として目に働きます。

リボスチンの主成分はレボカバスチン塩酸塩で、第2世代の抗ヒスタミン薬になります。ヒスタミンを阻害するということは、先ほどの説明でいうところの⑥の作用を邪魔します。

④や⑤で出てくるIgEや肥満細胞を邪魔しても、すでにヒスタミンがたくさん作られた後では効果が期待しづらいです。速効性を求めるのであれば、直接目のかゆみを引き起こすヒスタミンをブロックする必要があります。

 

そのためアレルギー反応により放出されたヒスタミンの働きを邪魔し、ヒスタミンが引き起こすさまざまなアレルギー症状をおさえます。作用機序は、ヒスタミンが結合するヒスタミンH1受容体を遮断することによります。

そのためリボスチンは、アレルギー反応により放出されたヒスタミンの働きを邪魔し、ヒスタミンが引き起こすさまざまなアレルギー症状をおさえます。リボスチンの作用機序は、ヒスタミンが結合するヒスタミンH1受容体を遮断することによります。

リボスチンには、点鼻薬も作られています。鼻でも同様、抗ヒスタミンとして働くことでアレルギー症状を抑え、鼻水やくしゃみを防ぐことができます。

 

3.リボスチン点眼液の使用方法と注意点

リボスチンは通常、1回1~2滴を1日4回、朝、昼、夕、寝る前に点眼します。

リボスチンを1~2滴点眼したあと、ゆっくりと目を閉じ、まばたきをしないで しばらく目を閉じていてください。3滴も4滴も入れたからといって、効果が倍増するわけではありません。

注意点としては点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意しましょう。また他の点眼薬と併用しているときは、点眼間隔を5分以上あけてください。

ソフトコンタクトレンズをしている場合はレンズをはずして点眼し、10分以上経過してからつけてください。リボスチンの中には防腐剤としてベンザルコニウムが含まれています。このベンザルコニウムによりコンタクトレンズが傷つき、同時にコンタクトレンズに吸着して直接角膜を傷つけてしまいます。あまりにも頻回にコンタクトレンズをつけたままリボスチンを使用すると、角膜剥離から視力低下につながることもあるので注意しましょう。

 

4.リボスチンの副作用と安全性

副作用はほとんど報告がなく、小さなお子さんにも使われております。ただし安全だからといって、使用頻度を守らず連発すると目を傷つける原因となるので注意しましょう。妊婦の方には比較的安全に使われております。

リボスチンの市販後調査では、総症例3,521例中77例(2.2%)に副作用が認められたと報告されています。

その主なものは、眼刺激26件(0.7%)、眼瞼炎11件(0.3%)、結膜炎11件(0.3%)でした。ただしこの中には、点眼の際に直接容器が目にあたり傷つけた例も含まれると考えられます。

それ以外の副作用は目立った報告はなく、このように非常に安全な点眼薬のため、花粉症に困ってるお子さんにも広く使われています。しかし安全だからといって、使用回数を超えてよいというものではありません。

点眼薬が目に落ちる際にはやはり刺激になります。その刺激で眼圧が上がり、結果として緑内障になるリスクはあります。特にコンタクトをすると、目の内部から外部へと水分が逃げずらくなりますから、眼圧はより上昇しやすくなります。そのためコンタクトを使用している方は特に注意しましょう。

さらにベンザルコニウムの防腐剤によって、直接角膜が傷つきます。通常の量では問題はありませんが、沢山点眼しベンザルコニウム濃度が上昇すると、安全域を超えてしまって角膜剥離のリスクが高まります。複数の点眼薬を使用することでベンザルコニウムが沢山投与されている可能性もありますので、用法を守って使うようにしてください。

リボスチンは、妊婦の方にも使用しやすいお薬です。リボスチンの添付文章上は「妊婦中の投与による安全性は確立されておらず、妊婦の方は有益性を上回る場合にのみ使用すること」とありますが、この文言は安全とされているお薬にも決まり文句として書かれていますので、基本は安全とされています。

一方授乳中の人には、「リボスチンの使用中は授乳は控えること」と記載されています。リボスチン投与にて、動物実験で乳汁への移行が確認されたためです。点眼薬で投与されたリボスチンが乳汁に移行するのはごくわずかだと思いますので、子供への影響はほとんどないでしょう。しかしながら記載されている以上は、何かあった時は自己責任になってしまいます。

 

5.リボスチンの薬価とは?

リボスチンは、自己負担3割の方で1本295円になります。1本でおよそ2週間分になります。

リボスチンの薬価はどれくらいでしょうか?みてみましょう。

商品名 剤形 薬価
リボスチン 点眼液0.025% 131.9円/ml
レボカバスチン 点眼液0.025% 87.5円/ml

リボスチンは2001年に発売されたお薬です。発売から年月がたっているので、ジェネリック医薬品としてレボカバスチンが発売となっています。

先発品のリボスチンの薬価は1mlあたり131.9円になります。目薬1本には5ml含まれていますので、1本あたりにすると656円となります。自己負担が3割の方では、1本あたり198円ほどになります。

ジェネリックは、先発品の66%ほどとなっています。ジェネリックに変えることで、自己負担3割で1本132円と、ちょっとだけ安くなります。

目薬1本あると、実際にはどれくらい使えるのでしょうか?目薬1本(5ml)あたり、100滴ほどになります。ですから1日4回両目に使っていると、1本でおよそ2週間分となる計算です。

 

6.リボスチンとパタノール・アレジオンの比較

リボスチンが抗ヒスタミンの効果のみに対して、パタノールとアレジオンはケミカルメディエーター遊離抑制作用が加わっています。

リボスチンは抗ヒスタミン薬のみの作用しかないですが、パタノールとアレジオンはケミカルメディエーター遊離抑制作用が加わっています。

ケミカルメディエーター遊離抑制作用とは、肥満細胞を安定化させて、結果として肥満細胞からのヒスタミンなどのケミカルメディエーターの遊離・放出をおさえる作用です。こちらはアレルギー作用機序の④・⑤で登場する肥満細胞が、IgEを発射するのを防ぐ効果があります。

つまりパタノールやアレジオンは、速効性以外に予防の効果も兼ね備えているのです。花粉が増えてくる1週間前から使い始めて、事前に対策していくことができます。

さらにアレジオンのみ、ベンザルコニウムが全く含まれてない点眼薬です。ベンザルコニウムは逆性石けんとして知られており、目薬の中でばい菌が繁殖しないように入っています。しかしばい菌をやっつける作用がある一方で角膜の細胞膜にも作用し、角膜を傷つけてしまうのです。

特にコンタクトレンズはこのベンザルコニウムが吸着してしまって、より角膜を傷つけやすいです。リボスチンやパタノールの添付文章にも、コンタクトレンズは必ず外すように書かれています。しかしコンタクトレンズを付けてる人にとっては、1日4回リボスチンやパタノールを使う都度外さなければいけないのは大変かと思います。

一方でアレジオンは、このベンザルコニウムが一切入っていません。ですから、コンタクトレンズを付けたままでも使用可能です。眼科の先生によっては、そもそもベンザルコニウムを長期投与すると健常者でも角膜が傷つくと報告されていることから、全例アレジオンを処方することもあります。

これだけみたらパタノールとアレジオンの方がリボスチンより良いように見えます。リボスチンが2001年に発売に対して、パタノール2006年発売、アレジオンが2013年発売です。新しい点眼液は前から発売されている点眼液より良い点がなければ、基本的には登場しません。そのためリボスチンが少し見劣りしてしまいます。

しかし速効性は抗ヒスタミン薬での効果ですので、目がかゆくなってからリボスチン、パタノール、アレジオンのどれを使ってもそこまで大きな違いはありません。点眼薬の効果はその人によって多少違う程度かと思います。

薬価を比較すると、リボスチン131.9円/ml<パタノール197.5円/ml<<アレジオン385.8円/mlとなっています。

リボスチンがこれらでは一番安いのです。ある程度症状が落ち着いている方で、日によって目の症状がつらいだけの方は、リボスチンでもよいでしょう。

 

7.リボスチンを点眼しても効かない場合は?

リボスチンで効果がないからといってどんどん増量したり、目をかいてしまわないようにしましょう。効果がない場合は内服薬を併用したり、場合によってはステロイド点眼薬を組み合わせましょう。

目のかゆみは軽症の人もいれば重症な人もいます。リボスチンを点眼しても効果がないとき、どうすればよいのでしょうか?

リボスチンを点眼すると、5分くらいで効果が発揮されます。続けて点眼しても効果は変わらないので、10分程度は様子を見ましょう。それでもかゆみがとれないといってリボスチンを何度も追加したり、目をかいてしまわないようにしましょう。角膜を傷つけてしまう可能性があります。

まぶたの上から眼を圧迫して抑える人もいますが、これは危ないです。目の奥の網膜剥離が起こってしまうことがあり、こちらも失明につながります。効果がないからといって、目に物理的刺激を加えないように注意しましょう。

こういった重症な人は、前もってリボスチンを点眼するようにしてみてください。目がかゆくなったらリボスチンを使用するのではなく、朝起きて外出する前からリボスチンを使っていくのです。リボスチンには予防効果があるので、花粉が拡散する1週間前からの予防投与が勧められています。

それでもかゆい人は、抗アレルギー薬などの内服薬も使っていきましょう。抗ヒスタミン薬と併用することで効果が強まります。

さらに効果が不十分な方は、ステロイドの点眼薬を考慮します。ただし、ステロイド点眼薬は緑内障や白内障を引き起こすリスクもあります。決して目に良いお薬ではありませんが、それでも目をひっかくよりははるかに良いです。医師にしっかりと相談して使っていきましょう。

 

まとめ