アレジオンの副作用と安全性

アイコン 2016.3.27 アレジオン

アレジオンは第二世代の抗ヒスタミン薬です。

抗ヒスタミン薬とは、過剰に分泌されるヒスタミンをブロックすることで、アレルギー症状を抑えるお薬です。抗ヒスタミン薬は眠気の副作用が問題になることが多いですが、アレジオンは第二世代の中でも少ないです。

アレジオンは、多くの方が花粉症の治療薬として手放せないお薬になります。最近は市販薬としてアレジオン10、アレジオン20も登場しました。市販薬として気軽に買えるお薬ですが、副作用は大丈夫なのでしょうか?そもそも安全なのでしょうか?気になるところですよね。

ここでは、アレジオンの副作用と安全性についてまとめていきたいと思います。

 

1.アレジオンの副作用の特徴

第二世代は第一世代に比べるとヒスタミンだけに作用するようにできていて、中枢への作用も少なくなっています。このため、アレジオンでは眠気や口の渇きなどの副作用が軽減されています。

アレジオンは第二世代の抗ヒスタミン薬に分類されています。

抗ヒスタミン薬は、ヒスタミン受容体をブロックすることでアレルギー反応を抑えて効果を示します。しかしながらヒスタミンは、実は全身に色々なところで活躍しています。

脳では神経伝達物質として情報の橋渡しをしていますが、抗ヒスタミン薬によって脳での働きがブロックされてしまうと、中枢神経が抑制されて眠気が出現します。

また抗ヒスタミン薬は、抗コリン薬と似ている部分があります。このためアセチルコリン受容体をブロックしてしまい、便秘・口渇・尿閉といった抗コリン作用が起きることもあります。そのため抗コリン薬が禁忌である緑内障患者や前立腺肥大患者には、抗ヒスタミン薬も禁忌とされていました。

このように、副作用がかなり強いのが発売当初の抗ヒスタミン薬でした。こうした強い副作用のお薬を「第一世代」と呼んでいます。

1980年代になると、ヒスタミン受容体のみをブロックして、アセチルコリンの受容体をほぼブロックしないお薬が開発されました。中枢作用も少なく、このお薬を「第二世代」と呼んでいます。

アレジオンは第2世代の中では、効果も副作用も中程度でバランスがとれているお薬です。スタンダードな抗ヒスタミン薬としてアレジオンはよく使われていて、効果や副作用をみて合わないと感じたら他のお薬に変更するのが一般的です。

 

2.アレジオンの安全性とは?

アレジオンは眠気が1%出ます。そのため運転する際は注意が必要です。

アレジオンの使用成績調査での調査症例8,443例中、副作用が報告された症例は263例(3.12%)でした。

主な副作用は眠気102件(1.21%)、口渇28件(0.33%)、倦怠感27件(0.32%)、胃部不快感17件(0.20%)、嘔気15件(0.18%)でした。

アレジオンは抗ヒスタミン薬の中でも、中等度の眠気が出現する薬です。そのため運転する際は注意が必要との記載があります。アレジオン内服中は運転は禁止というわけではないですが、眠くなるリスクがあると認識しておくのがとても大切になります。

疲れていたり、お酒を飲みすぎた場合、アレジオンの眠気が強く出るという報告もあるので、普段はアレジオンを飲んでても眠くならない人も注意が必要です。(これはアレジオン飲んでる、飲んでない関係ないかもしれませんが・・・。)

また添付文章では、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

と記載されています。これはほぼすべてのお薬に記載されている文章です。動物実験(ラット)では、妊娠初期にアレジオンを高用量投与するとによって奇形が認められましたが、通常量では問題ないと判断されています。

一方で授乳中の婦人には、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されています。このため添付文章上は、以下のように記載されています。

授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。

赤ちゃんがアレジオンの成分を服用したことによる問題は起こっていません。授乳は避けられるものという考えから、添付文章上は勧められていません。

ですから医師の立場としては、添付文章にこう書かれている以上はお勧めしないとしか言えないでしょう。実際のところは、自己判断で服用されている方も多いと思います。

 

3.アレジオンの副作用-眠気

アレジオンは抗ヒスタミン薬でも中等度の眠気が出現します。

よく使われる第二世代抗ヒスタミン薬の効果と眠気について比較してみましょう。

第二世代抗ヒスタミン薬の効果と眠気の比較して一覧しました。

このように見てみると、アレジオンは眠気が中等度認められます。そのため車を運転する職業の方は、眠気が少ないアレグラとクラリチンの方が良いと思います。車の運転に関する注意の記載が添付文章にないのも、この2つのお薬になります。

副作用による眠気の強さは、脳内にお薬がどれくらい移行するかで差が出てきます。このことを脳内ヒスタミン受容体占有率といいます。アレジオンは脳内ヒスタミン受容体占有率が8%前後と、抗ヒスタミン薬の中では少ないと報告されています。中央に位置する抗ヒスタミン薬の中で一番占有率が高いのは、ジルテックの23%です。

それでも第一世代と比べると抑えられており、第一世代の中で最も脳内ヒスタミン受容体占有率が少ないポララミンでも50%を超えています。第二世代がいかに眠気が抑えられているかがわかるかと思います。(※ザジテン・レミカット・セルテクトは50%を超えていて、第一世代と第二世代の中間のようなお薬です)

しかしこれは一般論であって、人によって眠気が出るか出ないかは全く違います。それぞれのお薬の臨床試験での眠気の頻度をみてみましょう。眠気が少ない順に並べてみると以下のようになります。

お薬によって臨床試験が行われている状況が違うので、この結果から比較することはできません。しかしながら、眠気が少ないと言われているアレグラ・クラリチンとアレジオンの違いは、実際には1%程度しかありません。

この表はあくまでも参考であって絶対ではないのでアレグラで眠くなったからアレジオンはもっと眠くなると決められるわけではないことに注意しましょう。実際に私の外来でも朝にアレグラ飲む方が眠くなる気がするといってアレジオンの方が良いという患者さんもいました。

 

それでは、アレジオンで眠気が認められた場合はどうすればよいでしょうか?その方法としては大きく3つあります。

  1. 何とかなるならば慣れるのを待つ
  2. 他の抗ヒスタミン薬を試す
  3. 抗ヒスタミン薬以外の薬を使う

抗ヒスタミン作用による眠気は、時間と共に慣れていく部分があります。ですから、何とかなる眠気でしたら1~2週間我慢して様子を見るのも方法です。

眠気が生活に支障がある場合は、他の抗ヒスタミン薬に変更することも検討します。眠気の感じ方には個人差があります。アレグラ・クラリチンが一般的には眠気の副作用が弱いといわれていますが、効果も弱くなってしまう可能性があります。症状が強い人はエバステル・ザイザル・タリオンなどに変えるのも良いと思います。

どうしても抗ヒスタミン薬で眠気が出てきてしまう方は、抗ヒスタミン薬の内服にこだわる必要はありません。内服は確かに目と鼻の両方に効くので便利ではありますが、眠気が気になるのであればステロイド点鼻薬や抗ヒスタミンの点眼薬という局所の治療に切り替えることもできます。点鼻薬や点眼薬なら眠気の副作用はまず認められません。

内服薬でもロイコトリエン拮抗薬(商品名:オノン・シングレア・キプレス)やTh2サイトカイン阻害薬 (商品名:アイピーディー)といったものがあるので、試してみると良いかもしれません。

 

4.アレジオンの副作用-太る

アレジオンの副作用で体重が太ったという報告はありません。

若い女性には気になる副作用として、「太る」ということがあげられます。アレジオンで太ってしまうのでは?と心配される方もいらっしゃいます。

インターネットなどで調べると、「抗ヒスタミン薬は太る」といった情報があふれているためです。確かに抗ヒスタミン薬は食欲が増加する副作用があります。しかしながらその抗ヒスタミン作用とは、中枢神経での抗ヒスタミン作用です。

花粉症治療に使われる抗ヒスタミン薬は、中枢神経には作用しないようになっております。特に第二世代抗ヒスタミン薬は、その特徴が顕著です。さらにアレジオンは、第二世代の中でも脳内ヒスタミン受容体占有率が8%前後と最も少ないお薬です。

アレジオンは脳内にお薬が移行しにくいので、中枢神経である脳への作用が非常に少ないです。このため、食欲増加などの副作用はほとんど認められません。

実際にアレジオンの添付文章でも、体重増加は書かれていません。他の第二世代の抗ヒスタミン薬でも、0.1%以下の頻度となっています。さらに脳への移行が多い第一世代でも、副作用の添付に体重増加が書かれているものはほとんどありません。このように見ていくと、アレジオンを内服して太る心配はしなくてよいと考えられます。

アレジオンがよく使われる花粉症の時期は、別れと出会いで歓送迎会が多い季節です。そういった時に食べすぎない、飲みすぎないように気を付けたほうが大切かと思います。

 

5.アレジオンの飲み合わせで問題になるものは?

アレジオンは併用していけないものはありません。ただし風邪薬には抗ヒスタミン薬が含まれるものがあり注意が必要です。

アレジオンの添付文書には併用してアレジオンの血中濃度が上がったり、下がったりするものはないことが記載されています。そのため眠前に他のお薬を内服している人でも安心してアレジオンを内服することができます。

ただし注意しなければいけないのは、風邪薬を内服したときです。風邪をひいたときに鼻水がでて苦しむこともあると思います。実は、鼻水を止める作用がある薬は数少ないのです。そのため鼻炎症状を抑えるために風邪薬には抗ヒスタミン薬が含まれてることが多いのです。

例えば感冒の時多く出されるPL顆粒には、メチレンジサリチル酸プロメタジンという抗ヒスタミン薬が使用されています。他にも市販薬の風邪薬には、

といった抗ヒスタミン薬が加えられています。具体的に使用されている市販薬は、

などがあります。しかしながらこの抗ヒスタミン薬は、アレジオンの主成分であるエピナスチンとは違ったものです。人間の体は複雑ですので、違った抗ヒスタミン薬を一緒に摂取したからといって、効果や副作用が足し算や掛け算のように倍増するものではありません。

しかしながら、「アレジオン内服中に風邪薬を飲んでも眠くならないか?」というのはまた別問題です。

そもそも感冒薬単体に含まれている抗ヒスタミン薬で眠くなる人もいるでしょう。また重度の風邪をひいてる人は、体力が消耗されてそれだけで眠くなる人もいます。風邪薬は風邪の症状を和らげる効果はありますが、風邪を早く治すものではありません。

アレジオンと風邪薬の組み合わせで眠気を心配する人は、薬の飲み合わせの前に風邪の治療をしっかりと考えてみてください。

詳しく知りたい方は、「風邪を早く治す方法とは?」をお読みください。

 

6.アレジオン内服中にアルコールはいいの?

アルコールを摂取することでアレジオンの効果が落ちることはないですが、アルコールを摂取しすぎると花粉症自体が悪化することがあります。

飲み合わせで注意がなければアレジオンとアルコールも問題ないのか気になる方もいるかと思います。

特に花粉症シーズンは出会いや別れの多い季節で送迎会が多い季節です。飲み会が多い中、アレジオンを飲みながらお酒を飲んでもよいのか気になるところですね。

アルコールについては、添付文章には注意の記載がありません。だからといって、アレジオン服用しているときに飲酒してよいのでしょうか?花粉症の治療という観点も含めて、アレジオンと飲酒について考えていきたいと思います。

あまりやられる方はいないと思いますが、アレジオンをお酒で服用するのは避けてください。アレジオンの主成分であるエピナスチンは、エタノールやメタノールといったアルコールに溶けやすい性質があります。そのためお酒と一緒に摂取することで、早く血中濃度が上がってしまいます。頭痛や眠気の副作用がでたり、薬の持続しなくなってしまうことが予想されます。

一方で、アレジオンを内服後にアルコールを摂取したからといって効果が大きくかわることはありません。ただしアルコールを飲みすぎると、花粉症のアレルギー症状が強くなることがあります。

アルコールの血管拡張作用によって、目の充血やかゆみ、鼻づまりやかゆみが悪化することがあります。その結果としてアレジオンの効果が感じなくなる可能性はありますので、アルコールの飲みすぎには注意が必要です。

 

まとめ

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