アレロック錠の効果と特徴

アイコン 2016.5.28 アレロック

アレロック錠(一般名:塩酸オロパタジン塩酸塩)は、協和発酵キリン社が2001年に発売した第二世代抗ヒスタミン薬です。

抗ヒスタミン薬とは、アレルギーのときに過剰に分泌されるヒスタミンをブロックすることで、アレルギー症状を抑える効果が期待できるお薬です。

抗ヒスタミン薬は効果を求めれば求めるほど、眠気が強くなる傾向にあります。アレロックは第2世代の中では効果がもっとも強いお薬ですが、やはり眠気も強いお薬となっています。しかしその副作用をきちんと理解して適切に使えば、効果は強いのでとても頼れるお薬です。

アレロックが最も活躍するのは花粉症などのアレルギー性鼻炎ですが、蕁麻疹・湿疹・皮膚炎などの皮膚疾患にも適応があります。

ここでは、アレロック錠の効果と特徴について詳しくお伝えしていきます。

 

1.アレロック錠の効果の特徴とは?

<メリット>

<デメリット>

アレロックの効果は、よく使われる第二世代抗ヒスタミン薬の中では最も強いです。ですから症状がひどい時には、アレロックはお勧めできるお薬です。

アレロックは第二世代抗ヒスタミン薬ですので、眠気の副作用が強いとはいっても効果のわりには少ないです。アレグラやアレジオンといった第二世代抗ヒスタミン薬を使っていて効果が不十分なときは、アレロックに切り替えるのも選択肢になります。

アレロックは剤形が豊富で、顆粒やOD錠も発売されています。また、アレロックはジェネリック医薬品も発売されていて、6割ほどの薬価で購入することができます。

 

アレロックのデメリットとしては、効果の持続時間がやや短く、1日2回の服用が必要になることです。また、小児での安全性が確認されていないため、2歳以下の子供に使うことができません。

そしてアレロックは、副作用として眠気が出てくることが多いお薬です。車の運転に関しても、「運転に従事させないこと」となっています。

したがって、副作用である眠気に関してきちんと理解し生活上問題がないのであれば、症状がひどくて他の抗ヒスタミン薬で効果がなかった方などは使用を検討する価値があります。

 

2.アレロックの適応疾患と用量・用法

成人の場合、アレロックを5mg、朝・就寝前の1日2回使います。

アレロックが最もよく使われるのは、花粉症の治療薬としてでしょう。正確にいうと、花粉に対するアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎です。

その他は蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、尋常性乾癬、多形滲出性紅斑などで使われることがあります。これらの皮膚の病気では、ヒスタミンが発生することでかゆみが認められます。これを抑える目的でアレロックが使われることがあるのです。

 

アレロックの最高血中濃度は1.0時間、半減期は8.8時間となっています。

これは、アレロックを服用して1.0時間で血中濃度がピークとなり、そこから8.8時間たつと半分の濃度になることを意味します。効果の持続がそこまで長くないので、アレロックは1日2回服用する必要があります。しかし1.0時間で最高血中濃度に達するので、即効性のあるお薬であると言えます。

アレロックの内服方法としては、以下のようになっています。

 

3.アレロックの薬価と剤形

アレロックでは、錠剤だけでなくOD錠や顆粒錠が発売されています。ジェネリックも発売されていて、薬価は4割ほどとなっています。

アレロックでは錠剤だけだなく、OD錠や顆粒といった剤形が発売されています。また2001年の発売からしばらくたっているため、ジェネリックも発売されています。

それでは具体的に薬価をみていきましょう。

<先発品>

商品名 剤形 薬価
アレロック錠 2.5mg 40.4円
アレロック錠 5mg 51.5円
アレロックOD錠 2.5mg 40.4円
アレロックOD錠 5mg 51.5円
アレロック顆粒 0.5% 68.7円/g

<ジェネリック(後発品)>

商品名 剤形 薬価
オロパタジン塩酸塩錠 2.5mg 16.6~21.0円
オロパタジン塩酸塩錠 5mg 21.7円
オロパタジン塩酸塩OD錠 2.5mg 16.6~21.0円
オロパタジン塩酸塩OD錠 5mg 21.7円
オロパタジン塩酸塩ODフィルム 2.5mg 21.0円
オロパタジン塩酸塩OD錠 5mg 27.6円

※2016年5月24日現在の薬価です。

アレロックには、錠剤とOD錠と顆粒の3種類があります。7歳以上であれば小児でも成人でも用法・用量は同じとなっていて、錠剤・OD錠・顆粒のどれでも使用可能です。2歳以上7歳未満では、顆粒しか使用できません。

ジェネリックのオロパタジン塩酸塩錠には顆粒は発売されていません。その一方でOD錠にフィルム錠も発売されています。ジェネリックにすることで、およそ4割ほどの薬価になっています。

 

4.抗ヒスタミン薬の第一世代・第二世代の違いとは?

第二世代は第一世代に比べるとヒスタミンだけに作用するようにできていて、中枢への作用も少なくなっています。このため、眠気や口の渇きなどの副作用が軽減されています。

抗ヒスタミン薬は、ヒスタミン受容体をブロックすることでアレルギー反応を抑えて効果を示します。しかしながらヒスタミンは、実は全身に色々なところで活躍しています。

 脳では神経伝達物質として情報の橋渡しをしていますが、抗ヒスタミン薬によって脳でのこの働きがブロックされてしまうと、中枢神経が抑制されて眠気が出現します。

また抗ヒスタミン薬は、抗コリン薬と似ている部分があります。このためアセチルコリン受容体をブロックしてしまい、便秘・口渇・尿閉といった抗コリン作用が起きることもあります。そのため抗コリン薬が禁忌である緑内障患者や前立腺肥大患者には、抗ヒスタミン薬も禁忌とされていました。

このように、副作用がかなり強いのが発売当初の抗ヒスタミン薬でした。こうした強い副作用のお薬を「第一世代」と呼んでいます。現在では副作用を逆に利用して、術後疼痛コントロール目的にソセゴン(痛み止め)+アタラックス(第一世代抗ヒスタミン薬)など投与することもあります。(病院用語では略して「ソセアタ」といいます)

1980年代になると、ヒスタミン受容体のみをブロックして、アセチルコリンの受容体をほぼブロックしないお薬が開発されました。中枢作用も少なく、このお薬を「第二世代」と呼んでいます。

これらのお薬の分類が下記の表になります。

抗ヒスタミン薬の種類について一覧にしました。

第二世代は第一世代に比べると、副作用がだいぶ抑えられています。このため現在は、第二世代から使われることが主流になっています。どうしても第二世代では効果が不十分な時は、第一世代が使われることがあります。

ただし第二世代でも、ザジテンなどの一部は中枢のヒスタミンに作用してしまいます。このため眠気も強いですし、てんかんや熱性けいれんを悪化させてしまうリスクがあります。このような疾患がある方はザジテンのみ禁忌となっており、それ以外の眠気が強い抗ヒスタミン薬でも注意が必要です。

 

5.第二世代抗ヒスタミン薬でのアレロックの位置づけ

アレロックは眠気・効果ともに、第二世代抗ヒスタミン薬では強いです。アレロックは、効果が強いが、それと同時に眠気の副作用も強いお薬です。

それでは、第二世代抗ヒスタミン薬の中ではアレロックはどのような位置づけになるでしょうか。代表的な第二世代抗ヒスタミン薬を比較して表にしたのでご覧ください。

第二世代抗ヒスタミン薬の効果と眠気の強さを表にしました。

※薬理学的なデータに加えて、私の使用経験を踏まえて作成しました。人によって薬の効き方も異なります。

現在主流で使われている第二世代抗ヒスタミン薬は、左下から真ん中にかけてのお薬です。その中でアレロックは、効果も眠気も強いほうに位置しています。

右上の方のお薬も第二世代抗ヒスタミン薬には分類されますが、第一世代に近いお薬です。眠気が強いということは、中枢のヒスタミンもブロックしてしまうことを意味しています。どうしても効果が不十分な時に検討されます。

 

6.アレロックが向いている人とは?

花粉症のお薬として最もよく使われているのは、同じ第二世代抗ヒスタミン薬のアレグラです。アレグラはアレロックに比べると眠気の副作用は少ないのですが、効果もマイルドになっています。

鼻水が辛くて目も痒い、一刻も早く何とかしたいという方には、アレグラから徐々に薬を強めていくというやり方はお勧めできません。アレロックは効果が強く即効性もあるので、花粉症の症状が重度の方はアレロックから試してみることもあります。

しかしアレロックは、やはり眠気を強く認めるので、タクシーやトラックなどの運転が主とする仕事の方は注意する必要があります。 運転を控えられる方に向いているお薬です。

処方する医師側としては、患者さんごとに抗ヒスタミン薬の処方を変えるということはあまりしないです。基本的にはアレジオンやザイザルのような中間的な抗ヒスタミン薬から開始することが多いです。これまでに他の抗ヒスタミン薬を服用しても効果がなかった方は、そのことを伝えてアレロックを処方してもらうのが良いかもしれません。

アレロックは1日2回の服用になるので、きっちりと服用ができなければ効果も不十分になってしまうことがあります。その場合はジルテックやザイザルなどの1日1回で十分な抗ヒスタミン薬が向いているでしょう。

 

7.アレロックの作用の仕組み(作用機序)

アレロックはどのようにして作用するのでしょうか?アレロックが最もよく使われる花粉症では、アレロックがどのように作用するのかをみていきましょう。

 

7-1.花粉症の症状が生じる原因とは?

目や鼻からスギ花粉を外に出そうとする防御反応です。涙や鼻水によって、結果として花粉を目の外から追い出そうとします。

花粉症というのは体が花粉を敵と認識して外に出そうとする防御反応です。その防御反応は以下のようになります。

このヒスタミンなどの化学物質が目に作用すると、目を刺激してかゆみや充血を生み出します。目のかゆみや充血が起こると、涙が出てきます。涙によって花粉を目の外に追い出そうとするのです。

このヒスタミンが鼻に作用すると鼻を刺激して、くしゃみや鼻水として外に花粉を出そうとするのです。

こうして目や鼻に異常があることを知らせて、体からスギ花粉を守ろうとしているのです。でも花粉は身体にとっては害にはなりません。ほっておけばよいのに、身体が過剰に反応してしまうアレルギーの病気なのです。

 

7-2.アレロックの作用の仕組み(作用機序)

主に抗ヒスタミン薬として、ヒスタミンの働きをブロックすることでアレルギー反応を抑えます。

アレロックの主成分は塩酸オロパタジン塩酸塩であり、第2世代の抗ヒスタミン薬になります。

ヒスタミンを阻害するということは、先ほどの説明でいうところの⑥の作用を邪魔します。④や⑤で出てくるIgEや肥満細胞を邪魔しても、すでにヒスタミンがたくさん作られた後では効果が期待しづらいです。速効性を求めるのであれば、直接目や鼻の症状を引き起こすヒスタミンをブロックする必要があるのです。

また、アレロックは抗ヒスタミンの作用だけではなく、他のケミカルメディエーターであるロイコトリエンやトロンボキサンなどの物質の作用も邪魔します。それによって目や鼻のかゆみの緩和に役立っています。他にも、強いアレルギー反応 を引き起こす好酸球という物質を抑える作用や、アレルギー反応と共に起こる炎症を抑える作用などもあります。

 

まとめ

アレロック(塩酸オロパタジン塩酸塩)は、2001年に発売された第二世代抗ヒスタミン薬です。第2世代の中で効果が強いので、やはり眠気も強いお薬となっていますが、その副作用をきちんと理解した上で上手く付き合いながら使えば、効果は強いのでとても頼れるお薬です。成人ではアレロックを5mg、朝食後と就寝前の1日2回、経口投与します。

<メリット>

<デメリット>

<向いている人>

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