デザレックス錠(デスロラタジン)の効果と特徴

アイコン 2016.11.23 デザレックス
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デザレックス錠(デスロラタジン)は、2016年9月28日にMSD株式会社で製造承認された新しい抗ヒスタミン薬になります。デザレックスは、11月より杏林製薬株式会社から発売されています。

デザレックスは、2002年に発売されたクラリチンの改良版となります。クラリチンの主成分であるロラタジンを改良したデスロラタジンを主成分としています。海外では2001年より、CLARINEX(クラリネックス)として発売されていました。つまり日本では、海外より15年ほど遅れて登場したことになります。

抗ヒスタミン薬とは、アレルギーのときに過剰に分泌されるヒスタミンをブロックすることで、アレルギー症状を抑える効果が期待できるお薬です。

ここでは、デザレックス錠について効果と特徴をお伝えしていきます。クラリチンと比較しながら、デザレックス錠の位置づけをみていきましょう。

 

1.デザレックスの効果の特徴とは?

<メリット>

<デメリット>

デザレックスの前身のクラリチンの特徴は、「眠気の副作用が少ないけれども効果がマイルド」なことです。第二世代の抗ヒスタミンの中でも、眠気は非常に少ない抗アレルギー薬でした。しかしながらその分、効果はマイルドになってしまうのです。

ほとんどすべての抗ヒスタミン薬では、「運転や危険作業を禁止する」「慎重に行うこと」といった添付文章上の記載があります。現時点で発売されている抗ヒスタミン薬の中では、運転に関する記載がないお薬は、

です。よくクラリチンと比較されていたのがアレグラです。アレグラとクラリチンの違いは、アレグラが一日2回の内服に対して、クラリチンが1回で済むところです。

このようなクラリチンを改良されて作られたのがデザレックスです。クラリチンはプロドラッグとして、主成分であるロラタジンがCYP3A4によってデスロラタジンに代謝されて薬効を発揮していました。

デザレックスは代謝された後のデスロラタジンを直接内服することで、即効性を求めたお薬です。さらに即効性だけではなく、持続性も高いお薬です。

また、CYP3A4に影響するお薬は多く、クラリチンは飲み合わせが悪いお薬が多いといわれていました。デザトレックスはCYP3A4を関与しないため、飲み合わせが悪いお薬が少ないともいわれています。

また食事の影響も受けないとされています。そのため食後・食間・眠前どのタイミングでも、デザレックスは内服可能なお薬です。

クラリチンと同じようなプロドラッグとしては、ロキソニンが有名です。ロキソニンは解熱鎮痛薬として多くの疾患に使われますが、この痛みや熱を抑える物質が胃腸を荒らすことから、プロドラックとして体内に吸収されてから物質が変わることで胃腸障害の副作用を減らす効果がありました。

一方でデスロラタジンは胃腸を荒らす副作用がないため、プロドラックにする意義はあまりなかったです。そういった背景から、直接デスロラタジンを投与することになります。つまりクラリチンからデザレックスにすることで、効果や副作用の面でのデメリットはありません。

ただし効果がマイルドな点は引き継がれているので、注意が必要です。

 

2.デザレックスの適応疾患と用量・用法

成人の場合、デザレックス5mgを1日1回眠前に内服します。

デザレックスは承認されたばかりのお薬のため、剤形は1つだけしか発売されていません。

という錠剤のみの発売となります。クラリチンでは、

などの剤型が発売されていることから、将来的には他の剤型も発売されるかもしれません。デザレックスが最もよく使われるのは、花粉症の治療薬としてでしょう。正確にいうと、花粉に対するアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎です。

その他は、蕁麻疹や湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症やアトピー性皮膚炎に伴うかゆみなどで使われることがあります。これらの皮膚の病気は、ヒスタミンが発生することでかゆみが認められます。これを抑える目的で、デザレックスが使われることがあります。

内服方法としては錠剤の場合は、

となっています。なお現時点では、12歳以上となっています。つまり11歳以下の方はまだ使用できないので、注意が必要です。

デザレックスは、最高血中濃度到達時間(Tmax)が3時間となっています。クラリチンが1.2時間のため、デザレックスは最高血中濃度に達する時間がやや延長しています。

しかしクラリチンはCYP3A4に代謝されてから効果を発揮するため、単純に最高血中濃度到達=効果発現時間とは言いづらいです。実際の効果発現時間は、デザレックスが3時間に対してクラリチンは4時間といわれています。

血中濃度半減期(T1/2)は、デザレックスは27時間です。クラリチン7.8時間のため、3倍以上血中半減期が伸びています。血中半減期が長いということは、効果の持続時間が長いことを示します。

デザレックスの血中半減期が非常に長いのは、H1受容体親和性が非常に高いためです。デザレックスはクラリチンの100倍以上H1受容体の親和性が高いと言われています。

 

3.デザレックスの薬価は?

デザレックスはクラリチンよりも先発品では安いと言われています。

クラリチンを改良して登場したデザトレックスですが、気になるのは薬価です。気になる薬価ですが

<デザトレックス>

商品名 剤形 薬価 3割負担
デザレックス錠 5mg 69.4円 20.8円

※2016年11月18日時点となります。

ちなみにクラリチンの薬価ですが

<先発品>

商品名 剤形 薬価 3割負担
クラリチン錠 10mg 86.7円 26.0円
クラリチンレディタブ錠 10mg 86.7円 26.0円
クラリチンドライシロップ 1%  182.8円/g 54.8円

<後発品>

商品名 剤形 薬価 3割負担
ロラタジン錠 10mg 44.7円 13.4円
ロラタジンレディタブ錠 10mg 44.7円 13.4円
ロラタジンドライシロップ 1%  100円/g 30.0円

※2016年11月18日時点となります。

となります。このように先発品だと、クラリチンよりデザレックスの方が安くなります。これは、クラリチンの半分の量でデザレックスが効果があるためだと言われています。ただしジェネリック医薬品であるロランタジンと比較すると、薬価はデザレックスが高くなってしまいます。

 

4.第二世代抗ヒスタミン薬でのデザレックスの位置づけ

デザレックスは眠気は少ないですが、効果の強さもマイルドになります。

それでは、第二世代抗ヒスタミン薬の中ではデザレックスはどのような位置づけになるでしょうか。代表的な第二世代抗ヒスタミン薬を比較して表にしたのでご覧ください。

第二世代抗ヒスタミン薬の効果と眠気の比較して一覧しました。

※薬理学的なデータに加えて、私の使用経験を踏まえて作成しました。人によって薬の効き方も異なります。

クラリチンの改良版であるデザレックスは、クラリチンと比較すると即効性が早くなり、持続時間が長くなりました。しかしデザレックスは、効果と眠気はクラリチンと全く変わりはありません。そのため左下のクラリチンと同じ立ち位置と考えていただければよいと思います。

これをみていただくと、デザレックスは眠気が少ないかわりに効果がマイルドなことがお分かりいただけると思います。実際に改良されたデザレックスは効果は、かなりマイルドと言われています。

蕁麻疹に対してデザレックスとザイザルを比較した論文が、2009年の海外論文に掲載されていますが、ザイザルの方が効果が高いという結果になりました。

また抗ヒスタミン薬は、鼻炎・鼻づまり・鼻の痒み・くしゃみ・眼の炎症や痒み・涙などの症状に効果があると言われています。鼻閉に対しては効果が弱いと言われています。2006年のAnn Allergy Asthma Immunolの論文では、他の抗ヒスタミン薬とデザレックスを比較したら、なんと偽薬とデザレックスは同じ効果しかないとなってしまいました。

効果が同じくマイルドと言われているアレグラとデザレックスを比較したら、同じ程度としている2006年のAllergy Asthmaの論文もあるため、効果がないわけではないでしょうが、デザレックスはかなり弱いと考えられています。そのためクラリチンが効かないからといってデザレックスに変更しても、効果はあまり変わらない可能性が高いです。

現在主流で使われている第二世代抗ヒスタミン薬は、左下から真ん中にかけてのお薬です。デザレックスの効果が不十分で効かないときは、真ん中の方の薬を使っていきます。ただし近年、眠気が少ない上に効果がある左真ん中のビラノアが発売されて注目を集めています。

右上の方のお薬は第二世代抗ヒスタミン薬には分類されますが、第一世代に近いお薬です。効果が強いのですが、中枢のヒスタミンもブロックされて眠気も強いです。効果が不十分な時に検討されます。

 

5.デザレックスが向いている人とは?

デザレックスの特徴を一言で言えば、「効果も副作用もマイルドな抗ヒスタミン薬」と言えます。それではどのような方に向いているのかを考えていきましょう。

まずクラリチンで効果を認めていた方は良い適応です。同じ主成分であるデスロラタジンがデザレックスも効果を発揮するためです。クラリチンでも全く問題ない人は変更する必要はないですが、そこから即効性や持続時間を求める人は良い適応になります。

またクラリチンやデザレックスが最もよく使われている理由は、その眠気の少なさです。タクシーやトラックなどの運転が主とする仕事の方や、重機を扱ったり危険な薬品を扱ったりする方には向いています。

それ以外にも、絶対に眠気は勘弁したい方にはよいでしょう。ただし効果はマイルドなので、症状をしっかりとコントロールできないのでしたら無理せずに、もう少し効果の強い抗ヒスタミン薬に変更するようにしましょう。

近年、眠気が少ない上にザイザルと同じくらい効果が高いと言われているビラノアが出てきています。そのため、単純に眠気を避けるだけなら効果が高いビラノアの方が良いかもしれません。

ビラノアよりデザレックスが優れている点としては、食事に影響しない点が挙げられます。ビラノアは食後に内服すると効果が半分くらい低下するのに対して、デザレックスは食後・食前・食間と、いつ内服しても全く問題ありません。

そのため、食後などに内服したいなどの方はデザレックスの方が向いてると言えます。

 

6.デザレックスの作用の仕組み(作用機序)

デザレックスはどのようにして作用するのでしょうか?デザレックスが最もよく使われる花粉症では、デザレックスがどのように作用するのかをみていきましょう。

 

6-1.花粉症の症状が生じる原因とは?

目や鼻からスギ花粉を外に出そうとする防御反応です。涙や鼻水によって、結果として花粉を目の外から追い出そうとします。

花粉症というのは体が花粉を敵と認識して外に出そうとする防御反応です。その防御反応は以下のようになります。

  1. 花粉(スギ)が体内に侵入。
  2. マクロファージ(体の中の警察官)が異物と認識して花粉を食べる。
  3. マクロファージがT細胞、そしてB細胞とバケツリレーのように花粉の情報を次々に渡す。
  4. 花粉が次に入ってきたときに撃退するために、B細胞がIgEという特殊な爆弾を作り、肥満細胞(体の中の爆弾保管庫)に保管しておく。
  5. 花粉が再び侵入した際に、肥満細胞は保管しておいたIgE爆弾が発射されて花粉にくっつく。
  6. IgEが爆発することをきっかけに、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質(ケミカルメディエーター)が放出される。

このヒスタミンなどの化学物質が目に作用すると、目を刺激してかゆみや充血を生み出します。目のかゆみや充血が起こると、涙が出てきます。涙によって花粉を目の外に追い出そうとするのです。

このヒスタミンが鼻に作用すると鼻を刺激して、くしゃみや鼻水として外に花粉を出そうとするのです。

こうして目や鼻に異常があることを知らせて、体からスギ花粉を守ろうとしているのです。でも花粉は身体にとっては害にはなりません。ほっておけばよいのに、身体が過剰に反応してしまうアレルギーの病気なのです。

 

6-2.デザレックスの作用機序

主に抗ヒスタミン薬として、ヒスタミンの働きをブロックすることでアレルギー反応を抑えます。

デザレックスの主成分はデスロラタジンであり、第2世代の抗ヒスタミン薬になります。

ヒスタミンを阻害するということは、先ほどの説明でいうところの⑥の作用を邪魔します。④や⑤で出てくるIgEや肥満細胞を邪魔しても、すでにヒスタミンがたくさん作られた後では効果が期待しづらいです。速効性を求めるのであれば、直接目や鼻の症状を引き起こすヒスタミンをブロックする必要があるのです。

このようにデザレックスは、ヒスタミンが受容体と結合するのをブロックすることによってアレルギー症状を抑えているのです。

 

まとめ

<メリット>

<デメリット>

<向いてる方>