ジルテックの先発品・ジェネリック・市販薬の比較

アイコン 2016.5.18 ジルテック

ジルテック錠は、1998年にグラクソ・スミスクライン製薬会社が発売された蕁麻疹や花粉症に使われる抗ヒスタミン薬になります。

現在は眠気の成分だけを取り除いたザイザルが2010年に発売されたため、ジルテックが処方されることは少なくなりました。

しかしジルテックは昔からある薬のため、ジェネリック医薬品であるセチリジン塩酸塩錠が発売されています。さらには市販薬として、コンタック鼻炎Z・ストナリニZ・コンタック600プラスなどにも有効成分として含まれています。これらは第1類医薬品のため、薬剤師がいるドラッグストアや薬局で購入が可能です。

抗ヒスタミン薬はアレグラやアレジオンなども市販薬で発売されています。市販薬の中では、ジルテックの市販薬は効果が強いという特徴があります。その反面、眠気も強くなってしまいます。

ここではジルテックの先発品・ジェネリック・市販薬との違いについて、薬価、効果や副作用を比較していきたいと思います。

 

1.ジルテックの適応疾患と用量・用法は?

ジルテックは1回10mgを1日1回、就寝前に服用するお薬です。

ジルテックは、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症に適応があるお薬です。

ジルテックの最高血中濃度は1.4時間、半減期は6.7時間となっています。これは、ジルテックを服用して1.4時間で血中濃度がピークとなり、そこから6.7時間たつと半分の濃度になることを意味します。

こうみると効果が短いように感じますが、ジルテックはヒスタミンH1受容体に強くくっついて、なかなか離れません。血中濃度は低くなってしまっても効果が持続するのです。ですから1日1回の服用でも効果が持続します。

ジルテックの剤形としては、

があります。ジルテックは成人には、1回10mgを1日1回、就寝前に服用します。年齢や症状によって増減させますが、最高投与量は1日20mgとなります。

一方で7歳以上15歳未満の小児には、ジルテック5mgを1日2回、朝食後と就寝前に服用します。2回に分けるのは、血中濃度が安定して副作用が軽減されるためです。

ジルテックのドライシロップの場合は、以下の用法になります。

ジェネリック医薬品であるセチリジンも同様に錠剤とドライシロップがあります。一方で市販薬であるコンタック鼻炎ZやストナリニZは錠剤しかなく、15歳以上でなければ適応が認められていません。

またこのセチリジンを主成分に様々な成分が加わった市販薬として、コンタック600プラスが発売されています。抗ヒスタミン成分に何が加わったかというと、

この中でも特に塩酸プソイドエフェドリンは、2012年に抗ヒスタミン薬のアレグラに加えられて、ディレグラという合剤が発売されました。

ただし効果が強くなったかわりに副作用も強くなるので、コンタック600プラスの漫然と使用しないように注意しましょう。

 

2.ジルテックの薬価比較(先発品・ジェネリック・市販薬)

薬価としては、ジェネリックでは先発品の2割ほどになっています。診察料を含めても、アレジオンの市販薬での治療は高くなります。ジェネリック医薬品を使うのが最も安価です。

ジルテックは先発品の他にジェネリックとしてセチリジン、さらに市販薬としてコンタック鼻炎ZとストナリニZがあります。それぞれの価格ですが

<先発品>

商品名 剤形 薬価
ジルテック錠 10mg 92.2円
ジルテック錠 5mg 72.4円
ジルテックドライシロップ 1.25%(1g) 239.7円

<後発品>

商品名 剤形 薬価
セチリジン塩酸塩錠 10mg 22.1円
セチリジン塩酸塩錠 5mg 16.8円
セチリジンドライシロップ 1.25%(1g) 138.7円

  <市販薬>

商品名 剤形 価格 1日価格
コンタック鼻炎Z 10mg 1728円(10錠) 172.8円(1錠)
ストナリニZ 10mg 1728円(10錠) 172.8円(1錠)
コンタック600プラス カプセル 1550円(20錠) 155円 (2錠)

※2016年5月15日現在の薬価です。

これをもとに、3割負担の人が28日間服用した時の自己負担額で比較してみましょう。

このように計算してみると、圧倒的にジェネリック医薬品の負担が少ないですね。しかしながら病院でお薬をもらうとなると、初診料や処方箋料などが必要になります。自己負担額は初診では1010円、再診では570円になります。花粉症の治療を3か月行ったとすると、診察料で2150円となります。

これを踏まえて比較してみましょう。

このため3か月でみると、ジェネリック医薬品は市販薬で済ませた場合よりも1万以上も経済的になります。

 

3.ジルテックの効果と副作用の比較(先発品・ジェネリック・市販薬)

先発品・ジェネリック・市販薬の効果と副作用は、大きな違いはないと考えられます。

ジルテックをジェネリックや市販薬にするか悩んでいる方は、効果や副作用が同じかどうかが気がかりだと思います。この点について考えていきたいと思います。

まずジェネリック医薬品ですが、有効成分は先発品とまったく同じものを使っています。ですから、効果や副作用の大まかな特徴は同じになります。先発品とジェネリック医薬品の違いは、薬を作るときの製造技術です。ジェネリック医薬品を作る時に求められるのは、薬の吸収・排泄と安定性の2つが先発品と同等であることです。

もちろん多少の誤差はありますが、実際にジェネリックと先発品を比較すると、ほとんど同等といってよいかと思います。

ジルテックの市販薬として正式に発売されているのは、コンタック鼻炎ZやストナリニZになります。どちらも主成分のセチリジン塩酸を同じ量使用しているので、副作用はそこまで強くなることはないでしょう。

気を付けなければいけないのがコンタック600プラスです。プラスというと得した気がしますが、プラスされた分、副作用も加わります。塩酸プソイドエフェドリンという成分が加わったのですが、これは鼻の血管を収縮することで効果を発揮します。ただし全身の血管を収縮することで、副作用もいろいろあります。

医薬品でもこの塩酸プソイドエフェドリンを加えたお薬はディレグラしかなく、最近登場したばかりです。ディレグラを使用するうえで、

  1. 重症の高血圧の人
  2. 重症の心疾患がある人
  3. (狭隅角)緑内障の人
  4. 尿閉のある人

が慎重投与とされています。コンタック600プラスは、この中で尿閉がある人のみ使用できないとなっています。またコンタック600プラスは、胃腸鎮痛薬および他の抗ヒスタミン薬との併用はできないお薬です。コンタック600プラスはそのため、比較的若い方で持病がない人の方が使いやすいお薬だと思います。

市販薬で気を付けていただきたいのは、海外のジェネリック医薬品を販売している通信販売業者です。海外のジェネリックは日本とは基準が異なることもあります。市販薬で購入するならば、コンタックやストナリニZなどにしてください。

 

4.ジルテックの市販薬(コンタック鼻炎ZやストナリニZ)で大丈夫な方とは?

過去にジルテックを使っていても大丈夫だった方で、ジルテックで症状をしっかりコントロールできている方は市販薬で大丈夫です。

ここまで、ジルテックの先発品・ジェネリック・市販薬の比較をしてきました。

ジルテックの市販薬は高いですが、「高くても病院に行く時間がないから市販薬がいい」という方もいらっしゃるかもしれません。医師としては病院にかかって治療を受けていただきたいのですが、市販薬でも大丈夫な方についてお伝えしていきたいと思います。

花粉症の治療で大切なことは、アレルギー症状をしっかりと抑えることです。アレルギー症状を中途半端に引き起こしてしまうと、少しずつアレルギーが酷くなってしまいます。ですから、症状をしっかりとコントロールをした方がよいのです。

ジルテックは眠気が強い分効果も強いため、花粉症の症状が強い方はアレグラEXやアレジオン20より使いやすいかもしれません。しかし副作用が強いことも注意する必要があります。

このことを踏まえると、ジルテックの市販薬(コンタック鼻炎ZやストナリニZ)を使っても大丈夫な方とは、

になります。この2つがクリアできている方は、ジルテックの市販薬でも問題ないといえるでしょう。

一方でコンタック600プラスは、これらの二つに色々な成分が加わったお薬です。しかし、主成分はセチリジン塩酸塩です。コンタック鼻炎Zで効果があってあと一歩の方に使うべきでしょう。あまり効果がない場合は、違うお薬に切り替えた方が得策です。

 

まとめ