アレグラの副作用と安全性

アイコン 2016.3.20 アレグラ

アレグラは第二世代の抗ヒスタミン薬です。

抗ヒスタミン薬とは、過剰に分泌されるヒスタミンをブロックすることで、アレルギー症状を抑えるお薬です。抗ヒスタミン薬は眠気の副作用が問題になることが多いですが、アレグラは第二世代の中でも少ないです。

アレグラは、多くの方が花粉症の治療薬として手放せないお薬になります。最近は市販薬としてアレグラFXも登場しました。市販薬として気軽に買えるお薬ですが、副作用は大丈夫なのでしょうか?そもそも安全なのでしょうか?気になるところですよね。

ここでは、アレグラの副作用と安全性についてまとめていきたいと思います。

 

1.アレグラの副作用の特徴

第二世代は第一世代に比べるとヒスタミンだけに作用するようにできていて、中枢への作用も少なくなっています。このため、アレグラでは眠気や口の渇きなどの副作用が軽減されています。

アレグラは第二世代の抗ヒスタミン薬に分類されています。

抗ヒスタミン薬は、ヒスタミン受容体をブロックすることでアレルギー反応を抑えて効果を示します。しかしながらヒスタミンは、実は全身に色々なところで活躍しています。

脳では神経伝達物質として情報の橋渡しをしていますが、抗ヒスタミン薬によって脳でのこの働きがブロックされてしまうと、中枢神経が抑制されて眠気が出現します。

また抗ヒスタミン薬は、抗コリン薬と似ている部分があります。このためアセチルコリン受容体をブロックしてしまい、便秘・口渇・尿閉といった抗コリン作用が起きることもあります。そのため抗コリン薬が禁忌である緑内障患者や前立腺肥大患者には、抗ヒスタミン薬も禁忌とされていました。

このように、副作用がかなり強いのが発売当初の抗ヒスタミン薬でした。こうした強い副作用のお薬を「第一世代」と呼んでいます。

1980年になると、ヒスタミン受容体のみをブロックして、アセチルコリンの受容体をほぼブロックしないお薬が開発されました。中枢作用も少なく、このお薬を「第二世代」と呼んでいます。

第二世代抗ヒスタミン薬の中でもアレグラは、中枢神経に移行しにくいため、抗ヒスタミン作用による眠気や太るといった副作用が少ないです。現在発売されている抗ヒスタミン薬の中では、副作用が最も少ないお薬のひとつです。

 

2.アレグラの安全性とは?

アレグラは、抗ヒスタミン薬の副作用としての眠気は最も少ないです。その他も含めて安全な薬として多くの人に処方されています。

国内・外でのアレグラの臨床試験において、総症例6,809例(国内1,060例、海外5,749例)中、1,093例(16.1%)に副作用が認められました。主な副作用は頭痛310例(4.6%)、眠気158例(2.3%)、嘔気83例(1.2%)と報告されています。

最も多い副作用は頭痛ですが、実は花粉症でも頭痛になることがあります。そのためアレグラの副作用か花粉症の症状かはわからないことが多いです。また元々頭痛持ちの人は、花粉症のストレスで頭痛が発生することも多いです。いずれにしろ、アレグラの副作用のせいで重度の頭痛が生じるというのはほぼないです。

また添付文章では、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

と記載されています。これは妊婦で安全に投与されるお薬のほぼすべてに記載されている文章です。動物実験(ラット)では、アレグラによる奇形は認められていませんでした。このため、妊婦でも使うことができます。

一方で授乳中の婦人には、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されています。このため添付文章上は、以下のように記載されています。

授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。

赤ちゃんがアレグラの成分を服用したことによる問題は起こっていません。授乳は避けられるものという考えから、添付文章上は勧められていません。実際のところは、自己判断で服用されている方も多いと思います。

 

3.アレグラの副作用-眠気

アレグラは他のお薬と比較しても眠気が少ないと言われていますが、0ではありません。運転する際は気を付けましょう。

アレグラは眠気の少ないお薬として有名で、添付文章では運転に関する注意喚起もされていません。しかし先ほどの報告でも、100人に投与したら1~2人は眠気が出現していました。

実際私も処方してみると、アレグラを飲んだら眠気がすごく出たという患者さんもいます。そのためアレグラを飲み始める方は、自分が眠くならないかどうか確認してから運転してください。

よく使われる第二世代抗ヒスタミン薬の効果と眠気について比較してみましょう。

よく使われる第二世代抗ヒスタミン薬の強さと眠気をまとめました。

このように見てみると、アレグラとクラリチンでは眠気が少ないことが分かると思います。車の運転に関する注意の記載が添付文章にないのも、この2つのお薬になります。しかしながら効果を見ると、どうしても弱くなってしまうのです。

副作用による眠気の強さは、脳内にお薬がどれくらい移行するかで差が出てきます。このことを脳内ヒスタミン受容体占有率といいます。アレグラは脳内ヒスタミン受容体占有率が5%前後と、抗ヒスタミン薬の中で最も少ないと報告されています。この中で一番多いのが、ジルテックの23%です。

それでも第一世代と比べると抑えられており、第一世代の中で最も脳内ヒスタミン受容体占有率が少ないポララミンでも50%を超えています。第二世代がいかに眠気が抑えられているかがわかるかと思います。

しかしこれは一般論であって、人によって眠気が出るか出ないかは全く違います。それぞれのお薬の臨床試験での眠気の頻度をみてみましょう。眠気が少ない順に並べてみると以下のようになります。

お薬によって臨床試験が行われている状況が違うので、この結果から比較することはできません。しかしながら、眠気が少ないと言われているアレグラでも眠気が認められることがあることは注意が必要です。

 

それでは、アレグラで眠気が認められた場合はどうすればよいでしょうか?その方法としては大きく3つあります。

  1. 何とかなるならば慣れるのを待つ
  2. 他の抗ヒスタミン薬を試す
  3. ステロイド点鼻薬を使う

抗ヒスタミン作用による眠気は、時間と共に慣れていく部分があります。ですから、何とかなる眠気でしたら1~2週間我慢して様子を見るのも方法です。

眠気が生活に支障がある場合は、他の抗ヒスタミン薬に変更することも検討します。アレグラはもっとも眠気が弱いお薬ですが、眠気の感じ方には個人差があります。クラリチン・エバステル・アレジオン・ザイザル・タリオンあたりは試してみる価値があります。

どうしても抗ヒスタミン薬で眠気が出てきてしまう方は、ステロイド点鼻薬を使っていくのも方法です。点鼻薬でしたら、眠気の副作用はまず認められません。

 

4.アレグラの副作用-太る

アレグラの副作用で体重が太ったという報告はありません。

若い女性には気になる副作用として、「太る」ということがあげられます。アレグラで太ってしまうのでは?と心配される方もいらっしゃいます。

インターネットなどで調べると、「抗ヒスタミン薬は太る」といった情報があふれているためです。確かに抗ヒスタミン薬は食欲が増加する副作用があります。しかしながらその抗ヒスタミン作用とは、中枢神経での抗ヒスタミン作用です。

花粉症治療に使われる抗ヒスタミン薬は、中枢神経には作用しないようになっております。特に第二世代抗ヒスタミン薬は、その特徴が顕著です。さらにアレグラは、第二世代の中でも脳内ヒスタミン受容体占有率が5%前後と最も少ないお薬です。

アレグラは脳内にお薬が移行しにくいので、中枢神経である脳への作用が非常に少ないです。このため、食欲増加などの副作用はほとんど認められません。

 

実際にアレグラの添付文章でも、体重増加は書かれていません。他の第二世代の抗ヒスタミン薬でも、0.1%以下の頻度となっています。さらに脳への移行が多い第一世代でも、副作用の添付に体重増加が書かれているものはほとんどありません。このように見ていくと、アレグラを内服して太る心配はしなくてよいと考えられます。

アレグラがよく使われる花粉症の時期は、別れと出会いで歓送迎会が多い季節です。そういった時に食べすぎない、飲みすぎないように気を付けたほうが大切かと思います。

 

まとめ