デザレックスの副作用と安全性

アイコン 2016.11.24 デザレックス
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デザレックスは、クラリチンの改良されたお薬として2016年11月に発売された新しい抗ヒスタミン薬です。

抗ヒスタミン薬とは、過剰に分泌されるヒスタミンをブロックすることで、アレルギー症状を抑えるお薬です。抗ヒスタミン薬は眠気の副作用が問題になることが多いですが、デザレックスはクラリチン同様眠くなりにくいお薬です。

その他クラリチンは、CYP3A4を介して効果を発揮したお薬ですが、デザレックスは直接効果を発揮するため飲み合わせが悪いお薬が少ないと言われています。

副作用の少なさがデザレックスの売りですが、効果はマイルドな抗ヒスタミン薬です。症状がひどい方では効果が乏しいことがあります。

ここでは、デザレックスの副作用と安全性についてまとめていきたいと思います。

 

1.デザレックスの副作用の特徴

第二世代は、第一世代に比べるとヒスタミンだけに作用するように作られていて、中枢への作用も少なくなっています。このため、デザレックスでは眠気や口の渇きなどの副作用が軽減されています。

デザレックスはクラリチン同様、第二世代の抗ヒスタミン薬に分類されています。

抗ヒスタミン薬は、ヒスタミン受容体をブロックすることでアレルギー反応を抑えて効果を示します。しかしながらヒスタミンは、実は全身に色々なところで活躍しています。

脳では神経伝達物質として情報の橋渡しをしていますが、抗ヒスタミン薬によって脳での働きがブロックされてしまうと、中枢神経が抑制されて眠気が出現します。

また抗ヒスタミン薬は、抗コリン薬と似ている部分があります。このためアセチルコリン受容体をブロックしてしまい、便秘・口渇・尿閉といった抗コリン作用が起きることもあります。そのため抗コリン薬が禁忌である緑内障患者や前立腺肥大患者には、抗ヒスタミン薬も禁忌とされていました。

このように、副作用がかなり強いのが発売当初の抗ヒスタミン薬でした。こうした強い副作用のお薬を「第一世代」と呼んでいます。

1980年代になると、ヒスタミン受容体のみをブロックして、アセチルコリンの受容体をほぼブロックしないお薬が開発されました。中枢作用も少なく、このお薬を「第二世代」と呼んでいます。

デザレックスは第二世代の中では、もっとも眠気の副作用が少ないお薬のひとつです。しかしながら効果も弱いため、症状が比較的軽い方に向いている抗ヒスタミン薬です。

 

2.デザレックスの安全性とは?

デザレックスは、クラリチン同様眠気の副作用が少なく、車の運転に関する注意の記載も添付文書にありません。

実際のデザレックスのアレルギー性鼻炎及び慢性蕁麻疹を対象とした試験において、505例中20例(4.0%)に副作用が認められました。主な副作用は、

となっています。デザレックスは眠気の副作用が少ないと言われているお薬ですが、実際に0ではないので注意が必要です。

なおデザレックス改良前のクラリチンは使用成績調査での調査症例1,653例中、副作用が報告された症例は173例(10.5%)でした。主な副作用は、

となっています。直接比較したわけではないので、これだけでクラリチンの方が眠気が多いとは言えません。いずれにしろ、デザレックスとクラリチンを服用中の自動車運転における影響をみた試験では、運転能力に影響は及ぼさないという結果がでています。

そのため、他の抗ヒスタミン薬の様な自動車運転などの注意喚起の文章がありません。

また添付文書では、以下のように記載されています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与を避けることが望ましい[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

これはお薬のほぼすべてに記載されている文章です。デザレックスの動物実験(ラット・ウサギ)では奇形は発生しませんでしたが、ラットでデザレックス成分の胎児への移行が認められています。

一方で授乳中の婦人には、乳汁中へ移行することが報告されています。このため添付文書上は、以下のように記載されています。

[授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。]

これまで、赤ちゃんがデザレックスの成分を服用したことによる問題は起こっていません。授乳は避けられるものという考えから、添付文書上は勧められていません。

ですが医師の立場としては、添付文書にこう書かれている以上はお勧めしないとしか言えないでしょう。実際のところは、自己判断で服用されている方も多いと思います。

 

3.デザレックスの副作用-眠気

デザレックスは、抗ヒスタミン薬ではもっとも眠気の出現しにくいお薬です。

よく使われる第二世代抗ヒスタミン薬の効果と眠気について比較してみましょう。

第二世代抗ヒスタミン薬の効果と眠気の比較して一覧しました。

クラリチンの改良版のデザレックスは左下のクラリチンと全く同じ眠気と効果と考えて良いです。このように見てみると、デザレックスは眠気が出現しにくいとされています。現時点では眠気が記載されていないお薬は、

副作用による眠気の強さは、脳内にお薬がどれくらい移行するかで差が出てきます。このことを脳内ヒスタミン受容体占有率といいます。デザレックスはクラリチン同様、脳内ヒスタミン受容体占有率が11%前後と報告されています。中央に位置する抗ヒスタミン薬の中で一番占有率が高いのは、ジルテックの23%です。

それでも第一世代と比べると抑えられており、第一世代の中で最も脳内ヒスタミン受容体占有率が少ないポララミンでも50%を超えています。第二世代がいかに眠気が抑えられているかがわかるかと思います。(※右上に位置するザジテン・レミカット・セルテクトは50%を超えていて、第一世代と第二世代の中間のようなお薬です)

しかしこれは一般論であって、人によって眠気が出るか出ないかは全く違います。

それでは、デザレックスで眠気が認められた場合はどうすればよいでしょうか?その方法としては大きく3つあります。

  1. 何とかなるならば慣れるのを待つ
  2. 他の抗ヒスタミン薬を試す
  3. 抗ヒスタミン薬以外の薬を使う

抗ヒスタミン作用による眠気は、時間と共に慣れていく部分があります。ですから、何とかなる眠気でしたら1~2週間我慢して様子を見るのも方法です。

眠気が生活に支障がある場合は、他の抗ヒスタミン薬に変更することも検討します。眠気の感じ方には個人差があります。デザレックス・クラリチン・アレグラが一般的には眠気の副作用が弱いといわれていますが、効果も弱くなってしまう可能性があります。症状が強い人に一番お勧めなのは、

です。抗ヒスタミン薬で眠気が少ない上に、ザイザルと同じくらいの効果があるといわれています。そのため、非常に注目を集めている抗ヒスタミン薬です。

どうしても抗ヒスタミン薬で眠気が出てきてしまう方は、抗ヒスタミン薬の内服にこだわる必要はありません。内服は確かに目と鼻の両方に効くので便利ではありますが、眠気が気になるのであればステロイド点鼻薬や抗ヒスタミンの点眼薬という局所の治療に切り替えることもできます。点鼻薬や点眼薬なら、眠気の副作用はまず認められません。

内服薬でも、ロイコトリエン拮抗薬(商品名:オノンシングレアキプレス)やTh2サイトカイン阻害薬 (商品名:アイピーディ)といったものがあるので、試してみると良いかもしれません。

 

4.デザレックスの副作用-太る

デザレックスの副作用で体重が太ったという報告はありません。

若い女性の気になる副作用として、「太る」ということがあげられます。デザレックスで太ってしまうのでは?と心配される方もいらっしゃいます。

インターネットなどで調べると、「抗ヒスタミン薬は太る」といった情報があふれているためです。確かに抗ヒスタミン薬は食欲が増加する副作用があります。しかしながらその抗ヒスタミン作用とは、中枢神経での抗ヒスタミン作用です。

花粉症治療に使われる抗ヒスタミン薬は、中枢神経には作用しないようになっています。特に第二世代抗ヒスタミン薬は、その特徴が顕著です。

デザレックスは脳内にお薬が移行しにくいので、中枢神経である脳への作用が非常に少ないです。このため、食欲増加などの副作用はほとんど認められません。

実際にデザレックスの添付文書でも、体重増加は書かれていません。他の第二世代の抗ヒスタミン薬でも、0.1%以下の頻度となっています。さらに脳への移行が多い第一世代でも、副作用の添付に体重増加が書かれているものはほとんどありません。このように見ていくと、デザレックスを内服して太る心配はしなくてよいと考えられます。

デザレックスがよく使われる花粉症の時期は、別れと出会いで歓送迎会が多い季節です。そういった時に食べすぎない、飲みすぎないように気を付けたほうが大切かと思います。

 

5.デザレックスの飲み合わせで問題になるものは?

エリスロマイシンでデザレックスの血中濃度が高まってしまいます。風邪薬などの抗ヒスタミン成分が含まれるお薬にも注意が必要です。

デザレックスは他のお薬と飲み合わせが良いと言われています。クラリチンはCYP3A4という酵素を介して肝臓で代謝されてから効果を発揮するお薬でした。このCYP3A4の効果を増減するお薬は無数にあるために、あまり他のお薬との飲み合わせは良くないのではといわれていました。

ですが実際にはクラリチン自体がマイルドな効果なため、他のお薬と飲み合わせて強い副作用が出たり効果が落ちたということは少なかったです。添付文章でも、

の2つがクラリチンの併用薬としては注意喚起されていました。詳しく知りたい方は、「クラリチンの副作用と安全性」について一読してみてください。

デザレックスはシメチジンが注意喚起から消えて、エリスロマイシン(抗菌薬)が挙げられています。デザレックスを体内で代謝する酵素の働きを抑えてしまうことで、デザレックスの血中濃度が上がってしまうと記載されています。

ほかに、風邪薬には抗ヒスタミン薬が含まれるものがあり注意が必要です。風邪をひいたときに鼻水がでて苦しむこともあると思います。実は、鼻水を止める作用がある薬は数少ないのです。鼻炎症状を抑えるために、風邪薬には抗ヒスタミン薬が含まれてることが多いのです。

例えば感冒の時多く出されるPL顆粒には、メチレンジサリチル酸プロメタジンという抗ヒスタミン薬が使用されています。他にも市販薬の風邪薬には、

といった抗ヒスタミン薬が加えられています。具体的に使用されている市販薬は、

などがあります。しかしながらこの抗ヒスタミン薬は、デザレックスの主成分であるデスロラタジンとは違ったものです。人間の体は複雑ですので、違った抗ヒスタミン薬を一緒に摂取したからといって、効果や副作用が足し算や掛け算のように倍増するものではありません。

しかしながら、「デザレックス内服中に風邪薬を飲んでも眠くならないか?」というのはまた別問題です。

そもそも感冒薬単体に含まれている抗ヒスタミン薬で眠くなる人もいるでしょう。また重度の風邪をひいてる人は、体力が消耗されてそれだけで眠くなる人もいます。風邪薬は風邪の症状を和らげる効果はありますが、風邪を早く治すものではありません。

デザレックスと風邪薬の組み合わせで眠気を心配する人は、薬の飲み合わせの前に風邪の治療をしっかりと考えてみてください。

詳しく知りたい方は、「風邪を早く治す方法とは?」をお読みください。

 

6.デザレックス内服中にアルコールはいいの?

アルコールを摂取することでデザレックスの効果が落ちることはないですが、アルコールを摂取しすぎると花粉症自体が悪化することがあります。

飲み合わせで注意がなければデザレックスとアルコールも問題ないのか気になる方もいるかと思います。

特に花粉症シーズンは出会いや別れの多い季節で送迎会が多い季節です。飲み会が多い中、デザレックスを飲みながらお酒を飲んでもよいのか気になるところですね。

アルコールについては、添付文書には注意の記載がありません。

デザレックスを内服後にアルコールを摂取したからといって効果が大きくかわることはありません。ただしアルコールを飲みすぎると、花粉症のアレルギー症状が強くなることがあります。

アルコールの血管拡張作用によって、目の充血やかゆみ、鼻づまりやかゆみが悪化することがあります。その結果としてデザレックスの効果が感じなくなる可能性はありますので、アルコールの飲みすぎには注意が必要です。

 

まとめ